連載小説
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事案は絶えないようで…
帰ってきた翌日に、また依頼が入った

和也「今度はどんな?」

リリム『今度はね…』

いつもの彼女が依頼をしてきた、今度はどんな娘だろう…

???「どうも…」

???「…」

???「こんにちは…」

少女と女性で合わせて三人が入ってきた

和也「風邪でも引いてるのか?」

うち一人はマスクをかけている、その長髪の女性に聞いた

リリム『一気に呼ぶべきではなかったわね…一人一人にしましょう…』

和也「…わかった。」

それから、その長髪の女性にまずは話を聞く

和也「俺は和也と言う。で、なんで魔物になりたいと?」

???「私は有紀と言います。魔物になりたいのは…」

彼女がマスクを外して顔にかかる長髪を上げると、明らかに人為的な傷跡や焼けたような痕があった

和也「なるほど…わかった。」

有紀「私みたいな顔でも、なおりますか?人並みの人生を送れますか?」

和也「それはお前さん次第だ、だが顔は多分治る」

有紀「なら、お願いします…」

和也「その前に、差し支えがないならお前さんに何があったか聞かせてほしい。」

有紀「実は…」

彼女は義理の父親に虐待を受けていたのだと聞き、殺意がこみ上げてきた…

リリム『彼は今牢屋の中よ、出ても普通の生活は送れないようにしてあるから…』

和也「ある漫画みたいに巨大な焼けた鉄板の上で顔面を鉄板に着けて土下座するくらいはしてもらいたいものだが…」

有紀「まぁ、もう長くないでしょう…何せ身体中が悪性腫瘍の巣らしいですし…」

彼女は痛々しく見える顔で笑みをこぼす

有紀「ここで笑う私がろくでもないのは解ってます…」

和也「因果応報だ、俺は責めん。」

有紀「助けないように頼んだとしても?」

和也「そこまでいったらもう手遅れじゃないか?」

有紀「だから、祈ってます。どうか獄中死してほしいと…」

和也「それくらいは責めんさ」

リリム『ここまでなってしまうと、私は責められないわ…』

和也「なら、他の二人の話を聞いた後に行こう。」

有紀は部屋から出ていった。

和也「次は…?」

???「どうも…」

なんとも平凡で特徴のない女性が入ってきた

和也「俺は和也と言う。お前さんは、THE・一般人って感じだな…」

???「私は、光と言います」

和也「なるほど、なんで魔物になりたいと?」

光「…」

リリム『彼女はかれこれ8連続男を魔物にとられてるのよ…』

和也「なら憎まないか普通」

光「それよりも私は…」

和也「なるほど…愛されたい、か?」

光「!はい…!」

和也「良い娘じゃないか…わかった。なら最後の人の話が終わったら行こう。」

光「!はい…」

そして、最後に入ってきたのは、この中では一番年下の少女だった

和也「俺は和也と言う。お前さんはなんで魔物になりたいと?」

???「私は、花梨って言います。私は…」

和也「なるほど…」

生まれてすぐ両親が災害で死んでしまい、数日前にその施設が閉院となって呆然としているところを魔物に見つけられてここに回されたらしい

和也「なら、二人も行こう。」

そのまま三人を連れていき屋敷の中庭にある花に彼女達を入れていく

和也「この花が君たちを魔物にしてくれる、どんなのになるかは俺にもわからん。」

楓『今度はどんな娘が?』

和也「あとから話す。」

三人はそのまま花に包まれて花びらは閉じていった…

和也「…と言うわけだ」

いきさつをかいつまんで話す

雫『有紀さんの父親に怒りが沸きました』

和也「まあ、そのうち死ぬだろ」

瑠璃『光ってひとも、何か不憫だね…』

和也「嫉妬心もありそうだな…まあ、なるようになるだろ…」

楓『花梨ちゃんもなかなか重いですね…人格形成まで影響が及んでいそう…』

和也「さて、次は相手を探してやらんとな…」

俺の頭には、ある程度目星がついていた。

事案は絶えないようで… おわり
19/11/15 23:48更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです

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