読切小説
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砂虫と赤色魔導師の小戦争。

私はこの広大な砂漠を走る、一匹のサンドウォーム。
今日もまだ見ぬ旦那様を探して、砂の中を爆進中です!
私のいるところ、全然人来ないんだもんなぁ・・・



おや?
前方に男の気配を感知!しかも未婚っぽい!
これは下からガバっちょ行くしかないですね!
そうと決まれば作戦開始!!

ズゴゴゴゴ・・・



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



俺の名前は『グレン・ヴェルメーロ』
世界を旅する大魔導師さ!

・・・何だその疑り深い目は。
いや本当に大魔導師なんだぞ。強いんだぞ。
しかも結構若いんだぞ。凄いことなんだぞ。
まあはぐれ者には違いないが・・・気にしない気にしなァい。

俺は今、広大な砂漠が広がる国『カラルサンドラ』にいる。
特に理由もなく、旅で立ち寄っただけだったんだが・・・現在砂漠のド真ん中。
べ、別に迷っているわけじゃないぞォう。さっきまでは。
俺が砂漠をさ迷いあrゲフンゲフン・・・横断に試みていると、なんと美女が現れてな!
「どうか助けてください!」なんて言うもんだからよォ〜、二つ返事でOKしちまったぜ!
あんな美人に頼み事されて断るなんて男じゃねェよな!

だ・か・ら、俺は理由を持ってこの広〜い砂漠を歩いて回ってるわけよ。
その頼み事ってのがこの砂漠と関係してるからさァ。
内容はいたってシンプル、探し物だ。しかもある砂漠の魔物の・・・


おっと、話・・・もとい頭の中での一人状況整理をしてたら・・・
そっちから来なすったようだぜ。



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



よし、どうやらこの真上にいるようです。
ふっふっふー。
巷では単純などと言われている私たちですが、砂の中からの奇襲はお手の物です。
知能が低いだなんて失礼しちゃいますね。
私たちは本能に忠実なだけですっ!
・・・噂では、「上から来るぞ!気をつけろ!」なんて言いつつ仲間に飲み込まれた人もいるらしいですが。
うぇっへっへ・・・捕まえれば旦那様とあんなことやこんなことが・・・ジュルリ♥
楽しみだなぁー!(≧∇≦*)
待ちに待った私の旦那様・・・今行きますよぉ!

しかし慌てず騒がず。
ステンバーイステンバーイ・・・

今 で す !



ザボォ!







・・・?



・・・あれぇ?誰もいなーい(´・ω・`)
おかしいなぁ、この上に・・・




「HAッHAッHAッ!ようやく来たかァ!待ちくたびれちまったぜェ!」シュゴー




(えええええええええええ!?空飛んでるぅううううううううう(;゚Д゚)!?)



何とも声に出して叫びたい気持ちですが、外殻に包まれている状態では声が伝わりません。
というより人間さんが空を飛んでる!?なんで!?
しかも足の裏から火が出てます!!熱そうですっ!!
男の人ってみんな空が飛べるものなんですか!?
だから今まで見つかんなかったとでも言うんですか!!?
むむっ・・・やはり旦那様探しはそううまくいかないものなんですね・・・!


「俺くらいの大魔導師様になればァ!足に魔法陣を展開しィ!炎を噴出!!
炎の精密なコントロールで宙に浮くくらい造作もないのさ!!」







・・・?←首傾げ







「だよなー!伝わるわけねェよなァァ!!゚(゚´Д`゚)゚」


なんとなく間を置いて首を傾げ、もとい外殻を傾ける動作をしましたが。
難しい話は私にはわかりません。
あの人が『だいまどーし』とやらで、空を飛んでいるのかな?ってことくらいしかわからないです。
『だいまどーし』ってすごいんですねっ。
でもなんで手を顔に当てて泣いているんでしょうかあの人は。
わ、私何か悪いことでもしてしまったんでしょうかっ!?


「まーそんなことはどうでもいいんだ!ちょいとアンタのことを探していたんだからなァ」


さっきまで泣いていたのに今は笑ってこちらを見ています。
表情がコロコロ変わって面白い人です。
楽しいなぁ。
・・・って私を探していた!?
まさか向こうから求められていたというんですか!?
初対面だというのになんと大胆な人なんでしょうかっ///
私そーいう人嫌いじゃないですっ!!
もうこれは結婚するしかありませんね!


「それじゃあ行くぜェ!

『大炎葬(フラム・パフォーマンシー)』!!」


ゴォオオオオオオ!


えええええ!?熱い抱擁ではなく熱い炎が私めがけて飛んできましたっ!!?
あ、これ避けられな


ゴオオオゥ・・・



――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



「さて、そろそろいいか」


俺は出し続けていた炎を一旦止める。
これは炎の上級魔法。
何を隠そう俺は炎の魔法使いなのさ!
炎を扱わせれば右に出るものはいないと言わしめさせた程になァ!
そこっ!火力バカとか言うんじゃねェぞ!
・・・誰に言ってるんだろうなァ俺も。

まあこれだけの炎をくらえば流石にアイツも・・・


(うう、結構長かったです・・・)




「うわー!ちょっぴり焦げ目がついただけだったー!!」


おいおい結構な魔法使ったつもりだぜこっちはよォ!!
・・・あー、もしかしてあれか?
砂漠にいるから炎には耐性があるんですよーっていうあれか?
灼熱の砂漠を平気で進むような奴だもんな。そりゃそうか。


(もーびっくりしましたっ!ちょっと怖かったじゃないですか!)ジロー


あれ、てっきり逃げるもんだと思ってたが、ずっとこっちを見てるぞ。
あれだけの炎が出せる奴とか見たら、普通逃げるもんだろうが。
何か不満ありげな顔して睨まれているような気がしないでもないが・・・
何でだろ。だがこれはチャンス!


「単純な炎や熱で効果がないのであればッ!『炎が弾ける衝撃』ならばどうだ?」


ゴゴゴゴゴ・・・


(あれ?何か魔力が集まっているような・・・)


「うおおおおッ!!」
(!?い、一体何が始まるんです!?)ビクゥッ!?





「”Shaking heart(シェイキングハート)! Burning heat(バーニングヒート)!!
おおおおおッ 刻め!Bloody beat(ブラッディビート)!”」

『紅蓮色の爆発炎葬(クリムゾンレッドオーバードライブ)』!!!」




ドゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴォン・・・!


(うわぁぁああああんまたですかぁあああああああああ!!Σ(;ω;`))





・・・・・





「ふぃー、こんなもんか」


俺の眼前には横たわり体がボロボロになったでかいサンドウォームが一匹。
そう、俺は戦いに勝利したのだッ!
爆発の衝撃で少し砂をかぶったが問題なし!
これで探していたものが手に入るってもんだ。

ヒョイ、ヒョイ

サンドウォームの表面から欠けた破片を拾い集める。
しっかし思った以上に頑丈なんだな。
俺の特製爆炎魔法をくらって、この程度しか崩れてないんだから。
まあ炎系統だからってのもあるのかな。
サンドウォーム自体ももっと小さいの想像してたんだけど、大きいし。
あとはこれともう一つ・・・


「うわぁー!思ってた以上にボロボロだぁっ!?」

「うぇえぃっ!?」


突然サンドウォームの口の方から声がした。
近くに寄って見てみると何やら人影が・・・


「わ、私の殻がぁ・・・あんまりだ・・・
へえええいいいいん!あぁぁんまりだぁぁぁ!!


ファッ!?
ストロベリー色した全裸の巨乳が泣きながらこっちに走ってきた!?


「うぅ・・・ひっぐ・・・うえぇえん・・・」

「お、おい・・・アンタは・・・」








「あースッとしました(゚∀゚)」スッキリ

「うおぉい!?」


泣いていたと思ったらもうスッキリした顔してやがる!?
何なんだ一体!?この謎の美女は!?


「いきなり何するんですかぁ〜!殻がボロボロになっちゃったじゃないですか!」

「え?殻・・・えっ?」

「そーですよ!私の殻!」

「と、いうことはあれだァ。アンタがこのサンドウォームの本体ってことか?」

「えぇっ!知らなかったんですか!?」


なんてことだァー!!
聞いてた話と違うじゃあねーかァアア!!
人型なんてあの依頼主は言ってなかったぜェ!!?
こんな全身ピンクの可愛こちゃんが中に入ってるなんて聞いてねェし!!
走ってきた時なんてお胸がばるんばるんしよってからに!!
けしからん程のナイスバディーだ!
マズイぞこれはァ!


「これじゃすり潰して粘液を採取するなんて無理じゃねェか!!」

「ええっ!!?私すり潰されちゃうんですかっ!?」

「いや人型をすり潰す趣味とかないし・・・そんなの俺できねェし・・・
てっきり虫の姿だから潰せば体液が出るもんかと勝手に思ってただけだ」

「えーと、お話がよく分からないんですが・・・」

「俺はな、アンタの『殻』と『粘液』の二つが必要なんだよ!
それをどォーしても欲しがっている人がいてな?しかもできるだけ早くッ!
だから攻撃くらわせて殻を壊してから、残りを絞って粘液が手に入ると思ってたんだ。
でも魔物だなんて聞いてねェし。これじゃ粘液は無理じゃん・・・一体どーすりゃ・・・」

「ええと、この姿でも体液は出せるんですが・・・」

「え、本当か?」

「はい。私本体の表面からぬるーっと」


よく見ると全身がぬらぬらして光沢を帯びている。
砂漠のど真ん中で素っ裸できるのもこの粘液で熱を防いでいるからか?
疑問は残るがこれは光明が見えた!


「うおいマジか!!頼む!その粘液を分けてくれ!!」

「はい、これでいいですか?」トロー
(まじ、って何だろう?)

そう言うと彼女は手のひらに粘液を溢れさした。
そんなに出るもんなの?大丈夫なの?


「ちょっと待ってくれ、今ビンに入れるから・・・」ゴソゴソ

「早くしてくださいよぉー」

「よし、これだ!これに入れてくれ」

「えーい」トロトロー


シュワー・・・


「オーノー!?ビンが溶けたー!!?」

「だってそりゃあ私の粘液は消化液ですもん。身体以外は溶かしちゃいますよ?」
(おーのー?)

「持ち運びできないんじゃ、どーやって届ければ・・・ハッ!そうだ!」

ガシッ ヌルッ

「俺と一緒に来てくれないか!?」

「ええっ!?///」
(こ、これってもしかして『ぷろぽーず』ってやつだよね!?
いきなり殻を壊されたから無理かなぁーなんて思ってたけど・・・
まさか『私が欲しい』って言ってくれるなんて・・・♥
私決めました!!)


「頼む!来て粘液分けてもらうだけでいいからっ!!」

「わ、わかりました!私はあなたに一生ついていきますっ!!結婚しましょう!!///♥」

「ええ!?結婚!?なんでそ〜なるの!?」

「え、違ったんですか・・・?だって一緒に来て欲しいって・・・」

「か、考えておいてやるから、今はついてきてくれないか!!?」

「っ! はいっ♥」


全く、どういう思考回路してるんだか分かんねェけど・・・
やっぱり魔物だから男を求めるもんなのかねェ。
この娘は素直でいい子そうだが、結婚かァ・・・
もうそろそろ、俺も身を固めるべきなのかな。






「よいしょっと・・・」ゴソゴソ

「あ、やっぱそれ(サンドウォームの殻)に入っていくのね・・・」





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・





「よーし、着いた!ここだ!」

「ここって・・・遺跡?」

俺たちが向かった先はある遺跡。
最近発見されたという地下遺跡だ。
ここの場所は魔法のコンパスでこの場所を記録しておいたから迷わずこれた。
依頼主はここにいる。


「おーい!約束の物を持ってきたぞー!!」


「お待ちしておりました・・・!」


出迎えてくれたのは金色の外装に身を包んだ魔物、ケプリ。
そう、この美女こそが依頼主だ。


「オウロの嬢さん。約束通り、見つけてきたぜ!」

「あ、ああ・・・!ありがとうございます!!まさか丸ごととは思いませんでしたが・・・」

「ちょいと事情があってな・・・魔物ならそうと言ってくれればよかったのによ」

「私も知りませんでした。申し訳御座いません・・・」

「いやいいんだ。それより早くしたほうがいいんじゃねェか?」

「っそうでした!貴方様、こちらへ来ていただけませんか?」

「頼む、嬢さんについて行ってくれ」

「? はーい。じゃあまた後でね!逃げちゃ駄目ですからねっ!」

「逃げねーって」



・・・・・



「この度は誠にありがとうございました」

「いやー、別にいいっすよ」

「いえ私の主様の命を救っていただいたのです。このご恩はいつか必ずやお返しを・・・」

「困ったときはお互い様ってやつでさァ。俺も助けてもらったわけだし、それにお礼ならコイツに言ってくれよ」

「えっへん!」

「そうですね・・・お二方とも、本当にありがとうございます」


落ち着いたところで説明するとだな。
実はオウロの嬢さんの主、アズルの旦那が病に伏せちまっていたらしい。
その特効薬の材料にサンドウォームの外殻と粘液がいることでって探し回っていたんだ。
そんな時、水不足で倒れていた俺を見つけてな。
水を分けてもらって事情を聞いたんで、こりゃ一肌脱がんわけにはイカンだろ?
人の命がかかってるし、何より水だけもらってハイさよならできるほど俺は落ちぶれちゃいねェ。
そんでさっき見つけたサンドウォーム連れてきて、大急ぎで特効薬作って飲ませたとこってわけだ。

サンドウォームの殻と粘液が薬になるって話は聞いた事がねェが、どうやら昔の話らしい。
先人の知恵ってやつだなァ。


「まあ、もうアズルの旦那は大丈夫なんだよな?」

「はい。あとしばらくお休みになれば目をお覚ましになるかと」

「よかったですねぇ、旦那様がよくなって!」

「はい!・・・主様がいなくなってしまったら、もうどうしようかと・・・グス」



「お前を置いていけるわけないだろう」


ふと声がした方を見ると、一人の男が立っていた。
おそらくこの人がアズルの旦那だろう。
全体的に青色の似合う男だ。俺と真逆だな。


「あ、主様!?もうしばらくお休みになられた方が・・・!」

「オウロのおかげで充分良くなったよ。君たちも、本当にありがとうな」

「気にすんなって。・・・そいじゃ旦那の元気な顔も見れたっつーことで、俺はそろそろ行くかね」

「ええっ!?どこか行っちゃうんですか!?」


あーそうだ。
コイツの問題が一つ残ってたっけなァ。


「俺は元々旅の途中でなァ。宛があるわけじゃねェが、どーもじっとできる性分じゃねェんだよ」

「じゃあ私もついてきます!さっき決めましたし!」

「サンドウォームが砂以外の場所潜って行けるのかよ?」

「わかりませんが気合で何とかしますっ!」

「それに、あー、言っちゃあなんだが、俺のせいで殻ボロボロだろ。治るのか」

「それは旦那様から・・・精をいただければ治りますっ!///」


あ、治るもんなのね。
そりゃ体の一部だからそりゃそうか・・・
ん?旦那?


「あれ、お前旦那いたっけ」

「何を言ってるんですか、あなたが私の旦那様でしょうっ///♥」

「え、俺考えるとは言ったけど、旦那になるなんて言った覚えはないぞ」

「ハッ!そういえばそうでしたっ!?」


何ともしっかりしてそうで抜けてるなァコイツは。
よく見ると、結構タイプだったりするが・・・
今までずっと一人だったしなァ。
俺の勝手で振り回すのはちィと気が引ける。


「じゃあ旦那様になってくださいっ!///」

「じゃあって、そんな簡単に決めていいのかよ」

「いいんです、これは運命なのですっ!私が砂漠をずっと走ってようやく見つけた人なんですから!」

「運命、ねェ」


俺は運命なんて信じたこたァねェな。
その一言で何でも済んじまうような気がするからだ。
俺が今こうやって大魔導師として生きてる努力も苦労も全部運命だからなんて言われたくねェ。
それは、コイツも同じことなんじゃねェのか。


「なあアンタ、きっと毎日旦那になる奴探してたんだよな?」

「はい!毎日毎日いっぱい走りましたっ!」

「俺は運命なんて信じてねェ。だからアンタと出会ったことも運命なんかじゃねェと思ってる」

「そ、そんなぁ・・・じゃあ一体なんだって言うんですか?」

「そりゃアンタが努力した結果だろう。アンタが頑張ったから俺が目の前にいるんだ」

「そうなんですか?よくわかりませんっ・・・」


うん、理解してもらうのは難しそうだなァ。
まあ、それでもいーけどよ。


「まあ要するに、世の中運命とかそーいうんじゃなくて、自分がやったことの積み重ねで成り立ってるってことだ。時にはどーしようもねェときもあるがな」

「?? じゃあ私が頑張ったからあなたは私の旦那様になってくれるんですか?」

「あー・・・アンタを傷モノ(殻的な意味で)にしちまったっつー責任もあるし・・・
アンタがそれで構わねェなら、別に拒む理由もないんだがな」

「本当ですかっ!?やったぁー!!」パアァ!


何というか、コイツは単純だねェ。
・・・俺が生きるのを難しく考えすぎてるだけか。
何でこーなったのか俺にも分からねェしな。


「それじゃぁよろしくお願いしますねっ!旦那様ぁ♥」

「あーよろしく。えーと・・・そういや、アンタ。なんて名だ?」

「???」


もしかして名前ないのか。
野生の魔物だし、そういうこともあるんだなァ。


「名前がねェと不便だな。いつまでもアンタって呼ぶわけにゃイカンだろうし」

「じゃあ旦那様がつけてくださいっ!」

「そーだなァ・・・ローサ。うん、アンタの名前はローサかな」

「ろーさ?」

「アンタ全体的にピンク色だし・・・」

「思ってた以上に安直でしたっ!?」

「俺にネーミングセンスを求める方が悪いぜ。嫌なら変えるが」

「旦那様が決めたならこれがいいですっ!私は今日から『ローサ』です!///」



「何だか俺たちの出会った頃を思い出すなぁ///」

「そうですね、主様・・・///♥」


ああ、そう言えば二人がいること忘れてたよ。
うわー恥っずかしいィー!!
今までのやり取り見られてたとか恥っず!


「主様・・・今日は久方ぶりによろしいですか・・・?♥」

「・・・病み上がりだから無理しすぎないように頼むよ」

「うふふふ・・・承知いたしかねます♪」ガシ

「え、ちょ、待っ」

「私だってずっとお預けしていたのですから、止まれませんよ・・・♥
あ、それでは私たちは失礼します。そこの奥の部屋が空いてますので、よかったらどうぞ」

ズルズルズル

オウロー!マッテ!オキャクサンホットイチャ・・・
オハナシハアトデモイイデハアリマセンカ♥ ズブズブ・・・
エ!?イキナリソレハ・・・アッー!!





ああ、アズルの旦那も大変なんだなァ。
魔物と結ばれるってのはこういうことなんだろうか。


「それじゃー旦那様っ!私たちもヤリましょうっ♥♥」

「あーうん・・・初めてだから優しくしてね?」

「そ、それは私のセリフですっ!!?///」

「あと服溶かされちゃたまんないから、脱ぐまで少し待ってくれよ・・・」

「早くしてくださいよーもうっ!///♥」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



折角なので、先程言われた奥の部屋でスることになった。
うっすらと輝く炎の光が雰囲気を醸し出している。
それに照らされ、艶やかな光沢を出しているローサは・・・正直エロいです、はい。


「それじゃあ、いきますよ♥」

「お、おう」


ズプンのいう音が鳴り、すんなりと俺のちんこがローサに突き刺さる。
全身ぬらぬらだから中もそうなのだろうが、思ってた以上に狭くてキツイ。


「あぁ・・・♥気持ちいいですぅ・・・♥」

「うぐ、何だこりゃ・・・キツ・・・っ!」


こんな形で俺の童貞を手放すことになるとは思わなかったが、悪い気はしない。
だがあまりの快楽の刺激に、思わず俺の手はローサのでかい胸を掴む。


グニュゥ

「はぅっ!!♥あ、あまりしゃわらないでくださぃっ♥♥」


するとローサの顔が一気に蕩けた表情になる。
てかやわっけえ。なんだこのでかいメロンは。ピンクいけど。
俺の手に収まりきらない程だ。しゃぶりてェ。
俺は我慢できなくなり、左乳を揉みしだきつつ、右乳を口に頬張る。


「ひあぁっ!♥♥ふ、うぅん♥ああぁああ!!♥♥」

「む、むうぅ・・・!」


俺の動きに合わせるように、ローサの中もぐにゃぐにゃと愚息を刺激する。
右乳を吸えば右へ、左乳を揉めば左へ。
・・・ちょっと楽しくなってきた。


「あぅぅ・・・あんまり、いぢめないでぇ・・・っ♥」

「ぷはっ・・・ローサが俺のをいじくりまわすからだろうが」

「だってぇ・・・気持ち、いいんだもん・・・♥」


なんとまあ可愛らしいやつ。
もっといぢめたくなってくるじゃねェか。
俺は摘んでた手を離し、ローサの後頭部に手を回す。
手を離したとき「あっ・・・」と残念そうな声を出したが、また後でいじってやるよ。
そしてローサの顔を引き寄せ・・・


「んちゅ・・・」

「〜〜〜〜!?・・・んぅ♪んりゅぅ・・・れろぉ♥」


キスをした。
最初は驚いていたが、すぐに舌を入れて来て、むしろ向こうから俺の口ん中を丹念に舐めまわす。
今までに味わったことのない甘い、むせ返りそうなほど甘い香りが俺の口に入ってくる。


「ちゅぅ、んむぅ・・・」

「んぅ、ちゅぅううううううううううううう♥♥」ジュルルルルルルルルル・・・

「んむーーー!?んん!んぅ!?」ヌリュ、ヌリュ

「ぷはぁ、なにぃ?どうかしたんですかぁ?♥」

「おま、俺の舌引っこ抜く気か・・・」ハァ、ハァ


舌を絡ませてると、急におもいっきし吸われた。
全部持ってかれるかと思ったぜ・・・
タップしてもぬるぬるして叩けねェし。
くそう、やりかえしてェな。
・・・そういえばサンドウォームはあの殻で男を口の中へ丸飲むんだよな。
じゃあ殻の外でヤってるこの状況って、結構レアなんじゃね?
ってことは、こいつに逃げ場はないわけで・・・


「そっちがその気なら、こっちだってなァ・・・!」

キュッ キュッ ズプゥン!

「ひゃああああぁああぁあん♥」


俺は両手でローサの乳首を摘みつつ、思いっきり腰を打ち付けた。
こうなりゃトコトンやってやる。
殻ん中には逃げらんねェぜ、ぐぇっへっへ〜。


「ぅああっ♥あっ♥しげきっ♥つよ、すぎるよぉっ♥」

「うるへ、お返しじゃ」カプ

「いひゃぁ♥あまがみぃ・・・♥うふぅっ♥あぁっ♥」


腰の振りを早くしつつ、手でできる限り撫で回してはいるが・・・
俺の方は限界が近い。
ずっと俺の方を絶えず刺激してきやがる。
こんな感覚は生まれて初めてだ。


「やばっ・・・!ローサ!そろそろ出るぞ・・・!」

「だしてぇ!♥わたしのなかにぃっいっぱいいっぱいそそいでぇっ!♥♥」

ドプドプドプゥッ

「ぉおおおおおっ!」
「ふわああぁあああぁぁあああああああ♥♥♥」


はぁ・・・はぁ・・・
まるで一生分出し切ったような感じだ。
だか嫌じゃない疲労感と満足感が俺の内を満たしている。


「はふぅ・・・♥すごかったですぅ・・・♥♥」

「ああ、そうだな・・・じゃあそろそろ」

「えい♪」グイッ

「うえぇ?」ドサッ


向こうもヘロヘロだと思っていたのに、押し倒された。
しかもその細い腕から出ているとは思えないほどの力で。


「おい、どうした・・・」

「んふふー♥私はまだまだ満足してませんよぉ・・・♥もっともっとくださいっ♥♥」

「え、ちょ、待っ」


あれこの台詞すげェデジャブ・・・
さっき誰かが言ってたような。


「さぁっ!いきますよー♥」

「おあーーーっ!!」





・・・・・





まああの後こってり十数回は搾られて・・・
死んだかと思ったよ。
目が覚めた時サンドウォームの殻を見てみると、そこそこ治ってはいたが・・・
まだまだ全快とはいかないようだ。


「治るまで毎晩お願いしますからねっ♪」

「・・・こりゃ当分旅には出れそうにないな」



「俺たちとしては別に構わないよな」

「ええ。そろそろご近所さんが欲しいと思っていましたから・・・♪」


アズルの旦那とオウロの嬢さんの厚意もあって、しばらく遺跡に滞在することになった。
ローサの殻が治るまではここにいようと思う。
近くの街で仕事でもするか・・・ここと街を行ったり来たりするのは少し面倒だがな。
ここにずっといるのもいいかもしれんが、二人で旅するのも悪くないだろう。
ちィいと、手のかかる奴だけど・・・


「そうだっ!旦那様!大事なことを忘れていました!」

「どうした、ローサ」

「旦那様の名前ってなんですかっ!」

「今更かよっ!」




コイツといると、飽きないだろうなァ。



―終―
13/04/29 00:44更新 / 群青さん

■作者メッセージ

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。
いかがでしたでしょうか?


・某日
『あぁ、今週も忙しかったなぁ。そうだ、久しぶりにサイトを見よう。
・・・なにぃ!?新しい娘が更新されてるっ!?
ほう、サンドウォーム。中身が本体で外見が殻なのか、ふんふん。
じゃあ外殻ぶっ壊せば中身丸出しになるよね?

・・・というのがこの話を思いついた経緯です。
勢いとネタで書きました。すみませんでした。
エロも入れてみましたが・・・
正直エロなんて書けませんよぅっ!(;ω;)

この『カラルサンドラ』を舞台にしたシリーズはちょこちょこ続けようと思っています。
実は、登場人物の名前は全員『色』が由来だったりします。
国の名前も色と砂漠を意味してる語句の造語です。
それが何だって話ですよね。

どうでもよさげな情報をここまで読んでくださったことに感謝をしつつ、
次も続けられるよう頑張りたいです。
ありがとうございました。

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