連載小説
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前編
「アレあれ〜? おっかしいナァ〜。
ワタシが後で食べようと思っテたプリンが行方不明だゾ〜?
……ねェボウヤ。ママンのプリン、どこにイッたか知らナイ?」

そう問いかけられた少年は顔面蒼白になって震えている。
食卓の椅子に座ってくつろいでいた彼のすぐ後ろに長身の女性が立っていた。
恐る恐る振り返ると、そこにいたのだ。
彼にとっての「ブギーマン」が……
同年代の男子と比べても小柄な彼からしたら、見上げる程の身長差。
全身を包むコケティッシュな衣装は、まるでサーカスのピエロの様な奇抜なデザイン。
ピッチリとしたタイツに包まれた下半身、大きすぎる胸とほっそりとした肩、そしてお腹周りを大胆に露出した上半身……
怖気を振るう程美しい顔立ちに、どこかいやらしい印象を抱かせる笑みを浮かべたその顔の半分は、ある物に覆われていた。
仮面、だ。
ニタリとした笑みを浮かべ、血の様な涙を流した表情の真っ黒な仮面。
髪の色もその仮面に合わせる様に左右のツートンカラーになっている。
仮面を着けていない側はプラチナブロンド、着けている側はワインレッド……
淫らな女道化師は、顔半分を覆うその仮面と同じ様な笑みを浮かべながら、少年の顔を覗き込んで来る。
前のめりな姿勢になった彼女の胸元は、見事な谷間を形成して少年の視界に飛び込んで来る。
ついこの間、目の前の女性によって精通を迎えさせられた彼には、目の毒過ぎる光景。
彼女の頭部には禍々しい角が生えていた。しかも2本。
さながら道化師の帽子を象った様な奇怪な角。
尖った耳に色素の欠けた不自然な肌の色。
どこか不健康な印象を抱かせるその肌色は、ある種の妖艶さを兼ね備えていて……
見た物の心を揺さぶらずにはいられない、そんな異質さを放っていた。
そして、何より目を引くのはヒトと比べて明らかに大きな手だ。
大きな手袋に隠されて全容は分からないが、その指先は暗い赤色に染まっている。
まるで血に濡れた様な、そんな不気味な手……
それは彼女が人ならざる者だという証。
そう、彼女は人間では無い。
「魔物娘」と呼ばれる異形の存在。
その中の「ボギー」と呼ばれる種族の内の一体、それが彼女だ。
そんな存在に今から自分は犯される……
その事を悟った少年は体の震えが止まらなくなっていたのだ。
恐怖と期待と興奮にその身を焦がしながら……

「あ、あの……僕、その……ゴメンナサイ……!
アンジュさんのだって、知らなくて……!
てっきり僕に買ってくれたのかと……!
勝手に食べちゃって……その……ホントにゴメンナサイ!」

たどたどしい言葉遣いで必死に謝る少年。
そんな少年をニヤニヤしながら見下ろしていたピエロ姿の女性……アンジュは大仰な仕草で悲しみをアピールし始める。

「あ〜らら……ママン、とってモ悲しいナ……
あのプッチン♪ ってスるプリン、大好きダったのにナぁ……
クスン……ママン、泣いチャう……」

大きな手を目元に当てて泣き真似するアンジュ。

(ううっ……何とか許してもらわないと。
でないとまた、またあの手で……!)

顔を上げて彼女の手を見た少年は反射的に体を震わせてしまう。
ビクン、ビクン……と。
何かに怯える様に。
その様子に気づいたアンジュはピタリと泣き真似をやめて、ニタァ……といやらしい笑顔を浮かべる。


「おやオヤァ……? どうしタのカナ、ボウヤ♥
そんナにカラダびくん♥ ビクン♥ ってサせちゃっテ……♪
ひょっとシテぇ……思い出シちゃっタのカナ?
ママンのこの大っきナ手デぇ……イッぱいキモチよくサれた事ヲ、さ……♪」

アンジュがこれ見よがしに両手をワキワキさせると、少年はたちまち腰砕けになってしまう。

「あっ、ああっ……!」

少年の下腹部に熱が集まり、腰が抜けそうになる。
彼がアンジュと出会ってからあの手で愛されなかった日は1日たりとも無かった。

ある日は、あの大きな指を咥えさせられてしゃぶらされた。
チュパチュパと下品な音を立てて舐めさせられ、もう片方の手でペニスを扱かれて何度も射精させられた。
またある日は、後ろから抱き抱えられて、見た目とは裏腹に繊細な動きを見せる指先で乳首を開発された。
頭部を大きな乳房で挟まれて、彼女の心音を聞かされながら乳首を愛された。
……そして彼が精通したのもあの手による愛撫だった。
彼女の大きな手の平にペニスを挟まれもみくちゃにされて、人生初の射精に導かれたのだ。
あの時の快楽と興奮を少年は生涯忘れないだろう。
事実、彼はそれから彼女の手を見る度に勃起してしまう様になってしまったのだから……

「ん〜? ン〜〜?
ククッ♪ ボウヤったらイケないんだ〜♥」

アンジュは後ろから少年の肩に手を置き、耳元で囁く。

「……オチンチン、おっきシテるゾ♥
ママンの手を見てぇ、ナニを考えタのカナ?
こぉ〜んナニぎん♪ ギン♪ にシちゃうくらいにえっちナ事、考えたンだネ?
イケないナぁ〜♪ ボウヤはホントにイケない子♪」

「あっ、あうぅっ。ご、ゴメンなさい……!
僕、アンジュさんと出会ってからおちんちんおかしくて……
アンジュさんの手を見ただけでえっちな事ばかり考えちゃって……!」

アンジュの囁きに少年の顔はたちまち真っ赤になってしまう。
彼女はそんなウブな少年が愛しくてたまらない。
今すぐに愛してあげたい……!
そんな衝動に衝き動かされたアンジュは少年の下半身に手を伸ばす。
大きな指を器用に動かし、ズボンのジッパーを下ろすと少年のペニスがポロンと飛び出す。

「ああっ! ダメだよアンジュさん、おちんちん見ないでぇっ……僕、恥ずかしいよぉっ」

少年のペニスをじっくりと視姦するアンジュ。
毎日彼女が丹念に魔力を注いで「育てた」ソレはとても少年のモノとは思えないサイズに膨れ上がっていた。

「イヤン♥ ボウヤのオチンチン元気イッぱいダね〜♪
こぉんナニぴーん、っておっきシてびく♪ ビク♪ さセちゃって……♥
そんなイケないオチンチンはママンがぁ、オシオキ……シてあげるネ♥」

ゴクリ、と。
少年は生唾を飲み込む。
アンジュのオシオキは彼にとって、恐怖と興奮と快楽が入り混じった唯一無二の体験だった。
コワイ、ドキドキ、キモチイイ……それらを同時に味わえる期待に少年の興奮はいやが上にも高まっていく。
アンジュは彼のシャツの上からおへそをツンツンとつつく。焦らすかの様に。

「ひうっ……! くすぐったいよぉっ……! またおへそからイジメるのぉっ……?」

少年の問いかけにアンジュは舌舐めずりして答える。

「ん〜? ン〜〜? すぐにオチンチンにオシオキ、サれたかっタのカナ〜、ボウヤは♪
でもダメ〜♥ まズは毎日シてるみたいニおへそからぐりグリ〜♪ ってママンの魔力、ソソぎコンでアゲる♪
そうシたらオチンチン、モット元気にナルからネ♥」

アンジュは手袋をハムッと咥えると、少年に見せつける様にゆっくりと手袋を外す。
彼女の白くて大きな手が徐々に露わになって行く様子に、少年の興奮はますます高まって行く。

(ああっ……♡ アンジュさんの手、今日もとってもキレイで、えっちで……すごいよぉっ……♡)

彼女の手は美しかった。白くてきめ細やかな肌に、大きいながらも綺麗に切り揃えられた爪……
ある時は優しく慈しむ様に、そしてまたある時は激しく無慈悲に少年を愛してくれる大きな手。
そんな魅惑の指先からポタリ、と真っ赤な液体が滴り落ちる。
彼女の魔力が液状化したその液体はまるで血の様で……
その液体をおへそに注入される、というフェティシズムに満ちたシチュエーションに、少年はクラクラする程の興奮を感じていた。

(今日もまた、おへそぐりぐりされるんだ……♡
アンジュさんのカラダから出てきたモノを注がれながら、イジメられちゃうんだ……♡
僕、おかしくなっちゃったのかな……?
コワイのに、全然嫌じゃなくて、むしろ楽しみで……
カラダがどんどん熱くなって、特におちんちんがどうしようもなく熱くって……!)

期待と恐怖の間で葛藤している少年を観察していたアンジュは、彼の目前で指先を擦り合わせる。
指と指の間にニチャッ……と糸を引く液体を見せつけてから、耳元でこう囁いた。

「サぁて♪ 今からボウヤのオチンチン、もっとモット大きくスる為にぃ、タップリ魔力ソソぐからネ♪
はぁい、イクよ〜♥ そ〜ら、ぐりグリ〜♪」

シャツを捲られアンジュの指先が少年のおへそにツプッ……と入って来る。
グリグリとほじくられると少年は思わず嬌声を上げてしまう。

「ああっ……ひぃぃぃっ♡ やめてぇ、そんなグリグリされたら僕……ヘンになっちゃう……♡
オチンチンむずむずしてぇっ……どこかにトんでいっちゃいそうになっちゃうよぉっ♡」

くすぐったさと自分の体内に良く分からない液体が入って来る感覚に少年は身を捩って悶える。
ペニスがビクビクと震え、先走りを垂れ流し始める。

「アレあれ〜? ボウヤのオチンチン、もう泣いチャってるゾ♪
ククッ♪ まだ触られてもナイのにしく♪ シク♪ シちゃうなんて泣き虫さん♥
そんナニ泣き虫なボウヤのオチンチンはぁ……ママンのおテテでぇ、無い♪ ナイ♪ シてあげるネ♥」

アンジュのもう片方の手がペニスにゆっくりと伸びる。
少年は身体をこわばらせてその様子を見つめる。
今日もあの手で愛される……
最初は怖かったその行為が今では彼の中で悦びになってしまっていた。
その証拠に彼のペニスは限界を超えて勃起し始める。
彼女の手に愛されるのを心持ちにしているかの様に……
そして遂にアンジュの大きな手が優しく彼のペニスを包み込む。

「はぁぁぁぁっ……♡」

ムニュッとした感触に少年は思わずため息を漏らしてしまう。
亀頭が手の平に当たっているのだ。
それだけで射精してしまいそうな快楽と幸福感。

「ボウヤったら幸せそうナ顔シちゃって……♥
そんナにキモチイイ?
ママンの大きナ手でオチンチン、ギュッとサれるノ好き?」

「しゅきぃっ、だいしゅきぃっ……♡」

ヨダレを垂らし、うつろな目で答える少年。
そんな少年にアンジュは嗜虐的な笑みを浮かべて、こう告げる。

「アハッ♪ じゃアた〜っプリむぎゅ♪ ムギュ♪ シてアゲるネ、ボウヤのオチンチン♥
そのオシオキが終わっタらぁ……次はあまアマえっち、シようね?
ボウヤがママンの大事なプリン、お腹の中ニ無い♪ ナイ♪ シちゃったみたいニぃ……ボウヤのオチンチン、ママンのナカに無い♪ ナイ♪ シてアゲるヨ♥」

グリッ……! と少年のおへその中に入れた指を強く捻るアンジュ。

「ひうぅぅぅっ♡ お願いぃっ、ヒドい事しないでぇ……♡
あやまるから、ゴメンナサイするからぁっ……♡」

怯えた言葉とは裏腹に少年のカラダは淫らな反応を見せ始める。
全身が熱を持ち弛緩する。腰がヘコッ、ヘコッ……と力無く前後し出す。

「ん〜? ン〜〜? ボウヤはママンがそンなヒドい事スると思っテるのカナ?
大丈夫、ダイジョウブ♪ 絶対にイタくシたりクルしくシたりシないヨ〜♪
ただぁ……コワくて、どきドキしてぇ、とぉ〜っテもキモチイイだけ……♥
だからね? ママンを信じて……?」

アンジュはおへそに入れていた指を引き抜くと、その指で少年の顎を持ち上げ唇を奪う。
いつの間にか、彼女の顔半分を隠していた不気味な仮面が無くなっている。
アンジュの瞳の色は薄い紫色で、その不思議な色に魅入られた少年は彼女とのキスに夢中になってしまった。

「ちゅっ♥ じゅるっ♥ じゅるるぅっ……♥」

お互いの舌が絡み合う濃厚なディープキスに酔いしれる2人。
絶頂が近づいて来た少年は腰の動きを早めて、アンジュの手の平に亀頭を擦り付ける。
アンジュが手をニギニギと動かし睾丸に刺激を与えた瞬間、少年はあっさり限界を迎えてしまう。

ドプッ、ドプッ、ドプッ……!

アンジュの手の中に濃厚な精液が吐き出された。
射精と共に少年のカラダが震え、押し殺した声が重なった唇から漏れる。
ん〜っ、ん〜っ……とくぐもった声を上げる少年の口内を舌で犯し、精液を吐き出し続けるペニスを手で愛し続けるアンジュ。
そんな彼女の頬も紅く染まっている。興奮しているのだ。最愛のオスを絶頂させた事に。

「アララ……♥ もうお漏らしシちゃったネ、ボウヤ♪
まだオシオキは始まっタばかりナのニ……♪
ボウヤはホントにイケない子……♥」

唇を離したアンジュは、口周りについたお互いの唾液を舌舐めずりで舐めとると、少年の股間から手を離す。
そして彼の眼前でその手を開いて、手の平を見せつける。
……そこには少年が今しがた射精してしまった大量の精液が付着していた。
ドロドロとした白濁液が、アンジュの美しい手の平を汚しているその光景に、少年のペニスは瞬く間に力を取り戻す。
いや、心なしか先程よりも太く、長くなっている気すらする。
アンジュの魔力を注入した効果だろう。
少年のインキュバス化が進行することはアンジュにとってとても喜ばしい事だった。

「あうぅぅっ……♡ 僕のおちんちん、また大っきくなっちゃった……♡
ごめんなさい、アンジュさん……えっちなオシオキでおちんちん、大っきくしちゃうワルい子でごめんなさいぃぃっ……♡」

ガクガクと身体を震わせながら、ごめんなさいを連呼する少年の姿を見たアンジュはビクンと身体を震わせた後、再び彼の唇を奪う。

「んちゅうっ♥ ちゅっ、ちゅうぅぅぅっ♥
ン〜〜〜〜ッ! 可愛い♥ 可愛いっ♥
ボウヤはホントに可愛い♥
そんナ風にママンを誘惑シちゃうナんて、ボウヤは最高にワルい子♥
覚悟シてネ、ボウヤ♪
今日は徹テー的に犯シてアゲル♥
ナいても、サケんでもユルしてアゲない♥
最ッ高に甘くテ、キモチいいオシオキ……シ・テ・ア・ゲ・ル・♥」

息を荒くして、自らを後ろから抱きしめる女道化師に少年は恐怖し、そして期待するのだ。
これから行われるオシオキは人生最高の快楽になる、と確信しながら。
その小さなカラダを興奮と共に震わせながら……
21/12/15 23:48更新 / H.H
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