読切小説
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二人が願ったもの
「んっ、あんっ♡ あっ、ぁはっ♡」
「はぁ、はぁ……」
 アパートの暗い一室に男と女の嬌声が絡まり合う。ベッドの上で声の主二人は愛し合っていた。
「麻理恵、麻理恵……」
「隆介……はぅっ!」
 男はベッドに組み敷かれ、彼の上で女が腰を振っている。その女の周囲には煙がいくつか待っている。そばには砂漠の国のおとぎ話でよく見られるランプがあり、彼女の周囲に漂っている煙を吐き出している。
 この女はジーニー。魔物娘であり、ランプの精である。名前は麻理恵。そして彼女に敷かれているのが夫の隆介である。
 二人は今、一番大事なところで繋がり合っている。麻理恵が腰を持ち上げるたびに彼女の陰唇が、隆介の肉棒に愛液を塗りたくりながらこする。腰を落とすとその肉棒は彼女の膣内へと消え、子宮口と亀頭がぐっとぶつかりあった。
 愛し合うふたりの息はすでに上がっており、もうまもなくクライマックスを迎えるであろう。何度も身体を重ねた二人はもう互いのペースをよく把握していた。
 そんな時であった。
「麻理恵……お願いがあるんだ」
「またかい? キミは小さいころからボクによく"お願い"するなぁ」
 燃え盛っている情事の最中に話しかけられた麻理恵は苦笑いをする。それに対して隆介は俺もお前のお願いを聞いているからお相子だろうと笑いかえす。
 夫婦となって愛し合っている二人……その二人の付き合いは二十何年前にも及ぶ。ものごころがついたころからだ。小さいころから二人は互いにお願いを交わしていた。子どもらしく他愛もないことが多い。アメをちょうだい、そのおもちゃ貸して……小学生以降になったら宿題手伝って、消しゴム忘れたから貸して……互いの願い事は数え切れない。ただその交わしていた願い事の中に「大きくなったら結婚して」があった。そしてその願いがかない、二人はこうして愛し合っている。
 そんなもはややりつくした願い事を、今するのかと麻理恵は少し不満であった。しかし、ランプの精としては聞かぬわけにはいくまい。いや、ランプの精でなくても、妻として夫の願いは何でも叶えてあげたいのだが。
「で、こんなタイミングでお願いごとは何かな? もしかして、このままじゃないイキかたがいい? それとも今から縛ったり縛られたりしたいかい? キミはアレがいたくお気に入りだったもんなぁ」
「いや、そうじゃないんだ……」
 そう言いながら、隆介は、ベッドにあずけていた上体を起こし、あぐらをかいた。そのまま麻理恵の上半身を抱く。二人の結合が深くなり、子宮口を突かれた麻理恵はうぅっと嬌声を漏らした。体位を変えたかったのかと麻理恵は考える。だが、その直後、彼にささやきかけられた願い事に、彼女の顔が驚愕にあやどられた。
「麻理恵との子どもが欲しい」
「…………えっ?」
 一瞬何を言われたか、理解できなかった。固まっている麻理恵に、隆介は畳み掛ける。
「孕んで」
「……えっ、えっ!?」
「妊娠して!」
「…………〜〜〜っ!?」
「うっ……!?」
 次は隆介が驚く番であった。彼女の柔肉がきつくきつく締まり、抱いている身体がぶるぶると震える。言葉だけで達したのだ。
「……麻理恵?」
「う、うう……隆介、ひどいよ……いま、いまそんなこと言われたらボク……ボクの身体……ふぅぅう!」
 言いながら再び麻理恵の身体が震える。隆介の言葉を心の中で反芻して再び軽くイッてしまった。それだけ、彼の願い事は彼女にとって衝撃的であり、嬉しいという言葉では表せない感情が沸き起こる。
「ううう……隆介にそんなこと言わから……ボクの赤ちゃんの部屋……隆介の精液欲しくなって降りてきちゃったよ……♡」
 はにかみ微笑みながら言う麻理恵。何度も見た妻の笑顔であったが、そのときの笑顔は一段と輝いているかのように隆介は感じた。思わず下から突き上げてしまう。
「あああああっ!」
 大きな嬌声を上げながら麻理恵は隆介にしがみつく。すぐに彼女の方も腰が動き出した。愛する男から精液を搾りとろうと、腰がぐねぐねと激しく動き出す。
「ボクも……ボク、もっ、隆介とのっ……んぅう! 赤ちゃん! 赤ちゃん! 欲しいっ!」
「麻理恵……!」
「隆介の精子、受精……したいっ! ねっ、出し、て……! 精液ボクのオマンコの中にいっぱい出して! 妊娠させて! ボクに隆介の赤ちゃん孕ませて!」
 うわ言のように自分も願い事を口にする麻理恵。願いを叶える魔物が強く望む願い。彼女に愛されている男として、それに応えない道理はない。
 片腕で彼女の背中を、もう一方の腕で彼女の安産型の腰をむんずとつかみ、隆介は麻理恵を突き上げる。ぎしぎしとベッドは悲鳴を上げ、その激しさを物語った。
 もともとクライマックスが近かった二人だ。それはすぐに訪れた。
「出る……出るっ! 出すぞ麻理恵! 孕んで!」
「うんっ、うんっ! いっぱい出して! ボクを妊娠させてぇええ!」
 直後に二人はきつく抱き合ったまま、身体を弓なりに反らせた。二人が深く繋がっている場所でそれは起きている。牡器からはどくどくとおびただしい量の精液が溢れ出し、雌器は受け止めながらさらに尿道の奥の奥まで残っているそれを搾り逃すまいと締め付けた。
 しばらく硬直していた二人であったがやがて力尽き、ベッドの上に倒れた。結合は解け、二人はベッドの上で並んで仰向けになる。
「うう……すっごく出たね……どんだけボクのことを妊娠させたかったのさ」
 お腹を撫でながら麻理恵はニヤニヤと夫に笑いかける。いや、まあ、うん……と、バツが悪そうに隆介は苦笑いした。だが、その願いは心からの願いだった。麻理恵もまた、その願いを心から叶えたいと思ったし、自分も望んだ。隆介は気づいていないが、今、膣内に出された精液を外に漏らすまいと、麻理恵は軽く腰を持ち上げている。
「でもその願い、叶えるのにはどのくらい精液が必要かなぁ? 一回だけじゃ全然足りないかも?」
「ならもう一回するか?」
「ん……隆介がシたいならいいよ。ボクももっとシたいし……」
 麻理恵が目を閉じた。待っているランプの精に隆介は覆いかぶさり、くちづけをする。それから嬌声が夫婦の愛の巣に響き始めたのはまもなくであった。
18/11/29 21:00更新 / 沈黙の天使

■作者メッセージ
精は擦れば(ry

どうも、「願い事」ときたら「妊娠して」をどうしてもやりたく、短期間でもう一作品、ジーニーSSを書いてしまいました。なお、この小説は30分弱で書きあげました。お口にあえば幸いです。
なお、このヒロインがボクっ娘でしかも幼馴染属性がついたのは、どうみてもとある方の影響です。本当にありがとうございました。

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