連載小説
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惚れたが悪いか ― 殉恋 ―
リュウは彼女を強く抱きしめ、慎重に足を運びエレベーターに乗り込んだ。

「・・・・・・・付き合ってもう一年も過ぎてるんだよな」

一年前、僕は魔物娘婚活パーティーで彼女「立花深見」と出会った。
はじめはちょっと幼いゾンビだと思ったくらい華奢で、彼女が高位の魔物である「ワイト」であると知って驚いたくらいだ。
もっとも、彼女が所謂「オタ」でこのパーティーへは恋人探しではなくあくまで共通の趣味を持つ仲間を探しに来たと聞いた時も驚いたが。
彼女は僕とお互いのゲーム成績を自慢したり、イベントで入手したレアなキャラを見せ合ったりして交流して・・・ヤリ部屋もとい「休憩室」へと来た。
魔物婚活パーティーでお互い盛り上がってそのまま致すのは常に伴侶を求める魔物娘の性として致し方のないこと。
だが・・・・。
実のところ僕は彼女と交わることができなかった。
その・・・彼女のフェラやパイズリが極上過ぎて・・・・挿入する前に腰砕けになってしまったのだ。
魔物娘は見ているだけで濡れるような精力溢れる男性を好む。
前戯だけで腰砕けになるような軟弱な僕じゃ、正直フラれたと思った。
でも、深見は腰砕けになった僕を馬鹿にすることなく、僕と連絡先を交換してくれた。
なぜ?と僕が尋ねると、彼女はこう答えた。
リュウくんとの会話は楽しかったからこれからも付き合いたい、と。
そのまま、僕と彼女は交際し半年前からは今は一緒に同棲している。
でも・・・・。


バサッ!

リュウは自室に辿り着くと、クィーンサイズのベッドにドレス姿の深見を放り出した。

「・・・・うっ・・」

衝撃で深見が正気に戻ったようだ。

「あれ・・・私・・・?」

いつもと変わらない深見の仕草。
その態度がリュウにとってたまらなく腹立たしかった。

「・・・・・アイツはお前の何なんだよ?」

「どうしたのリュウくん・・・?怖いよ・・?」

「いいから答えろ!!!!」

「ヒィッ!」

リュウの怒声に深見が怯える。

「これには・・・その理由が・・・・」

「そうか・・・他の男とホテルに行こうとしたことを謝罪することもなく、あくまで僕を裏切っていないとシラを切るわけか・・・・なら考えがある!」

リュウはドレスに手をかけると・・・・ドレスを一気に引き裂いた。

ビリリィィィィィィ!!!!

上質な絹が悲鳴をあげながら裂けていく。

「キャァァァァッ!!!!!!」

咄嗟に深見が手で押さえるが、その開けられた胸元から、普段、深見が身に着けることがない上等なレースの施されたブラが見える。

「なんだこの下着は?」

リュウが露わになった彼女の純白のショーツのクロッチに触れる。
ジワリと濡れ、グチュグチュと粘りつくような音をたてていた。

「この!こんなに濡らしやがって!!!そんなにもココであの男を迎えるのが待ち遠しかったのか!!!」

「違うの違うの!。リュウくん・・・これは・・・!」

深見が決意したかのようにリュウを見る。

「リュウくんごめんなさい・・・・。リュウくんが許してくれるなら私・・・・」

深見が破られたドレスを脱ぎ捨て紐状のTバック、「ソング」と呼ばれる形式の下着に手をかけると、その奥に隠されている秘裂をリュウに見せた。

「・・・よく見てね」

顔を羞恥のあまり紅潮させながら、深見はその白い指をあてがい左右にソレを割り開く。
熱く滾る膣肉に囲まれてピンク色の薄い膜が見えた。

「深見・・・お前」

「ねぇ・・・リュウくん・・私の全てが見える?私、まだ処女だよ?だから・・・・リュウくん、私を犯して。私に一生消えない傷をつけて身も心もあなたの物にして!!」

深見のその痴態にリュウはゴクリと喉を鳴らした。

「壊しちまうかもしれないぞ。いいのか・・・?」

「いいの・・・信じてもらうために私がリュウくんにしてあげることなんてこれしかないの・・・」

リュウが激情のまま、滾り赤黒く染まった肉塊をその幼い身体にねじ込む。

「・・・・息を止めるんじゃないぞ」

「うん・・・」

クンニや指で慣らしてはいなかったが、深見のソコは濡れそぼり彼自身を歓迎するかのようにより奥へ奥へと導いていく。
そして・・・その時はやってきた。

「アッ・・・・・!」

リュウの肉槍が深見の乙女の証を引き千切った。
生暖かい何かが彼自身に纏わりつく。

「痛いか?」

「ううん・・・。私、嬉しいの・・・やっとリュウくんの物になれて・・・嬉しいの!!」

深見の頬を歓喜の涙が濡らした。



彼女の幼い身体に何度もザーメンを注ぎ込み彼女を汚し続けた。
小さなヴァギナは破瓜の血に染まり、蕾のようなアナル、そしてその満月色の髪すらも彼のザーメンで汚され白く染まっていた。
欲望の波が過ぎ去るとリュウは不意に我に返った。
彼とて彼女との初めての交わりは幸せに満ちたものにしたかった。
だが、彼は彼女を欲望の命じるままに汚してしまった。
それも嫉妬という人間の持つ最も醜い感情に命じられるままにだ。
しかし、ポツポツと破瓜の証がしたたり落ちた白いシーツの上で、彼を抱きしめ満足げな笑みを浮かべる深見に自らの純潔を奪ったことを非難するような言葉はない。

パチパチ!!

ベッドルームに不意に響いた拍手。
リュウが音のした方向に顔を向けると・・・・。

「貴様!!!!!」

いつの間に入り込んだのだろうか、深見の「婚約者」がベットで絡み合う二人に拍手を送っていた。
リュウがベッドから身を起こそうとした時だった。

「あ、悪りぃ悪リぃ!解除してなかったわ」

婚約者は首の後ろに手を回す。
パチンという小気味いい音と共に首のチョーカーが外れた。

パキ!パキン!!

婚約者の身体に罅が入ると同時にそれが広がり婚約者の身体を覆い包み消滅する。

「ども〜!恋のキューピット代行の真中だよ!!」

彼を何度も誘惑していた岬が立っていた。

「フッちゃん・・・これは一体・・・・?」

「ごめんねリュウくん・・・全て嘘だったの」

二人が語った真相はこうだ。
一度断ってしまったとはいえ、彼女も恋人のリュウと愛し合いたい。
実際、何度かリュウに誘われたこともある。
しかし、いざ致そうとした途端にリュウのソレの大きさに何度も怖気づいてしまう。
今のところ、彼女の持ちうるテクニックで彼を満足させているが、このままでは本当に愛想を尽かされてしまう。
当然、リュウと別れる気なんてない。
岬は魔界のハーブやタケリタケ、マタンゴモドキを使ってお互い意識をトバしてヤったらと言ったが、それでは思い出に残らないということで深見は難色を示した。

〜 将来子供ができた時に、ママとパパの初めてはキメセクだったって言えないよ・・・・〜

〜 コイツ、めんどくせぇ・・・・・〜

それならばと、ありもしない「婚約者」の存在をでっち上げ、岬がありがちな「寝取りビッチ」を演じてリュウを散々煽り自分から深見を犯すように仕向けたらどうかとなった。

「ごめんなさいリュウくん・・・試しちゃうようなことをしちゃって」

深見が申し訳なさそうに目を伏せる。

「流石に売れっ子ホモ漫画家は違うぜ。深見のヤツの巧みなストーリーテリングで見事にアンタは騙されたわけだ。もっとも仕込みはそれだけじゃなくてね・・・実はアタシはサキュバスじゃないんだ」

岬が目を閉じた瞬間だった。
サキュバスのものに似ているがやや丸みを帯びた羽根。サキュバスのものよりも太い尻尾。
サキュバスの亜種、「アルプ」だ。

「アタシが外したチョーカーはどこぞのラミアが作り出したモノでね。人化の術の応用したやつで使用すれば別人の姿になれる代物さ。まぁ、魔物同士じゃバレバレなんだけどね。こちとら三年前まで股間にイチモツをぶら下げていたアタシ様に、男の仕草はお手のものだしな」

岬が胸を張る。

「その・・・ごめん!」

リュウが頭を下げる。
無理もない。知らなかったとはいえ彼女を殴ってしまったのだ。
しかもステンレス製の腕時計ブレスを嵌めて。

「ん?殴ったこと?問題ない問題ない。人間ごときの力じゃ魔物は傷さえつかないよ?ほら見てみ。赤くもなってなきゃ青くもなってねぇだろ?」

リュウが見るが、確かに何の後も残ってはいなかった。

「悪いって思うなら、今度馴染みの店で酒でも奢ってくれよ!じゃあな!!お邪魔虫は退散退散と・・・」

そう言うと、チョーカーを持って岬は部屋を出て行った。

「・・・・・その・・・悪かったフッちゃん」

「ううん、いいの。それに私もリュウくんのおかげで色々と吹っ切れたし・・・」

深見がリュウのソレを握る。

「ねぇ・・・リュウくん・・・シよ?」

「ああ」

二人は付き合って以来交われなかった埋め合わせをするかのように再び身を重ねた。



― Bar ペイパームーン ―

夜も半ばを過ぎ、人魔のカップルやオーナーのグランマが作るカクテル目当ての酔客が大方はけた頃、一人のアルプが店を訪れていた。
閉店間際ということもあり、店員の一人であるウィルオーウィスプの「伽耶」はいない。

「グランマ、これ返すわ」

岬がオーナーのグランマに例のチョーカーを渡す。

「結果はどう?」

「上々さ!このアタシ様が痛い思いしてやったんだ。これで何もなかったら許さないぜ!!」

「あらあら。何か奢るわよ。いつものバーボンがいいかしら?」

岬はしばし考えこむと、ウィスキーベースのカクテルであるマンハッタンをオーダーした。

「ベースは・・・そうだな。軽めのカナディアンクラブウィスキーで頼むよ」

「あなたがカクテルを頼むなんて珍しいわね」

「アタシ様でもたまには甘いマンハッタンを飲みたくなることもあるさ。ま、今じゃ男でも人間でもないがな」

「待ってて、とびっきりのマンハッタンを用意するわ」

グランマはそう言うと、バックバーからマルティーニのスィートベルモットと白いラベルのカナディアンクラブを取り出した。

「もう三年か・・・・ここに来るようになって」

「岬さん、ユウリちゃんは元気にしてるかしら?」

「ああ、アイツとは姉妹としてうまくやってるつもりさ。ヤりたくなったら相手になってもらってるし、確か今夜は婚活パーティーに出てるって」

カラン、カランとミキシンググラスの中でロックアイスが心地よい音を奏でる。

「サービスでマラスキーノチェリーを二個にしておいたわ」

岬の目の前に深紅に染まったカクテルグラスが置かれる。
彼女はステムをその細い指で摘まむとゆっくりと味わった。

「・・・・・美味い」

「お褒めにあずかり光栄ですわ」

「なぁグランマ。アタシ・・・・・恋をしちまったみたいだ」

グランマは岬の告白を静かに聞いていた。

「ここ、いいかしら?」

空いてるスツールにグランマが座る。

「ざまあないよな・・・・演技のつもりが本気になっちまうなんてさ・・・」

この真中岬というアルプは少々変わっていた。
通常、アルプというサキュバス種は「男性」であるが「意中の男性」がいる場合になることが多い。
しかし、岬は「そうではなかった」。
岬にとってはセックスの相手は普通の女性であり、生まれてこの方男性を好きになることはなかった。
三年前、彼はペイパームーンでユウリと名乗るサキュバスと出会いお互い惹かれ夜を共にした。
いたって「普通」の出会いといえる。
岬が一生分のザーメンを出したかのような極上のセックスを堪能した翌朝、いつものように彼が目覚めると頭から角が生え、ペニスは瑞々しい生まれたてのヴァギナへと変わっていたのだ。
事情を知ったグランマが連絡し、すぐさま「学園」で精密検査が行われた。
診断結果は「性未分化症候群」。つまり彼は男性であり生殖機能もありながら遺伝子的には女性だったのだ。
「魔物化」において、魔力は対象がそれまで負っていた障害や病を治癒させる。驚くべきことだが、精神病ですら完治させてしまう。
恐らくユウリとの熱い交わりによって岬に流れ込んだ魔力が遺伝子の障害を治してしまったのだ。
結果、彼を完全に女性化した存在「アルプ」へと転化させてしまった。

「それはリュウさんのこと?」

「ああ、今まで男に恋したこともないしする気もなかった。だが、恋人の深見のヤツを本気で守ろうとしたリュウの姿に・・・どうしようもなくアタシの女が滾っちまったんだ・・」

岬が目を伏せる。

「分かってるさグランマ。リュウは深見の恋人だし、友人の恋人に恋慕するなんて馬鹿げてるって・・・。なあ、グランマ。どうしたいい?こんな気持ちを持ち続けるなんてあたしには・・・」

ギュッ!

「やっと一人前のアルプになれたわね岬」

隣席のグランマが岬を抱きしめていた。

「恋することに罪はないわ。それに魔物はね、友人同士で一人の夫を共有することもあるのよ。貴方が本当にリュウさんのことが好きなら・・・・二人にその思いを告げてみなさい」

「でも、そんなの・・・」

「魔物娘は愛に生きる存在よ。嘘偽りのない貴方のその気持ちを伝えれば・・・きっと二人もわかってくれるわ」

グランマが岬を見つめる。
その表情は優しく母親が子を見つめる表情にも似て、慈愛に満ちたものだった。


クリスマスのペイパームーン

クラシカルなクリスマスソングが流れるペイパームーン、その奥の丸テーブルに三人の男女が談笑しながら酒を楽しんでいた。
「ワイト」の小柄な女性と背の高い「アルプ」、そして彼女達の恋人である「インキュバス」だ。
アルプという種は恋をし、愛する恋人と交わるにつれその身体は中性的なモノから女性的なサキュバスに相応しいモノへと変わっていく。
インキュバスである「島崎リュウ」、彼の伴侶の一人である「真中岬」もその肢体は背の高さはそのままに、女性的な丸みを帯びた身体へと変わっていた。
髪型も、ベリショートからボブカットへと変えていて、印象は大きく変わっている。
この三人に何があったのか、それはグランマでもわからない。
結局のところ、深見とリュウは彼女を同じ伴侶として「受け入れた」のだ。

「幸せにね・・・」

そう呟くグランマの視線の先。
三人の指には同じデザインの銀の指輪が光っていた。


17/12/23 23:23更新 / 法螺男
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■作者メッセージ
このストーリーの構想は、以前「黒牢」を書く前に感想欄でリクエストを頂いてから考えていたものです。如何でしょうか?
さて、次回の更新ですが仕事が年末進行であることもあり、今年中の更新は難しそうです。でも、ちょくちょく読み切りは投下させていただく予定なので、ご期待ください。
また、新春にアクション巨編を構想しておりますのでよろしくお願いします。

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