何も考えずに変態が妄想しまくるととんでもないことになるという典型的な例
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
軽くウェーブした湖のような淡い蒼の髪も。
そこからぴょこんと恥ずかしげに飛び出すエルフのような長い耳も。
少し不機嫌そうに見下ろすそのルビーのような瞳も。
胸元と太ももを露出させているそのけしからん謎生物っぽい鎧も。
全部含めて可愛いよデュラハンたん。
「うるさい。お前にかまっている暇は無いんだ。何処へなりとも行け」
そうやって、犬を払うかのように振るうその手もすらりと指が長くて可愛いよ。
紫のグローブでむれむれしてるその指にちゅっちゅしたいよ。
「うん。私としては地獄にでも行ってくれると嬉しいかな」
そう言って照れ隠しするデュラハンたんツンデレ可愛いよ。
「ツンデレと言うのはよく分からんが…毎日、お前のような変態に可愛い可愛いと言われ続けて私の中の可愛い株がストップ安なんだが」
可愛い株式を気にするデュラハンたん可愛いよ。
例えデレ期がなくても、そのままのクールなデュラハンたんでも可愛いよ。
軽蔑しきった汚物を見るような目でも可愛いよ。
「うっさい。黙れ死ね」
そう言ってマントを翻してどっかへ行くデュラハンたんの後姿も可愛いよ。
デュラハンたんハァハァ。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
上品に鶏肉をフォークとナイフで切り分けて口に運ぶ姿も可愛いよ。
「…お前は私に普通に食事をさせる気が無いのか？」
勿論あるよ。
デュラハンたんは可愛くて、可愛いは正義なんだからデュラハンたんの食事を邪魔するつもりは無いんだよ。
「お前が傍にいるだけで食欲が失せるんだが…」
ごめんなんだよ。
でも、デュラハンたんの傍にいないとデュラハンたん成分が枯渇して死んじゃうんだよ。
「私は一向に構わんッッッ訳だが」
デュラハンたんそれツンデ烈の台詞だよ。
やっぱりデュラハンたんはツンデレなんだよ。
「お前の言っている意味が分からん…」
俺もデュラハンたんのことしか考えてないから自分が何を言っているのかわかんないんだよ。
デュラハンたんマジ傾国の美女なんだよ。
「そのまま傾きまくって腐ってくれれば良いんだがな」
俺は死なないんだよ！
デュラハンたんがいる限り何度でも蘇るんだよ！
でも、キスしてくれたら主人公補正的なアレでもっと強くなって復活するんだよ！
「はいはい。頼もしいな」
本気にしてくれてないんだよ…。
「当たり前だ。それより明日の作戦会議を始めるぞ」
食堂なんかでやっていいんだよ？
グリーンダヨー。
「お前が何を言いたいのか分からないが、お前と部屋で二人きりになると襲われそうなので仕方なくここを使うんだ」
失礼なんだよ！
俺のデュラハンたんへの愛情は純愛なんだよ！
ケダモノのごとく襲い掛かったりはしないんだよ！！
「そう言ってこの前、部屋に招いたら私の下着を盗んで行ったのは何処のどいつだったか？」
それは初耳なんだよ！
くそう！俺のデュラハンたんの下着を盗むなんてどんな怪盗なんだよ！
きっとルパン三世のように普段は三枚目だけど、決めるところでは決めてくれる格好良い怪盗に違いないんだよ！
「とりあえず私はお前のものではない。…後、ポケットから下着が見えてるぞ」
あ、いけね。
「まったく…。今回は大目に見るが次は命が無いと思えよ」
そんな…！このデュラハンたんの下着が無くなったら俺は生きていけないんだよ！
オマンマも食い下げなんだよ！！
「知らん。というか人の下着を盗んでおいて図々しいぞ。しかも、お前、そこそこ給料貰っているじゃないか」
デュラハンたんのパンツを手の中に握っていないと、デュラハンたんのことを考えて胸が一杯になってご飯が食べられないんだよ！
お陰で寝る時もこれを被ってすーはーしないと眠れないようになったんだよ！！
デュラハンたんマジ殺人級の可愛さなんだよ！！！
「……やっぱそれ返さなくて良いぞ。お前にやる」
Σ嬉しいんだよ！！！
デュラハンたんマジ優しいんだよ！
そしてこれはやっぱりデレ期到来の予感を感じるんだよ！
「いや、単純にお前が被ったと考えると気持ち悪くて触れたくないだけだ。後、下着まで取り上げて何時も以上に私の所に来られても困るし」
そんなこと言って照れ隠しするのが上手いんだよ。
「いや、照れ隠しじゃ…」
でも、これで遠慮なくデュラハンたんの前ですーはー出来るんだよ。
すーはーすーはー。デュラハンたんマジフローラルなんだよ。
「お前、もうホント、マジで死んでくれ……」
食堂の机に突っ伏して頭を抱えるデュラハンたんも可愛いよ。
デュラハンたんマジ妖精なんだよハァハァ。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
月明かりのバルコニーで黄昏る姿はマジ幻想的で一枚の絵画みたいなんだよ。
「…お前か」
デュラハンたんの婿参上なんだよ！
「何時、私はお前を娶ったんだ…」
一目会ったその日から俺の身も心もデュラハンたんに捧げているんだよ！
デュラハンたんは俺の嫁！…と言いたいけど言えないからそれくらい勘弁して欲しいんだよ！
「クーリングオフは効かないか？」
残念だけどナマモノなんで効かないんだよ。
でも、デュラハンたんへの愛はナマモノじゃなく永久不滅なんだよ！
「まったく…お前は何時でも変わらないな」
デュラハンたんも何時でも変わらず可愛いよ。
憂いているその表情も、何時もと違ってどきっとするよ。
でも、どうしたんだよ？
「…お前は怖くないのか？明日の戦いが」
明日……あぁ、そう言えば明日大きな戦いがあるんだよ。
すっかり忘れてたんだよ。
「ついさっきまで二人その作戦概要の確認をしてたんだがな」
仕方ないんだよ！
俺の心は常にデュラハンたんで一杯で、他の事なんて考える余地はないんだよ！
「まったく…お前は気楽だな」
何時でも俺はデュラハンたんに真剣なんだよ！
それに明日は大きいと言ってもたかだか人間とこっちの戦力差が三倍なだけなんだよ！
それくらい俺のデュラハンたんへの愛で押し返して見せるんだよ！
「…三倍なだけ…か。確かにそうだな」
敵軍の中にはスパイが山ほどいるし、相手の情報は殆ど筒抜けなんだよ！
急造で数を集めただけで錬度はあってもまともな連携は殆ど取れないだろうし、
相手の主力は傭兵で、形勢が決すれば命が大事だから逃げ出すんよ。
敵軍の中に潜り込ませているスパイが偽の情報を流して混乱させれば、ゲリラ戦が得意なこっちに傾くんよ。
「お前は…本当そういうのだけは得意だな」
デュラハンたんに少しでも役立つために勉強した結果なんよ！
「捕虜にした時はなんと役に立たない奴を拾ったものだと思ったものだが…変態でもこういう使い道はあるんだな」
失礼なんだよ！何度も言うけど俺は変態なんかじゃないんだよ！
ただ、デュラハンたんが可愛過ぎて素直に可愛いって言っちゃうだけなんだよ！
抱いている感情は純愛も純愛で、子供は三人は欲しいとか思ってたり、休日は家族三人でピクニックへ行きたいな、と思っていたり、疲れて帰ってくるデュラハンたんを毎日優しくマッサージしてあげたいと思っていたり―
「うるさい！黙れ！お前は乙女かっ！！」
それくらい純愛なんだよ。デュラハンたんマジ可愛いよ。
「…その割にはお前、一度も好きとは言わないな」
…何のことか分からないんよ。
「目を逸らすな」
だって、その…ねぇ？
デュラハンたんマジ天使だけど、俺は剣の腕もそこそこで、頭も悪いし本当、良い所ないし…。
俺と同じ頃に捕虜にされた連中は皆デュラハンさん達ときゃっきゃうふふしているのに、一向に襲われる気配もないし…。
「…一応、これでも同族を率いる立場だからな。簡単に我を忘れるわけにはいかんのだ」
分かっているんよ。
デュラハンたんが何時も真面目で張り詰めているのは仲間を一人でも多く生還させるためなんよ。
でも…張り詰めた糸は何時か切れてしまうんよ。
そうやって張り詰め過ぎるとデュラハンたんが潰れてしまいそうで怖いんよ。
だから…
「毎日毎日、人の顔を見るたびに可愛いと言っている訳か」
俺に出来るのはそれくらいなんよ…。
「馬鹿だな…お前は」
毎日言われているから分かっているんよ…。
「まぁ…私はそういう馬鹿は嫌いじゃないが」
…え？
「と、とにかく。明日は早いんだ！早く出て行け！」
え？え？いや、ちょ、ちょっと待ってくれ！
もう一度！もう一度聞かせてくれ！！！
「うっさい！素に戻るな！明日はお前も出るのだからとっとと部屋に戻れ！」
ちょ…！押さないで！後生だからもう一度―
「二度は無い！！！」
そんな！
ってあぁぁぁ扉がっ！まだ閉めないでくれっ！
「…もう一度言って欲しかったら、次は私に好きと言って見せることだな」
え…？
―バタン
………………………
いぃぃぃゃっほおおおおおおおおおおおおおおおう！！！！！
嬉しいんよ！
まさかデュラハンたんが俺を少しでも思ってくれていたなんて思ってなかったんよ！
こんなに嬉しいことはないんよ！！！！
デュラハンたんマジ天使なんよおおおおおおおおおおおお！！！！
「うっさい！黙れ！死ね！！！！」
わざわざ部屋から出てきて蹴っ飛ばすデュラハンたんマジ天使なんよ。
真っ赤になってたから何時もの三倍可愛いんよ。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
返り血を浴びて少し朱が射したその顔も。
支給された兜を脱ぎ捨てて必死に血を止めようとするその表情も。
何もかもが可愛いんよ。
「うるさい…！黙れ…！しゃべるなぁ…！」
でも……もうしゃべれなくなってからじゃ遅いんよ。
「そんなこと…させるものか！この程度の傷治るに決まっている！それにお前、前に言っただろう！？私がお前の傍にいれば何度でも蘇るって！お前、私に嘘をついたのかっ！」
嘘じゃないんよ…。
でも、この傷はもう……。
「馬鹿なことを言うな！たかが……たかが内臓が少し飛び出ているだけじゃないかっ！このくらい治る…！いや、治してみせる…！」
ははは…デュラハンたんならできるかもしれないんよ…。
デュラハンたんマジ天使なんよ…。
「あぁ天使でも何でもなってやる…！！だからもう少し耐えろ！もう少しで医療班が来る！そしたらきっとこんな傷…！」
デュラハンたん…。
「喋るな！無駄な体力を消費するんじゃない…！くそっ！医療班はまだなのか！？連中は何をやっている！？」
デュラハンたん…大好きなんよ…。
「おい馬鹿止めろ！そんな…まるでこれが最後みたいな……そんなことを言うんじゃない！」
………。
「…おい！おい聞いているのか！目を開けろ！」
………。
「おい…嘘だろう…？また性質の悪い冗談なんだろう…？」
………。
「キスでもなんでもしてやるからそんな冗談は止せ。頼む。お願いだ。目を開けてくれ……」
………。
「………」
………。
「誰かああああああああ！誰でも良い！こいつを…！こいつを治してやってくれ！頼む！誰かあああああああ！誰か居ないかあああああああ！！！」
……………………………。
デュラハンたんマジ可愛いよ。
「うるさいうるさいうるさいうるさい！！！！」
俺が気を失っている間に半狂乱になって助けを呼んでたってさっきクイーンスライムさんにきいたんよ。
「あの馬鹿…！余計なことを…！！！」
真っ赤になって俯くデュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
「うるさい…！そもそもお前があの程度の怪我で気を失うのが悪いんだ！」
それは…ちょっと反省しているんよ。
「反省じゃ足りん！良いか！回復したら毎日、お前に稽古をつける！」
えぇええええええ！？
デュラハンたんの稽古とかそれこそ命がいくつあっても足りないんよ！
「お前に拒否権は無い！あの一件で私がどれだけ周りにからかわれたのか知っているのか！？」
完璧八つ当たりなんよ！
でも、そんなデュラハンたんが可愛いよ！
「黙れ馬鹿っ！……………そう言うのは次から二人きりの時に言え」
え…？
「馬鹿なお前には何度言っても分からないようだから特別に許可してやる。ただし…二人きりの時だけだ。良いか。わかったな？」
……でゅ
「でゅ？」
デュラハンたんマジ天使いいいいいい！！！！
真っ赤になって釘を刺すデュラハンたん可愛いよ！
つんつんなデュラハンたんも可愛いけどデレ期はもっと可愛いよ！反則だよ！
今の表情だけでご飯三杯はいけるんだよ！！！
「うるさい！黙れ！！！」
げしげし蹴られても今は寛大な心で許せるんよ！
「まったく…死に掛けて少しは馬鹿が治るかと思ったら悪化したな…」
あ、デュラハンたん。
「何だ？馬鹿よ」
愛してるんよ。
「………馬鹿。私もだ」
軽くウェーブした湖のような淡い蒼の髪も。
そこからぴょこんと恥ずかしげに飛び出すエルフのような長い耳も。
少し不機嫌そうに見下ろすそのルビーのような瞳も。
胸元と太ももを露出させているそのけしからん謎生物っぽい鎧も。
全部含めて可愛いよデュラハンたん。
「うるさい。お前にかまっている暇は無いんだ。何処へなりとも行け」
そうやって、犬を払うかのように振るうその手もすらりと指が長くて可愛いよ。
紫のグローブでむれむれしてるその指にちゅっちゅしたいよ。
「うん。私としては地獄にでも行ってくれると嬉しいかな」
そう言って照れ隠しするデュラハンたんツンデレ可愛いよ。
「ツンデレと言うのはよく分からんが…毎日、お前のような変態に可愛い可愛いと言われ続けて私の中の可愛い株がストップ安なんだが」
可愛い株式を気にするデュラハンたん可愛いよ。
例えデレ期がなくても、そのままのクールなデュラハンたんでも可愛いよ。
軽蔑しきった汚物を見るような目でも可愛いよ。
「うっさい。黙れ死ね」
そう言ってマントを翻してどっかへ行くデュラハンたんの後姿も可愛いよ。
デュラハンたんハァハァ。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
上品に鶏肉をフォークとナイフで切り分けて口に運ぶ姿も可愛いよ。
「…お前は私に普通に食事をさせる気が無いのか？」
勿論あるよ。
デュラハンたんは可愛くて、可愛いは正義なんだからデュラハンたんの食事を邪魔するつもりは無いんだよ。
「お前が傍にいるだけで食欲が失せるんだが…」
ごめんなんだよ。
でも、デュラハンたんの傍にいないとデュラハンたん成分が枯渇して死んじゃうんだよ。
「私は一向に構わんッッッ訳だが」
デュラハンたんそれツンデ烈の台詞だよ。
やっぱりデュラハンたんはツンデレなんだよ。
「お前の言っている意味が分からん…」
俺もデュラハンたんのことしか考えてないから自分が何を言っているのかわかんないんだよ。
デュラハンたんマジ傾国の美女なんだよ。
「そのまま傾きまくって腐ってくれれば良いんだがな」
俺は死なないんだよ！
デュラハンたんがいる限り何度でも蘇るんだよ！
でも、キスしてくれたら主人公補正的なアレでもっと強くなって復活するんだよ！
「はいはい。頼もしいな」
本気にしてくれてないんだよ…。
「当たり前だ。それより明日の作戦会議を始めるぞ」
食堂なんかでやっていいんだよ？
グリーンダヨー。
「お前が何を言いたいのか分からないが、お前と部屋で二人きりになると襲われそうなので仕方なくここを使うんだ」
失礼なんだよ！
俺のデュラハンたんへの愛情は純愛なんだよ！
ケダモノのごとく襲い掛かったりはしないんだよ！！
「そう言ってこの前、部屋に招いたら私の下着を盗んで行ったのは何処のどいつだったか？」
それは初耳なんだよ！
くそう！俺のデュラハンたんの下着を盗むなんてどんな怪盗なんだよ！
きっとルパン三世のように普段は三枚目だけど、決めるところでは決めてくれる格好良い怪盗に違いないんだよ！
「とりあえず私はお前のものではない。…後、ポケットから下着が見えてるぞ」
あ、いけね。
「まったく…。今回は大目に見るが次は命が無いと思えよ」
そんな…！このデュラハンたんの下着が無くなったら俺は生きていけないんだよ！
オマンマも食い下げなんだよ！！
「知らん。というか人の下着を盗んでおいて図々しいぞ。しかも、お前、そこそこ給料貰っているじゃないか」
デュラハンたんのパンツを手の中に握っていないと、デュラハンたんのことを考えて胸が一杯になってご飯が食べられないんだよ！
お陰で寝る時もこれを被ってすーはーしないと眠れないようになったんだよ！！
デュラハンたんマジ殺人級の可愛さなんだよ！！！
「……やっぱそれ返さなくて良いぞ。お前にやる」
Σ嬉しいんだよ！！！
デュラハンたんマジ優しいんだよ！
そしてこれはやっぱりデレ期到来の予感を感じるんだよ！
「いや、単純にお前が被ったと考えると気持ち悪くて触れたくないだけだ。後、下着まで取り上げて何時も以上に私の所に来られても困るし」
そんなこと言って照れ隠しするのが上手いんだよ。
「いや、照れ隠しじゃ…」
でも、これで遠慮なくデュラハンたんの前ですーはー出来るんだよ。
すーはーすーはー。デュラハンたんマジフローラルなんだよ。
「お前、もうホント、マジで死んでくれ……」
食堂の机に突っ伏して頭を抱えるデュラハンたんも可愛いよ。
デュラハンたんマジ妖精なんだよハァハァ。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
月明かりのバルコニーで黄昏る姿はマジ幻想的で一枚の絵画みたいなんだよ。
「…お前か」
デュラハンたんの婿参上なんだよ！
「何時、私はお前を娶ったんだ…」
一目会ったその日から俺の身も心もデュラハンたんに捧げているんだよ！
デュラハンたんは俺の嫁！…と言いたいけど言えないからそれくらい勘弁して欲しいんだよ！
「クーリングオフは効かないか？」
残念だけどナマモノなんで効かないんだよ。
でも、デュラハンたんへの愛はナマモノじゃなく永久不滅なんだよ！
「まったく…お前は何時でも変わらないな」
デュラハンたんも何時でも変わらず可愛いよ。
憂いているその表情も、何時もと違ってどきっとするよ。
でも、どうしたんだよ？
「…お前は怖くないのか？明日の戦いが」
明日……あぁ、そう言えば明日大きな戦いがあるんだよ。
すっかり忘れてたんだよ。
「ついさっきまで二人その作戦概要の確認をしてたんだがな」
仕方ないんだよ！
俺の心は常にデュラハンたんで一杯で、他の事なんて考える余地はないんだよ！
「まったく…お前は気楽だな」
何時でも俺はデュラハンたんに真剣なんだよ！
それに明日は大きいと言ってもたかだか人間とこっちの戦力差が三倍なだけなんだよ！
それくらい俺のデュラハンたんへの愛で押し返して見せるんだよ！
「…三倍なだけ…か。確かにそうだな」
敵軍の中にはスパイが山ほどいるし、相手の情報は殆ど筒抜けなんだよ！
急造で数を集めただけで錬度はあってもまともな連携は殆ど取れないだろうし、
相手の主力は傭兵で、形勢が決すれば命が大事だから逃げ出すんよ。
敵軍の中に潜り込ませているスパイが偽の情報を流して混乱させれば、ゲリラ戦が得意なこっちに傾くんよ。
「お前は…本当そういうのだけは得意だな」
デュラハンたんに少しでも役立つために勉強した結果なんよ！
「捕虜にした時はなんと役に立たない奴を拾ったものだと思ったものだが…変態でもこういう使い道はあるんだな」
失礼なんだよ！何度も言うけど俺は変態なんかじゃないんだよ！
ただ、デュラハンたんが可愛過ぎて素直に可愛いって言っちゃうだけなんだよ！
抱いている感情は純愛も純愛で、子供は三人は欲しいとか思ってたり、休日は家族三人でピクニックへ行きたいな、と思っていたり、疲れて帰ってくるデュラハンたんを毎日優しくマッサージしてあげたいと思っていたり―
「うるさい！黙れ！お前は乙女かっ！！」
それくらい純愛なんだよ。デュラハンたんマジ可愛いよ。
「…その割にはお前、一度も好きとは言わないな」
…何のことか分からないんよ。
「目を逸らすな」
だって、その…ねぇ？
デュラハンたんマジ天使だけど、俺は剣の腕もそこそこで、頭も悪いし本当、良い所ないし…。
俺と同じ頃に捕虜にされた連中は皆デュラハンさん達ときゃっきゃうふふしているのに、一向に襲われる気配もないし…。
「…一応、これでも同族を率いる立場だからな。簡単に我を忘れるわけにはいかんのだ」
分かっているんよ。
デュラハンたんが何時も真面目で張り詰めているのは仲間を一人でも多く生還させるためなんよ。
でも…張り詰めた糸は何時か切れてしまうんよ。
そうやって張り詰め過ぎるとデュラハンたんが潰れてしまいそうで怖いんよ。
だから…
「毎日毎日、人の顔を見るたびに可愛いと言っている訳か」
俺に出来るのはそれくらいなんよ…。
「馬鹿だな…お前は」
毎日言われているから分かっているんよ…。
「まぁ…私はそういう馬鹿は嫌いじゃないが」
…え？
「と、とにかく。明日は早いんだ！早く出て行け！」
え？え？いや、ちょ、ちょっと待ってくれ！
もう一度！もう一度聞かせてくれ！！！
「うっさい！素に戻るな！明日はお前も出るのだからとっとと部屋に戻れ！」
ちょ…！押さないで！後生だからもう一度―
「二度は無い！！！」
そんな！
ってあぁぁぁ扉がっ！まだ閉めないでくれっ！
「…もう一度言って欲しかったら、次は私に好きと言って見せることだな」
え…？
―バタン
………………………
いぃぃぃゃっほおおおおおおおおおおおおおおおう！！！！！
嬉しいんよ！
まさかデュラハンたんが俺を少しでも思ってくれていたなんて思ってなかったんよ！
こんなに嬉しいことはないんよ！！！！
デュラハンたんマジ天使なんよおおおおおおおおおおおお！！！！
「うっさい！黙れ！死ね！！！！」
わざわざ部屋から出てきて蹴っ飛ばすデュラハンたんマジ天使なんよ。
真っ赤になってたから何時もの三倍可愛いんよ。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
デュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
返り血を浴びて少し朱が射したその顔も。
支給された兜を脱ぎ捨てて必死に血を止めようとするその表情も。
何もかもが可愛いんよ。
「うるさい…！黙れ…！しゃべるなぁ…！」
でも……もうしゃべれなくなってからじゃ遅いんよ。
「そんなこと…させるものか！この程度の傷治るに決まっている！それにお前、前に言っただろう！？私がお前の傍にいれば何度でも蘇るって！お前、私に嘘をついたのかっ！」
嘘じゃないんよ…。
でも、この傷はもう……。
「馬鹿なことを言うな！たかが……たかが内臓が少し飛び出ているだけじゃないかっ！このくらい治る…！いや、治してみせる…！」
ははは…デュラハンたんならできるかもしれないんよ…。
デュラハンたんマジ天使なんよ…。
「あぁ天使でも何でもなってやる…！！だからもう少し耐えろ！もう少しで医療班が来る！そしたらきっとこんな傷…！」
デュラハンたん…。
「喋るな！無駄な体力を消費するんじゃない…！くそっ！医療班はまだなのか！？連中は何をやっている！？」
デュラハンたん…大好きなんよ…。
「おい馬鹿止めろ！そんな…まるでこれが最後みたいな……そんなことを言うんじゃない！」
………。
「…おい！おい聞いているのか！目を開けろ！」
………。
「おい…嘘だろう…？また性質の悪い冗談なんだろう…？」
………。
「キスでもなんでもしてやるからそんな冗談は止せ。頼む。お願いだ。目を開けてくれ……」
………。
「………」
………。
「誰かああああああああ！誰でも良い！こいつを…！こいつを治してやってくれ！頼む！誰かあああああああ！誰か居ないかあああああああ！！！」
……………………………。
デュラハンたんマジ可愛いよ。
「うるさいうるさいうるさいうるさい！！！！」
俺が気を失っている間に半狂乱になって助けを呼んでたってさっきクイーンスライムさんにきいたんよ。
「あの馬鹿…！余計なことを…！！！」
真っ赤になって俯くデュラハンたん可愛いよデュラハンたん。
「うるさい…！そもそもお前があの程度の怪我で気を失うのが悪いんだ！」
それは…ちょっと反省しているんよ。
「反省じゃ足りん！良いか！回復したら毎日、お前に稽古をつける！」
えぇええええええ！？
デュラハンたんの稽古とかそれこそ命がいくつあっても足りないんよ！
「お前に拒否権は無い！あの一件で私がどれだけ周りにからかわれたのか知っているのか！？」
完璧八つ当たりなんよ！
でも、そんなデュラハンたんが可愛いよ！
「黙れ馬鹿っ！……………そう言うのは次から二人きりの時に言え」
え…？
「馬鹿なお前には何度言っても分からないようだから特別に許可してやる。ただし…二人きりの時だけだ。良いか。わかったな？」
……でゅ
「でゅ？」
デュラハンたんマジ天使いいいいいい！！！！
真っ赤になって釘を刺すデュラハンたん可愛いよ！
つんつんなデュラハンたんも可愛いけどデレ期はもっと可愛いよ！反則だよ！
今の表情だけでご飯三杯はいけるんだよ！！！
「うるさい！黙れ！！！」
げしげし蹴られても今は寛大な心で許せるんよ！
「まったく…死に掛けて少しは馬鹿が治るかと思ったら悪化したな…」
あ、デュラハンたん。
「何だ？馬鹿よ」
愛してるんよ。
「………馬鹿。私もだ」
12/08/13 12:54更新 / デュラハンの婿