読切小説
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とろけるお茶会
 ようこそようこそいらっしゃい、楽しい楽しいお茶会へ、
 今日はお祭り収穫祭、美味しいお菓子もたくさんあるよ。

 なに? ここはどこ? どうしてここにいるのかわからない?
 さあ? なんでだろう? 分からないよ、とってもとっても不思議だね。

 まあまあとにかく落ち着いて、慌てちゃ何もできやしない。
 飴でも舐めて落ち着こう、この飴とっても美味しいよ。

 さあ、口に含んで、美味しい飴だよ、舌でコロコロ、甘ーい飴だよ。
 甘くて美味しい、甘くて美味しい、落ち着いたかい?

 なに? 美味しいけどぼんやりする?
 当たり前だよ、ドーマウスちゃんの魔力の蜜の飴だもの。
 とろーりとろり、思考がとろける不思議な飴だよ。

 ドーマウスちゃんはね、君の隣の席の可愛い可愛いネズミさんさ。
 寝ぼけ眼で君を見ている、君と一緒に寝たいのかな?

 ふふ、彼女を見てごらん、はだけたパジャマの白いお腹がまぶしいだろう。
 一緒に寝たら、きっと我慢できずに、君は触ってしまうんだ。
 彼女のお腹は素敵なお腹、すべすべぷにぷにたまらない。
 指が滑るたびに、彼女から可愛らしい寝言が聞こえてくるんだ。
 どんどん指が滑っていく、上には可愛いふくらみポッチに、
 下にはクリクリお豆さんに、可愛い彼女を鳴かせちゃうんだ。
 とってもとっても気持ちいい、不思議な不思議なお昼寝になるよ。

 あらあらお顔が真っ赤だよ、おかしな想像、しちゃったかな?
 まあまあ一つ落ち着いて、今度はクッキー、さあお食べ。

 さあ、口にほうって、美味しいクッキー、噛めばさっくり、甘ーいクッキー。
 甘くて美味しい、甘くて美味しい、落ち着いたかい?

 なに? 美味しいけどドキドキする?
 当然のことだよ、マーチヘアちゃんの媚薬入りクッキーだもの。
 とろーりとろり、体がとろける不思議なクッキー。

 マーチヘアちゃんはね、君の隣の席の可愛い可愛いウサギさんさ。
 キラキラお眼目で君を見ている、君とおしゃべりしたいのかな?

 ふふ、彼女を見てごらん、上気した顔に浮かぶハートの目が可愛いだろう?
 一緒におしゃべりすれば、きっと我慢できずに、君は襲ってしまうんだ。
 彼女の言葉は淫らな言葉、ドキドキうずうずたまらない。
 お天気の話をしてごらん、お外でシたいと言い出すだろう。
 何を話そうとも、彼女の返事はエッチな言葉。
 気持ちいいトコ、触ってほしい、気持ちいいトコ、触ってあげたい。
 穴と、棒とを突っ込んで、ぐっちゅぐっちゅ、ぐっちゅぐっちゅしてほしいってね。
 とってもとっても気持ちいい、不思議な不思議なおしゃべりになるよ。

 さすがにちょっと恥ずかしかったね、私も喉が渇いたよ。
 紅茶を飲んで落ち着こう、私と一緒に紅茶を飲もう。

 私が淹れた、美味しい紅茶、貴方と一緒に、甘ーい紅茶、
 甘くて美味しい、甘くて美味しい、うん、やっぱり美味しい。

 どうかな? お口にあったかな? 私が淹れた特製紅茶。
 ……そうか、良かった、うん、流石は私、マッドハッターの特製紅茶。

 さあ、とろーりとろり、とろーりとろり、私の紅茶はなにがとろける?
 わかる? わからない? そう、君はもう、なにがとろけたかわからない。

 私がとろけさせたのは、君の常識。
 君に我慢をさせていた、この世界では無意味な常識。
 つまりはさっきまでしてた、君の我慢をとろかせた。

 ふふ、私のことも見てくれるのかい、私はどこが素敵かな?
 君は私とお茶会しちゃった、我慢? そんなの無くなっちゃった。
 私の紅茶は不思議な紅茶、たまらないのなら、シちゃえばいいよ。
 理性も常識も投げ捨てて、みんなで甘くとろけ合おう。
 ドーマウスちゃんに寄りかかられて、ふわふわ寝言にぷにぷにお肌。
 マーチヘアちゃんに縋り付かれて、ドキドキ淫言にやわらかお胸。
 どっちが君の好みかな? どっちも? 私も? 大いに結構。

 まだまだお菓子はたくさんあるよ、君を見てる娘もたくさんいるよ。
 美味しいお茶会、甘ーいお茶会、すべてがとろける不思議なお茶会。
 みんなが君を大歓迎、そろそろ私もとろけちゃおう。

 不思議の国へようこそ。


                   おしまい
15/10/31 16:40更新 / びずだむ

■作者メッセージ
ハッピーハロウィン。
自分も大歓迎されたいです。

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