年端もいかない少年がウシオニに容赦なく襲われるお話♪
山の麓に位置する、小さな村があった。
小さいながらも住民は200人ほどで、活気があった。
そこに住む11歳の少年と、年の離れた19歳の姉がいた。
少年はやんちゃ盛りで、よく探検などと称して山へ出掛けていた。
「あんまり山に入っちゃダメよ！ 怖ーい怪物が出るからね！」
「大丈夫だって！」
「もう…せめて奥深くまで行かないでね！」
姉が注意しても、どうせ作り話だろうと聞き入れずに、三日に二回の割合で山を訪れていた。
その日も少年は、いつものように山を訪れていた。
「今日はもっと深くまで…もっと探検してみよう！」
少年は意を決し、今までよりも更に山奥へと進んでいった。
と、そこで少年は姉の言葉を思い出した。
（「怖ーい怪物が出るからね！」）
（「せめて奥深くまで行かないでね！」）
「…………」
少年の心に一抹の迷いが生じた。
しかし…
「今の魔物はみんな優しいんだ。怪物なんて…出るわけない…出るわけないんだから…」
怪談話と蜘蛛は苦手だが好奇心旺盛な少年は、自分に言い聞かせて先へ進んでしまった。
木々をかき分け、少年は進んでいく。
何かに突き動かされているように。
何かに導かれているように。
何かに引き寄せられていくように。
「もう少し…あの岩まで…」
少年は最終地点と定めた岩まで進んでいった。
・
・
・
「今日は…このくらい…で…………」
岩まで辿り着いた少年は言葉を失った。
岩陰から、見たこともない魔物がこちらを見ていたのである。
大きな角。
緑色の肌。
黒い毛に覆われた、蜘蛛の下半身。
そして獲物を見つけた捕食者のような、嗜虐的な眼差し。
少年は知らなかった。
あまりにも危険であるため、子供達には存在すら伏せられてきたこの魔物のことを。
「怪物」と呼ばれる魔物、ウシオニ。
獲物を襲おうと人里へ向かっていたところに、少年がバッタリと出くわしてしまったのだ。
「お前、美味そうだな…」
「…………え…？ 美味…そう…？」
蜘蛛が苦手な少年は、既に血の気が引いた顔で訪ねた。
ウシオニは少年の問いを無視し、嘗め回すような視線を向けて大笑いしだした。
「あっはっは！ こりゃぁ良い！ アタシ好みの若い男だ！」
「ど、どういう…」
少年が再び聞くと、ギロリと睨まれた。
「あ？ んなもん決まってるだろ？ アタシの巣に持ち帰っていたぶってやるってのさ！」
そう言うとウシオニは少年に飛びかかった。
「ひィィィ！？」
少年は山潜りで鍛えたフットワークで、辛うじてそれをかわした。
「だ、だ、だ、誰かっ…！」
少年が村の方へ逃げようとすると、ウシオニに回り込まれてしまった。
「さっさとアタシのモンになれやぁ！」
「や、やだ…嫌だぁぁぁぁぁっ！」
少年は村とは正反対の方角へと逃げ出した。
遠回りになってでも、いずれは村へ戻る。
もしくは別の村に助けを求める。
そうする予定だった。
「待ちなって言ってんだろぉっ！」
ウシオニは猛烈な速度で追ってくる。
「やだ、やだ、やだやだ、誰か助けてぇっ！ ボク…ボクまだ死にだぐないィィ！」
恐怖のあまり泣きじゃくり、脚をもつれさせそうになりながら必死で逃げる少年。
そんな姿を見て、ウシオニの嗜虐心は否が応にも高まった。
「ハハッ！ もっと逃げてもいいぜ！？ どーせ逃げ切れねえんだしなぁ！」
「やだっ！ やだぁっ！ こないで、たすけて、ゆるしてぇぇっ！」
八本の脚で木々の間を巧みに渡り歩き、すばしっこい少年との差を縮めていく。
「あっはははっ！」
「ゆるしてぇぇぇっ！」
そしてウシオニは鋭い眼光で少年を見据えた。
「てめぇの表情は面白ェけど…追っかけっこばっかりしてるほどアタシは気長じゃねぇんだよ」
凄みのある声で呟かれ、少年の全身の毛が逆立ち、鳥肌がブワッと広がった。
「そろそろ終わりにしようや！」
ウシオニは臀部から縄のような糸を吐き出した。
それは少年の脚にからみつき、少年はバランスを崩して落ち葉の上に転倒した。
「あうっ！」
「ほうら…捕まえたぜ♪」
「あ…あぁっ…！」
糸で少年をグルグル巻きにすると、小脇に担いで巣へと戻っていく。
「は…はなじでぐださいっ…ゆるじでっ…死にだぐないっ…やﾞめﾞでぇぇぇっ！」
泣き叫び、必死で許しを乞う少年の悲痛な声は、ウシオニの情欲を高ぶらせるだけだった、
「目一杯かわいがってやるからなぁ…♪」
彼女の囁きと舌なめずりの音は、少年を絶望の淵へ叩き込むのには充分だった。
「やだ…うそ…そんな…………あ…あぁ…ぼく…………ぼく…」
恐怖に震えながらうわごとのように呟く少年には、もはや生来の活発さは残っていなかった。
ウシオニの巣となっている小さな洞窟に着いた。
「…………ッ！」
縄を外されると、少年は最後の抵抗として逃走を試みた。
その着物には染みが出来ている。彼は恐怖のあまり、運ばれる最中に失禁していたのだ。
「逃がさねぇよ！」
しかしその最後の抵抗も空しく、少年は洞窟の壁へと乱暴に押さえつけられてしまう。
「いッ…！」
「ずっと溜まってたモン…全部てめぇに吐き出してヤる…♪」
「お…お願いです、やっ、やめっ…！」
「やめるわけねぇだろっ！」
少年はそのまま床へ押さえ込まれ、着物を乱暴に剥ぎ取られた。
「あぁぁッ…！」
「美味そうな身体してやがる…♪」
「ｸﾞｽｯ…おねがい…おねがいします…えぐっ…おねがいしますからぁ…助けてぇ…ｸﾞｽｯ…」
「やなこった♪」
そう言うとウシオニは八本の脚で少年の脚を押さえ込んだ。
「…やだ…やだやだ、やだよぉぉっ！ 誰か助けて、ボクを助けてぇぇっ！」
少年は再び、抵抗にもならないほどの力で暴れ出した。
「大人しくしろってんだよ！」
「ぐぅっ…！」
少年の両腕は、熊のようなウシオニの腕にガッチリと押さえつけられた。
「その気になりゃ、こんな華奢な腕一瞬でへし折れるんだぞ？」
そのままギリギリと握る力を強めていく。
「ひぐぅぅっ…！」
「…やれやれ、やっと大人しくなりやがったか。さぁて、アタシがお待ちかねだ…！」
暴力的な恐怖を植え付けられたにも関わらず、魔物の淫気により少年の肉棒は勃起していた。
ウシオニの情欲は抑えきれなくなり、上半身の下半身の境目からトロリと愛液が漏れ出した。
「そらっ！」
「ひっ、やっ…あああああああああっ！」
ウシオニは一気に腰を沈め、少年の肉棒を情欲でとろけきった膣へとねじ込ませた。
「がぁぁっ…あっ…………だ…めぇぇ…」
「…感謝しろよ？ てめぇの童貞奪ってやるどころか、アタシの処女をやるんだからさぁ！」
快楽に頬を染めながら、ウシオニは乱暴に腰を打ち付ける。
バツンバツンという派手な音を立て、二人の下半身がぶつかり合った。
「んひぃっ、あぐぅっ、いっ、あっ、ぐぅぅぅっ…！」
「んんっ…いいッ…♪ アタシが欲しかったのはこういうのなんだ…！」
＜バツンバツン＞
「はげし…すぎっ…！」
「こんくらいが丁度いいんだよっ♪」
＜バツンバツン＞
「ぐっ、あぁ…っぎぎぃ…」
怪物、それも苦手な蜘蛛の怪物に拉致され、これほどまでに乱暴に犯されている。
そんな状況だというのに、肉棒はいきり立ち、射精の時を心待ちにしている。
少年は意識を飛ばす寸前だった。
「あ…ぎぎ…うぅ…」
「ん？ …おいおい、これからだってのに気ぃ失ってる場合じゃねぇだろ！」
ウシオニは少年の頬を両側から挟み込むように撲った。
「ぎゃうっ！ …っはぁ、いっ…！」
「まだまだこれからだーっつってんだろ？ 勝手に気ぃ失ってんじゃねぇぞ？」
＜バツンバツン＞
「やﾞめﾞ…も…ぼク…………しん…じゃ…」
「アタシらとどんだけ激しくヤッたって死ぬもんか…よッ！」
「ぐぅぅぅぅっ…！」
＜バツンバツン＞
「どうだ…？ そろそろ…限界、だろ？」
「やだ…いやだ…誰か…っ、誰か助けてぇぇっ！」
少年は残りの意識とあらん限りの体力で泣き叫び、助けを呼んでいる。
「バーカ。こんな人里離れた山奥じゃ、そんなに叫んでも誰も来ねぇぞ？」
「やだぁぁっ！ 誰かぁぁっ！ お願いっ、助けてっ、ぼくまだじにﾞだぐなﾞいﾞぃぃぃっ！」
錯乱した少年は必死にもがくが、ウシオニの腕力で押さえ込まれてしまう。
「言ってんだろ？ アタシの力なら、こんな腕すぐに…」
「いやぁぁぁぁっ！ たすけてっ、たすけておねえちゃぁぁぁん！」
「…聞いちゃいねぇ。そろそろ静かにしてもらおうかっ…！」
ウシオニは一際強く腰を打ち付けると共に、少年の肉棒を猛烈な圧力で締め付けだした。
＜ギチギチギチギチ＞
「んぎぃぃぃっ…！ お…ちんちん…たべられてるぅっ…！」
「あははっ…めちゃくちゃ美味いぜ、お前の…！」
肉棒を根元深くまで銜え込み、肉棒が微動だにしないほどの強さで締め上げていく。
＜ギチギチギチギチ＞
「ひやぁ…しんじゃっ…だめっ…こわれちゃ…」
「そろそろ限界か？ あははっ！ …出しちまってもいいんだぜ？」
少年としても、こみあげてくる射精欲に抗うのは困難だった。
しかし彼は同時に恐れていた。
出してしまったら自分は取り返しのつかない所にいってしまうかもしれない事を。
（だめ…ここで出したら…もう、もう戻れない気がする…！）
「出したいなら我慢しねぇで出しちまえよ…それともアレか、おねだりでもしたいのか？」
「そ、そんな…おねだり…なんてっ…！」
「だったら出しちまえよ…ほら、もっとキツくやってやるからさぁ！」
＜ギチギチギチギチ＞
「いやぁぁぁぁっ…！」
再度激しい締め付けを喰らい、少年の限界は確実に近づいていた。
拳を必死に握りしめ、目からは涙が、歯を食いしばった口からは涎が垂れている。
それを見て、ウシオニは締め付けはそのままに腰を動かし始める。
「ほらほら、もう限界なんだろ？ 出しちまえよ、アタシのナカにさぁ！」
＜ギチュッ ギチュッ＞
（やだっ、出したくないっ！ 誰か助けてっ、ボクもう…もうっ…！）
＜ギチュッ ギチュッ＞
「イッちまえよ、出しちまえよっ♪ アタシのナカに精液たっぷり注げよっ♪」
＜ギチュンギチュンギチュンギチュン＞
「だめ…だめ、あぁ…だめぇぇっ…！」
＜ドビュルルルッ、ビュクッ、ビュルルルッ＞
「っあああああああああああ！」
絶望感を孕んだ悲痛な叫び声と共に、ウシオニの胎内に少年の精液が搾り取られた。
「あああぁぁぁ…………っ」
目から涙をボロボロ零し、うなだれるようにして声を絞り出した。
「…っはぁ…♪ いいな、お前…！」
「もう…たすけて…これで…おわりにして…」
「これで終わりにして、だと？」
「かえして…ぼくをおねえちゃんのところにかえしてよぉ…」
言葉を紡げるのが不思議なほどに砕かれた精神で、少年は必死に懇願した。
「…これで終わりなわけねぇだろ！？ お前はこれからずっとアタシとヤるんだよ…♪」
「そ…んな…ひどい…………かえしてっ、ぼくをおねえちゃんのところにかえしてぇ！」
少年は幼児に戻ったかのように泣きじゃくり、じたばたと暴れ出す。
「あーもう、しゃあねぇ！ もっと激しくヤッてやるよっ…！」
「いやあぁぁぁぁぁっ！」
そう言ってウシオニが再び腰を動かし始めた…
「…覚悟ッ！」
その瞬間、ウシオニは背中を何者かによって斬りつけられていた。
「私の弟を返せっ、怪物め！」
それは、後を付けている際に叫び声に気付いてやってきた、少年の姉だった。
「あぁ〜？」
「…お…ねえ…ちゃん…？」
「大丈夫！？ 今私が…助…け…………」
姉は斬りつけた際に返り血を浴びてしまっていた。
村の者でも、ウシオニの『恐るべき特徴』を知るものはいなかった。
ウシオニは…
自分の血を浴びた女性を、ウシオニに変えるのである。
「あ…れ…わた…し…？ なん…だ…か…………からだが…あつ…」
姉は一瞬黒い霧に包まれた。
「おねえ…ちゃん…！？」
「あ…あはぁ…♪」
霧が晴れると、そこには立派なウシオニと化した姉の姿があった。
「おねえちゃん…！？ …………おねえちゃん！」
「呼んだ…ぁ…？ 私の…可愛い弟くん…♪」
ウシオニと化した姉は、先ほどのウシオニの方を見つめる。
「あなた…これ…♪」
「あははっ、立派なウシオニになりやがった！ こいつは傑作だなぁ！？」
ウシオニは満足そうに笑うと、場所を代わるように少年の上から退いた。
少年は変わり果てた姉の姿を見て、立ち直りかけた精神が一気に崩れていくのを感じた。
「う…うそ…うそだよ…そんな…おねえちゃんが…おねえちゃんが…っ！」
「私…もう我慢しなくていいんだ…♪」
「…………え…？」
「ずっと…襲いたかった…♪ ずっと…あなたの精液が欲しかった…♪」
「…なーんだ、危ねぇブラコンだったのか。…良かったじゃねぇか、魔物になれて？」
「ええ…これでもう…悩まなくて済む…我慢しなくて済むんだ…♪」
少年は衝撃の事実と共に、凄まじい恐怖に襲われた。
「あ…あぁぁ…あ、あぁっ…やだ…そんな…だめ…！」
腰が抜け、四つん這いになって洞窟から逃げようとする。
「逃がさないっ…！」
少年を捕まえたのは姉だった。
「は…離して…おねがい…お姉ちゃぁん…！」
「いやだ…♪ もう離さない…私の…私だけの弟なんだから…♪」
血走った眼光を向けながら、姉は少年を仰向けに押し倒した。
「いやっ、いやぁっ！ お姉ちゃん、お願い…やめてぇぇっ！」
「ふふふ…貴方の大好きな…貴方を大好きな…お姉ちゃんのおまんこだよ…！」
そう言うと姉は一気に弟の肉棒を自らの中に銜え込んだ。
「おねえちゃ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…！」
少年は全身を痙攣させて暴れ出した。
「ほら…動かないで…どう？ お姉ちゃんのおまんこ気持ちいい？」
「ぅああ…ぁ…あぁぁ…」
少年は嗚咽にも似た喘ぎ声をあげるだけで、もはや言葉を紡ぐ程の精神力は残っていない。
「ふふふ…♪」
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
姉が腰を振るたびに、淫靡な水音が響き、少年の理性を破壊していく。
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
「あぁ、あぁっ、あぁぁぁ…！」
「気持ちいいの？ 出したいの？ …いいよ、全部お姉ちゃんのナカに出していいからね…♪」
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
「んあぁぁっ！ あっ、あっ、ぅあああっ！」
「ナカでビクビクしてる…！ もうすぐだ…もうすぐ弟の精液が私のナカに…♪」
＜グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ＞
「ああ…あぁぁ…ぁあああぁあぁああぁあぁぁああぁっ！」
＜ドクッ、ドクンッ…ビュルルルルッ＞
獣のような叫び声をあえながら、少年は姉の膣内に精を解き放った。
姉は恍惚とした表情で、それを残らず受け止めた。
「あぁ…♪ 出てる…私のナカに…♪」
「ぁぁぁ…ぁぁ…………ぁっ…」
少年はぐったりとして、か細い声しか出せなくなっている。
すると、ウシオニが姉に話しかけてきた。
「おい、新しいの」
「なに？」
「この男はアタシが捕まえてきたんだからな？」
「この子は私の弟よ？」
どうやら少年がどちらの所有物かを争っているらしい。
その瞬間、少年と洞窟の出口との間に、一切の障害がなくなった。
（いま…なら…………いまなら…！）
次の瞬間、少年は身体に残った全ての力を振り絞って駆け出し、洞窟を脱出した！
「え…！？」
「あっコラ、待て！」
「やだ…もうやだよ…だれか…っ！」
少年はわき目もふらずに逃げ続ける。
少年の、正真正銘最後の賭だった。
「逃がすもんかよ！」
「逃げないでっ！」
背後から追ってきた二匹のウシオニは、少年の前方にある木に糸を吐き出した。
そして木の間に糸を張り、少年の行く手を塞ぐ。
「ッ！ …やだっ、まだしにたくないっ…！」
他の逃げ道を探そうと少年が一瞬立ち止まった瞬間…
彼の身体には、二本のロープ状の糸がしっかりと張り付いていた。
「…………ぇ…？」
「捕まえたぜ♪」
「捕まえたのは私よ！」
あっという間に少年はぐるぐる巻きにされてしまった。
「ぁ…ぁぁぁぁぁ…！」
「さーて、めいっぱいシゴいてやらねぇとなぁ…」
「もう逃げないように…ね…♪」
「ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃっ…！」
顔を真っ青にした少年は、ぐるぐる巻きのまま引きずられながら必死に許しを乞うている。
「はははっ…！」
「ふふふ…♪」
「やだ…しにたくない…ゆるして…みのがして…！」
少年の全身から生気が抜けていく。
「どんくらい激しくヤッてやろうか…？」
「それはもう…キツーいお仕置きをしなきゃね…♪」
「もうにげたりしませんから…おしおきはやめて…ぼくもう…たえられないの…」
＜ズルズル＞
「なんでもいうことききます…さからったりしません…だから、だからゆるしてぇ…！」
＜ズルズル＞
「…………！ …………！ …………！」
少年の声は落ち葉の音にかき消され、やがて洞窟の中へと消えていった。
・
・
・
二人が糸を解くと、少年はもう何も言わなくなっていた。
「…………」
そればかりか、涙と涎を垂れながしたままピクリとも動かない。
「…………」
「…壊れちまったか？」
「やっちゃったかなぁ…」
「…………」
涙を流し、焦点が定まらず、瞳孔が開いた瞳。
ぐったりと投げ出されたまま、指先一つ動かない手足。
この年端もいかない少年の精神は、完全に破壊されてしまったのであった。
「…ま、いいや！ ヤッちまおうぜ！」
「ええ♪」
＜バツンバツン＞
「…………」
＜ギチギチギチギチ＞
「…………」
＜ギチュンギチュンギチュンギチュン＞
「…………」
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
「…………」
＜グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ＞
「…………」
＜ドピュッ、ビュルルッ、ゴプッ、ブピュピュッ…＞
「……………………」
・
・
・
半年後。
村では、行方不明になった姉弟の事が語られるようになっていた。
「半年前に誤って山奥にいった姉弟が、それきり帰ってこなかったらしい…」
「怪物に食われてしまったっていうよ。くわばらくわばら…」
「ああなりたくなかったら、決して山に近づいちゃいけねぇよ…」
そしてその洞窟では…
「あひぃっ、あぁっ、ひぃぃんっ♪」
「ははははっ！ 相変わらずイイ声で鳴きやがるっ♪」
「あんっ♪ きもちいよぉ、おねえちゃぁん♪」
「あぁぁ…♪ 弟とこうやって繋がってられるなんて幸せ…♪」
「イクっ、イッちゃうよぉっ♪ あっ、はっ。イックぅぅぅぅぅっ♪」
「また一杯出したな…♪」
「まだまだ十回目よ。今日はあと二十回はやらないとね♪」
「はい♪ ぼくはあなたたちのせーどれいです♪ いっぱいせーえきしぼってください♪」
「ははっ…遠慮無くいかせてもらうぜ！」
「あはっ…♪ ははははっ…♪ あはははははははははははははははははははははははは
小さいながらも住民は200人ほどで、活気があった。
そこに住む11歳の少年と、年の離れた19歳の姉がいた。
少年はやんちゃ盛りで、よく探検などと称して山へ出掛けていた。
「あんまり山に入っちゃダメよ！ 怖ーい怪物が出るからね！」
「大丈夫だって！」
「もう…せめて奥深くまで行かないでね！」
姉が注意しても、どうせ作り話だろうと聞き入れずに、三日に二回の割合で山を訪れていた。
その日も少年は、いつものように山を訪れていた。
「今日はもっと深くまで…もっと探検してみよう！」
少年は意を決し、今までよりも更に山奥へと進んでいった。
と、そこで少年は姉の言葉を思い出した。
（「怖ーい怪物が出るからね！」）
（「せめて奥深くまで行かないでね！」）
「…………」
少年の心に一抹の迷いが生じた。
しかし…
「今の魔物はみんな優しいんだ。怪物なんて…出るわけない…出るわけないんだから…」
怪談話と蜘蛛は苦手だが好奇心旺盛な少年は、自分に言い聞かせて先へ進んでしまった。
木々をかき分け、少年は進んでいく。
何かに突き動かされているように。
何かに導かれているように。
何かに引き寄せられていくように。
「もう少し…あの岩まで…」
少年は最終地点と定めた岩まで進んでいった。
・
・
・
「今日は…このくらい…で…………」
岩まで辿り着いた少年は言葉を失った。
岩陰から、見たこともない魔物がこちらを見ていたのである。
大きな角。
緑色の肌。
黒い毛に覆われた、蜘蛛の下半身。
そして獲物を見つけた捕食者のような、嗜虐的な眼差し。
少年は知らなかった。
あまりにも危険であるため、子供達には存在すら伏せられてきたこの魔物のことを。
「怪物」と呼ばれる魔物、ウシオニ。
獲物を襲おうと人里へ向かっていたところに、少年がバッタリと出くわしてしまったのだ。
「お前、美味そうだな…」
「…………え…？ 美味…そう…？」
蜘蛛が苦手な少年は、既に血の気が引いた顔で訪ねた。
ウシオニは少年の問いを無視し、嘗め回すような視線を向けて大笑いしだした。
「あっはっは！ こりゃぁ良い！ アタシ好みの若い男だ！」
「ど、どういう…」
少年が再び聞くと、ギロリと睨まれた。
「あ？ んなもん決まってるだろ？ アタシの巣に持ち帰っていたぶってやるってのさ！」
そう言うとウシオニは少年に飛びかかった。
「ひィィィ！？」
少年は山潜りで鍛えたフットワークで、辛うじてそれをかわした。
「だ、だ、だ、誰かっ…！」
少年が村の方へ逃げようとすると、ウシオニに回り込まれてしまった。
「さっさとアタシのモンになれやぁ！」
「や、やだ…嫌だぁぁぁぁぁっ！」
少年は村とは正反対の方角へと逃げ出した。
遠回りになってでも、いずれは村へ戻る。
もしくは別の村に助けを求める。
そうする予定だった。
「待ちなって言ってんだろぉっ！」
ウシオニは猛烈な速度で追ってくる。
「やだ、やだ、やだやだ、誰か助けてぇっ！ ボク…ボクまだ死にだぐないィィ！」
恐怖のあまり泣きじゃくり、脚をもつれさせそうになりながら必死で逃げる少年。
そんな姿を見て、ウシオニの嗜虐心は否が応にも高まった。
「ハハッ！ もっと逃げてもいいぜ！？ どーせ逃げ切れねえんだしなぁ！」
「やだっ！ やだぁっ！ こないで、たすけて、ゆるしてぇぇっ！」
八本の脚で木々の間を巧みに渡り歩き、すばしっこい少年との差を縮めていく。
「あっはははっ！」
「ゆるしてぇぇぇっ！」
そしてウシオニは鋭い眼光で少年を見据えた。
「てめぇの表情は面白ェけど…追っかけっこばっかりしてるほどアタシは気長じゃねぇんだよ」
凄みのある声で呟かれ、少年の全身の毛が逆立ち、鳥肌がブワッと広がった。
「そろそろ終わりにしようや！」
ウシオニは臀部から縄のような糸を吐き出した。
それは少年の脚にからみつき、少年はバランスを崩して落ち葉の上に転倒した。
「あうっ！」
「ほうら…捕まえたぜ♪」
「あ…あぁっ…！」
糸で少年をグルグル巻きにすると、小脇に担いで巣へと戻っていく。
「は…はなじでぐださいっ…ゆるじでっ…死にだぐないっ…やﾞめﾞでぇぇぇっ！」
泣き叫び、必死で許しを乞う少年の悲痛な声は、ウシオニの情欲を高ぶらせるだけだった、
「目一杯かわいがってやるからなぁ…♪」
彼女の囁きと舌なめずりの音は、少年を絶望の淵へ叩き込むのには充分だった。
「やだ…うそ…そんな…………あ…あぁ…ぼく…………ぼく…」
恐怖に震えながらうわごとのように呟く少年には、もはや生来の活発さは残っていなかった。
ウシオニの巣となっている小さな洞窟に着いた。
「…………ッ！」
縄を外されると、少年は最後の抵抗として逃走を試みた。
その着物には染みが出来ている。彼は恐怖のあまり、運ばれる最中に失禁していたのだ。
「逃がさねぇよ！」
しかしその最後の抵抗も空しく、少年は洞窟の壁へと乱暴に押さえつけられてしまう。
「いッ…！」
「ずっと溜まってたモン…全部てめぇに吐き出してヤる…♪」
「お…お願いです、やっ、やめっ…！」
「やめるわけねぇだろっ！」
少年はそのまま床へ押さえ込まれ、着物を乱暴に剥ぎ取られた。
「あぁぁッ…！」
「美味そうな身体してやがる…♪」
「ｸﾞｽｯ…おねがい…おねがいします…えぐっ…おねがいしますからぁ…助けてぇ…ｸﾞｽｯ…」
「やなこった♪」
そう言うとウシオニは八本の脚で少年の脚を押さえ込んだ。
「…やだ…やだやだ、やだよぉぉっ！ 誰か助けて、ボクを助けてぇぇっ！」
少年は再び、抵抗にもならないほどの力で暴れ出した。
「大人しくしろってんだよ！」
「ぐぅっ…！」
少年の両腕は、熊のようなウシオニの腕にガッチリと押さえつけられた。
「その気になりゃ、こんな華奢な腕一瞬でへし折れるんだぞ？」
そのままギリギリと握る力を強めていく。
「ひぐぅぅっ…！」
「…やれやれ、やっと大人しくなりやがったか。さぁて、アタシがお待ちかねだ…！」
暴力的な恐怖を植え付けられたにも関わらず、魔物の淫気により少年の肉棒は勃起していた。
ウシオニの情欲は抑えきれなくなり、上半身の下半身の境目からトロリと愛液が漏れ出した。
「そらっ！」
「ひっ、やっ…あああああああああっ！」
ウシオニは一気に腰を沈め、少年の肉棒を情欲でとろけきった膣へとねじ込ませた。
「がぁぁっ…あっ…………だ…めぇぇ…」
「…感謝しろよ？ てめぇの童貞奪ってやるどころか、アタシの処女をやるんだからさぁ！」
快楽に頬を染めながら、ウシオニは乱暴に腰を打ち付ける。
バツンバツンという派手な音を立て、二人の下半身がぶつかり合った。
「んひぃっ、あぐぅっ、いっ、あっ、ぐぅぅぅっ…！」
「んんっ…いいッ…♪ アタシが欲しかったのはこういうのなんだ…！」
＜バツンバツン＞
「はげし…すぎっ…！」
「こんくらいが丁度いいんだよっ♪」
＜バツンバツン＞
「ぐっ、あぁ…っぎぎぃ…」
怪物、それも苦手な蜘蛛の怪物に拉致され、これほどまでに乱暴に犯されている。
そんな状況だというのに、肉棒はいきり立ち、射精の時を心待ちにしている。
少年は意識を飛ばす寸前だった。
「あ…ぎぎ…うぅ…」
「ん？ …おいおい、これからだってのに気ぃ失ってる場合じゃねぇだろ！」
ウシオニは少年の頬を両側から挟み込むように撲った。
「ぎゃうっ！ …っはぁ、いっ…！」
「まだまだこれからだーっつってんだろ？ 勝手に気ぃ失ってんじゃねぇぞ？」
＜バツンバツン＞
「やﾞめﾞ…も…ぼク…………しん…じゃ…」
「アタシらとどんだけ激しくヤッたって死ぬもんか…よッ！」
「ぐぅぅぅぅっ…！」
＜バツンバツン＞
「どうだ…？ そろそろ…限界、だろ？」
「やだ…いやだ…誰か…っ、誰か助けてぇぇっ！」
少年は残りの意識とあらん限りの体力で泣き叫び、助けを呼んでいる。
「バーカ。こんな人里離れた山奥じゃ、そんなに叫んでも誰も来ねぇぞ？」
「やだぁぁっ！ 誰かぁぁっ！ お願いっ、助けてっ、ぼくまだじにﾞだぐなﾞいﾞぃぃぃっ！」
錯乱した少年は必死にもがくが、ウシオニの腕力で押さえ込まれてしまう。
「言ってんだろ？ アタシの力なら、こんな腕すぐに…」
「いやぁぁぁぁっ！ たすけてっ、たすけておねえちゃぁぁぁん！」
「…聞いちゃいねぇ。そろそろ静かにしてもらおうかっ…！」
ウシオニは一際強く腰を打ち付けると共に、少年の肉棒を猛烈な圧力で締め付けだした。
＜ギチギチギチギチ＞
「んぎぃぃぃっ…！ お…ちんちん…たべられてるぅっ…！」
「あははっ…めちゃくちゃ美味いぜ、お前の…！」
肉棒を根元深くまで銜え込み、肉棒が微動だにしないほどの強さで締め上げていく。
＜ギチギチギチギチ＞
「ひやぁ…しんじゃっ…だめっ…こわれちゃ…」
「そろそろ限界か？ あははっ！ …出しちまってもいいんだぜ？」
少年としても、こみあげてくる射精欲に抗うのは困難だった。
しかし彼は同時に恐れていた。
出してしまったら自分は取り返しのつかない所にいってしまうかもしれない事を。
（だめ…ここで出したら…もう、もう戻れない気がする…！）
「出したいなら我慢しねぇで出しちまえよ…それともアレか、おねだりでもしたいのか？」
「そ、そんな…おねだり…なんてっ…！」
「だったら出しちまえよ…ほら、もっとキツくやってやるからさぁ！」
＜ギチギチギチギチ＞
「いやぁぁぁぁっ…！」
再度激しい締め付けを喰らい、少年の限界は確実に近づいていた。
拳を必死に握りしめ、目からは涙が、歯を食いしばった口からは涎が垂れている。
それを見て、ウシオニは締め付けはそのままに腰を動かし始める。
「ほらほら、もう限界なんだろ？ 出しちまえよ、アタシのナカにさぁ！」
＜ギチュッ ギチュッ＞
（やだっ、出したくないっ！ 誰か助けてっ、ボクもう…もうっ…！）
＜ギチュッ ギチュッ＞
「イッちまえよ、出しちまえよっ♪ アタシのナカに精液たっぷり注げよっ♪」
＜ギチュンギチュンギチュンギチュン＞
「だめ…だめ、あぁ…だめぇぇっ…！」
＜ドビュルルルッ、ビュクッ、ビュルルルッ＞
「っあああああああああああ！」
絶望感を孕んだ悲痛な叫び声と共に、ウシオニの胎内に少年の精液が搾り取られた。
「あああぁぁぁ…………っ」
目から涙をボロボロ零し、うなだれるようにして声を絞り出した。
「…っはぁ…♪ いいな、お前…！」
「もう…たすけて…これで…おわりにして…」
「これで終わりにして、だと？」
「かえして…ぼくをおねえちゃんのところにかえしてよぉ…」
言葉を紡げるのが不思議なほどに砕かれた精神で、少年は必死に懇願した。
「…これで終わりなわけねぇだろ！？ お前はこれからずっとアタシとヤるんだよ…♪」
「そ…んな…ひどい…………かえしてっ、ぼくをおねえちゃんのところにかえしてぇ！」
少年は幼児に戻ったかのように泣きじゃくり、じたばたと暴れ出す。
「あーもう、しゃあねぇ！ もっと激しくヤッてやるよっ…！」
「いやあぁぁぁぁぁっ！」
そう言ってウシオニが再び腰を動かし始めた…
「…覚悟ッ！」
その瞬間、ウシオニは背中を何者かによって斬りつけられていた。
「私の弟を返せっ、怪物め！」
それは、後を付けている際に叫び声に気付いてやってきた、少年の姉だった。
「あぁ〜？」
「…お…ねえ…ちゃん…？」
「大丈夫！？ 今私が…助…け…………」
姉は斬りつけた際に返り血を浴びてしまっていた。
村の者でも、ウシオニの『恐るべき特徴』を知るものはいなかった。
ウシオニは…
自分の血を浴びた女性を、ウシオニに変えるのである。
「あ…れ…わた…し…？ なん…だ…か…………からだが…あつ…」
姉は一瞬黒い霧に包まれた。
「おねえ…ちゃん…！？」
「あ…あはぁ…♪」
霧が晴れると、そこには立派なウシオニと化した姉の姿があった。
「おねえちゃん…！？ …………おねえちゃん！」
「呼んだ…ぁ…？ 私の…可愛い弟くん…♪」
ウシオニと化した姉は、先ほどのウシオニの方を見つめる。
「あなた…これ…♪」
「あははっ、立派なウシオニになりやがった！ こいつは傑作だなぁ！？」
ウシオニは満足そうに笑うと、場所を代わるように少年の上から退いた。
少年は変わり果てた姉の姿を見て、立ち直りかけた精神が一気に崩れていくのを感じた。
「う…うそ…うそだよ…そんな…おねえちゃんが…おねえちゃんが…っ！」
「私…もう我慢しなくていいんだ…♪」
「…………え…？」
「ずっと…襲いたかった…♪ ずっと…あなたの精液が欲しかった…♪」
「…なーんだ、危ねぇブラコンだったのか。…良かったじゃねぇか、魔物になれて？」
「ええ…これでもう…悩まなくて済む…我慢しなくて済むんだ…♪」
少年は衝撃の事実と共に、凄まじい恐怖に襲われた。
「あ…あぁぁ…あ、あぁっ…やだ…そんな…だめ…！」
腰が抜け、四つん這いになって洞窟から逃げようとする。
「逃がさないっ…！」
少年を捕まえたのは姉だった。
「は…離して…おねがい…お姉ちゃぁん…！」
「いやだ…♪ もう離さない…私の…私だけの弟なんだから…♪」
血走った眼光を向けながら、姉は少年を仰向けに押し倒した。
「いやっ、いやぁっ！ お姉ちゃん、お願い…やめてぇぇっ！」
「ふふふ…貴方の大好きな…貴方を大好きな…お姉ちゃんのおまんこだよ…！」
そう言うと姉は一気に弟の肉棒を自らの中に銜え込んだ。
「おねえちゃ…ぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ…！」
少年は全身を痙攣させて暴れ出した。
「ほら…動かないで…どう？ お姉ちゃんのおまんこ気持ちいい？」
「ぅああ…ぁ…あぁぁ…」
少年は嗚咽にも似た喘ぎ声をあげるだけで、もはや言葉を紡ぐ程の精神力は残っていない。
「ふふふ…♪」
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
姉が腰を振るたびに、淫靡な水音が響き、少年の理性を破壊していく。
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
「あぁ、あぁっ、あぁぁぁ…！」
「気持ちいいの？ 出したいの？ …いいよ、全部お姉ちゃんのナカに出していいからね…♪」
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
「んあぁぁっ！ あっ、あっ、ぅあああっ！」
「ナカでビクビクしてる…！ もうすぐだ…もうすぐ弟の精液が私のナカに…♪」
＜グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ＞
「ああ…あぁぁ…ぁあああぁあぁああぁあぁぁああぁっ！」
＜ドクッ、ドクンッ…ビュルルルルッ＞
獣のような叫び声をあえながら、少年は姉の膣内に精を解き放った。
姉は恍惚とした表情で、それを残らず受け止めた。
「あぁ…♪ 出てる…私のナカに…♪」
「ぁぁぁ…ぁぁ…………ぁっ…」
少年はぐったりとして、か細い声しか出せなくなっている。
すると、ウシオニが姉に話しかけてきた。
「おい、新しいの」
「なに？」
「この男はアタシが捕まえてきたんだからな？」
「この子は私の弟よ？」
どうやら少年がどちらの所有物かを争っているらしい。
その瞬間、少年と洞窟の出口との間に、一切の障害がなくなった。
（いま…なら…………いまなら…！）
次の瞬間、少年は身体に残った全ての力を振り絞って駆け出し、洞窟を脱出した！
「え…！？」
「あっコラ、待て！」
「やだ…もうやだよ…だれか…っ！」
少年はわき目もふらずに逃げ続ける。
少年の、正真正銘最後の賭だった。
「逃がすもんかよ！」
「逃げないでっ！」
背後から追ってきた二匹のウシオニは、少年の前方にある木に糸を吐き出した。
そして木の間に糸を張り、少年の行く手を塞ぐ。
「ッ！ …やだっ、まだしにたくないっ…！」
他の逃げ道を探そうと少年が一瞬立ち止まった瞬間…
彼の身体には、二本のロープ状の糸がしっかりと張り付いていた。
「…………ぇ…？」
「捕まえたぜ♪」
「捕まえたのは私よ！」
あっという間に少年はぐるぐる巻きにされてしまった。
「ぁ…ぁぁぁぁぁ…！」
「さーて、めいっぱいシゴいてやらねぇとなぁ…」
「もう逃げないように…ね…♪」
「ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃぃぃっ…！」
顔を真っ青にした少年は、ぐるぐる巻きのまま引きずられながら必死に許しを乞うている。
「はははっ…！」
「ふふふ…♪」
「やだ…しにたくない…ゆるして…みのがして…！」
少年の全身から生気が抜けていく。
「どんくらい激しくヤッてやろうか…？」
「それはもう…キツーいお仕置きをしなきゃね…♪」
「もうにげたりしませんから…おしおきはやめて…ぼくもう…たえられないの…」
＜ズルズル＞
「なんでもいうことききます…さからったりしません…だから、だからゆるしてぇ…！」
＜ズルズル＞
「…………！ …………！ …………！」
少年の声は落ち葉の音にかき消され、やがて洞窟の中へと消えていった。
・
・
・
二人が糸を解くと、少年はもう何も言わなくなっていた。
「…………」
そればかりか、涙と涎を垂れながしたままピクリとも動かない。
「…………」
「…壊れちまったか？」
「やっちゃったかなぁ…」
「…………」
涙を流し、焦点が定まらず、瞳孔が開いた瞳。
ぐったりと投げ出されたまま、指先一つ動かない手足。
この年端もいかない少年の精神は、完全に破壊されてしまったのであった。
「…ま、いいや！ ヤッちまおうぜ！」
「ええ♪」
＜バツンバツン＞
「…………」
＜ギチギチギチギチ＞
「…………」
＜ギチュンギチュンギチュンギチュン＞
「…………」
＜グチュッグチュッグチュッグチュッ＞
「…………」
＜グチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュグチュ＞
「…………」
＜ドピュッ、ビュルルッ、ゴプッ、ブピュピュッ…＞
「……………………」
・
・
・
半年後。
村では、行方不明になった姉弟の事が語られるようになっていた。
「半年前に誤って山奥にいった姉弟が、それきり帰ってこなかったらしい…」
「怪物に食われてしまったっていうよ。くわばらくわばら…」
「ああなりたくなかったら、決して山に近づいちゃいけねぇよ…」
そしてその洞窟では…
「あひぃっ、あぁっ、ひぃぃんっ♪」
「ははははっ！ 相変わらずイイ声で鳴きやがるっ♪」
「あんっ♪ きもちいよぉ、おねえちゃぁん♪」
「あぁぁ…♪ 弟とこうやって繋がってられるなんて幸せ…♪」
「イクっ、イッちゃうよぉっ♪ あっ、はっ。イックぅぅぅぅぅっ♪」
「また一杯出したな…♪」
「まだまだ十回目よ。今日はあと二十回はやらないとね♪」
「はい♪ ぼくはあなたたちのせーどれいです♪ いっぱいせーえきしぼってください♪」
「ははっ…遠慮無くいかせてもらうぜ！」
「あはっ…♪ ははははっ…♪ あはははははははははははははははははははははははは
11/08/14 20:33更新 / 第四アルカ騎士団