読切小説
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風と舞った恋想歌
 その歌は、名前も知らない言葉。
 その歌は、何処の国にも無い旋律。

 そんな歌でも…いや、歌だからこそ人と魔物の間に深く刻まれていったのかもしれない…… 


  Ra kuua sieen yor an kwaan tier?
 (貴方は、恋の力を知っていますか?)

  Ser feni kuemin sui nete mai
  (それは、武術でも魔法でもない力)

 Ra kuua sieen yor an kwaan tier?
  (貴方は、恋の力を知っていますか?)

  Was neid curea mieea owr seiir
  (これは、1人の人間の少年と1匹の魔物の少女の物語)

 空を舞う私の羽 歌と共に彼の元へ
 
 私は届けと思いつつ 恋の歌を紡ぎ出す

 
 私の歌は1人の少年に届き 少年は歌を頼りに私を探す

 少年は声のする場所へと歩を進める 私は彼に呼びかける

  Was seed mien kuur?
  (私は此処よ?)

  Linem kuure soor an deere weel
(町を出てすぐ近くの草原の丘)

  Mool huas nea mien nigt
  (月が顔を覗かせる夜になっても私は待ってるから)



 少年は真っ直ぐに町の外へと向かおうとする けれども少年は外の世界をまだ知らない

 歌は少年の耳に何時までも響く けれども少年の心は不安でいっぱいだった


 それでも少女は歌い続けた まだ見ぬ愛しい彼の為に

 何時か必ず此処に来る そう願って……

  Repul dor noos teir?
(ねぇ、どうしたの?)

  Wana seir yor froh weel mien
(私には貴方がすぐ近くに感じられるのに)

  Enr tie saur hoor raan sennb
(もうすぐ…もうすぐ会えるのに……)


 少年は不安だった こことは違う場所へ踏み出すのが
  Weer nouh kaas nouh
(怖い…ここから飛び出すのが怖い)
    Was seed mien kuur?
   (私は此処よ?)

 それでも少女は謳う 何時までも何時までも
  Mien sour kaas nuw closa
(僕はまだ外へ出たことが無いんだ)
    Qwel soew lonf faal
(大丈夫、私が側にずっといるから)


  Qwel soue fon ne soul……
(大丈夫、勇気を出して……)


 少年は意を決して走り出す 声のする草原の丘へと
  Geel nea weel dor
(待っててね、今行くから)
    Hut mien huas larren
(うん、私はずっと待ってるから)

 そして少年は丘の上に少女を見つけ 少女の元へと駆け寄った
  Raak suren judue yor envaer…!!
(やっと…やっと君を見つけた…!!)
    Raak suren judue yor tie…!!
(やっと…やっと貴方に出会えた…!!)


 Ra kuua sieen yor an kwaan tier?
 (貴方は、恋の力を知っていますか?)

  Ser feni kuemin sui nete mai
  (それは、武術でも魔法でもない力)

 Ra kuua sieen yor an kwaan tier?
  (貴方は、恋の力を知っていますか?)

  Was neid curea mieea owr seiir
  (これは、1人の人間の少年と1匹の魔物の少女の物語)

 今宵の月は淡白い それでいて2人を優しく照らしていた

 その後2人は結婚し 幸せな家庭を築いていった……



  今より昔、まだそれぞれの国でそれぞれの言葉があった時代。


  そんな時代にも、魔物と人間の恋の歌があった……
13/04/11 00:27更新 / @kiya

■作者メッセージ
 はい、@kiyaです。

 今回は連載の方(といっても人気無いですけど…)に休憩を入れて、これを書き上げてみました。
 …正直、何かかなり雑な気もするようなしないような(作曲って難しいネ☆)気もしますが、温かい目で見守ってください><

 あと、この作品の感想をお待ちしております(アドバイスでも全然おkです!!)
 @kiyaはコレが送られて来る度に感激して涙を流していますので、どんどんお願いします!!

 ではノシ

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