読切小説
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ケプリたちとのなつやすみはちょーえきさいてぃんっでした
【7がつ1にち はれ】
なつやすみがはじまりました。
そしたらうちにいつのまにかまものたちがすんでいました。
「ケプリ」っていうやつで、さばくのくにからきたそうです。
どーみたってきんぴかのデビルバグにしかみえないねっていったら、おとうさんにおこられました。
ちなみにおとうさんのおしごとは、まかいのがいこーかんです。
それでさばくのくにのきぞくとかおーぞくなケプリたちのめんどうをみることになったみたいです。
でもケプリたちはすごくかわいいけれど、むずかしいにほんごがわからないからまったくしゃべらないし、あそんでもくれませんでした。
おれ、こいつらきらい。





【7がつ2にち くもり】

きょうはケプリたちがだしてきたバトルドームであそびました。
おかあさんがふざけてどうがもみせたら、みんなしゅうちゅうしてみだしました。
そのあとみんなでやったら、めちゃくちゃにみんなつよくなって、さいごのほうはみんなでくろいたまをぶつけあうあそびをしました。
でもおかあさんにおこられました。
でもこのあとは「ちょーえきさいてぃんっ」と「シュゥウウウウーッ!」だけだけど、ケプリたちは喋れるようになりました。





【7がつ9にち はれ】
ケプリたちがようやくあそんでくれました。
いがいだったけど、ケプリたちはサッカーがとくいだとわかりました。
とちゅうまでたのしかったけど、「シュゥウウウウーッ!」っていちばんせがたかいケプリがさけぶと、ものすごいはやさでゴールのあみをかんつーしました。
ボールがほっぺたをかすったら、ちがでました。
いたかったです。
おれ、こいつらだいっきらい。



【7がつ10にち はれ】
きょうはケプリたちとがっこうにいきました。
きょうはなつやすみの、はなのみずやりとうばんだからです。
ケプリたちはしいくごやのウサギをおっかけまわしたり、ホースをつかってみずのかけあいをはじめて、てつだいにきたのか、あそびにきたのかよくわかりませんでした。
ぼくがおこると、いちばんせがたかいケプリがためいきをつきながらてつだってくれました。
きちんとみずやりはしてくれましたが、おわったとどうじにぼくにホースでみずをかけてきました。
おこったらおやゆびをたてて、「ちょーえきさいてぃんっ」と、ふざけていました。
おれ、こいつきらい。
たすけてくれなかったほかのやつらもきらい。





【7がつ11にち はれ】

きょうはケプリたちとかいものにいきました。
20にんちかくいるケプリは、みんなスーパーでたくさんかってました。
おかしとかジュースばっかで、ごはんたべれなくくらいたべて、ごはんをのこしたので、おかあさんにみんなおこられてました。
いいきみだっておもったけど、たべてないやつまでしかられてたのは、ちょっとかわいそうでした。
だからたべてないでないてたせのたかいやつにこっそりおかしをあげたら、よろこんでだきついてきました。
いいにおいだったけど、そのあとはおぼえてません。
はなぢをだしてたおれてたらしいです。




【7がつ18にち はれ】
いつもふざけてばっかのケプリたちがきゅうにおれにおそいかかってきた。
「はつじょうき」っていうのらしい。
くろいたまをおれになげてきて、そのたまがあたるとなぜかケプリたちがきゅうにかわいくみえてきた。
なんにんかがはだかになってぼくにとびかかろーとしたら、せのたかいケプリがとめた。
そしたらきゅーにケプリたちがおこったけど、せのたかいケプリがにらんだらだまっちゃった。
「まだはやい」とかいってた。
なにがはやいのかわからなかったけどたすかったようなきがします。
せのたかいケプリはちょっときらいじゃない。



【7がつ28にち はれ】
きょうは「はつじょうき」がおわったケプリたちとプールにいきました。
みんながみんなふだんからみずぎみたいなふくそうだったから、あまりかわりばえがしませんでした。
せのたかいケプリはおれにべたべたしてきたんだけど、そのたびにおっぱいがふにゅふにゅしてきもちよかったです。
けど「サキュバスのおねえさんのが、おっぱいとおしりおおきいね」っていったら、ぜんいんにじゅんばんにプールにシュゥウウウウーッされました。
これはおれがわるいとおもいます。




【8がつ1にち はれ】
きょうはケプリたちとなつやすみのじゆうけんきゅうをしました。
おれはかぶとむしのせいたいってやりたかったけど、ケプリたちはこのへんのむしをたくさんつかまえてきました。
つかってやれとおとうさんにいわれたので、とりあえずしらべてみたらけっこうおもしろいむしでした。
ケプリたちもてつだってくれて、かなりはやくおわりました。
せのたかいケプリが「ちょーえきさいてぃんっ」っていったから、おれも「ちょーえきさいてぃんっ」っていいました。
こいつらちょっと、ほんのちょっとだけすき。





【8がつ9にち あめ】
きょうはひさしぶりのあめです。
ケプリたちはめずらしそうにあめをみて、「ちょーえきさいてぃんっ」とかえるみたいにがっしょーしてました。
さばくじゃあめがふらないから、めずらしいんだっておかあさんがいっていました。
せのたかいケプリがそとにでてあそんで、かぜをひきました。
ばかみたい、っていったらくろいたまをシュゥウウウウーッされました。
そのひはなぜかせのたかいケプリがかわいくみえてしかたがなかったです。
せのたかいやつ、ちょっとすきかも。



【8がつ17にち くもり】
なつやすみももうおわりがきます。
ケプリたちもさばくにかえらないといけなくなっちゃって、すこしさみしいです。
みんなでわんわんないちゃったけど、おかあさんはとめませんでした。
ゆうがたまでおれがないたあと、せのたかいケプリはまだきちんとしゃべれなくて、またなきそうだったけど、おれにおれいをいって、きすをしてくれました。
そしてだきつかれたとき、やわらかくて、いいにおいがした。
くうこうまでいったときに、おれはせのたかいケプリとやくそくした。
おおきくなったらけっこんする、って。
おおきくなって、そのときにけっこんできるならおやゆびをたてて、「ちょーえきさいてぃんっ」っていえばいいそうです。
せのたかいやつだけじゃなくて、ほかのやつともやくそくしました、けっこんしておうこくつくるって。
おれ、こいつらすき。
せのたかいケプリはだいすき。






***





「懐かしっ……」

部屋を整理していたら小学校の日記が出てきた。
いやー、懐かしいな。
……と、同時に恥ずかしいなこれ。
何が結婚の約束だよ、あいつらは貴族とか言ってたし、多分もっといい男と結婚してるだろ。
……アレだ、高校生のくせにDT、別にカッコよくもねえ俺より。

「久信ー? ちょっといいー?」
「あー? 何だよ!」

俺が部屋から顔を覗かせると、お袋が扉の方を指さした。

「アンタにお客さんよ」



何か笑いをこらえながら言う母さん。
なんかむかつくな……けど出ないわけにはいかないよなあ、誰だよ全く。
玄関を普通に開けて、「どなた?」と、言いかけた。
そう、言えなかったぜ、だってさ。













「結婚できるかな?」











俺の前には、前までは大きかったけど――今の俺ぐらいの背の奴がいた。
そして後ろには、少し背の低い奴らが不安そうな顔で俺たちを見ている。
あいつらは、あの時と変わらないまま、そのままで。
でも涙なんか流す暇はなかった、これをしなきゃなんなっかたからだ。
親指を立てて、超エキサイティングに叫ぶんだ。











「ちょーえきさいてぃんっ!!」











その瞬間、あいつら――ケプリたちは俺に飛びついて来た。
唾液とか鼻水とかで顔が汚いけど、ま、いいか。

13/07/22 23:39更新 / 二酸化O2

■作者メッセージ
俺「お前ら変わんないなあ」
背高ケプリ「そ、そう?///」
俺「おうおう、外見とか……あ、おっぱいとか尻も小さいままだな」

この後俺は屋根からシュゥウウウウーッ!超☆骨折ッティング!!

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