我が家のルールを決めよう
自我を取り戻した直後の話
努力は必ず報われると信じていました!
どうも、友季です。
自分に才能が無いことを自覚したのは高校生になってすぐの定期試験だった。
授業をしっかりと聞き、ノートをまとめ、家事をしているとき以外は勉強に時間を割いた。しかし結果は平均かそこいらだった。
こっちは勤勉さくらいしか取り柄が無いというのに成績上位者の大半はリア充で、スポーツも得意で、何一つ勝てる要素が無く、自分が誰かの完全下位互換だと思い知る。……というのは陰の者にはあるあるだと思うのだが、どうだろうか?
特に私が劣等感を感じていたのが、今私にベビードールを着せている男なわけだが。
奴が私の気持ちを知っているのかどうかは分からんが、ニヤニヤと笑みを浮かべているのが嘲笑っているようでムカつく。ふと、私は奴がどんな人生を送っていたのかが気になった。失敗談があれば笑ってやるつもりだ。
「なぁ明臣」
「何?」
「私が高校中退して『あうあうあ〜』とか言っている間、明臣は何をしていたの?」
「え、別に変わったことはしてないと思うよ?留学したり、今は実家の子会社になったけど会社立ち上げたり。そんなかんじ」
「会社!?」
やっぱり、こいつ私とはレベル違うわ。かたや中卒、かたや社長。ここまで差が広がると笑うしかねぇ。惨めさに浸るのもおこがましいわ。ある日突然私が死んでも世の中は変わらねぇんだろうなと考えた時期があったが、久しぶりに実感したぜ。……というか、死んでいるんだった。
「いや、ある程度勝算あったし、結婚式の費用は自分で出したかったからね。急いでお金を作る必要があったんだ。あ、これ当時の写真」
そう言って奴が取り出したアルバムには結婚式に撮られたと思われる写真が何枚も張られていた。そういや、こいつと結婚したんだっけ。……あれ?
「……なんで私車椅子なの?」
写真には白い車椅子に座るウェディングドレスに身を包む私がいた。
「事故の後遺症だよ。っていうか、今も長時間歩くのは禁止だから」
「マジで!?……本当に私の人生滅茶苦茶だな」
起きてからずっとベッドの上だったので自覚がなかった。……言われてみれば成程、ベッドの傍らに車椅子がある。
「精を溜めれば完治するらしいし、大丈夫だよ。むしろ今歩けるだけ回復したほうだからね。……事故直後の写真見る?」
「……やめとく」
「何かほかに質問は?」
「……なんで私と結婚した?メリット無くね?」
「あの生活を続けたかったのは友季だけじゃなかったってことさ」
「他の人は反対しなかったの?」
「俺の実家は有りなんじゃね?ってかんじだった」
「私の両親は?」
「すんなりOK貰えたよ」
「……私は何をすればいい?」
「これまで通り家事かな」
「他には?学校行っていた時間はどうする?」
「別に。ゆっくりしていればいいよ」
「それは社会から爪弾きにされてる気がする。パートでもしてみようかな?」
「あ、駄目。言い忘れてたけどマンションの外に出るの禁止」
「ゑ?」
「正直、例の事故引きずっているんだ」
「お、おう……すまんな」
「それに子供産まれたら忙しくなるだろうし、それまでの休養ということでいいんじゃない」
「了解。あ、買い物はどうする?」
「配達サービス使ってる。俺が受け取っとくから気にしないでOK」
「なるほど。……それじゃあ次の質問なんだけど」
「なに?」
「このベビードール透けすぎじゃない?もっとマシなやつないの?」
「基本的にパーティでしか外行かないからね。あとはドレスくらいかな」
「普通の服ないのかよ!?」
「今度デート用に買っておくよ。デザインは俺の趣味でいい?」
「服にはこだわりないから別にいいけど、買う前に一度見せろ。変なのは着ないからな」
「あとは金銭的な話か。光熱費等の支払いは俺がやっとく。友季のお小遣いの話なんだけど、部屋を箱まみれにしそうだから欲しいものがあるならその都度言って。棚と相談しつつ買うから」
「寮を積みプラまみれにしたのを引きずってやがる……!」
「携帯はお互いの暗証番号を教えておくこと」
「スレまとめか動画サイトくらいしか見ないし、別にいいや」
「あ、それと性行為もばっちりするから」
「今朝早速中に出しやがったしな。妊娠中の性行為ってどうなの?」
「魔物はむしろ推奨だよ。丈夫な子供になるんだってさ」
「マジかよ……」
「……というわけで」
「え、マジ?」
「……」
「あの、目がマジになってますよ?」
「……」
「ちょっパンツ下ろすな!人の股を広げるな!はなせって……アッーーー!」
努力は必ず報われると信じていました!
どうも、友季です。
自分に才能が無いことを自覚したのは高校生になってすぐの定期試験だった。
授業をしっかりと聞き、ノートをまとめ、家事をしているとき以外は勉強に時間を割いた。しかし結果は平均かそこいらだった。
こっちは勤勉さくらいしか取り柄が無いというのに成績上位者の大半はリア充で、スポーツも得意で、何一つ勝てる要素が無く、自分が誰かの完全下位互換だと思い知る。……というのは陰の者にはあるあるだと思うのだが、どうだろうか?
特に私が劣等感を感じていたのが、今私にベビードールを着せている男なわけだが。
奴が私の気持ちを知っているのかどうかは分からんが、ニヤニヤと笑みを浮かべているのが嘲笑っているようでムカつく。ふと、私は奴がどんな人生を送っていたのかが気になった。失敗談があれば笑ってやるつもりだ。
「なぁ明臣」
「何?」
「私が高校中退して『あうあうあ〜』とか言っている間、明臣は何をしていたの?」
「え、別に変わったことはしてないと思うよ?留学したり、今は実家の子会社になったけど会社立ち上げたり。そんなかんじ」
「会社!?」
やっぱり、こいつ私とはレベル違うわ。かたや中卒、かたや社長。ここまで差が広がると笑うしかねぇ。惨めさに浸るのもおこがましいわ。ある日突然私が死んでも世の中は変わらねぇんだろうなと考えた時期があったが、久しぶりに実感したぜ。……というか、死んでいるんだった。
「いや、ある程度勝算あったし、結婚式の費用は自分で出したかったからね。急いでお金を作る必要があったんだ。あ、これ当時の写真」
そう言って奴が取り出したアルバムには結婚式に撮られたと思われる写真が何枚も張られていた。そういや、こいつと結婚したんだっけ。……あれ?
「……なんで私車椅子なの?」
写真には白い車椅子に座るウェディングドレスに身を包む私がいた。
「事故の後遺症だよ。っていうか、今も長時間歩くのは禁止だから」
「マジで!?……本当に私の人生滅茶苦茶だな」
起きてからずっとベッドの上だったので自覚がなかった。……言われてみれば成程、ベッドの傍らに車椅子がある。
「精を溜めれば完治するらしいし、大丈夫だよ。むしろ今歩けるだけ回復したほうだからね。……事故直後の写真見る?」
「……やめとく」
「何かほかに質問は?」
「……なんで私と結婚した?メリット無くね?」
「あの生活を続けたかったのは友季だけじゃなかったってことさ」
「他の人は反対しなかったの?」
「俺の実家は有りなんじゃね?ってかんじだった」
「私の両親は?」
「すんなりOK貰えたよ」
「……私は何をすればいい?」
「これまで通り家事かな」
「他には?学校行っていた時間はどうする?」
「別に。ゆっくりしていればいいよ」
「それは社会から爪弾きにされてる気がする。パートでもしてみようかな?」
「あ、駄目。言い忘れてたけどマンションの外に出るの禁止」
「ゑ?」
「正直、例の事故引きずっているんだ」
「お、おう……すまんな」
「それに子供産まれたら忙しくなるだろうし、それまでの休養ということでいいんじゃない」
「了解。あ、買い物はどうする?」
「配達サービス使ってる。俺が受け取っとくから気にしないでOK」
「なるほど。……それじゃあ次の質問なんだけど」
「なに?」
「このベビードール透けすぎじゃない?もっとマシなやつないの?」
「基本的にパーティでしか外行かないからね。あとはドレスくらいかな」
「普通の服ないのかよ!?」
「今度デート用に買っておくよ。デザインは俺の趣味でいい?」
「服にはこだわりないから別にいいけど、買う前に一度見せろ。変なのは着ないからな」
「あとは金銭的な話か。光熱費等の支払いは俺がやっとく。友季のお小遣いの話なんだけど、部屋を箱まみれにしそうだから欲しいものがあるならその都度言って。棚と相談しつつ買うから」
「寮を積みプラまみれにしたのを引きずってやがる……!」
「携帯はお互いの暗証番号を教えておくこと」
「スレまとめか動画サイトくらいしか見ないし、別にいいや」
「あ、それと性行為もばっちりするから」
「今朝早速中に出しやがったしな。妊娠中の性行為ってどうなの?」
「魔物はむしろ推奨だよ。丈夫な子供になるんだってさ」
「マジかよ……」
「……というわけで」
「え、マジ?」
「……」
「あの、目がマジになってますよ?」
「……」
「ちょっパンツ下ろすな!人の股を広げるな!はなせって……アッーーー!」
18/09/03 00:13更新 / 幼馴染が負け属性とか言った奴出てこいよ!ブッ○してやる!
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