「狐火ちゃーん。どこかな〜。」

　彼女を探して家の中を歩き回り、狐火ちゃんが居そうな場所を見ていくがどこにも見当たらない。
　外ではしとしとと雨が降っていていくら魔物娘が頑丈で病気に強くても自ら濡れに出るなんてことはないだろう。
　そう思い居間や台所、寝室と移動しているのだが気配すら感じられないのだ。
　なぜこんな状態になっているのかというと、ここのところ長雨で外に出ることが出来ずに室内で出来る遊びをやっていた。
　お手玉から始まり、双六、トランプやテレビゲーム。映画鑑賞からセックスまで。
　色々とやっていて今しているのがかくれんぼ。
　鬼が隠れた人を見つけるだけのシンプルなものなのだが・・・。
　正直甘かった。
　妖力の塊である彼女は実体をもっていても物質をすり抜けていけることを忘れていたのだ。
　３０数えた後に動き出したまではいいのだが見つからずに彼此１０分程家の中を行ったり来たりしている。
　小さい頃自分が隠れた場所を手がかりにお風呂場、押入れ、物置にベッドの下と定番の場所を探し。
　軒下やテラス、果ては天井裏まで見ているが一向に見つからない。

　「まさかここまで隠れるのが上手いなんて・・・。」

　予想外の事態に陥り、お手上げ状態のこちらは切り札を取り出すことにした。
　それは小さなスイッチの付いた四角い塊。
　ＯＮとＯＦＦの文字が書かれており、今はＯＦＦになっている。

　「余り使いたくはないけど・・・。仕方ないね。」

　言葉とは裏腹に口端と頬肉は若干上がり、その表情を鏡で見ると自分はとても輝いて見えるだろう。
　もしもの時用に狐火ちゃんに仕込んでおいたものの電源を入れて少し放置しておく。
　あれは家の中全体をカバーしているのでそうそう遠くに行かない限り大丈夫のはずなのだが。

　耳を澄ませてみるが例のブツから聞こえる振動音は届いてこない。
　となると現在の台所からまだ遠いところに居るようだ。
　そう考えるとおもむろにスイッチを一旦切って別の場所へと移動を始める。

　¨なぜ電源を一々切るのかって？¨

　¨決まってるじゃないか。魔力で半永久的に動き続けるから電源の心配はないけど何時くるかわからない刺激に怯えて悶えて声を洩らさないように口を塞ぐ彼女の姿を想像してご覧よ。¨

　¨たまらないでしょ？¨

　¨ドＳ？¨

　¨フヒヒ　サーセン（笑）¨

　足音をわざと立てながら次は居間へとやってきた。
　先程と同じようにスイッチを入れて暫く待っているが反応はなく静かなもんだ。

　「・・・。ここでもないな。どこなのかなぁ〜。」

　どうやら空振りらしいがあまり気落ちはしていない。
　むしろこいつを使えることに心が浮き浮きしている。
　それでもやっぱり当てが外れたのは悔しいのでＯＮとＯＦＦを緩急をつけて切り替え、八つ当たりをするとそのまま次の部屋へと向かっていった。

　廊下へと出て戸を閉めると寝室から何か物音が聞こえてくる。
　探したはずなのにと思いつつ、そちらへと足を進めて中へと入っていく。
　だが、部屋の中には誰もおらず、荒れた形跡もない。
　不思議に思い確認の為に手元のスイッチの電源を入れてると・・・。

　「んんぅ・・・。んぐぅ・・・。」

　くぐもったような喘ぎ声が漏れ、振動音も微かだが耳へと入ってくる。
　どうやらここにいるらしい。
　一旦ＯＦＦ状態にして探す素振りをしながら寝室を歩き回りわざとらしく布団をめくったりベッドを下を覗き込んだりしていき。
　床を軋ませながらゆっくりと焦燥感を呷っていく。

　「ふうぅん・・・。むぅ・・・。んぅ・・・。」

　不定期に電源の入れ切りをして刺激を与えつつ、彼女の中にある見つかりたくないという気持ちを高め。

　「どこかなぁ〜。ここかな〜？」

　違う場所を音を立てて探し、クローゼットの戸や物置の戸を開けて追い詰めている感じを演出しつつ。
　一つ、一つと調べてるふりをして狐火ちゃんへと近づいていき。
　あと少しというところまで近付いた時点で電源を入れっぱなしにした。
　静かで、外で降っている雨とたまに通過する車の音の中に振動音と可愛いくぐもった声が合わさってくる。

　「んんんっ！？んぅ！んむぅ！！むぅ！」

　連続で動き続ける例のブツことローター。
　休み無しで与えられる刺激は全身に電流が走るようできついものがあるだろう。
　股から愛液を洩らして七転八倒してながら健気で必死に身体に染み込んでいく快楽に耐えている狐火ちゃん。

　「ふぐぅ！！あぐぅ！ううぅ！むぐぅぅぅ！！」

　何かを噛んで声が漏れないようにしているのだろうけど・・・。
　可愛い媚声が聞こえてるよ♪

　「あれ〜。見つからないなぁ〜。」

　そう言いつつローターのスイッチをＯＦＦにして準備を始めていく。
　実はこれ電源の入れる切るの他にケダモノモードという素敵仕様があるのだ。
　おさまった状態で安堵しているはずの彼女にこれを使おうと思ってる。
　顔のニヤケは止まらず、今この状態を鏡で見たら先程より輝いて見えるだろうな。

　「しょうがないなぁ〜。」

　などと心にもないことを言い、目盛りを『切』のところから『獣』と書いてあるところへと変えてみると・・・。

　「あああぁぁ！？な、なにこりぇぇぇぇ！！いぎなびぃ！いぎなびぎちゃ！ぎちゃ！らべぇ！！」

　普段耳にしたことのない声がもう一つのクローゼットの中から聞こえてきて。

　「あひぃ！？イグゥ！！あがぁ！イグゥのぉ！！イグのぉがどまりゃなぁぁぁ！！あひぃぃぃ！！」

　プルタブを開けたての炭酸飲料の音がして、戸が開いたかと思うとフローリングの上に白目を向いて舌をだらしなく垂らし。
　涎は口の端から漏れて下半身がグチョグチョの狐火ちゃんが転がり落ちてきた。

　「狐火ちゃん見ぃーつけた。」

　と言っても彼女に聞こえておらず返事もない。
　しかし、この姿は何かそそるものがあるな・・・。
　自分でしたこととはいえ、アヘ顔状態で身体をヒクつかせている全裸の女性が目の前にいれば自然と喉が鳴る。

　唾を嚥下して無言のまま狐火ちゃんを抱きかかえるとベッドへと運び。
　上へと乗せてあげ、蜜壷に入っているローターの電源を落とす。

　「・・・。・・・。」

　肩で息をして失神の域まで達していては返事もなく、只されるままの状態では下半身が落ち着いたことなどわからないだろう。
　そしてベッドへ寝かせたのは休ませるためではなく・・・。

　目の前に極上の女性が裸で気絶しているのだ。

　我慢なんてできるはずがない。

　ズボンと下着を下ろして彼女の上に覆い被さり。

　「・・・。」

　ゆっくりと分身を狐火ちゃんの秘所に宛がうと、腰を落として濡れそぼった蜜壷へと入れていった。

　「つっ！？」

　すると気絶しているはずの彼女の秘肉は獲物を見つけたかの様にねっとりと絡み付いてきて狭くなり肉壁は時に強く時に弱く搾り取る動きを見せてくる。
　襞に扱かれて与えられる気持ちよさはいつもと変わらずにすぐに射精をしてしまいそうなほど強い。
　脳を貫くほどの快楽に耐え少しずつ腰を動かし始めた。

　「きついな・・・。でも、相変わらず凄いね。」

　身体全体を走る電流を心地よく感じつつ、気を抜かないようにピストン運動をして奥から湧き出してくる愛液を掻き出していく。
　肉と肉がぶつかる音の中に水飛沫が上がる音も混じり、鼻を擽る淫猥な匂いも漂う空間で肉体に与えられている刺激を察したのか狐火ちゃんに微弱な反応が見られる。

　「んんっ・・・。」

　きついお酒に酔っている顔の中に心地よい気持ちよさを見つけ出した表情をして身体を震わせており。
　ローターから与えられる快楽ではなく、雄の肉棒から滲み出る温かさと精に喜びを感じてるようだ。

　「あぁ・・・。んぅ・・・。」

　機械ではなくこちらの身体に反応してくれているのは嬉しいが、なにかちょっと悔しい気分になる。
　いたずらしてるのだがそれがご褒美になっているのが自分の予定とは違う状態になっているからだろう。
　そう思いながら腰を動かしていると分身の先端に何か硬いものが当たるのが分かる。

　¨これは抜き忘れたローターだろうな。¨

　彼女の余りにも淫らな痴態に機械を抜き忘れて行為に及んでしまっていたので今が今までこれのことを忘れていた。

　¨ん？ローター？¨

　頭の中で思い出した時、徐に脱ぎ捨てたズボンのポケットの中へと手を入れてリモコンを取り出すと。
　じっとそれを見つめて指を伸ばし目盛りを『獣』へと変える。

　「ぐはぁ！？」

　「いひゃぁ！？」

　その瞬間振動し始めた球体が亀頭を刺激し、狐火ちゃんの膣肉内で暴れまわる。
　押さえつけている状態に近いので発せられる動きは直に内部にまで到達して這いずり回りながら何度も何度も肉を叩いていく。

　「なひぃ？なひぃ？なひこれぇ！？」

　あまりのことに失神から意識を戻した彼女だったが先程まで与えられていた快楽に再び襲われることとなり呂律が回らずにただ叫ぶしかない状態へとなっていた。
　それはこちらも同じことで・・・。

　「あがぁ・・・。あぐぅ・・・。がぁ！？」

　ローターの振動と彼女が締め付けてくる二つの刺激に言葉にならないほどの、いや言葉を忘れるほどの気持ちよさを味わい。
　苦痛にも似た感覚を感じる中で腰を引くことさえも出来ずに狐火ちゃんを抱き締める。
　密着することで触れ合う肌と肌。
　快楽を共有するためか、膨大な気持ちよさに溺れる不安を軽くするためか互いに身を寄せてなれることなんて出来ない刺激にただただ身を任せて絶頂へと達するのを待つしかなかった。

　「しゅごひぃ！あかひゃんろへらぁ！りゃんぼうにゅいぃぃ！りゃんぼうにゅいぃぃぃ！？」

　「ぎっ・・・。ぐぅ！？」

　押し出そうと狭くなっていく膣壁、それに追いやられるようにローターは肉棒へとくっつき振動が更に伝わってくる。
　無防備な肉へと伝わる動きが射精感を高まらせて気持ちよさに竿の幅は太くなり彼女の蜜壷を拡げていく。

　「おっ、おっひぃ！おっひいぃのぉ！ひほがっ！ひほがっひゃうぅぅ！おまんきょがぁ！ひろがっちゃ！りゃめぇぇ！！」

　だが、形が変われば元に戻ろうとするのが本来のあり方で、怒張した分身を外へと出そうと力強く絞るように閉じていこうとするが、膝を付き位置を固定していて動けないこちらにとっては出されては戻りとピストン運動をしている状態へといつの間にか変わっていっていた。

　「あひぃ！？りゃめぇ！うごかしりゃ！ずぼずぼしちゃ！らめにゃろ！めひゃくひゃになっひゃうぅぅ！！」

　呂律が回らずに溶け切った表情をして喋っているのであまり聞き取れないがこちらも溺れているのでやめるにやめられない。
　始めの一突きさえしてしまえば後はもう欲望の赴くままに腰を振るだけとなっていた。
　長く我慢してきたが淫魔化しているとはいえもう持ちそうにない。
　頭も射精することだけを考えており、狐火ちゃんもただ荒い息をしているだけになっていき。

　「ひゅーっ。ひゅーっ。ひゅーっ。」

　目も遠くを見つめ、また白目になりかけている。

　「はひゅーっ。ひゅーっ。はひゅー。ひゅーっ。」

　こちらも込み上がってきた精を留める余裕もなくあっけなく射精してしまった。

　「んひぃぃぃぃ！！あちゅいのぉぉぉ！！」

　「ぐぅあぁ！？」

　いつもより強い刺激の中で行われた交わりなので大量の精を放ち彼女の中を満たしていく。
　一滴も出なくなり、役目を終えたように燃え尽きた分身は硬度を落としてずるっという音でも出しそうな勢いで膣外へと排出され。
　それを追う様に白濁の精液と今回の功労物が出てくる。
　近所にある大人の玩具屋でお奨め品としてあったから買ってきたのだが・・・。

　¨こいつは正直お蔵入りだな。¨

　そんな事を思いつつ、白目を剥き口から涎を垂らしながら秘所から精を垂れ流しにしている狐火ちゃんの横へと倒れて目を閉じるのだった。

■作者メッセージ
　朱色の羽でございます。朱色の羽でございます。

　次章が出来上がりました。次章が出来上がりました。

　大事なことなので２回言わせていただきましたぞ。

　今回は期間が開きましたが、すけ殿が感想欄で所望されていた・・・。

　「ＴＨＥ・かくれんぼ」を題材とさせていただきました。

　そしてかくれんぼと言えば仕込みバイブ！

　えっ？そんなの初耳だって？

　まあまあ、そこのエロい人。遠隔式玩具で発見者の好きなときに発動できて逃走者はその恐怖と声を出してはいけない禁忌を背負わされるのですぞ？

　いいと思いませんか？

　・・・。まあ所望されたすけ殿もここまでの展開は望んで・・・。

　望んでおられたはずですし、こんな形の作品に落ち着きましたのでご容赦ください。

　次回は散歩に出かけますぞ・・・。

　ご意見・ご感想・ご突っ込みの書き込み、誤字脱字を発見の際は感想欄へどうぞ。