連載小説
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Z部隊員とザバサU
隊長とは部下によって過酷に生き、また部下よりゆったりと生きる。
そんな感じが最も良い頼りがいがあるからだ。
しかし打ち解けるには何かしら弱みの一つや二つ見つけ出して
わざと握らせたほうがよいのかもしれない何故なら・・・
{部隊は援護によって成り立つ}からである。
                   ザバサの手記(紙切れ)より抜粋




「若干遅刻気味かな・・・」←それでも10分前行動!

時刻は4時40分・・・

暗くなった廊下でそうつぶやくザバサの姿があった。

隊長として遅刻などと言う職務怠慢はいけないが・・・

少し前、ヴァンパイアと廊下で、談笑したのが原因である。

よって正当な理由があるため職務怠慢には含まれない・・・はずだ。

談笑によって未然にヴァンパイアとの最悪のシナリオは

避けられたのだからな・・・だが食堂に行くのが遅れてしまった・・・

(嫌な予感しか必然的に感じられない)

なにせ食堂には・・予感ではあるが・・・

今日の任務パートナーが、すでに待機している可能性が高いからだ。

なにせ今日の任務パートナーは・・・根っからの戦士・・・リザ・・

(って・・んなこと考えてる間にもう食堂か・・・
             先にいたら・・職務怠慢と思われるよな・・・)

暗い廊下に先に目に優しく光る{食堂}と書かれた看板が見えてきた。

鋼鉄製の扉を開け中に入った・・・

(毎回思うが食堂に鋼鉄製の扉が必要か?・・・)

(食堂の全体を見渡しクリアリング)・・(異常なし)・・(クリア!)・・

「ふう・・・何とか・・まにあっ・・・」

「てない!」

(光学迷彩かよ・・・・話し合う気は・・・・・まず無いな・・・・・・・)

何も無い空間からいきなり聞こえてきたかと思うと・・・

いきなり姿を現した罵声の主は・・・

腰に掛けてある異型な剣に手を掛けて抜き・・振りかざしてきた。

「あの剣は!・・まてまて!その剣だけはマズイかr・・・・・」

そうザバサが言い終わらない内に・・・

「問答無用〜」・・・声と共に第一刃が振り下ろされた・・・。

「ガキ・・」鈍い音と共にさっき入ってきた鋼鉄製の扉が大きく凹んでいた

・・まあ間一髪ザバサはよけていたが・・・

(ふう・・静かな朝が台無しだな・・・と言うか・・・
             鋼鉄製の扉の必要性が分かった気がする・・・)

「気を静めろ、感情や性格で戦うことは冷静な判断かつ
                  合理的で巧妙な思考の妨げになるぞ」

「私はいつでも冷静で合理的かつ巧妙だ!」

(もはや辻斬り状態だぞ・・これ・・・)

第二刃接近中・・・今度は鋭い突きだった・・・

若干かすったものの直撃は避けられた・・・が後ろの壁に大穴が空いた・・・

(絶対に我を忘れているだろうアイツ・・・合理もヘッタクレもないな                 壁も鋼鉄製じゃなきゃ・・・駄目だな・・・)

※壁はモルタル

「それそろ止めないと・・マズイな・・・任務に影響が・・・・・・・・・」

切りつけて来た相手は未だに超臨戦状態・・もっと簡単に言えば・・・
 
{覗いているつぼにつぼまじん?}

(は・・・我ながらよい例を出したものだ・・・)

そんなこと考えているうちに・・・・・・・・・・・・・・

第三波接近中・・・目にも止まらぬ電光石火・・もとい紫電一閃・・・

(嗚呼・・天界が見えてきた・・・本格的にヤバいな・・・・・・・・・・)
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時刻は4時50分・・・

食堂に静けさが戻った・・・

(見るも無残な廃墟のような風景は広がっているが・・・)

「一瞬、副艦長の故郷に行けそうだったぞ・・・」

そう言って爆心地見たくなった食堂の中心で
                  立つザバサの姿があった・・・

(やはり・・穏やかな事とは無縁だな・・うちの部隊・・・と言うか・・
       俺自身?・・・まあ最終的に穏やかになった分マシか・・・)

ザバサが後ろに振り返ると壁にもたれている隊員がいた・・・

「カ・・ハッ・・・」

第三刃の斬撃が来た時にザバサは手に装着していた装甲で、剣を受け流し

スモーク・グレネードを投げて視界をくらまして回避した・・・

しかしすぐに音で感づかれて見つかり第四刃・第五刃と共に正確に

当てて来たが・・ザバサは回避してホルスターに入っていた

セルフディフェンス用のリボルバータイプのハンドガン{ジャッジ}を使い

仕留めた経緯である。{ジャッジ}は410番シェルか45口径のいずれかの弾を

6発装填できザバサは410番シェルを改造した

              {超弩級猛獣用麻酔弾}を6発・・・・・・・

腹にプレゼントして勝負は終結した。

しかし回避した2斬は正確な方向に来たもののすぐには止まれなく

2斬とも前方10メートルを撃滅に追い込んだ・・結果・・・・・・・・・・

食堂が無残な廃墟と化した理由である。

(ふう・・いやな戦闘記録だな・・・こりゃ・・・・・)

そう思いつつもザバサは壁にもたれている隊員の方に向かって言った・・・

「大丈夫か?・・頼むからもう少し控えてくれよ・・・
  遅れた事に関しての所行なら少し話を聞いてからにしてくれよな・・・」
    
(まあ・・実際には遅刻するどころか十分前に着いたのだがな・・・)

「何を言っている・・・艦長とて遅刻は・・許されぬぞ・・・」

止め方のせいだろうが・・・少し呂律が回っていない・・・

「弁解の余地を・・・と言っているんだ・・・
             弁解の理由ぐらい少しは説明させてくれ・・・」

「フン・・・いいだ・・ろ・・出来るものな・・・ら・・な」

(少し落ち着いてきたな・・・)

{弁解中・・・・・・・・・・・・}

「ふ・・何だそう言うことか・・・何故先に言わない?・・・
           リリアとの談笑なら正当な理由として通るぞ・・・」

(指摘したい点はあるが・・どうやら弁解出来たようだな・・・)

「気づかい感謝するぞ・・・訓練官教頭フレイヤ殿」

「訓練官教頭は不要だろ!フレイヤで十分だ、毎度毎度・・暑苦しい・・・」

(超弩級の猛獣を眠らせる麻酔弾6発くらっていてもう平然としてるな・・)

「しかしフレイヤだと何だかしっくりこない・・・なので・・晴美と・・・」

「ゴフッッッッッッッッッッ・・・・・・・・・・」

晴美と言った途端フレイヤは顔を少し赤くしてむせるながら・・・

「バカ者・・・私は誇り高き剣士リザードマンだぞ・・・
               晴美などと言う軟弱そうな名前で呼ぶな!」

(なんかすげぇ頭振っているけど・・まあ麻酔は完全に切れたな・・・)

「おっと・・すまないな・・・・・・だがお前の本m・・・」

「また同じ目に会いたいのか・・・」

鬼のような形相で、そう言うとフレイヤは腰に掛けてある剣の柄を握った・・

「まてまて、ここで{マティルデ}を使うのはやめてくれ・・・」

{マティルデ}とはZ部隊の精鋭が使うプラズマ粒子運動を利用した剣・・・

即ち・・高周波ブレードの強化版見たいな物だ・・・

しかし強力なのは良いが使うにはコツと加減を知る必要があるため

使うものは限られているが・・・

(まあ・・コツはともかく加減を知らんとな・・・)

「使いはせん・・加減は心得ているからな・・・」

(心得ている・・か?・・・まあ本人が言っているから良いか・・・・・・)

「しかし・・どうしてもフレイヤだとしっくり来なくてな・・・
   普段は良いのだが・・こう・・・二人の時だとな・・・・・・
     多少堅苦しい呼び名は避けたくなってな・・・・・・・・・・・」

少しザバサは懐かしそうな顔をしながらそう言っていた・・・

少しの間食堂に沈黙が走り・・・少しほほ笑みながらフレイヤは言った・・・

「ならミナと呼べと毎度言っているではないか!・・・」

「・・旧名か・・・・・・」

「こっちが本名だ!・・たく・・・誰が晴美が本名と言った!・・・・」

「しかし・・懐かしいなお前がZ部隊員の駆け出しだった頃は・・・」

「何で急にそんなことを・・・?」

「いや、当時から変わっていない所もあるのだな・・と感じたからだ・・・」

「ふん・・何が変わらないか知らないが・・・そろそろ時間だぞ・・・」

時刻は5時00分・・・・・

フレイヤとザバサは無残な廃墟と化した食堂を片づけ始めた・・・

後30分もしないうちに炊事訓練生が来るからである・・・

「ったく・・お前が2斬りもしなければこんなことにはならなかったぞ!」

「黙れ!お前が事情を説明するのを遅れたからだろ・・・」

「光学迷彩を使って斬りつけてきたんだ・・・話をする状況では無いだろう」

「まあ・・その点は否定できないが・・・・」

「まあいい・・この程度襲われた内に入らないからな・・・・」

少し意地悪そうにザバサがそう言ったのに対してフレイヤも返した・・・

「寛大な心に感謝します・・野戦調理部隊料理隊長兼艦長・・・ザバサ殿!」

「ふふ・・皮肉のつもりか?それとも尊敬の意を表したのかな?」

ザバサは少し楽しげにフレイヤにそう言い返した・・・

「両方ともだ・・・」

そうフレイヤも楽しげに返した・・・・・

どこか楽しそうな二人であった・・・・
           軍人として見てもパートナーとして見ても・・・・・

時刻は5時20分・・・

訓練生が集まってきた・・・・

「食堂の壁が壊れていますね・・(鋼鉄製なのに・・・・)・・・・・」

「教官が壊したのではないんですかね?(あの剣で・・・・・)・・・・・」

そんな風に話しながら来る訓練生の姿を食堂の奥から見ながら黙々と

調理訓練の内容を教官のフレイヤと話しながら予定を立てている

                    ザバサの姿があった・・・・・
10/08/10 19:57更新 / クロニカル
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■作者メッセージ
ああ・・遊びでも書くのはつらいものですね・・・・・

自分でも少し分かりにくい気がする・・・・

と言うか訓練教官フレイヤとミナのどっちにしようかな

あと副艦長についてはのちほど・・・・

嗚呼早く隊員との出会いの回想を書いて本格的にしたいのに・・・

後からどんどん日常の案が出てくるどうしよう?
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{やりたければ強引にやればよい強引さが強ければ強いほど
                         思いは強いはずだ}
                     {ザバサより}

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