連載小説
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六通目
拝啓、バフォ様、お元気ですか。僕は元気になりました。
なかなかいい街ですよ、ここ。
宿の女将のドワーフさんが姉御肌というかなんというか・・・気前が良すぎて泊まってた部屋の料金半額だそうです。びっくりしました。なんでも困った時はお互い様だとかで・・・。

リハビリも兼ねて街を歩き回ってみましたが、ドワーフさんとサイクロプスさん以外にも色々な魔物がいました。
ハーピーさんとか黒ハーピーさんとか、ワーシープさんとかホルスタウルスさんもいました。あと何箇所かの坑道の入り口にガーゴイルさん(男付)が。採掘しているところの目印だそうです。皆で採掘に協力してこの街は成り立っているみたいです。

この街には前にも書いた路上のアクセサリー屋さん以外に、武具屋や工具屋さんが充実してました。
ちょっと覗いてみましたが、グランヘブンにあった武具屋なんかより、質も値段も段違いです。こっちのほうが明らかに良質なのに安いという・・・。見習え、グランヘブンの武具屋。
目の色を変えて武具を眺め始めたリンさんと別れて、町の散策を再開しました。
路上ではなく、ちゃんとした店を構えているアクセサリー屋さんもありました。
店の人に話を聞いてみたら、路上のは見習いの人たちだそうで。
修行兼お小遣い稼ぎでやっているらしいです。
お店においてあった商品は、身につけておくだけで精力増強の効果があるルーンを掘ったブレスレットとか、身につけておくだけで以下略な首輪とか、以下略なペアリングとか、全部そういうのでした。さすが魔物の店・・・。
首輪買いました。手紙に同封しておきます。帰った時に僕につけてください。

新しい剣を買ったのか、すごく満足げなリンさんと合流してから、次はギルドのほうを見てきました。
この街では店を出すためにはギルドに登録しなければならないらしく、ドワーフギルドとサイクロプスギルドがあって、種族ではなくアクセサリー屋を出したい場合はドワーフギルドに、武具屋を出したい時はサイクロプスギルドに登録、というらしいです。
ギルドに登録された店は軒先に看板を吊るすそうで、言われてみれば確かにありました。

それではそろそろ紙がなくなるので、ここまでで。
次の街に着いたら手紙出します。

敬具

追伸:新しい剣を買ったのではなく、今まで使ってたのを鍛えなおしてもらったらしいです。また新品のようにきれいになったから嬉しいんだとか。
嬉しそうなリンさんの顔を見たらまた少し元気になりました。これからも頑張ります。
13/04/23 00:58更新 / マオ・チャルム
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■作者メッセージ
鉱山街後編です。
鉱物が豊富な街の魅力といえばやはり武具です。
自然と職人が集まり、工房ができ、武具を目当てに人が集まり・・・そうやって発展してきた職人の街でもあります。

ちなみにドナー君、ロリコンとペドの間辺りなのでリンさんに言い寄られても普通に断る子です。対魔物術もグランヘブンで仕入れているので力ずくで押し倒されても撃退できます。・・・ドワーフさんに言い寄られると危ないかも。

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