読切小説
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everywhere
「魔物娘ってさ、大抵どこにもいるよな」

「そうだねー」

「たとえば……火の中」

「イグニス」

「水の中」

「ウンディーネ……どころかマーメイド種だけでも山ほどいるね」

「草の中」

「アルラウネリリラウネ、その他諸々」

「森の中」

「エルフとかマンティスとか、沢山」

「土の中」

「サンドウォーム、あと洞窟系の子達」

「雲の中」

「龍とかドラゴンとか、オゾンより下なら問題なさそう」

「あのコのスカートの中」

「あのコがローパーでスカート自体が魔物娘の可能性」

「……どこにでもいるな。むしろいない場所ってどこかあるか?」

「さっき出ていない場所だと洞窟、街中、山岳地帯なんかには確実にいるね」

「多いな……砂漠や雪山なんかもダメか」

「砂漠は多数。雪山はイエティやグラキエス、ウェンディゴなんかがいるね」

「墓場は1種族1人ずつでも運動会ができそうな程いるし……」

「もしやったとしても運動会に参加しないであろう種族もいるけどね」

「下水道とか……ダメだ、バブルスライムやラージマウスが待ち構えてる」

「あとデビルバグなんかもね」

「……遺跡」

「リビングアーマー、カースドソード(剣)、つぼまじん、ミミック。お好きな子をどうぞ」

「…………」

「博物館の展示物にガーゴイルが紛れ込んでた、なんて事件もあったよね」

「か、火山」

「ラーヴァゴーレムさんを忘れるとは、スタンバイフェイズ毎に1000ポイントのダメージを受けてもらおうかなぁ」

「……マグマの中でしょ、ウチのシマじゃそれはノーカン」

「えるしってるか
ヘルハウンドは
かざんちたいにもいる
きまいらもひねずみもいる」

「……湿地草原?」

「ATKが1200upしたミューカストードさんに右フックアンドファックされないよう明日から夜道は気を付けた方がいいかもね」

「…………天界?」

「エンジェル達はダーク化前に魔物化するから、それをカウントすると天界にもいるね」

「………………」

「流石にもうないよね?」

「……………………」

「以上のことから、魔物娘が居ない場所は存在しない。っていう結論でオッケーかな?

「…………あ、宇宙にはいない……よな」

「……宇宙、ね……確かに宇宙に生息している子はいないね。上位種族とかデーモンさんとか……あとデビルとか、宇宙まで行ける子はいそうだけどね。」

「あと……この場にも魔物娘はいないよな。俺とお前のしかいないんだし」

「ふふっ――いつから、ボクが魔物娘じゃないと錯覚していたのかな?」

「……えっ?」
16/07/21 19:39更新 / ウマノホネ

■作者メッセージ
Q.地の文なくね? 
A.「これはリアルでハードコアなゲームにするための故意の仕様だ」
会話だけで行けると思っていました。その結果がこれです。

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