連載小説
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小さき者の萌芽
楓が来て数日、館の扉を叩く者が居た。

和也「誰だ…?」

そのままドアの外を確認すると、小柄な魔物が居た。

和也「…?」

そのまま応対する、いざとなれば彼女達が何とかしてくれるだろう。

和也「何か用か?」

???『居た…♪』

和也「お前さんは?」

???『わからない?』

彼女は恐らく、ネズミ(?)の魔物だ…だとすれば…

和也「ああ、次はないって逃がしたネズミが魔物に変化したのがお前さんか?」

???『うん。』

雫『そんなことが…』

和也「痩せてたからな、食えてなかったんだろうと思ってな」

???『うん…逃がしてくれただけじゃなくて食べ物もくれた…』

和也「腐らんうちに処理しただけだ、切るのめんどかったし」

???『ありがとう…』

雫『分別のある娘のようですね…。』

和也「そうだな。」

???『ありがとう、ございました…』

それだけいうと彼女は倒れてしまった

和也「ありったけの力を振り絞って戻ってきたわけか…バカな奴だ、本当に…」

雫『町の方にいけばまだなんとかなったかもしれないのに、バカというよりは愚直…?』

和也「ちょうどいい、こいつも使うか。」

雫『そうですね…』

彼女を担いで行き客間に寝かせる

和也「…」

雫たちと彼女を見ていると、よほど無茶をしたのだろうか彼女は細かい傷だらけだった

和也「仕方ない、あれ食わすか」

瑠璃『太っ腹だね』

和也「ったく、家の前で倒れるなよ…」

楓『とはいっても面倒は見ると…』

和也「死なれたら気分が悪いからな、こいつの旦那からせしめてやるか…」

そう話していると彼女は目を覚ました。

???『う…』

和也「目が覚めたか、いきなり家の前で倒れるなよ…」

???『ごめんなさい…』

和也「とりあえず、これ食え。」

俺は人間を魔物に変える植物にたくさん成った実のいくつかを渡す

???『いいの?』

和也「こうなった以上、お前さんはここで嫁になるための修行を積んでもらう。後から来るかもしれん旦那からせしめるためにな」

???『!ありがとう、ございます…!』

和也「礼はいいからしっかり食って寝とけ、明日から始めるからな」

???『…はい!』

それから、彼女の修行が始まった。彼女は決して器用でも頭がよくもない、だが人並み外れた努力と執念、それと勤勉さで家事を覚えていく…












和也「大したものだ、お前さんはな。」

評価のために俺達は彼女のいる部屋に来ていた

雫『確かに、頑張ってます』

瑠璃『マイちゃんより器用でもなければ頭が良いわけでもないのに、これだけの勢いで上達してるのはすごいよ。』

楓『教える側としても吸収が良いと嬉しいものよ。』

???『そうなの?』

和也「見てたらわかる、器用でも天才的に頭が良いわけでもないのにこれだけの速度で上達している。それには多分人並み外れた努力、それと勤勉さと執念が理由だろうな。」

???『私の命を二回も助けてくれただけじゃなくていろいろ学ぶ機会までくれた、ならそれに応えないと…』

和也「お前さんの武器は吸収率の高さと必死さ、勤勉さだな」

???『…♪』

彼女は健気だ、云い旦那が見つかってほしいものだと俺達は思いながら彼女の部屋をあとにしたのだった。

小さき者の萌芽 おわり
19/08/15 01:40更新 / サボテン
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■作者メッセージ
どうも、サボテンです。

今回の話は如何だったでしょうか?

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