連載小説
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嫉妬×怒り×不安=? カイトの場合
夕方


「すまなかった・・・・・・ごめんなさい」

松井さんを見送りリビングに戻ったリーシャは開口一番こう言った




俺は嫉妬していた

全力で嫉妬していた

そして、俺は彼女が好きだということを今まで以上に自覚した




「ごめんなさい」
うつむきもう一度謝罪の言葉を口にする
いつもの彼女らしくない口調で謝る。オレは黙って彼女に向き合っている

「・・・・・・」
「カイトを置き去りに松井と昔話に興じてしまった。・・・・・・途中から不快に思っているのは気づいていた。私の人選ミスだ」
「・・・・・・」
「今回は私が嫉妬させてしまってごめんなさい」




オレは黙って台所に行く。
「カイト?」

水切りに入れてあるコップを取ると蛇口をひねる水を入れる

「何を・・・・」
ついてきたリーシャがその様子を見て固まる

「・・・・その水をどうするつもりだ」
どうやら俺が飲むためにコップに水を入れたのではないことはわかったらしい

「落ち着いてくれ、私の話を聞いてほしい」
「ごめんそれ無理、我慢できない」

コップを持ち台所を出る。逃げるように彼女もリビングに戻る。

「今日は私が悪かった」
焦るリーシャ

「この間みたいに俺もリーシャに自分が誰のものなのか教えないと」
「・・・・・・それは、その・・・怒っているは伝わったから」
「・・・・・」
リーシャに近づく

「・・・・・わかった、これも対等な恋愛だ、私を好きにしろ、カイトの思いは受け止める」

腹をくくったリーシャ

「いくよ」
水を彼女めがけてかける。水は顔と胸元にかかった。
瞬間

「んんんんーーーっ!」
歯を食いしばって耐えているが全身から力が抜けたようでへたり込んでしまう
顔が赤らんでいるように見える
初めて見る欲情し淫乱になったリーシャ
その姿を見てオレはますますいじめたくなる
自分のものにしたくなる。自分の手でもっと乱れさせたくなる。

「ちなみに私に・・・・何をする・・・つもりだ」
「もっと気持ちよくなってもらわないと」
空になったコップをもって台所にいき水を入れる。

「もう・・・・いいから、これ以上は・・・」
「ダメ」

彼女胸元から腹にかけて水をかける。

「あうぅ・・・・はぁ」

快感に悶える彼女をお姫様抱っこしてベッドに横たわらせる


彼女が嫉妬して俺にしてきたことをまさか俺がするとは
傷つけないように俺の思いをぶつけないと・・・

興奮しているのにどこか冷静な自分がいた

開脚させ、覆いかぶさるようにして顔を近づける。
正常位の姿勢だ

「すごいいやらしいよ、リーシャ」
「言うな、恥ずかしい」
「言葉攻めがダメって、俺の時はさんざん言ってきたくせに」
「それは・・・・」
目をそらす

「思っていた以上に恥ずかしいから・・・」
「じゃあ、こうしたらどうなるのかな?」
オレは上体を少し上げて彼女の服に手をかける

「胸からいくのか・・・・」

嫌がっているが宣言した手前抵抗はしない彼女
押し倒して襲っているようでいけないことをしている背徳感にぞくぞくする
服をまくりあげると彼女の下着が現れる

「リーシャのブラジャーって意外と普通だな」
彼女は乳房全体を包むようなタイプのブラジャーをつけていた。

「なっ・・・・」
「隠す面積が少なくて高級感のあるいやらしい下着つけてるのかと思ってたのに」
「ここまで私を辱めておいてその台詞かっ、がっかりしてないでちゃんと興奮しろっ」
涙目で怒る

「ごめんごめん・・・・えーと、後ろで留めてるんだよね」
「そうだ、できるか?」
襲われる側なのにこちらが不慣れとあって急に強気な態度に出るリーシャ

「もう一杯水かけるか」
「・・・・・・」
彼女の背中に手を回す
「・・・・・・・・こうか?」
思いのほか難しい

なんとか外してブラジャーを取り去ると彼女の美しい胸があらわになる
彼女の胸はお椀のかぶせたような形をしている。
エロ本で散々見てきた女性の胸。見慣れているはずなのに生乳を前に見とれてしまう

「・・・・・」
「何を黙っているんだ、感想くらい言ったらどうだ」
「強気だね」
彼女の胸を両手で真ん中に寄せるようにもむ

「はうっ・・・・いきなりはやめろ」
柔らかさと適度は張りのある胸を揉んでいく。

「この間の女王様の姿の見た時からずっと揉みたい舐めたいって思ってた」
わし掴みするようしかし優しく揉んでいく

「あぁ・・・ふう・・・うん・・・・」
「いいよ、すごくいやらしい声」
「はあ、はあぁ・・・」

そのまま揉み続ける




「そろそろ・・・」
「そろそろなに?」
「やめ・・・うんぁ・・・はぅ・・」
「舐め?舐めてほしいの?」
揉むのをやめて彼女の胸にしゃぶりつく

「あぁぁっ・・・・んふ・・・」

空いている片方の胸も揉んでいく

「やめろと・・・言ったんだあっ・・・」
丹念にしゃぶっていく

「んん・・・はあ・・・・」

悶える声聞くともっと乱れさせたくなる
俺が彼女に快感を与えているということが素直に嬉しい

「んあっ・・・・うっ・・・・」
「これはどうかな?」

指で乳首をつかみ、しゃぶっている方は甘噛みする


「っ、・・・それ、らめえぇぇぇ―――――っ」



「はぁはぁはぁ・・・・・」
肩で息をするリーシャ

意外とイクの早かったな、もっとしゃぶっていたかった・・・・

今度はベルトを緩めパンツを脱がす、下着越しに彼女の秘所に手をのばしさする、

「―――――っ!」
もはや言葉にもならないらしい
先ほど絶頂しているので濡れている
初めて触れる女性の秘所にますます興奮する
もっと触れたい、なめたいが欲望を抑えオレはソファーから立ち上がる

「イちゃったからおしまい」
「・・・・終わり・・・・なのか?」
「そうだよ」
「・・・・・・」
わかりやすく残念そうな顔になる

「もっといやらしいお仕置きしてほしいの?」
「・・・・・・うん」

だがここで彼女の希望を聞いてしまってはお仕置きにならない

「つまりリーシャは俺とシたいの?」
意地悪く笑みながら尋ねる

「・・・・シたい」
言い終わるとものほしそうな上目づかいで俺を見る
その表情に我慢が揺らぎそうになるがぐっとこらえる
魔物娘の性欲に強さを改めて感じる

先日の彼女もつらかったんだろう、押し倒せなくて

再び覆いかぶさるようにして顔を近づける

「でも、今はまだできないんだったよね?」
「・・・・・・」
「どうすればできるか分かるよね?」
「・・・・うん」
残念そうに答える
上体を上げ顔を離す

「確かにオレはさ・・・・松井さんと話してるのに怒ったんだけどさ、嫉妬はあんまりしてないんだよね」
「・・・・・」
「オレは・・・」
「もしかして・・・・吸血か?」
「そうだよ」
「・・・・・・」
「吸血って・・・・・・もっと大事な行為じゃなかったのかよっ」
立ち上がり怒鳴る

「なんで他の男の血を吸ったんだよっ」
こぶしを握り締める

当時俺とリーシャは付き合っているわけではなかった。だから俺の言っていることは言いがかりに近い


「・・・・・・・血液は食料としてしか考えていなかったから軽い気持ちで交換条件として言った、吸血が食事以上の意味を持っていることがよく分かっていなかった。」
目を伏せがちに気まずそうにそう言う

「勘違いしないでほしい私がカイト以外の男の血を吸ったのは松井の一件だけだ」

これ以上オレが当たりちらしたらリーシャも俺も傷つく、でも抑えられない。

「他の男の血がリーシャの体に入って・・・・・・生命活動を支えてるって思ったらすっげー嫌な気分になった」
「・・・・・・」
「リーシャの交友関係に男がいることは許す。でも吸血だけは・・・・・」
「・・・・・・」

再びリーシャに覆いかぶさり彼女の後頭部に手を回し口元に首がるようにして

「ほかの男の血を飲むなんて許さない、リーシャは俺のもの(恋人)だ。俺の血だけ飲んでいればいい、俺がリーシャの唯一の食料だ。そうしてオレを夫(インキュパス)にしてくれっ」
最後、涙目で悲痛な声で言い切った

直後カプリと首筋に噛みつかれ
一瞬の痛みの後、首からじんわりと快感が伝わってくる。

吸血はだんだん強くなっていく

比例して伝わる快感も強くなる

その快感が俺の怒りと嫉妬の気持ちを沈めていく













吸血が終わって数分後

気分はだいぶ落ち着いてきた。

リーシャも乱れた服装を直して俺の隣に座っている

「・・・・・・・」

「正直、他の男に吸血したことに嫉妬されるとは思いもしなかった・・・・・ヴァンパイアが生涯吸血する男性は一人=夫なのだからちょっと考えてみればわかりそうなものを・・・本当に・・・・ごめんなさい」
「オレもさ・・・ほかの男に吸血したこと嫉妬するの変じゃないかって・・・・・だって人間で考えたら男も女も過去に何人もの人との付き合った経験ある。デートにキス、Hだってするだろうし、あたりまえなことに嫉妬するのって・・・・」
「それは変なことじゃない。カイトに調教したあと少し考えた・・・・・・嫉妬は愛情、愛の一部だと思えるようになった。嫉妬はしないほうがいいが・・・・一番怖いのは嫉妬すらしなくなった時だ。どうしてかわかるか?」
オレはリーシャのほうを向く

「その時はもう愛情すら相手にもっていないからだ」
大真面目な顔で言う

言われてみればその通りだ。何と思わない相手に嫉妬するはずがないし、ましてや愛情なんか感じるはずがない

「カイト嫉妬させてしまったことは申し訳なく思っているが、同時に嫉妬してくれたことを嬉しくも思っている。・・・・私は幸せ者だ」
「リーシャ・・・」
彼女が顔を近づけてくる


唇と唇が重なる



私はカイトの恋人(もの)だ











台所

コーヒーメーカーをセットするリーシャ

隣でマグカップを用意するオレ


「・・・さっきはほんとにごめん」

「まだ気にしているのか?」
準備する手を止めこちらを向く

「友達にさ・・・・俺たちのこと話したんだよ。そしたら俺たちは恋人というより面倒見のいい姉とだらしない弟のきょうだいみたいだっていわれて・・・・自分でもそう思っちゃって・・・。変な夢も見たし・・・・不安な気持ちがぐちゃぐちゃに混ざって・・・・・松井さんも吸血されて、なんかますますリーシャと特別な関係じゃないって感じて・・・胸揉んでる時も思いが暴走しないように抑えるのに必死で・・・・・」
「そうだったのか」
「・・・・」
「その・・・・どんな夢だったんだ?」
「・・・・リーシャが他の男に抱かれている夢」
「ストレートだな・・・・」
「今朝祖に夢見て、昼間リーシャが松井さん連れてきたからもう・・・・・」
「それ以上言わなくていい」
りーシャは俺を抱きしめる

「私はここにいる・・・・・ここにいて・・・・カイトを抱きしめている」
「・・・・・・・」
遅れてオレも彼女を抱きしめる
「誰が何と言おうとカイトは私のもの(恋人)・・・・・・私のもの(恋人)だ」
首の噛み跡を撫でる

「・・・・・」
「私はカイトが好きだ・・・・・大好きだ・・・・私にはカイトしかいない」
「俺も・・・好きだ・・・・・大好きだ、俺にもリーシャしかいない」


いままでも抱きしめられることは何回もあった・・・・この時ほど安心できたことはなかった




大丈夫、オレは愛されている



だから、そして  



オレも彼女を愛している
14/06/07 23:04更新 / 明後日の女神
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■作者メッセージ
やっとのことで投稿しました。嫉妬させたはいいもののどうやって仲直りさせるのか。マイナス感情を扱うのは難しいです。
カイトとリーシャの立場を入れ替えて書いてみましたがやりすぎると重たくなるので短めにしました。

それからこの話に合わせるため4話を少し修正しました

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