連載小説
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最終章 セイン
 じゃり……じゃり……
 靴が岩肌を擦る音が響く。勇者セインは一人で洞窟の出口へと向かっていた。脚を引きずっているが、怪我をしているわけではない。
 じゃり……じゃり……
 靴が岩肌を擦る音が響き続ける。足取りが鉛のように重たく、足を上げて歩く気力がないのだ。
『姉さん……メープル……アンバー……』
 失った大事な仲間を思うセイン。彼女らの犠牲の果に得たものは自分の命だけ……他は何もない。そんな自分の命など価値があるのか。
「……」
 一瞬、自分の剣に目をやるがセインは心の中で首を振った。それは彼女たちが望まない、一番やってはいけないことだ。
『大丈夫ですよ、セイン。これは私達がしたかったこと……』
 自分たちの犠牲が無駄ではないことを訴えるように、アンバーが静かに笑っていう。
『何をしたいかだよ、お兄ちゃん』
 明るくメープルが笑う。
『お前が正しいと思ったことを……やっていけ』
 サフィが揺るぎない声で言う。
『僕は……僕は……』



 セインはイルトスト王国でもそれなりに名の知れた勇者の血の流れを組む家に嫡子として生まれた。それはそれは両親はもとより、いろんな人から彼は多いに祝福され、期待された。
 周囲から祝福され期待された子は大きく分けて2つの未来を進むだろう。その祝福を鼻にかける子と、その期待を背負う子と。
 セインは後者であった。彼は期待に応えようと努力を重ねる子であった。彼の努力と成長を周囲は褒め称え、さらに期待した。
 結果彼は……相手の"期待"を探り、顔色を伺い、それに応えようとする子になった。よく言えば優しい子、悪く言えば主体性のない子。
 いや、まったく主体性がないわけではなかった。確かに誰かから何かを言われればそれに従う。だが、誰からも意見がなければ彼は自分なりに考えて行動をする。なまじそれが彼の「主体性の無さ」を周囲から隠し、彼のいい人ぶりを買った。
 もっともそれが、人を救うこともある。不義の子である姉のサフィも、親の望む姿から逃れようとしたメープルも、逆に親の期待に応えようとして答えられなかったアンバーも。すべてセインの優しさに救われた者であった。
 そんな彼が、魔王討伐の命に任ぜられた。期待どおり、彼はその命を受けた。仲間については何も言われなかったため、彼は自分の希望通りにアンバー、メープル、サフィをパーティーに加えた。
 そして旅先で探しものを頼まれれば引き受け、山賊の討伐を頼まれれば引き受け、そして今回は"誠実の宝玉"の入手を頼まれ引き受けたのだが……



『僕は……』
 じゃり……
 とうとう、彼の足が止まった。彼は考える。
『僕は"何をしたい"んだ?』
 別に彼は誠実の宝玉などどうでも良かった。彼は魔王討伐も自分からは望んだりしていなかった。それが正しいかどうかなども自信をもって言えない。
 冒険の中で一番考えていたことは、頼まれていたことの達成と……
『みんなを守りたい……か』
 だがその守りたい人はいなくなってしまった。そもそもなぜ守りたかった? 仲間だから? 幼いころから一緒に過ごしたから?
「あらあら……結構いい顔しているはずなのに、ひどいことになっているわね」
 前から声が響き、セインはゆっくり顔を上げる。セインたち一行をここまで壊滅させた元凶、ダークスライムのプラムとフランがそこに立っていた。
「……」
 フランに嘲笑されてもセインの目に生気は戻ってこない。あまりの様子にプラムが恐る恐る声をかける。
「あのー、お兄さん? 何もしないの?」
「……別に僕は君たちを殺したいわけでもない。好きにすればいいだろ」
「怒るぞセイン。それはお前が正しいと思ったことなのか?」
 セインの言葉に、彼の後ろから声がした。
「何がしたいかだよ、お兄ちゃん」
 さらに響く声。ゆっくりと振り向く彼の目には生気が戻っている。その視線の先には
「さあ、今はセインの番ですよ。どうするのです?」
 サフィが、メープルが、アンバーがいた。みんな紫色の透き通った身体を持った、プラムやフランと同じ、ダークスライムになっているが、それでも彼女たちだった。
 人間をやめた彼女たちを見た瞬間、セインの胸にあったのは絶望ではなく喜びだった。人間じゃなくなっても戻ってきてくれた喜び。
『ああ……僕がしたかったことは、みんなを守りたいんじゃなくて……』
 セインは理解する。理解した彼は……
『みんなと一緒にいたいだけだったんだ……』
 仲間を抱きに、矢も盾もたまらず駆け出すのであった。



「ほら、セイン……もっと舌を出せ……」
 セインの両頬を手で包み込むようにしてサフィは彼を上に向ける。言われるがまま舌を出す勇者に女戦士も舌を出し、自らの唾液をぽたぽたとその舌にこぼす。固かった女戦士はその反動と言わんばかりに今いるダークスライム達の中では一番とろとろと柔らかく粘度が低かった。
 ダークスライムとなったかつての仲間たちと抱擁し、接吻を躱してからオスとしての本能が目覚めていたセインの身体だが、ダークスライムの一部であるサフィの唾液を吸収することでさらにいきり立っていた。
「ほら、お兄ちゃん。次はメープルの番だよ」
 サフィから奪うように今度はメープルがセインの顎を掴んで強引に自分の方に向かせる。そのまま彼女は彼のくちびるを奪った。
「ふぅっ……んむっ……ちゅぷっ……」
 舌に舌を絡みつけて、メープルもまたサフィと同じようにたっぷりと口の中に唾液を流し込み、それを飲み込ませようとする。もちろん、その唾液には媚薬成分が含まれており、彼のペニスはそれまで自身が経験したことがないくらいに張り詰めた。
「ふふ、キスだけでイッてしまいそうですか?」
 アンバーが優しく微笑む。だがその一方で手は強引にセインの顔を自分の方へと向かせており、次は自分の番だと主張していた。
 ひかえめに、小鳥がついばむようにアンバーはキスの雨をセインのくちびるに、顔に降らせる。しかしそれだけにとどまらず徐々に彼女の顔は下へと降りていき……
「ここにもキス、しますね?」
 爆発寸前でひくついているペニスの先端に、ちゅっと聖女はあいさつの口づけをした。
「くうぅう……!」
 可憐なくちびるが亀頭に触れた瞬間、暴発してしまった。もとは聖女だったダークスライムのくちびるが、精液で汚されてしまう。紫色の粘体に白濁の液はよく映えた。
「んっ、ふふっ……いっぱい出しましたね。私のくちびる……そんなに気持ちよかったですか?」
 意地悪く微笑むアンバー。気恥ずかしくなってセインは顔を赤くしてそっぽを向こうとする。だがその先にいたのは、聖女と同じ顔をしている魔法使いであった。
「気持ちよかったもんね。仕方ないよね。でもせっかくのダークスライムの身体をちゃんと味わってほしいなぁ?」
 そう言ってメープルは有無を言わさずセインの頭をかき抱いた。童顔の割にはたわわに実り、さらにダークスライムになったことでハリを増した胸がむにゅりと押し当てられる。
「ふふっ、知ってるんだよ。お兄ちゃん、メープルの胸を結構ちらちら見ていたよね?」
 アンバーは神官服ゆえにその胸の膨らみは目立たず、サフィは大きさが控えめなことに加えてスケイルアーマーで固めていた。そのため、胸に関してはセインの視線はメープルが受けることが多かった。
 アンバーにイカされて羞恥に顔を赤くしていたセインだったが、その顔がさらに赤くなる。メープルはくすくす笑う。その笑みはまんざらではなかったことを雄弁に語っていた。
「ふふっ……お兄ちゃん優しいから遠慮してチラチラ見るだけだったけど……どうかな? 触ってみたかったでしょ?」
「……ああ」
 自分がしたいことに正直になることにした勇者は、素直に認める。よくできましたとばかりにメープルは笑った。
 好きにしていいよ、とメープルは言う。許可を得たセインは胸の先端にむしゃぶりつき、片手でその膨らみの柔らかさを堪能する。突然の胸の愛撫にメープルは嬌声を上げた。
「あんっ、お兄ちゃん! おっきな赤ちゃんみたい……♡ ふふっ、でも赤ちゃんはおっぱい吸いながらここをこんなにはしないけどね?」
 そう言ってメープルは手をセインの下腹部に伸ばした。そこでは、先程射精したばかりだと言うのに、憧れの胸に触れることができて再び力を取り戻していた性器がそれを主張をしていた。
 ねとねとしたスライムの手がその勃起を握り込む。上下に動かすと、にちゃにちゃとみだらな音が立った。乳房に顔を埋めたまま、ウウっとセインはうめいた。
「えへへっ、気持ちいいでしょ?  ほーんと、お兄ちゃんは甘えん坊さんなんだからぁ……ああっ!」
セインは乳首を口に含みながら手の動きを早める。びくびくとメープルの身体が震え始めた。
「やっ、ダメだよぉ! そんなにしたらお兄ちゃんを気持ちよくしなきゃいけないのに……あんっ! メープル気持ちよくなっちゃう♡」
 くいくいと腰をくねらせるメープル。同時に手での愛撫も熱烈なものになっていく。
 その愛撫に徐々にセインは追い詰められていった。辺りに再び精の香りが漂い始め、セインが射精するのも時間の問題かに思えた。
「ダメだよ」
 ふいにメープルが愛撫をやめ、さらに胸もセインの顔から離した。セインが不服そうに顔を軽くしかめる。
「ごめんねお兄ちゃん。でもどうしてもしたいことがあってね……ねえ、お姉ちゃん」
 メープルが双子の相方を呼ぶ。そして悪い顔をしながら、その耳に何か囁いた。同じ顔をした存在は、表情も同じになった。
「面白そうですね、メープル」
「でしょ? じゃ、一緒にしよう?」
 双子のダークスライムは左右に分かれてセインの腰元に陣取った。何をするのかと、不完全燃焼のペニスを持て余してぼーっとしながら、セインは二人の様子を眺める。その目が驚きに見開かれる。
「あ、わ……」
「ふふっ、どうお兄ちゃん? おっぱいに包まれる感触は?」
 セインのペニスはメープルの胸に包まれていた。だがそれだけではない。
「双子ですから、私もアンバーと同じくらいありますからね。どうですか?」
 反対側からアンバーもまたセインのペニスを胸で包み込んできたのだ。丸くぷるぷると弾力のある大きな果実が4つ、セインの肉棒をサンドにする。しかも彼女たちの体はスライムゆえ透き通っており、中で苛まれている性器の様子が丸見えであった。
「ぐぅっ……!!」
思わずセインは声を上げる。いけないとは思いつつも前からじっくり見たい、触ってみたいと思っていた胸に自分の泌尿器が包まれている。しかも二人のものに。そしてその持ち主二人がにっこりとこちらに笑いかけて、むにゅむにゅとその胸でイカせようと愛撫してくる。
 この世のものとは思えない快楽とビジュアルに頭がおかしくなりそうだ。無意識のうちにセインは腰を動かしていた。
「あはは! お兄ちゃん、腰振っちゃってる〜♡ そんなにメープルたちのおっぱい気持ちいいの? そのまま気持ちよくイッちゃおう?」
「嬉しいですよ、セイン。私達の胸を気に入っていただけて。ほらほら、そのまままた射精してください」
 闇の粘体が悪魔のように左右から囁きかけてきて、ふくらみを押し付けて体と胸を揺する。その言霊にあっさりと勇者の体は屈した。
「うあ、ああ……イクッ……!」
 腰をぐいっと突き上げるセイン。二人の胸の谷間からにょきり亀頭が飛び出る。その先端から白いマグマが吹き上がり、二人の紫色の双丘に降り注いだ。
「すごい量……私たちの身体をこんなに汚して……」
「ふふっ……気になっていたおっぱいだったもんね。気持ちよかった?」
 首をかしげるメープルにセインは正直にうなずく。彼の反応に双子のダークスライムは満足そうに笑い、そして浴びた想い人の精液に顔を恍惚とさせた。
 一方で、その様子を不愉快そうに見ている者がいた。
「くっ……私にもあんな胸があれば……」
 サフィである。魔物化してからも彼女の胸は控えめであった。悔しそうに呻いている。だが、そこで何もしない彼女ではない。
「せっかくのスライムの身体なんだ。この身体を使って喜ばせてやろう」
 脱力して仰向けになっているセインの上にサフィは覆いかぶさる。彼女の紫色の粘液が、二度の射精を経てもなお勃起を保っているペニスの先端にとろりとかかった。
 垂れ落ちたスライムはセインの敏感な亀頭を撫で、さらに竿を撫でて伝い落ちていく。それがさらに何度も、何度も、どろり、ぬるりと落ちてくる。
 今いるダークスライム達の中ではもっとも粘度が低いサフィの身体は、とめどなく何度も自分の粘液をセインのペニスに垂らし、やがて粘液まみれにした。
「あっ、あっ……」
 もどかしい快感にセインは女のように声を漏らし、身体を揺らした。切なげな腹違いの弟にスライムとなった姉は笑う。
「ふふっ、どうだ? 気持ちいいか? 素直に答えてくれたらもっと気持ちよくしてやるぞ?」
「あぁ……きもちいい……」
 快楽によって思考力が鈍っているのか、それともこれが媚薬の効果なのか、セインは正直に答える。メープルとアンバーのダブルパイズリと同等かそれ以上にとろけているセインの様子にサフィは満足げに頷いた。
「正直でよろしい。よしよし、ではもっと気持ちよくしてやろう」
 サフィは弟の上で腰を落とし、スライムボディを密着させた。位置としてはちょうど脚と脚の間……ずぷりと、サフィの透き通った身体の中に、セインの身体の一部が入り込んだ。
「うわああ!」
 スライムに犯される未知の感覚にセインは悲鳴を上げた。スライムの身体はじゅるじゅると、自らが意思を持つかのように絡みついてくる。それはまるで蛇が獲物をいたぶってしめあげるかのようであった。スライムが竿を、カリ首を、先端をじゅるじゅると流動しながら撫でていく。
「ああっ!やめっ……あっ、ああっ!」
 快感から逃れるようにセインは暴れるが、身体をよじるだけに終わってしまう。抵抗できない状態で性感帯への責めを受け続けるしかない。
 そして本当に彼が嫌がっているわけではないことをサフィは見抜いていた。本当に嫌ならその自由な手を使って引き剥がすのを試みればいい。スライム相手だから無駄であろうが、少なくともそういう動きは見せるべきなのに。
「ふふふ、可愛い声だな。弟がそんな声を出してくれるとは夢にも思っていなかったよ」
 そう言ってサフィはさらに組み伏せている弟を攻め立てた。自分の身体を波打たせながらゆっくりと動き出す。撫で、締め付ける動きに、しごきぬく動きが加わった。ぬちゃぬちゃという音と共に、2人の肉体が重なり合う音が響く。
「私も気持ちいいぞ、セイン……もっと気持ちよくなっていいか?」
 そう言うとサフィは自らのダークスライムのコアを動かした。胸の辺りでふよふよと浮かんでいたそれはしずしずと彼女の身体の中を泳ぎ降りていき、ちょうど子宮があったであろう位置に落ち着いた。
「ダークスライムのコアはね」
「優しく触れられるだけでイッちゃいそうになるくらい気持ちよくなれるところよ」
 そばで見守っていた、もともとダークスライムだったプラムとフランがセインにささやく。今からその弱点であるコアを自ら晒すのだ。自分が気持ちよくなるために。
「ん……♡」
 つんとコアでセインの亀頭をつついてみる。それだけでサフィは甘い声を上げた。自分で感覚を少し試した後……彼女は腰を動かし初めた。彼女の身体が揺れると同時に中のコアも揺れ、何度もセインの亀頭をかすめてサフィに快感をもたらした。
「あんっ! これ、すご……あっ、あはぁああ♡」
 身体を揺らしていたサフィはついに耐えられなくなり、上体を倒してセインに完全に預けた。それでもなお、腰を揺するのはやめないし、スライムの身体を流動させてセインを気持ちよくする
(あぁ……すごい……)
 自分の肉棒が姉を気持ちよくしているという背徳的な光景を見てセインは興奮していた。いつもは凛々しく頼れる姉の口から漏れ出る快楽の声。それがさらに彼を昂らせていき……その彼女に種付けしたいと牡器が限界を訴える。
 自分の中でセインの分身が膨れ上がるのを、快感に乱れながらもサフィは敏感に察した。純潔を散らされた時にあげなかった嬌声をあげながら、サフィは弟の名前を呼ぶ。
「ああっ! セインっ! 出してっ、出してぇっ!!」
 そしてぎゅっと、自らのコアをセインの亀頭に押し当てた。それが二人の引き金になった。
「姉さ……うっ! あああっ!」
 びゅくっ、びゅるるっ……! サフィの中で肉棒が膨れ上がり、スライムとは異なる粘液を吹き上がった。サフィの身体は紫色だが透明であるがゆえに、その様子は手にとるように分かった。
 その粘液は勢いよく、サフィのコアに浴びせられる。それがサフィをより高みへと押し上げる。
「んひっ、ひぃいいい!」
 誰も聞いたことがないような下品な声をサフィはあげて、そのとろとろな身体を硬直させた。しばらく彼女はそうしてびくびくと痙攣していたが、やがてどろりと崩れ落ちた。
「気持ちよかったねー、サフィ姉♪」
「でも次は私の番ですから、どいていただけると嬉しいのですが……」
 脱力しているサフィにメープルとアンバーが話かける。特にアンバーは待ちきれないと言った調子で腰をふりふりと揺すっている。前身は聖職者だったことを疑いたくなるような仕草であった。
「ん……」
 二人の言葉にサフィはけだるげに返事をした。そして起き上がることなく、溢れるようにしてセインの身体からどろどろと身体を半分崩しながら降りた。
 入れ替わるかのようにアンバーがセインの上に乗った。脚をはしたなく広げ、じわじわと腰を落としていく。
「ふぅ……♡ うっ……♡ あぁ……入ってくる……♡」
 温泉にでもつかったかのようなのびやかな声をあげながら、アンバーはゆっくりと挿入していく。その表情はすっかり蕩けてしまっていて、普段の聖女しかりとした彼女からは想像もつかないものであった。
 やがてセインの分身を完全に身体を収めると、そのままぐりぐりと押し付けるようにしてアンバーは腰を動かし始めた。セインがうめき声を上げる。
 アンバーの腟内はサフィとは全く異なるものであった。サフィはじゅるじゅると流動して締め付けるような感触であったが、アンバーはぷるぷるもちもちとしている。その弾力あるゼリーのような膣はセインのペニスを四方八方からむにむにと圧迫していた。
「ふふっ、セイン? どうですか? 気持ちいいですか?」
 小首をかしげるアンバー。その姿は聖女ではなく、限りなく小悪魔に近かった。そして動かし続ける腰は踊り子さながらだ。
 アンバーの問いにセインは答えられない。サフィに射精したばかりだと言うのに、また精をもらしそうになっていた。
 言葉はなくても自分の身体の中に入り込んでいるペニスの反応でアンバーは敏感にセインの状態を把握していた。
「気持ちいいのですね、セイン……嬉しいです……♡ 私も気持ちよくなっていいですか?」
 聖女の口から紡ぎ出される可愛らしくも欲にまみれた言葉。それと同時に彼女のコアがしずしずと、サフィの時と同じように子宮のあたりに降りていく。スライムのコアは彼女の腰をくねらせるとそれに合わせて、セインの亀頭をぐりぐりと撫でた。
「うっ、あっ!」
「あぁああん!」
 セインのうめき声に混じってアンバーの嬌声が響く。
「あっ、あっ……! これ、すごいっ♡ ああっ!」
 貪るように彼女は円を描くように腰をくねらせる。それだけでなく彼女は腰を弾ませていた。同じスライムではあるがサフィよりしっかりとした硬度を持つアンバーの身体は、ぱんぱんとまるでパン生地が手の中で叩きつけられるような音が響かせる。
 一方、たまらないのはセインだ。ただでさえアンバーの問に答えられないくらいにギリギリだったところにこのように激しく動かれている。もちもちと弾力のある彼女のスライムヴァギナは竿をしごきぬき、亀頭はスライムとコアでぷにぷにと何度も刺激されている。
 このまま射精が始まるのも時間の問題かと思われた。だが
「ひゃっ、ああぁあぁんっ♡」
 先に我慢できなくなったのは意外にもアンバーのほうであった。同時に彼女の弾力ある膣がぎゅっと締まる。
 その刺激で、セインは道連れにされた。びゅるっと勢いよく白濁液が、ダークスライムの中へと放出され、紫色の海を精子が泳ぎ回る。それを眺め、お腹を撫でながらアンバーは恍惚としてつぶやく。
「ふふ、ふふふっ……セインがいっぱいです♡ これで……」
 子どもができたりしないだろうか。聖職者であったときは許されなかった願い……それが手の届くところに来たことにある。
「よかったね、お姉ちゃん。でもそろそろメープルにも代わってほしいなぁ?」
「そうですね、はい、おまたせしました」
 アンバーが降りてすぐ、今度はメープルがセインに跨った。
 しかしさしものセインも疲れてきていた。すでに4回射精している。アンバーから引き抜かれた彼の剣はしなってしまっていた。メープルが頬をふくらませる。
「お兄ちゃん、メープルとエッチしてくれないの? メープル、ずっと待っていたんだよ? ずっと、ずっと……魔物になる前から……」
 予想していなかった言葉にセインが驚く。その反応にメープルはにんまりと笑った。
「メープルはね、エッチな魔物娘になる前からエッチだったんだよ。お兄ちゃんとエッチしたくて、夜な夜なおまんこをいじって……」
 その時の様子を実演して見せる。メープルの指は迷いなく自分の割れ目を捉え、前後にゆるゆるとこすり始めた。にちゃにちゃといやらしい音が立つ。その度に水音とともに、彼女の身体からどろりと粘液が流れ出した。
 溢れ出たスライムの愛液がぽたりとセインの分身にかかる。愛液の媚薬と、眼の前の人間をやめた幼なじみが自らの秘密を語りながら自分を慰めあえぐ姿に、セインのモノが力を取り戻し始める。それを確認したメープルがは、舌なめずりをしながら妖艶な笑みを浮かべた。
「あはぁ♡ お兄ちゃんまた勃起してきたぁ♡ ほら、見てぇ……♡ メープルのおまんこも、もうこんなになってるぅ……♡ もういいよね、いいよね!?」
 セインが何か言うより先にメープルは腰を落とした。ずぶずぶとスライムの中に勇者の肉棒が飲み込まれていく。
 双子だけあってメープルの腟内はアンバーと似て弾力があった。だが双子の姉と異なるのは、その膣内はとても熱く、じゅるじゅると粘液を絶え間なくにじませていた。
 ほこほことした熱にセインは思わず声を漏らす。そんな彼の反応を見て、メープルはにんまり笑った。
「お兄ちゃん気持ちよさそう……じゃあ、もっと気持ちよくしてあげるね♡」
 そしてゆっくりと腰を振り始める。上下運動に合わせて彼女の豊満な乳房が揺れた。動きは緩やかであったが、その動きは三人の中では一番なめらかで手慣れている。
「お兄ちゃんとエッチするときはこんな感じかなと思っておまんこくちゅくちゅしながら、枕に乗ったりして練習したんだぁ♡」
 腰を弾ませながら彼女は告白する。それまで自分だけを気持ちよくしていた動きが、いざ通用してメープルは嬉しそうであった。腰の動きに熱が入り、それを表すかのように腟内の温度が上がる。熱でスライムが溶けたかのようにとろとろの粘液が滲み出し、注挿をなめらかにする。じゅぷじゅぷと卑猥な音が二人の結合部から響いた。
(うぅ、まるで……あそこが溶けてしまいそうだ……!)
 自分の上でぷるんぷるんと身体を揺らすメープルを見ながら、セインは彼女からもたらされるこの上ない快楽に翻弄されていた。油断するとまた射精してしまいそうだ。溶けるように感じた自分のペニスはそのようなことはなく、むしろ固さを保っている。そして張り詰めてビクビクと脈打っていた。
 勇者に限界が迫っていることを、魔法使いは敏感に感じ取った。
「あっ♡ すごいっ♡ お兄ちゃんのおちんちん、びくんびくん脈打ってる♡」
 言いながら彼女も胸元にあるコアを結合部に下ろしていった。自分もオーガズムに達し、セインを道連れにしてその精液をコアに浴びるつもりなのだ。
「いっぱい……いっぱいメープルに出して♡ 全部受け止めてあげるから!」
 言うなりメープルは踊るようにして腰をくねらせた。その腰以上に彼女の腟がひとりでに動いて加えこんでいるセインのペニスを喜ばせようと激しくしごく。身体と膣肉が異なるテンポで動く……スライムならではの芸当であった。
 そしてスライムのコアがコツコツと亀頭をノックする。射精を促すかのように。それはメープル自身も気持ちよくさせる。
「お兄ちゃん……! メープル、イクっ! イッちゃうの! お兄ちゃんも一緒にぃいい♡」
 メープルがぎゅっとダークスライムの一番大事なコアを亀頭に押し当てる。絶叫とともに二人の身体が痙攣した。
 一度萎えかけた勃起から放たれる、五度目とは思えない射精。白濁液はもくもくと雲のように紫色の粘体の中を浮遊する。
「ああぁっ! んあぁあああ♡ あついよぉおお♡」
 メープルは自分の胎内で熱湯のような浴びせられたかのような快感に悶絶していた。絶頂自体は今までオナニーで何回も経験した。だがセインの精液をコアに浴びるのはそんなことなど霞むくらいに強烈であった。
 一方のセインは憔悴していた。さすがに短時間での五度の射精はいかに体力に優れ、性欲を持て余す若き青年であってもつらいものがある。少しくらいは休みたいのだが……
「セイン……もう一回……その……あ、愛し合いたいんだが……」
「私にももう一度、精をいただきたいです、セイン……」
「ええっ、お姉ちゃんたちがもう一回って言うんだったらメープルももう一回だからね」
 かつての仲間はセインを求めてやまない。それだけではない。
「ちょっとちょっと! 私達のこと忘れてない?」
「ダークスライムにしてあげた私達を差し置いておかわりっていうのはいただけないわね」
 三人の秘めていた思いを溢れさせる時間は与えようと、気配を殺して控えていたプラムとフランも我慢の限界のようだ。一番の目的であった男、セインと交わるべく上の口からも下の口からもよだれを垂らしている。セインの顔がひきつる。
「だーいじょうぶだよ、お兄さん。インキュバスになれば何回でもデキるから♡」
「そのためにも私達とエッチしましょうね?」
「た、助けてくれ……」
「よかったね、お兄ちゃん♪ お兄ちゃんもメープルたちともっとエッチしたいでしょう?」
「私達も嬉しいですよ、セイン……♡」
「もう、離さないからな……」
 休ませてくれるよう、仲間に助けを求めるも、ダークスライムになった仲間たちはニコニコ笑うばかりだ。セインはふぅとため息をついた。
『でもまぁ、いいか』
 自分は彼女たちとどんな形でも一緒にいることを望んだ。そうしたいと思っていた。
 彼女たちも自分と一緒にいることを望んだ。そうしたいと思っていた。
 それが叶うのなら……
 紫色の海に溺れながらセインは笑みを浮かべるのであった。

22/04/22 22:39更新 / 三鯖アキラ(旧:沈黙の天使)
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■作者メッセージ
 ぜぇ……ぜぇ……やっぱり複数人プレイは大変なのです。前戯や体位やナカの具合、全部差別化を図ろうとすると本当に大変なのです。ボリュームも相当量になりますし……
 双子によるダブルパイズリと、サフィの粘度低いぬるぬるプレイはやってみたかったです。そう、苦戦したサフィの設定ですが、キャラが出来上がってからは「五人の中では一番とろとろとした身体をしている」という設定ができました。逆にメープルとアンバーのナカを同じにするかどうするかかなり迷ったのですが、結局「双子もちょっと違うところあるよね」ということであの様になりました。そしてスライムと一口に言ってもいろんな感触があるということを教わったのは、とろとろ様のもんむす・クエストのスライム娘達です。いや本当にお世話になりました。

 そんなわけでダークスライムの連鎖堕ちハーレムSS、これにて完結です。いかがだったでしょうか? 皆様のオカズになりましたら幸いです。
 またこのクロビネガや、pixivなどでお会いできたら幸いです。

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