読切小説
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ダメ、ゼッタイ。
召喚儀式というのは面倒なものである。
供物を用意した上で複雑な召喚陣を描き、長々と呪文を唱え続けなければならないのだから。

燭台のロウソクに照らされた地下室。
少年が魔道書と手元を交互に見つつ、石の床の上に白墨で図形や文字を書き込んでいく。
ただでさえ複雑な上に薄暗いから間違って描き直すこともしょっちゅうだ。

召喚陣は一つ間違えるだけでその一ブロック分を綺麗に消して描き直さないといけない。
一字書き損じただけだから……といい加減にそこだけ修正したのでは不正規な儀式と見なされ、何も起きなかったりする。
それだけならまだ良い方で運が悪ければ召喚対象に襲われて殺されることもある。
だからどれだけ時間をかけようとも召喚陣だけは一片の間違いもなく描き上げねばならないのだ。

えーと、ここはGで……ここはVV? それともW?
少年はときおり手を止めて考えつつ召喚陣を描き続ける。
魔道書は日常語で書かれていないので、見習いレベルなら文字を間違えることさえあるのである。

たぶん……Wだろうな。
少年は半分以上カンで決めて字を書いた。
そして部屋の隅で作業を眺めている師匠をちらりと見る。

「…………」
無言の師匠。どうやら正解だったらしい。
なぜならこの師匠は間違っていたらすぐ描き直しというから。

その後は幸運な事に詰まることもなく最後まで描き上げられた。
終わりましたと少年は師匠に告げ、描いた字を潰さないように注意して中から出る。
そして入れ代わりに師匠は召喚陣に近づきチェックしていく。
改め終わると師匠は口を開いた。

「間違いはない。だが……おまえ途中で適当に描いた所があるじゃろう?」
やはりバレていた。
「今はワシが見ていたから良かったがな。後で復習しておけよ。
 召喚に失敗して真っ先に危機にさらされるのはおまえなんじゃからな」
師匠は弟子の身を案じて言う。
それについては本当に申し訳ないと思いながら少年は頷く。

「よし……では始めなさい。生贄をそこの台に」
召喚陣の中に台が設置されている。ここは儀式の供物を置く場所だ。

召喚対象によって捧げるものは千差万別。
大して知性のない野獣を召喚するなら大量の生肉などで良い。
しかし今回の対象は弱いとはいえ悪魔、生あるものを代償にしなければならない。
大掃除して発見したネズミやゴキブリなどを捧げるわけだ。

生贄を用意して準備万端。あとは召喚の呪文を唱えるだけ。
これも間違えたらやり直しとなるが、口を動かすだけだから召喚陣よりは楽。
とちって数回唱え直しつつ、なんとか呪文の締めまでやってきた少年。

――ケンコウ・クロス・サン・マジ・カミ!

最後の言葉を唱えた瞬間。

ボワッ! と黒い霧が召喚陣の真ん中から噴き出した。
その霧はだんだんと広がっていき、召喚陣の端で止まり上へと昇る。

円柱状に展開した黒い霧に阻まれ、召喚陣の中がどうなっているかは見えない。
この霧が晴れたときにはきっとインプと呼ばれる小悪魔が現れているだろう。
そう少年が考えていると―――。

「ギャーッ! ゴキブリ!? ネズミーッ!」

霧の中から女の子の叫び声が響き渡った。




少年の師匠は国でも屈指の魔法使いである。
本来なら魔法学院で大勢の人から先生と呼ばれる身分なのだ。
そんな師匠が身寄りのない子供を拾って寂れた村のはずれに住んだのは「権力争いとか面倒臭い」という理由から。

もちろん師匠が自分からそんなことを口にしたわけではない。
少年が今よりも幼く一人で留守番もできない頃、ときおり人がやってきては学院に戻って欲しいと頼み込んでいた。
それを疑問に思った少年が何度も訊ねて話してもらったのだ、
しかし完全に縁を断ち切るのも難しかったのか、少年がそれなりに育つと留守番させて街へ出かけることも多くなった。


ある日。
会議に参加すると言って師匠は朝から街へ出かけることになった。

「ではワシは行ってくる。一週間ぐらいで帰るだろうから留守は任せるぞ。
 もう調剤を間違えることはないと思うが注意してやること。
 それと…あのような姿をしているが、主人と使い魔であるということを忘れぬように」
そう師匠は釘を刺すと迎えの馬車に乗り込んだ。それを見送り少年は家の中へ入る。


「お師匠様行っちゃったねー、ご主人さま」
居間に戻ると実に可愛い(少なくとも少年はそう思う)女の子がカップを片手にくつろいでいた。

最初にこの悪魔を召喚したとき、師弟は共に儀式に失敗したのかと考えた。
なにしろインプといえばねじ曲がった角にコウモリの翼、矢じりのような尻尾と典型的な悪魔の姿をしているものだから。
確かにこの悪魔も角や尻尾はあるが、それ以外は完全に人間の女の子。
こんな姿のインプが召喚されるなど見たことも聞いたこともない。

本当にインプなのかと師匠はその場で魔法を使って調べたが間違いなく悪魔で、しかも少年と契約でキッチリ結ばれている。
そのため姿に多少の問題はあるが使い魔であると認めたのだ。


熱い茶を飲み終わってふぅ…と一息ついた後インプは言った。
「それで、今日はどうするの?」
どうするもなにも無い。いつもと同じように過ごすだけ。
今日は村の人が薬を取りに来るから調合しないと……。

少年は放りっぱなしの食器を洗い桶に沈める。
そしてエプロンを着けて薬剤室へ。もちろんインプにも声をかける。

ちょっと来て手伝ってくれ。
「えー、こんな朝からやるのー」
やる気なさそうにインプが言う。

しかし調剤というのは中々手間がかかる行為。
使えるのなら猫の手でも借りたいと少年は思う。
一人でやるのは結構大変なんだ。使い魔なんだから主人の仕事を手伝ってくれ。

「それって使い魔の仕事なの? まあしょうがないけどぉ……」
面倒そうに言うインプと二人連れだって薬剤室の中へ。


薬剤室の中は乾燥した草や怪しげな干物などで満ち溢れている。
そういった光景は初めてなのか、インプはキョロキョロと興味深そうに部屋を見渡す。

「それでワタシは何をするの?」
少年とて薬の事をろくに知らない使い魔に調剤などさせはしない。
大雑把な計量や荷物運び、湯沸かしなどそれこそ子供でもできる事をやらせる。
「なんか使い魔って思ってたのと違うなあ……」
ぶちぶち文句をこぼしつつ命令に従って動くインプ。

インプは多少の思い違いをしていたようだが、使い魔のための仕事というものは無い。
主人の命令に従って何でもするのが使い魔である。

そもそも使い魔というのは未熟な魔法使いが自分の補佐をさせるために契約するもの。
例えば師匠のような達人級ならば、一人で出来ることはすんなり片付けてしまう。
逆に一人では無理と判断すればその場でインスタントに召喚して手伝わせることができる。
使い魔と常時契約しているというのは未熟者の証なのだ。


インプの持ってきた薬草を計量し乳鉢へ。
乳棒でゴリゴリと擦り潰す。

「ご主人さまは何の薬作ってるの?」
手持ちぶさたになった使い魔が声をかけてくる。

今作っているのは関節痛の薬。野良仕事をする村人は重宝するのだ。
さて、粉にした薬草を溶かすからお湯を持ってきてくれ。

「はーい。よっ…と」
インプが火にかけていた薬缶を持ち上げてやってくる。
それを受け取り大きな器で薬草と混ぜ合わせる。
「うっ……なにこの臭い。こんなの飲むの?」
慣れなければ相当不快に感じる臭気が広がりインプは顔をしかめる。

いやいや、これは飲み薬ではない。
この液体に布を浸して湿布にするんだよ。
何も知らないインプに知識をひらかし、少しばかり得意になる少年。

さて、この薬はしばらく放置して冷まさなくては。
その間に別の薬を調剤しよう。
少年は調剤台のイスから腰を上げ、取扱注意と書かれた薬品を取りに行く。



村人が薬を受け取りに来る日時はほぼ決まっている。
調剤の手間を考えると個々人でバラバラに取りに来られるより、その方が効率がいいのだ。

食事を取って一息ついた昼下がり。
小分けにした器を庭先に並べて村人の来訪を待つ。

「こんにちわ。いつもの薬貰っていくわね」
おばさんといった年頃の女性が薬を受け取り代金を支払う。
悪意などは見えないがその態度はよそよそしい。
魔法というものは一般的に怪しいイメージが強く、田舎の人間は壁があるように接してくるのだ。


「なーんか感じ悪いね、あの人たち」
薬を渡し切った後、家に入るとインプがそう感想をこぼした。

そうだろうか?
物心ついたときからそれが普通だった少年は特に思う所はない。
嫌がらせを受けたことはないし、魔法使いへの偏見を考えれば良くしてくれる方だと考える。

何にせよ本日の対外的な仕事は終わった。
残った時間は勉強しなければ。


少年は自室に戻り学習机に腰掛ける。
魔法使いの勉強というと、怪しげな魔道書ばかり読んでいるイメージがあるがそれは偏見である。
魔法使いに求められるのは広範な知識。
もし超人的な才能の持ち主がいて学習せずに強力な魔法、難しい魔法を使えたとしても、
ろくにものを知らなければ本職の魔法使いにはバカにされる。

とはいってもまだ産まれて十数年しか経っていない少年のこと。
その知識はまだまだ少ない。
知識が少なければ理解の範囲も狭くなる。

例えば少し背伸びして読んでみた世界の成り立ちという本。
この本を読んでも意味の分からない言葉が多く、内容はあまり理解出来ない。

―――まず最初に無があった。世界は無から産まれた。

無とはいったい…うごごご。
このように理解出来ずに頭を抱えてしまう。

結局、背伸びは諦めて少年は理解できる範囲から学習した。



夕方。
食事も終わり少年は風呂場で体を洗いながらリラックスしていた。
使い魔と二人だけだったが大きな問題も無かったし、問題なくやっていけるだろう…。
そんなことを考えていると。

「ご主人さまーっ! 入るよーっ!」
バンッ! と音を立ててインプが風呂場へと飛び込んできた。

いきなりの展開に少年はパニックに陥る。
一体どうした!? 何があった!?

「何ってご主人さまの背中を洗ってあげようかなーって」
背中ぐらい自分で洗える。出て行ってくれ。
「そんなー! せっかくお師匠様がいないんだよ!? 二人っきりなんだよ!?
 使い魔とスキンシップしてくれたっていいじゃん!」
スキンシップと風呂がどう繋がるのか混乱している少年には分からない。
「裸の付き合いって言葉があるじゃない。で、裸になるなんてお風呂ぐらいでしょ。
 だからいっしょにお風呂入ろっ」

裸の付き合いという言葉でインプの行動が理解できた。
しかしそういうのは同性がとるスキンシップ。
異性間で行うのはダメだ。

「でも混浴とかあるじゃない。アレは裸の付き合いでしょ? だからいいじゃん」
それでもダメだ。とにかくダメだ。
「ふう……。ご主人さま、そんなダメダメいってもさー」
なんだ。
「顔を背けない時点で興味津々ってバレてるよ」

少年は黙りこむ。
たしかに変に凝視こそしないもののインプの裸から目が離せない。
村人との付き合いが薄いこともあり、少年は女性への免疫はほとんどない。
学問の一環として多少の性的知識はあったものの、実物を目の前にして男性としての本能がかまをもたげる…。

が、しかし。
そこで師匠の言いつけが少年の頭をよぎる。

“あくまで主人と使い魔であるということを忘れぬように”

そう、二人は友人でも恋人でもない。召喚主と呼び出された悪魔なのだ。
そんな相手と性欲に流されて関係を持ってしまうなど魔法使いの風上にもおけない。

「んー、じゃあこう考えてよ。ワタシで勉強するってさ」
勉強? いったいインプで何を勉強するのか?
「魔法使いって勉強して知識を溜めこむんでしょ。ワタシは女の子の事を色々教えてあげられるよ」
どうかな? とインプは笑みを浮かべる。

勉強、勉強、勉強……。いやしかしこんな知識が何の役に……。
「無駄にはならないと思うよ。お師匠様だって知ってる全ての知識を使ってるわけじゃないでしょ?」
確かに知識は溜めこんでも腐ったりはしない。
知識が増えることは魔法使いにとって歓迎すべきことだ。

勉強の一環という逃げ道を得て、フラフラと少年の手が宙を彷徨う。
知るべきか知らざるべきか……。

インプはそんな少年の手を両手で包む。
「はい、まずは女の子の手ね。ご主人さまと違ってずいぶん小さいでしょ。
 あと力仕事してないせいもあるけどプニプニして柔らかい。ほら、もう知識が2つ増えちゃったね!」
少年にとって女の子に手に握られるなど初めてだ。これは貴重な経験だろう。

「それとね」
手を握ったままインプが少年に身を寄せる。するとほのかに甘い香りが漂った。
「女の子はいい匂いがする。これも新しい知識でしょ」
ああそのとおりだ。こんな香りは初めて嗅いだ。

「ね……もっと知りたくないかな。女の子のこと」
……知りたい。
少年はすでに女体という未知の分野に魅せられてしまった。


「うんうん、たっぷり教えてあげるね。じゃあ次は―――」
インプの言葉を待たずに少年は小さな膨らみに手を伸ばす。
「あ…っ。おっぱいのこと知りたいの…?」
返答せずに少年は小さな膨らみをいじくり回す。
「ん…ふにゃってして形が変わるでしょ。ワタシは小さいけどこれは個人差があるからね。
 そしていじくり回してると……」
少年は小さな胸の先端を摘まみあげる。
「さ、触って分かると思うけど、乳首が固くなって立っちゃうの……。
 これは、女の子が気持ち良いってことだからね」
インプの声がだんだんと震える。
少年はこうすればさらに良くなるだろうかと考え、顔を寄せ胸を口に含む。
「ひっ…! お、おっぱい吸うの反則っ! そっ、それやられると女の子は……っ!」
インプがブルリと身を震わせる。そして股の間から粘ついた液が石の床に垂れ落ちた。
どうやら軽く達してしまったらしい。

「もう…、勝手に進んじゃダメだってばぁ…。ご主人さまも気持ち良くしてあげたいのにぃ……」
そんなことはいい。早くもっと教えてくれと少年は先を促す。
「うん……じゃあ少し下がって―――」
インプがへそのあたりを指差す。
「お腹、ね。ここを眺めるのが好きって男もいるらしいけどご主人さまは違うのかな?
 でもこの中はみんな好きなんだよね。その次が―――」
女性器をそっと撫で、言葉を続けるインプ。
「入り口。おまんこ。女の子はみんな持ってる穴ね。おちんちんを入れるための穴だけど指も入るよ。
 こういう感じね……」
自慰をするようにインプは指を差し込む。
「これでぐっちゃぐっちゃするんだけど、今はやらないでおくね。ちなみに中はこうなってるよ」
インプはぐぱぁと性器を開いて見せつけた。中のピンク色をした肉に少年の目は吸い寄せられる。

アレが女の……。
図でしか見たことのない女性器を前にして少年の性器は最高に膨張していた。

しばらく女性器の中を見せた後、インプは少年から少し離れた。
「とりあえず見えるところの説明は一通り終わったよ。ここから先を知るには――」
少年の股間を見てインプはニタリと笑う。
「ワタシとセックスすることになるんだけど……知りたい?」
当然だと頷く少年。ここまで来て中断などもはや考えられない。
その返答に実に嬉しそうな顔をするインプ。

「じゃあ、やろっかご主人さま。ワタシが下になるね。ん、冷たっ……」
石の床に尻を下ろしたインプがその冷たさに声をあげるが、それを堪えて仰向けに寝そべる。
そして膝を立てて上体を起こし少年を誘う。

「じゃいいよ、ご主人さま。そのおちんちんワタシに入れちゃって」
その言葉を待っていたというかのように、少年は使い魔にのしかかる。

「んっ……! ご主人さまの……入ってくるっ…! もっと、奥まで入れていいからね……っ!
 女の子の体はっ……、案外深いんだよっ…!」
言葉を途切れがちにしながらも教えるインプ。
その言葉に応えて少年は未知の領域を切り開かんと腰を進める。
やがてコツンと行き止まりにぶつかる。

「あっ…そこは子宮口だよ……。ご主人さまの、おっきいから、こんな奥まで……」
目の前の女の子の一番奥まで侵入した。少年はそのことに形容しがたい幸福感を覚える。
もっともこれは少年が大きいというより、インプが小さいのであるが。

「ね、どうかなご主人さま。ワタシのおまんこ……気持ちいい?」
そんなことは聞くまでも無い。
大して生きていない少年の人生だがこれほどの快感を味わったことは無い。

「そう、よかった。じゃあ今度は抜いてみて……」
インプに従い男性器をゆっくり抜いていく少年。
挿入時とは違い、逃がすまいというかのように壁が吸い付く。
ぬるぬるとした肉が男性器と擦れあい、少年に味わった事のない感覚を与える。

あのピンク色の肉が自分のモノに絡みついている……。
インプの体の中で起こっていることを想像する少年。

ああ、もっとしたい。あの肉に吸い付かれ搾られたい。
その思いに勉強などという建前は完全に吹き飛んでしまった。

インプの両足を大きく開く。より腰を動かしやすいように。
そして快楽を求めて犬や猿のようにひたすら動く。
「んっ……! ご主人、さまっ…! そんなに…ワタシが、気に入った…?」
少年は答えない。口を動かす暇があるなら腰を動かす。
しかし、喋ることはしなくても半開きになった口からよだれが零れ落ちインプの顔にかかる。

「あはっ! 今のご主人さま、とってもいい顔っ…!
 いいよ、ワタシのおまんこで好きなだけ気持ち良くなってね…っ!」
ただの快楽発生装置のように扱われているにもかかわらず、インプはとろけた笑みを浮かべ舌を伸ばす。
それはもちろん少年のこぼしたよだれを受けるため。
使い魔は他人の体液を最高級のジュースであるかのように味わい、自分の唾液と混ぜ合わせ飲み込む。


やがて風呂場に響く音のペースが変化する。
射精が近いのか、少年の半開きだった口は耐えるように歯を食いしばっている。
そして当然インプもそれを感じ取る。

「ん? ご主人さまもうイっちゃう? 出しちゃう?
 イクときは好きな所に出して良いからねっ!
 おまんこの中でも、ワタシの顔でも……っ! 遠慮しないでどこでも…っ!」

もちろん今の少年に遠慮などという気持ちはない。
本能の命ずるまま膣内へ子種を注ぎ込む。

「あっ! 出て…るっ! ご主人さまの精液が……おまんこにっ…! って」
初めての交わりだけあり、少年が出した量は自慰の比ではなかった。
「すごい量っ! うわっ…! まだ出るのっ!?
 こ、こんなに注がれたら一発で孕んじゃうかも……」
少年の射精量に目を見開いてインプは驚く。

しかし所詮は人間。
ずっと出続けるということはなく、やがて射精は収まり少年の荒かった呼吸も静かになっていく。


そして冷静になり状況認識を行う少年。
ここは自宅の風呂場である――問題無し。
よって今自分は裸である――問題無し。
召喚した悪魔も裸である――とりあえず問題無し。
悪魔と自分は今繋がっている――大丈夫じゃない、問題だ。

少年はバッと立ち上がって悪魔から離れる。
「うわっ! …そんなに勢いよく離れないでよ。まだ入れといて欲しかったのに……。あ、こぼれちゃった……」
悪魔は股間からこぼれ出た液体を拭っては飲み込んでいる。

あの白い液体はなんなのか――自分の精液である。
何故そんなものが使い魔の中から出てくるのか――あの悪魔とヤったから。

完全に現状を認識し、少年は頭を抱えてうずくまる。
自分は何ということをしてしまったのか。
師匠の言いつけを破って、呼び出したインプとまぐわうとは。

「? なにうずくまってるのご主人さま?」
お前とヤってしまったからだ。
「アレは勉強だよ、勉強。何もやましいことなんてないってば」
そんな言い訳が通用するか。

しばらくの間どうしようと頭を抱えていた少年だったが、
このままだと風邪をひくとインプに言われとりあえず風呂を出た。


完全に陽が落ち、暗くなって。
少年はランプの灯と辞書を頼りに魔道書を読んでいた。
眠る前は学習効率が良いと聴いて以来、就寝前の読書は日課となっている。
しかし、今日はどうにも頭に入ってこない。
何をしていても風呂場での行為が甦ってしまうのである。

ダメだ、今日はもう寝よう。
少年は本を片付け、ベッドに潜り込む。
そしてランプの灯を消そうとしたところで―――「あ、勉強終わった?」
インプに侵入された。

もう寝るんだ、急用でないなら明日にしてくれ。
そう言って追い返そうとする少年。

「急用だよ。しかもご主人様に関係すること」
インプはトコトコ近づいてくると少年のすぐ横に寝転んで言う。

「エッチしよう、ご主人さま」
とっとと帰れ。
少年は身を起こして追い出そうとするが、インプは落ち着いた声で言う。
「これは真面目な話だよ。さっきの勉強、ほとんど頭に入ってないでしょ」
図星である。しかしそれがなんだというのか。
「ワタシみたいなのと一度でもセックスすると、人間の男は離れられなくなるんだよ。
 しばらく交わらないで離れていると四六時中脳裏にちらついて、あらゆることが手につかなくなる。
 それでも交わらないと最終的には寝ようとしても姿がちらついて眠ることさえできなくなるんだ」

……なんだそれは。まるで麻薬じゃないか。 

「ご主人さまは今日ワタシとまぐわった。だから普通に寝ようとしてもお風呂の光景がフラッシュバックして眠れないよ。
 それで明日の朝になっても眠れない。眠気はあっても目を閉じて横になるたびにワタシの姿が思い浮かぶ。
 ワタシとたっぷりエッチして疲れ果てて眠るまでそれは消えないんだよ」

少年は悪魔を甘く見ていた事を痛感した。
インプなんて見習い魔法使いにも召喚できる小物だと。
その結果がこれ。

本当に、師匠になんと言えばいいのか……。

呆然とする少年にインプはそっとささやく。
「とりあえずエッチしよ? お師匠様は1週間は帰ってこないんだし、明日明後日寝坊しても誰も叱らないよ」
コイツとセックスしなければ自分はもう眠ることさえできない。
……後の事は後で考えよう。
半分自暴自棄になりつつ少年は寝巻の上を脱ぎ捨てた。



あの日から1週間近く。
あれ以来少年は毎日毎日インプとヤリまくっている。

行為が終わったあとは自己嫌悪や不安に苛まれるのだが、
最中はひたすら快楽に溺れて、ずっと離れたくないとまで思ってしまう。
完璧に中毒者。ジャンキー。

こんな自分を見たら師匠はなんて言うだろうか。そんなことを考えながら少年は庭に出る。
すると低い木に一羽の鳥が止まっているのが目に映った。
その足には白い紙が巻きついている。

伝書用の鳥? もしかして師匠に何かあったのか。
足から手紙を取るとバサバサッと翼を羽ばたかせて鳥は飛んでいった。


少年は自室に戻り、紙を広げて内容に目を通す。

そこに書かれていたのはしばらく帰れそうにないという知らせだった。
少年が変わった姿のインプを召喚したことについて学院を通して調べてみたら、
最近になって似た事例が急増していることが判明したと書いてある。

その調査によるとインプどころか液状のスライムや牛頭の魔物でさえ女性の姿になっているらしい。
召喚元の世界で何かが起きている。
これは召喚術を使う全ての魔法使いに関わることのため、詳しく調査研究せよと王様直々に命令された事。

「へー、お師匠様しばらく帰ってこないんだ」
耳元で聞こえるインプの声。いつの間にか後ろから覗きこまれていた。

「残念? それとも良かった?」
すぐ横で顔は見えないが、声の感じでわかる。
この悪魔は今ニヤニヤと笑っているのだろうと。






師匠が家を出て1年あまり。
それだけ経っても老人は帰ってこなかった。

最初の頃はときおり伝書鳥が来ていたが、やがてそれも来なくなり、
今はもう師匠がどこで何をしているのか少年にも分からない。
そして家に二人だけなのをいいことに散々二人は交わった。

少年が麻薬のようだと形容したインプとのセックス。
行為中の快楽とその後にやって来る自己嫌悪と不安。
そしてそれを忘れるために再び悪魔と交わる。

少年の生活は完全に悪循環に陥っていた。
しかし長く交わるうちに、その嫌悪も薄くなっていく。
悪いことだと分かっていても、恒常的に行っていれば日常と化してしまう。
インプの髪が変色する頃には負の感情など完全に消失し、自分に快楽を与えてくれる優秀な使い魔との認識になっていた。



真昼間から風呂場に肉のぶつかる音が響く。
どことなく髪が白くなったインプが少年の上に乗り腰を上下させる。
以前より少しばかり膨らんだ胸を少年が弄るたび、その先端から白い液体がとろとろと流れ出す。
しかし何よりも目を引くのは悪魔の腹だろう。小さい体とアンバランスに膨れ上がっている。

「ん…、あっ……ご主人さまの、おちんちん今日も元気だねっ……!
 これなら、お腹の子も、丈夫に産まれるかなっ……!」
インプは妊娠していた。その父親は当然少年である。

妊婦とセックスするのは胎児に悪いのではないかと思った少年だが、
悪魔相手には逆効果で、父親の精を受けるほどより強く美しく育つのだと教えられた。

そのため妊娠しても以前と変わらず―――いや、より頻繁に交わるようになった。
子を宿したことにより幾分変ったインプの胎内。
出産までの期間限定の体をなるべく味わっておこうと考えたのである。

ちなみ二人は家のどこでも交わりを行ったが、その回数が最も多いのは風呂である。
体液で部屋を汚しても簡単に洗い流せるというのがその理由。


その定番となった風呂場でのセックス。
少年は母乳で白く汚れた手を悪魔の胸から離す。そして膨らんだ腹に当て、撫で回し突っつく。
「んっ……そんなにお腹弄るの好きなのご主人さま? この子を産んだらまた作っちゃう?」
一も二もなく頷く少年。
自分の種でアンバランスに変化したインプの体。
その歪な姿に少年の些細な支配欲と征服欲は充足される。

そしてもう一つ。

自分からインプを突き上げると。
「ひぐっ……! もっ、もうちょっとソフトにしてって言ったじゃない……。今のおまんこ狭いんだからぁ……」
胎児の重みで下がった子宮。それにより膣の奥行きが狭くなり、すぐ行き止まりにぶつかる。
しかしそれで快感が減るということはない。
中の肉の動きがより激しくなり、通常時とは異なった、しかし劣ることのない快楽を与えるのである。
少年はどちらかというと妊娠時の激しい肉のうねりが好きだった。
だがそれとももうすぐお別れ。再び孕ませて胎児がある程度に育つまでこの感覚は味わえない。

そんな名残惜しさを感じていると、射精感がこみ上げてくる。
「あ、もう出すっ? じゃあ、中にお願いねっ! ご主人さまの精液を…赤ちゃんにっ……!」

インプがグッと腰を押し付ける。
膣の肉が粘膜で少年の男性器をしごき立て、快感とともに精液を搾り出す。
狭い膣の中は一瞬で白濁液にまみれ、半分ほどが子宮口から中へ注ぎ込まれ、残りは女性器の入り口から外へ零れ落ちる。
「んんっ…ご主人さまの精液、子宮に入ってるっ…! 赤ちゃん喜んでるよ……!」
まだ射精中の少年はもっとご馳走してやろうと、男性器の先端を子宮口にグリグリと押し付ける。
「え、ちょっ、それはダメ! おちんちんでグリグリしちゃダメェ!」
少年がインプの制止を無視して子宮口を弄っていると、いきなりキュッと女性器全体が引き締まり、そして弛緩した。
結合部からは精液とは違う色味がかった液体が溢れてくる。

「ああ、ダメって言ったのに……。ご主人さまのせいで破水しちゃったじゃん……」
破水。つまりもう産まれるのか。
「そうだよ。そんなしないで産まれると思ってたけど、こんな乱暴になんて……うぅっ!」
インプは急いで少年の上から降りるとうずくまる。
その穴からはボタボタと羊水が零れていた。

「ん……あぁ…っ! これ、すごいっ……!」
インプの苦しそうな声。しかし顔に苦痛の色は無い。
「い、痛いわけじゃないよ…! 気持ち、良くてっ…! くっ……」
石の床に爪を立てカリカリと掻き毟るインプ。
そして何をするでもなくその光景を見ている少年。

「ひっ、子宮口広がって……る! 赤ちゃん通ってるよぉっ……!」
インプは息を切らしながら涙を流す。

やがて膣が広がり中が見えるようになる。
散々少年とまぐわったというのに、その肉は処女の様なピンク色。
そして肉の洞窟の最奥からズリズリと胎児の頭部が進み出てくる。

「ひっ、ひっ、早く出てぇ……! ママおかしくなっちゃうよぉ…!」
インプは背を丸めてひたすら快楽に耐える。
涙も涎も垂らしてせっかくの可愛い顔もぐちゃぐちゃ。

やがてゆっくりと進んでいた頭部が完全に抜け出る。最も大きい頭が抜ければ後は早い。
「あっ…落ちる……! おまんこから出るぅっ……!」
背を丸めていたインプが仰け反った瞬間、ずるっと胎児は床にすべり落ちた。

「はっ……はぁ…っ」
うつ伏せに伏せたまま息をあげるインプ。
子供は産まれたが、まだへその緒が繋がっており、腹の中には胎盤が残っている。
産まれた子供は少しむせて羊水を吐き出したが、人間ではないからか激しく泣き喚かず静かなものだ。

「はぁー………ふぅ。これ、取らないとなあ……」
息を整え身を起こしたインプはへその緒を掴み無造作に引っ張った。
「んっ……!」
べりっと剥げるような音とともに、インプの穴から肉の袋が引きずり出される。

「やっと終わったぁ………えーと、ハサミないかな、ご主人さま」
そう言われても風呂場にそんなものがあるわけがない。
少年は一旦外へ出て、切れ味良さそうなハサミを持ってきた。

「ん、ありがとぉ……」
インプは受け取ったハサミを開き、床に寝ている娘の腹に近づける。
「長くても短くてもいけないから……こんな感じかな?」
シャリッと音を立てて肉の管を切る悪魔。その切断面から血がこぼれ床を汚す。

血の跡はなかなか落ちない。ここが風呂場で良かった。
少年はそんなことを考えながら自分の子供を眺める。

「はいご主人さま、女の子だよー」
インプが両手で娘を支え上げ少年に差し出す。
それを受け取り観察する少年。

頭に角が二つ。
腰に羽が二つ。
尻に尾が一つ。
母親と同じく人間によく似た悪魔だ。

そこまで確認し、ホッと息を吐く。
正直な所、少年は親に似ても似つかない異形が産まれるのではないかと心配してもいたのだ。
だが良かった。これなら何とか愛情を持つことができるだろう。

そう安心した所でクシュン! と少年はクシャミをする。

「あ、湯冷めしちゃった?」
普段はセックスの熱が冷めると湯船に浸かり温まるのだが、
今回は裸のまま風呂を出たり入ったりしたので体が冷えてしまったのである。

出産の疲れなどもう取れてしまったのか、インプはひょいっと身軽に湯船に入り少年を誘う。
「ほら、ご主人さまも入って入って。みんなで温まろう?」
みんなで、という部分に母親の雰囲気を感じさせるインプ。

少年はそれに肯き返すと、静かに寝ている娘を腕に抱えザプンと湯船に入り込んだ。
12/07/02 18:07更新 / 古い目覚まし

■作者メッセージ
序盤のストーリーとか俺設定は意味が無かった気もします。


ここまで読んでくださってありがとうございました。

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