デーモンと一緒！
黒い森をリョウマ、ヤーオ、ミオの3人は駆けていた。
いや、正確には逃げていた。
夕闇が迫り、日が沈みかけているこの森の中を3人は全力で走っていた。何分逃げ続けているのか、何時間逃げているのか、すでに時間の感覚は無い。木々の間を駆け、川を越え、洞窟を進み、それでも振り切る事は出来なかった。
見なくても分かる。それがすぐ後ろにいる事が。
聞かなくても分かる。それが木々を縫い近付いている事が。
無知でも分かる。逃げる術など無い事が。
彼らは理解していた。それから逃げる事など不可能だと。
それでも3人は逃げ続けた。ただ走れと命じられ、それに従う機械のように走り続けた。
しかし、それも限界だった。
リョウマは額から落ちる汗を拭いつつ、後ろを振り返る。傭兵として生きてきたリョウマと冒険者として生きてきたヤーオはまだ走る事が出来るだけの体力がある。しかし、鑑定士として生きてきたミオには彼ら2人ほどの体力は無かった。目は虚ろになり、口からは酸素を求めるかのように舌を突き出し、その表情は限界と絶望が混ざっている。
このままでは3人ともやられる。
(３人やられるよりは…)
リョウマは2人を庇うかのように後ろへと回った。リョウマの行動にヤーオとミオは足を止め、何事かと考えたがすぐに理解した。
それを肯定するかのようにリョウマは叫ぶ。
「行けッ！お前達はこのまま行くんだッ！！」
有無を言わさぬ、まるで鬼のような声量にヤーオは怯んだが、ミオは食い下がった。
「ダメだよッ！リョウマも一緒に逃げよう！」
「そうだ！もう少しで逃げられるかもしれないだろ！諦めるな、リョウマッ！リョウマァッ！！」
ミオとヤーオの止める言葉は確かにリョウマにも届いている。2人の想いもリョウマに伝わっていた。
だからこそ、リョウマはこの2人の言葉を受け止めてはいけない。
「逃げろ、お前達ッ！！ここは俺が止めるッ！！」
「リョウマも…リョウマも逃げようよ！こんな、こんなのダメだよッ！！3人一緒じゃなきゃダメなんだよ！！」
「俺だってお前達と同じ気持ちだッ！帰れるのなら帰りたい、戻れるのなら戻りたい…でもな、ここで俺が死んでもお前達が仇を取ってくれればそれでいい！！何年経とうがお前達さえ生きていてくれれば…俺達の勝ちなんだよ」
背中に眠る大剣を握るとリョウマは構え、すぐそこまで来ている悪意に切っ先を向けた。
覚悟は出来ている。例え、死んでも惜しくは無い。
もう止められない。
「…分かったぜ、リョウマ」
リョウマの覚悟を見たヤーオはミオを担ぎ、駆け始めた。
掛け替えのない友を犠牲とした命、それが勝利と言えるのかヤーオには分からなかったが、少なくとも負けではない。それに、それがリョウマの意思ならば尊重するべきだろう。
「何するの！？ヤーオ放して！やめて、やめてよ！！」
「逃げるんだ、ミオ！僕達はリョウマの分まで生きなきゃいけない！！」
「そんな…ダメ、放して！！リョウマ！！リョウマァァァァッ！！」
ミオの悲痛な叫び声に心が痛んだが、それを気にしている余裕は無い。
それどころか、大切な仲間を守る事が出来た、そんな気持ちがリョウマの胸に溢れていた。
(良い仲間を持った…俺は…俺は本当に幸せ者だ…)
かつて、傭兵として生活していた自分。その体も心も荒み、自暴自棄になっていた自分を救ってくれたのはあの2人だった。人間らしさを、仲間のいる幸せを、そして誰かを守るために戦う事を、リョウマはヤーオとミオに教えられたのだ。
いつも、考えていた。どうすれば、この恩を返せるか。それが今なのだろう。
「来やがった…」
風を切り裂く音、そして目には見えない悪意が触手のようにリョウマの身体に絡みつく。
そして、それが姿を見せると同時にリョウマは足に力を入れ、大地を震わせるような咆哮を上げ、切りかかった。
「行くぜ…！この化け物がッ！！」
夜を迎え、森にはリョウマの雄叫びと金属がぶつかる激しい音が響いていた。
しかし、それはすぐに聞こえなくなり、夜の闇が沈黙を奏で始めた。
2年後
とある城下町。人口約20万人のこの町には人間だけでなく多種多様な魔物娘が暮らしていた。教団の教えはこの町に無く、人間と魔物娘が互いに助け合い、支え合いながら暮らしている。
空は灰色の雲が覆い、気が付けば雪が降っている。それを見た人々は空を見上げ、数日後に開かれる聖夜祭を思って顔をほころばせていた。
年末に近いこの時期、この城下町では聖夜祭に人々は思いを馳せる。愛する相手、家族と過ごし、新しい命を授かることもあるこの日を性夜祭と呼ぶ者もいるがあながち間違いではない。
「ふぅ…こんなもんか」
依頼されていた24体のサンタクロースの木像、その最後の1体に色を塗り終え、リョウマは額から流れ落ちた汗を拭った。思ったより時間はかかったが、それでも満足な出来と言える木像群を見回せば確かな達成感と満足感がある。誰もが想像するサンタクロースに仕上がった木像達は聖夜祭を彩るには充分だろう。
「んん…ぐぐ……腰が痛くなっちまったな…」
朝から作業しており、すっかり固くなった体をほぐすとリョウマの目は後ろから塞がれた。それと同時に耳に響く甘い声。
「だ〜れ〜だ♪」
こんな子どもっぽい悪戯をする人間…もとい、魔物娘をリョウマは1人しか知らない。もっとも、彼女の事をリョウマが分からないはずがない。
だからこそ、少し意地悪をしたくなるものだ。
「あ〜…誰だ？」
「ンフフフ〜分からないのかしら？じゃあヒント♪えい♪えい♪」
そう言いながら、胸をリョウマの背中に押し付けてくる。何とも言えない照れくささにリョウマは耐え切れなくなり、顔を赤くしながら叫んだ。意地悪出来るような相手ではない、改めてそう思った。相手の方が2枚、3枚も上手だ。
「ダァーッ！分かった！分かったから！レア！レアだろ！！」
「せいかーい！じゃあ、ご褒美をあげなきゃ…ね？」
悪戯っぽく言うレアはリョウマの前に回り、抱きついた。
蒼い肌に黒い眼、黒い角は天を指し、悪魔のような尻尾はご機嫌なようで左右にブンブン振っている。
彼女は人間ではなく魔物娘であり、デーモンと呼ばれる種属だった。
デーモンは人間界を、世界の全てを摩界へと変える過激派の筆頭とも言うべき存在であり、魔物娘の中でもかなり危険な部類とまで言われている。
だが、リョウマに抱きつきその胸に顔を埋めて人懐っこい笑みを浮かべるレアを見ていると、危険とは思えなかった。
それに彼女は命の恩人でもある。
2年前のあの日、リョウマはヤーオとミオを逃がすために囮となってレアと対峙した。リョウマ自身、そこそこ腕は立ち、傭兵としての経験も高いので滅多な事では後れを取らない。しかし、レアの前では赤子同然だった。
どんなに剣に自信があっても、圧倒的な魔力とそれを源とした魔法の前には何も意味をなさなかった。虫を殺すのが精一杯のような下級魔法1発でリョウマの剣は砕かれ、殴りかかってもまるで透明な壁があるかのようにレア自身には当たらなかった。
それでも諦めず戦っていたが、リョウマは足を踏み外し、岩穴へと落ちてしまった。なかなかの高さから岩へと叩きつけられたリョウマは瀕死の重傷を負った。即死でもおかしくなかったが、悪運は強いようだった。
頭から血を流し、両足は奇妙な方向に捻じれ、左腕の感覚が無かったことは覚えている。体から何か大切なものが抜け落ちていく喪失感に襲われ、リョウマの意識は闇へと引っ張られていった。
その中でかすかに覚えているのは半狂乱となったレアだった。リョウマを抱えると空高く跳びあがり、この城下町まで連れてきた。
「お願いッ、誰かこの人を助けてッ！！このままじゃ、この人死んじゃう！お願いッ！誰か…誰かぁぁぁッ！！」
消えそうな意識の中で、彼女の叫び声が耳に残っている。
そして、リョウマは気が付けば診療所のベッドの上にいた。2カ月も眠っていたリョウマは奇跡的に回復したものの、冒険や戦争できるような体ではなくなっていた。その代わり、リョウマはレアと契約をした。
彼女はリョウマが眠っている間、ずっと看病し続けていたのだ。だから、リョウマが目を覚ました時、レアは子どもの様に泣いてリョウマに謝った。自分が襲ったばかりにリョウマを傷つけた、顔をぐしゃぐしゃにして泣くレアを見ていると、リョウマ自身どこか諦めに近い、仕方ないと思えるようになってきた。それからもレアはリョウマを看病し続け、リョウマはそんな彼女に惹かれていったのだ。
退院した後、リョウマはヤーオとミオに連絡を取った。2人はすぐに飛んできて、その後を話した。ミオは終始泣いており、ヤーオもリョウマを見捨てて逃げた事をずっと謝っていた。それからしばらくは4人で暮らしていたが、ミオとヤーオは旅に出た。
ヤーオはリョウマとレアを祝福してくれたが、ミオは複雑な様子でありまだレアを信用していない顔をしていた。
その後、リョウマとレアはこの町に住みつき、家具や置物を作って売りながら生活していた。決して豊かではない、しかし確かな幸せと大きな温もりを感じられるこの生活にリョウマは満足していた。
しばらくリョウマの匂いを堪能したレアは顔を上げ、リョウマの頬についていた塗装料を拭うと出来あがった24体のサンタクロースを見まわした。
「作業は終わったのかしら？」
「まぁな、病院に頼まれていた5体、幼稚園の5体、商店街の10体、残りは孤児院だ。届けるのは明日でいいから、明日の朝早くに届けに行く」
「ふふ、お疲れ様。そろそろ時間もいいし、ご飯にしましょ？もう用意は出来ているの」
「そうだな…仕事も終わったし、飯にするか」
レアはクスリと笑い、リョウマから離れて背中を向けた。
そんなレアにリョウマは後ろからおぶさるように手を回すと、ちょうど良い位置にある乳房に触れた。しっかり揉んでその感触を味わう。
「ンフフフ…どうしたのかしら？」
「いや……ただ、癒される感じがするだけだ」
柔らかくて丸くて、揉まれるままに手の中で形を変えて、そのくせ跳ね返すような弾力がある。
「このスケベ♪」
レアは悪戯っぽく後ろから抱きしめてくるリョウマを見上げた。
「オイオイ……その言い方はないんじゃないか？」
「フフフ、冗談よ」
ムッとした顔のリョウマにレアは人懐っこい笑みを浮かべた。リョウマは拗ねた様に唇を突き出す。そうして、彼女の顔を優しく撫でた。透き通るように青く、すべすべとしプルンと弾力のある肌は撫でるだけでも十分に楽しかった。レアは最初、くすぐったそうにしていたが、しばらくして、撫でてくるリョウマの手に擦り付けるように頬擦りをしだした。
「フフフ…いいわねぇ、私も癒されるわぁ♪」
「…飯の前に風呂入るか？」
リョウマはさらにレアを抱き寄せた。うん、とレアが小さく頷く。
「今日もその身体に教えてあげるわ。貴方が誰のものなのか…ね？」
「よく言うぜ、ヒィヒィ言ってるのはお前だろうが」
「…前言撤回、今日こそはどっちが上なのかそれを教えてあげるわ」
そう呟くレアの瞳には怪しい光が宿っていた。
「ん、ふぅ…あ…ぁぁッ」
浴場にレアの曇り声が響く。
風呂場には入浴剤の良い香りと淫歪な空気で満ちている。
後ろから抱きつき、両手で乳房を撫でる。弾く様に乳首をつまむとレアは肩を震わせた。
リョウマは左手で乳房を揉み、右手をそっと下へとやった。
「や、ダメ…泡を流さなきゃ」
「そうだな、流さないとな」
リョウマは手近にあった風呂桶をつかんで、白い泡を丁寧に流してやった。青い肌が湯気でほんのり赤く染まっている。滑らかな肩、キュッとしまった細いウエスト、ちょうど良いバランスの取れた尻、後ろからだと腕の隙間から一部が見えるだけの胸はツンと上を向いて高さがある。
身体だけではない。普段は強気かつ強引だが、こういう時のレアはリョウマに従順になる。そのギャップがリョウマに火を付け、獣欲を刺激するのだ。
心身ともに全部リョウマの好きなものだった。
湯で指を濡らすと、リョウマはもう一度レアの下に手をやった。中心は簡単に割れてリョウマの指をすんなりと受け入れる。中は熱く、指で開くと粘膜が音を立てた。
そこはすでに湯でも石鹸の泡でもない独自のトロリとしたものが割れ目全体に滲んでいた。リョウマは頂上の小さな突起を指で探り当て、強弱をつけて指で押してやった。
「ん…ふ……はっ…あぁ」
突起を押されるたびにレアは甘い声を出す。ピンと伸ばした膝はガクガクと揺れ、ついに膝が折れた。
「リョ、ォマ…わ、私もう立っていられ…！」
「我慢しろ」
リョウマは突起をつついて刺激しながら指を奥へ入れて内部へと進んだ。ギュッと締まる肉が嬉しそうにリョウマの指を味わおうとする。
「だ、だって……ぁあッ、ん…あはぁ」
レアが首を横に振る。密着している太ももが震えた。試しに軽く乳首に触れると固くなっている。
「ん、ふぁぁッ！」
それを指でいじりながら、下の指の動きを早くする。
「あ、だめ、だめぇ……それ、だめなのぉ…ん、くぅ」
レアは息を吸い込み、首を軽く振った。
「もう我慢できないか？」
「……うん」
「このまま、指で……か？」
「あ、ん……イヤ、あ…い、やッ……」
割れ目を指で広げられ、もう固いクリトリスを露出させられ、レアは今にもイきそうだったがリョウマのモノに手を伸ばしてきた。
「これ……で…ね？」
レアは肩越しに振り返り、リョウマに熱い視線を送った。
「これでして欲しいのか？」
「うん…いっぱい、いっぱいして欲しいです…」
「だったら、言う事があるよな？」
「あ、ぅ…」
リョウマはレアの耳を舐めたり、乳首をつまんだりして、可愛がりながら開いた割れ目を指で優しく撫で回した。かすかな刺激にレアの尻はビクビクと震える。
「ああんッ……や、あぁぁ…」
「ほら、言えよ。言わねぇとしてやらないからな？」
「ッ…ん……リョウ、マの指が…は、入っているところに、リョウマの……を入れて、欲しいで、す…んあッ」
「……まぁ、良しとしてやるよ。よく言えました」
「あ、ん……ああぁぁぁッ！」
リョウマはとどめと言わんばかりに芯にじかに触れ、内部の奥深くに指を入れた。
「ご褒美にこのまま指でしてやるよ」
「あ…や、やだ……それは、だめぇ…！」
レアは抵抗しようとしたが、リョウマが後ろから身体をくっつけているので、逃げる事はできない。
「締め付けてくるな。指がそんなに気持ちいいか」
「あッ、んん……くふぅ。い、言わないで…くだ、さい…あ、ああぁぁ…！」
「早くイっちまいな。オレも早くレアの中に入れたいからよ」
リョウマはレアの足を開かせ、自分の固くなったモノを挟んだ。
「んあッ…！」
レアの体がビクンとはねる。そこはもう尻の割れ目まで濡れていて、入り口辺りが充血して肉が厚みを増しているのが分かる。少し動くと擦れて気持ちよかった。茎はたちまちレアの蜜で濡れた。何度も擦って往復しながら、クリトリスを指で強めに刺激した。
「ひぁ…や、ん、あぁぁ……！」
レアは身体を弓なりにし、一度大きく震え、風呂中に響く声を上げて、リョウマの胸の中で暴れた。
「だ、あぁ、私！イ、イきます！リョウマの指でイっちゃうの……！」
ビクン、ビクンと痙攣したかと思うと、あぁ、と脱力した息を吐き、レアは一気にリョウマに体重を預けてきた。挟んだままのリョウマのモノに熱いものが大量に浴びせかけられた。
「気持ちよかったか？」
「はい……すごく」
リョウマがレアの腰を抱えると、レアは素直に壁に手をつき膝を開いてリョウマに尻を突き出すポーズをした。
「ん……」
レアは肩越しにチラチラとリョウマを見て、円を描くような動きで腰を振る。明らかに行為を期待し、誘っていた。
「……」
リョウマは無言のまま、レアの入り口に先端をあてがい、深く、ゆっくりといれていく。
「んんん……ふぅッ」
先端が肉の壁を進むたび、レアは腰を揺すって反応した。全部入った。相変わらず狭い。締りの方も最高だった。
「ん、ぁぁああ！は、入ってきて……」
「動くぞ？」
「う…ん、来て……お願い、します」
レアは手だけでなく上半身を壁にすがるように押し付け、リョウマの責めに耐えようとした。リョウマはレアの身体を支え、激しく動く。
「ん……あうッ！…あ、くる、すごいくる……！」
先端でレアの内部を削り取るような、逆に削られているような、擦れる部分に血が集まっていく感じ。パンパンと腰と尻を打ち付けあう音と、レアの甘いあえぎ声、リョウマの漏らす息が混じって風呂場は淫らな空気が充満する。
「あ、んあ…リョウマァ……」
レアの中がキュッと締まった。リョウマのものから溜まっているものを絞って吐き出させようとするために。その証拠にレアの尻尾がリョウマの腰に絡みつき、決して放そうとしない。リョウマはその尻尾を軽く握ってしごいてやる。
「んん、くぅッ…」
それだけで軽い刺激になるのか、レアの中は徐々に締りが良くなる。
尻が打ち付けられるたびにタプタプと揺れ、リョウマの目を楽しませる。打ちつけるだけでなく腰を密着させ、円を描くような動きでレアの膣壁に擦り付けた。
「はッ…あぁぁ！い、んッ！これ…リョウマが、あ！」
何かを言おうとするが既に言葉になっていなかった。
その顔は快楽に歪み、口からは唾液が垂れ舌も出ているがレアは気付いていないようだった。乳房が壁に押し付けられ、先端が擦れる度に軽い刺激が伝わる。
「…ん」
ふと、見ればレアのもう一つの穴が目に入った。擦りつけ、奥を突くたびにヒクヒクと合わせて動き、それもまた欲しているようにも見えた。
ふと、リョウマの頭に１つの考えが思い浮かんだ。
リョウマは腰に絡みつくレアの尻尾を丁寧にほどくと、ハートの形をした尻尾の先をレアの尻穴にあてがった。
「んひゃッ…！？リョ、リョウマ…な、何を？」
「気にするな」
「気にする、んん！な…って、言われてもぉ…あ、ぁぁ」
リョウマは焦らすようにグルグルと尻尾で入口を刺激していたが、尻尾を放してレアの膣に入っている自分のモノを抜いて、レアの尻穴に挿入し直した。
「んぎッ、ッアぁぁぁぁ…！」
レアは目を白黒させ、酸素を求めるように口を大きく開いた。
愛撫も無しに挿入されたのだから痛みが強い。人間ならば裂ける事だってあり得る。
しかし、レアの身体はそれをすぐに受け止め、痛みすら快感に変換していた。その証拠に、困惑し、苦痛に歪んでいた表情がすでにとろけている。
「あッ、お、おし…お尻いいぃッ！」
壁に爪を立てながら、レアは今まで味わった事の無い感覚に酔っていた。それはリョウマも同じであった。膣肉とは違う独特の感触。異物を押し出そうと蠢きながら、決して放そうとせず食らいつく矛盾した感覚は癖になりそうだ。
荒い息を吐きながらレアはリョウマを貪るように腰を振る。ほぼ強姦に近い形で尻穴を後ろから責められているというのに、それでも必死になって絶頂へと向かっている。
「んぐッ、おッしり、これ！これぇぇいいッ！」
雄に征服される快感、性行為に使わない部分で快楽を得ている、禁忌的な、どこかマゾヒスト的な感覚はレアの身体と心、外と内から熱のように広がりレアの全てを侵していく。
それはリョウマも同様であった。
目の前の雌を征服した満足感に、全てを支配しているという達成感、性器ではないが性器では決して味わえない禁断とも言えるそれを全身で感じ、味わう。
しかし、それもそろそろ限界であった。
「ひ、ぐッ！リョウゥマ、おし、お尻で、大きく…！ん、おぉ」
「レア、すまん。限界だ…！」
「あッ…出して！おし、お尻にいっぱい！いっぱい出してぇぇッ！！」
尻肉を鷲掴みにしてラストを迎えようと激しく動く。それはまるで尻を削るような荒々しく、遠慮の無いものであった。
それをレアの身体は受け入れ、リョウマの動きに合わせて腰を振っている。
「リョウマァ…リョウマァァァァッ！！」
「ッ…！レアッ……！」
互いが互いの名前を呼んで、奥深いところで素早く動いた。レアが身体を反らして風呂場の床に崩れそうになるのをリョウマは支え、そしてレアの中に放った。
「ん…あぁ、はぁぁ…」
リョウマの放った白いものが腸内に浴びせられ、まるで火傷しそうになるほど熱い。
「あぁ……ん」
レアは瞳を閉じた。リョウマの精が身体中に染み込む感触を味わっているのだろう。
「変態」
風呂場での行為を終え、遅い夕食を取り終えるとリョウマとレアはベッドに入った。レアの機嫌は直らず、ずっとリョウマを睨んでいる。断りも無しに尻に挿入したのだから仕方がない。
「悪かった…つい」
「鬼畜」
「んぐッ…！」
「鬼」
「ぐぐッ…」
「…馬鹿」
レアは小さくそう呟くと、リョウマの胸に顔を寄せる。
「調子に乗ってた…本当に悪かったと思ってる」
「ふん…」
信じていない、そう言わんばかりに鼻を鳴らし、レアはリョウマの胸に舌を伸ばした。戦えなくなった体とはいえ筋肉は日ごろのトレーニングのおかげであまり衰えてはいない。鋼とまではいかないが、それでも十分な筋肉量である。
レアは胸筋に舌をあてて、ゆっくりとなぞるように動かした。背中にゾクゾクとしたものを感じながら、リョウマはレアの頭を撫でてやった。
「でも、結局はお前…尻でイッたよな？」
「ッ！うるさい！」
誤魔化すようにレアは歯を立てた。血こそ出なかったものの、かなり痛む。暗くて分かりにくいがおそらく歯形がくっきりと残ってしまっているだろう。
それでもレアの怒りは収まらず、リョウマをポカポカと殴る。
「この！人が！下手に！なれば！調子に！乗って！！」
「な、殴るなよ！イテッ！」
「最低！変態！ド変態！鬼畜！鬼！馬鹿！」
さっきから何度も聞いている罵詈雑言を浴びながらリョウマはぶたれつづけた。
「…でも、好き」
不意にレアは殴るのを止め、リョウマに抱きついた。
怪しくどこか気品を感じる甘い匂いがリョウマをくすぐる。
フッと笑うと、リョウマもレアを抱き返した。
「俺も…好きだ。愛してる」
「ふん…」
レアは何も言わなかったが、抱きつく力が強くなった事から悪い気はしていないのだろう。
それから2人は口づけを交わし、お互いの身体を愛撫し合いながら眠りに落ちていった。
眠りに落ちる中、リョウマはこの幸せが続くよう祈ったが、レアもリョウマと同じ事を願いながら眠った事を知らず、甘い夢の中へ落ちていった。
終わり
いや、正確には逃げていた。
夕闇が迫り、日が沈みかけているこの森の中を3人は全力で走っていた。何分逃げ続けているのか、何時間逃げているのか、すでに時間の感覚は無い。木々の間を駆け、川を越え、洞窟を進み、それでも振り切る事は出来なかった。
見なくても分かる。それがすぐ後ろにいる事が。
聞かなくても分かる。それが木々を縫い近付いている事が。
無知でも分かる。逃げる術など無い事が。
彼らは理解していた。それから逃げる事など不可能だと。
それでも3人は逃げ続けた。ただ走れと命じられ、それに従う機械のように走り続けた。
しかし、それも限界だった。
リョウマは額から落ちる汗を拭いつつ、後ろを振り返る。傭兵として生きてきたリョウマと冒険者として生きてきたヤーオはまだ走る事が出来るだけの体力がある。しかし、鑑定士として生きてきたミオには彼ら2人ほどの体力は無かった。目は虚ろになり、口からは酸素を求めるかのように舌を突き出し、その表情は限界と絶望が混ざっている。
このままでは3人ともやられる。
(３人やられるよりは…)
リョウマは2人を庇うかのように後ろへと回った。リョウマの行動にヤーオとミオは足を止め、何事かと考えたがすぐに理解した。
それを肯定するかのようにリョウマは叫ぶ。
「行けッ！お前達はこのまま行くんだッ！！」
有無を言わさぬ、まるで鬼のような声量にヤーオは怯んだが、ミオは食い下がった。
「ダメだよッ！リョウマも一緒に逃げよう！」
「そうだ！もう少しで逃げられるかもしれないだろ！諦めるな、リョウマッ！リョウマァッ！！」
ミオとヤーオの止める言葉は確かにリョウマにも届いている。2人の想いもリョウマに伝わっていた。
だからこそ、リョウマはこの2人の言葉を受け止めてはいけない。
「逃げろ、お前達ッ！！ここは俺が止めるッ！！」
「リョウマも…リョウマも逃げようよ！こんな、こんなのダメだよッ！！3人一緒じゃなきゃダメなんだよ！！」
「俺だってお前達と同じ気持ちだッ！帰れるのなら帰りたい、戻れるのなら戻りたい…でもな、ここで俺が死んでもお前達が仇を取ってくれればそれでいい！！何年経とうがお前達さえ生きていてくれれば…俺達の勝ちなんだよ」
背中に眠る大剣を握るとリョウマは構え、すぐそこまで来ている悪意に切っ先を向けた。
覚悟は出来ている。例え、死んでも惜しくは無い。
もう止められない。
「…分かったぜ、リョウマ」
リョウマの覚悟を見たヤーオはミオを担ぎ、駆け始めた。
掛け替えのない友を犠牲とした命、それが勝利と言えるのかヤーオには分からなかったが、少なくとも負けではない。それに、それがリョウマの意思ならば尊重するべきだろう。
「何するの！？ヤーオ放して！やめて、やめてよ！！」
「逃げるんだ、ミオ！僕達はリョウマの分まで生きなきゃいけない！！」
「そんな…ダメ、放して！！リョウマ！！リョウマァァァァッ！！」
ミオの悲痛な叫び声に心が痛んだが、それを気にしている余裕は無い。
それどころか、大切な仲間を守る事が出来た、そんな気持ちがリョウマの胸に溢れていた。
(良い仲間を持った…俺は…俺は本当に幸せ者だ…)
かつて、傭兵として生活していた自分。その体も心も荒み、自暴自棄になっていた自分を救ってくれたのはあの2人だった。人間らしさを、仲間のいる幸せを、そして誰かを守るために戦う事を、リョウマはヤーオとミオに教えられたのだ。
いつも、考えていた。どうすれば、この恩を返せるか。それが今なのだろう。
「来やがった…」
風を切り裂く音、そして目には見えない悪意が触手のようにリョウマの身体に絡みつく。
そして、それが姿を見せると同時にリョウマは足に力を入れ、大地を震わせるような咆哮を上げ、切りかかった。
「行くぜ…！この化け物がッ！！」
夜を迎え、森にはリョウマの雄叫びと金属がぶつかる激しい音が響いていた。
しかし、それはすぐに聞こえなくなり、夜の闇が沈黙を奏で始めた。
2年後
とある城下町。人口約20万人のこの町には人間だけでなく多種多様な魔物娘が暮らしていた。教団の教えはこの町に無く、人間と魔物娘が互いに助け合い、支え合いながら暮らしている。
空は灰色の雲が覆い、気が付けば雪が降っている。それを見た人々は空を見上げ、数日後に開かれる聖夜祭を思って顔をほころばせていた。
年末に近いこの時期、この城下町では聖夜祭に人々は思いを馳せる。愛する相手、家族と過ごし、新しい命を授かることもあるこの日を性夜祭と呼ぶ者もいるがあながち間違いではない。
「ふぅ…こんなもんか」
依頼されていた24体のサンタクロースの木像、その最後の1体に色を塗り終え、リョウマは額から流れ落ちた汗を拭った。思ったより時間はかかったが、それでも満足な出来と言える木像群を見回せば確かな達成感と満足感がある。誰もが想像するサンタクロースに仕上がった木像達は聖夜祭を彩るには充分だろう。
「んん…ぐぐ……腰が痛くなっちまったな…」
朝から作業しており、すっかり固くなった体をほぐすとリョウマの目は後ろから塞がれた。それと同時に耳に響く甘い声。
「だ〜れ〜だ♪」
こんな子どもっぽい悪戯をする人間…もとい、魔物娘をリョウマは1人しか知らない。もっとも、彼女の事をリョウマが分からないはずがない。
だからこそ、少し意地悪をしたくなるものだ。
「あ〜…誰だ？」
「ンフフフ〜分からないのかしら？じゃあヒント♪えい♪えい♪」
そう言いながら、胸をリョウマの背中に押し付けてくる。何とも言えない照れくささにリョウマは耐え切れなくなり、顔を赤くしながら叫んだ。意地悪出来るような相手ではない、改めてそう思った。相手の方が2枚、3枚も上手だ。
「ダァーッ！分かった！分かったから！レア！レアだろ！！」
「せいかーい！じゃあ、ご褒美をあげなきゃ…ね？」
悪戯っぽく言うレアはリョウマの前に回り、抱きついた。
蒼い肌に黒い眼、黒い角は天を指し、悪魔のような尻尾はご機嫌なようで左右にブンブン振っている。
彼女は人間ではなく魔物娘であり、デーモンと呼ばれる種属だった。
デーモンは人間界を、世界の全てを摩界へと変える過激派の筆頭とも言うべき存在であり、魔物娘の中でもかなり危険な部類とまで言われている。
だが、リョウマに抱きつきその胸に顔を埋めて人懐っこい笑みを浮かべるレアを見ていると、危険とは思えなかった。
それに彼女は命の恩人でもある。
2年前のあの日、リョウマはヤーオとミオを逃がすために囮となってレアと対峙した。リョウマ自身、そこそこ腕は立ち、傭兵としての経験も高いので滅多な事では後れを取らない。しかし、レアの前では赤子同然だった。
どんなに剣に自信があっても、圧倒的な魔力とそれを源とした魔法の前には何も意味をなさなかった。虫を殺すのが精一杯のような下級魔法1発でリョウマの剣は砕かれ、殴りかかってもまるで透明な壁があるかのようにレア自身には当たらなかった。
それでも諦めず戦っていたが、リョウマは足を踏み外し、岩穴へと落ちてしまった。なかなかの高さから岩へと叩きつけられたリョウマは瀕死の重傷を負った。即死でもおかしくなかったが、悪運は強いようだった。
頭から血を流し、両足は奇妙な方向に捻じれ、左腕の感覚が無かったことは覚えている。体から何か大切なものが抜け落ちていく喪失感に襲われ、リョウマの意識は闇へと引っ張られていった。
その中でかすかに覚えているのは半狂乱となったレアだった。リョウマを抱えると空高く跳びあがり、この城下町まで連れてきた。
「お願いッ、誰かこの人を助けてッ！！このままじゃ、この人死んじゃう！お願いッ！誰か…誰かぁぁぁッ！！」
消えそうな意識の中で、彼女の叫び声が耳に残っている。
そして、リョウマは気が付けば診療所のベッドの上にいた。2カ月も眠っていたリョウマは奇跡的に回復したものの、冒険や戦争できるような体ではなくなっていた。その代わり、リョウマはレアと契約をした。
彼女はリョウマが眠っている間、ずっと看病し続けていたのだ。だから、リョウマが目を覚ました時、レアは子どもの様に泣いてリョウマに謝った。自分が襲ったばかりにリョウマを傷つけた、顔をぐしゃぐしゃにして泣くレアを見ていると、リョウマ自身どこか諦めに近い、仕方ないと思えるようになってきた。それからもレアはリョウマを看病し続け、リョウマはそんな彼女に惹かれていったのだ。
退院した後、リョウマはヤーオとミオに連絡を取った。2人はすぐに飛んできて、その後を話した。ミオは終始泣いており、ヤーオもリョウマを見捨てて逃げた事をずっと謝っていた。それからしばらくは4人で暮らしていたが、ミオとヤーオは旅に出た。
ヤーオはリョウマとレアを祝福してくれたが、ミオは複雑な様子でありまだレアを信用していない顔をしていた。
その後、リョウマとレアはこの町に住みつき、家具や置物を作って売りながら生活していた。決して豊かではない、しかし確かな幸せと大きな温もりを感じられるこの生活にリョウマは満足していた。
しばらくリョウマの匂いを堪能したレアは顔を上げ、リョウマの頬についていた塗装料を拭うと出来あがった24体のサンタクロースを見まわした。
「作業は終わったのかしら？」
「まぁな、病院に頼まれていた5体、幼稚園の5体、商店街の10体、残りは孤児院だ。届けるのは明日でいいから、明日の朝早くに届けに行く」
「ふふ、お疲れ様。そろそろ時間もいいし、ご飯にしましょ？もう用意は出来ているの」
「そうだな…仕事も終わったし、飯にするか」
レアはクスリと笑い、リョウマから離れて背中を向けた。
そんなレアにリョウマは後ろからおぶさるように手を回すと、ちょうど良い位置にある乳房に触れた。しっかり揉んでその感触を味わう。
「ンフフフ…どうしたのかしら？」
「いや……ただ、癒される感じがするだけだ」
柔らかくて丸くて、揉まれるままに手の中で形を変えて、そのくせ跳ね返すような弾力がある。
「このスケベ♪」
レアは悪戯っぽく後ろから抱きしめてくるリョウマを見上げた。
「オイオイ……その言い方はないんじゃないか？」
「フフフ、冗談よ」
ムッとした顔のリョウマにレアは人懐っこい笑みを浮かべた。リョウマは拗ねた様に唇を突き出す。そうして、彼女の顔を優しく撫でた。透き通るように青く、すべすべとしプルンと弾力のある肌は撫でるだけでも十分に楽しかった。レアは最初、くすぐったそうにしていたが、しばらくして、撫でてくるリョウマの手に擦り付けるように頬擦りをしだした。
「フフフ…いいわねぇ、私も癒されるわぁ♪」
「…飯の前に風呂入るか？」
リョウマはさらにレアを抱き寄せた。うん、とレアが小さく頷く。
「今日もその身体に教えてあげるわ。貴方が誰のものなのか…ね？」
「よく言うぜ、ヒィヒィ言ってるのはお前だろうが」
「…前言撤回、今日こそはどっちが上なのかそれを教えてあげるわ」
そう呟くレアの瞳には怪しい光が宿っていた。
「ん、ふぅ…あ…ぁぁッ」
浴場にレアの曇り声が響く。
風呂場には入浴剤の良い香りと淫歪な空気で満ちている。
後ろから抱きつき、両手で乳房を撫でる。弾く様に乳首をつまむとレアは肩を震わせた。
リョウマは左手で乳房を揉み、右手をそっと下へとやった。
「や、ダメ…泡を流さなきゃ」
「そうだな、流さないとな」
リョウマは手近にあった風呂桶をつかんで、白い泡を丁寧に流してやった。青い肌が湯気でほんのり赤く染まっている。滑らかな肩、キュッとしまった細いウエスト、ちょうど良いバランスの取れた尻、後ろからだと腕の隙間から一部が見えるだけの胸はツンと上を向いて高さがある。
身体だけではない。普段は強気かつ強引だが、こういう時のレアはリョウマに従順になる。そのギャップがリョウマに火を付け、獣欲を刺激するのだ。
心身ともに全部リョウマの好きなものだった。
湯で指を濡らすと、リョウマはもう一度レアの下に手をやった。中心は簡単に割れてリョウマの指をすんなりと受け入れる。中は熱く、指で開くと粘膜が音を立てた。
そこはすでに湯でも石鹸の泡でもない独自のトロリとしたものが割れ目全体に滲んでいた。リョウマは頂上の小さな突起を指で探り当て、強弱をつけて指で押してやった。
「ん…ふ……はっ…あぁ」
突起を押されるたびにレアは甘い声を出す。ピンと伸ばした膝はガクガクと揺れ、ついに膝が折れた。
「リョ、ォマ…わ、私もう立っていられ…！」
「我慢しろ」
リョウマは突起をつついて刺激しながら指を奥へ入れて内部へと進んだ。ギュッと締まる肉が嬉しそうにリョウマの指を味わおうとする。
「だ、だって……ぁあッ、ん…あはぁ」
レアが首を横に振る。密着している太ももが震えた。試しに軽く乳首に触れると固くなっている。
「ん、ふぁぁッ！」
それを指でいじりながら、下の指の動きを早くする。
「あ、だめ、だめぇ……それ、だめなのぉ…ん、くぅ」
レアは息を吸い込み、首を軽く振った。
「もう我慢できないか？」
「……うん」
「このまま、指で……か？」
「あ、ん……イヤ、あ…い、やッ……」
割れ目を指で広げられ、もう固いクリトリスを露出させられ、レアは今にもイきそうだったがリョウマのモノに手を伸ばしてきた。
「これ……で…ね？」
レアは肩越しに振り返り、リョウマに熱い視線を送った。
「これでして欲しいのか？」
「うん…いっぱい、いっぱいして欲しいです…」
「だったら、言う事があるよな？」
「あ、ぅ…」
リョウマはレアの耳を舐めたり、乳首をつまんだりして、可愛がりながら開いた割れ目を指で優しく撫で回した。かすかな刺激にレアの尻はビクビクと震える。
「ああんッ……や、あぁぁ…」
「ほら、言えよ。言わねぇとしてやらないからな？」
「ッ…ん……リョウ、マの指が…は、入っているところに、リョウマの……を入れて、欲しいで、す…んあッ」
「……まぁ、良しとしてやるよ。よく言えました」
「あ、ん……ああぁぁぁッ！」
リョウマはとどめと言わんばかりに芯にじかに触れ、内部の奥深くに指を入れた。
「ご褒美にこのまま指でしてやるよ」
「あ…や、やだ……それは、だめぇ…！」
レアは抵抗しようとしたが、リョウマが後ろから身体をくっつけているので、逃げる事はできない。
「締め付けてくるな。指がそんなに気持ちいいか」
「あッ、んん……くふぅ。い、言わないで…くだ、さい…あ、ああぁぁ…！」
「早くイっちまいな。オレも早くレアの中に入れたいからよ」
リョウマはレアの足を開かせ、自分の固くなったモノを挟んだ。
「んあッ…！」
レアの体がビクンとはねる。そこはもう尻の割れ目まで濡れていて、入り口辺りが充血して肉が厚みを増しているのが分かる。少し動くと擦れて気持ちよかった。茎はたちまちレアの蜜で濡れた。何度も擦って往復しながら、クリトリスを指で強めに刺激した。
「ひぁ…や、ん、あぁぁ……！」
レアは身体を弓なりにし、一度大きく震え、風呂中に響く声を上げて、リョウマの胸の中で暴れた。
「だ、あぁ、私！イ、イきます！リョウマの指でイっちゃうの……！」
ビクン、ビクンと痙攣したかと思うと、あぁ、と脱力した息を吐き、レアは一気にリョウマに体重を預けてきた。挟んだままのリョウマのモノに熱いものが大量に浴びせかけられた。
「気持ちよかったか？」
「はい……すごく」
リョウマがレアの腰を抱えると、レアは素直に壁に手をつき膝を開いてリョウマに尻を突き出すポーズをした。
「ん……」
レアは肩越しにチラチラとリョウマを見て、円を描くような動きで腰を振る。明らかに行為を期待し、誘っていた。
「……」
リョウマは無言のまま、レアの入り口に先端をあてがい、深く、ゆっくりといれていく。
「んんん……ふぅッ」
先端が肉の壁を進むたび、レアは腰を揺すって反応した。全部入った。相変わらず狭い。締りの方も最高だった。
「ん、ぁぁああ！は、入ってきて……」
「動くぞ？」
「う…ん、来て……お願い、します」
レアは手だけでなく上半身を壁にすがるように押し付け、リョウマの責めに耐えようとした。リョウマはレアの身体を支え、激しく動く。
「ん……あうッ！…あ、くる、すごいくる……！」
先端でレアの内部を削り取るような、逆に削られているような、擦れる部分に血が集まっていく感じ。パンパンと腰と尻を打ち付けあう音と、レアの甘いあえぎ声、リョウマの漏らす息が混じって風呂場は淫らな空気が充満する。
「あ、んあ…リョウマァ……」
レアの中がキュッと締まった。リョウマのものから溜まっているものを絞って吐き出させようとするために。その証拠にレアの尻尾がリョウマの腰に絡みつき、決して放そうとしない。リョウマはその尻尾を軽く握ってしごいてやる。
「んん、くぅッ…」
それだけで軽い刺激になるのか、レアの中は徐々に締りが良くなる。
尻が打ち付けられるたびにタプタプと揺れ、リョウマの目を楽しませる。打ちつけるだけでなく腰を密着させ、円を描くような動きでレアの膣壁に擦り付けた。
「はッ…あぁぁ！い、んッ！これ…リョウマが、あ！」
何かを言おうとするが既に言葉になっていなかった。
その顔は快楽に歪み、口からは唾液が垂れ舌も出ているがレアは気付いていないようだった。乳房が壁に押し付けられ、先端が擦れる度に軽い刺激が伝わる。
「…ん」
ふと、見ればレアのもう一つの穴が目に入った。擦りつけ、奥を突くたびにヒクヒクと合わせて動き、それもまた欲しているようにも見えた。
ふと、リョウマの頭に１つの考えが思い浮かんだ。
リョウマは腰に絡みつくレアの尻尾を丁寧にほどくと、ハートの形をした尻尾の先をレアの尻穴にあてがった。
「んひゃッ…！？リョ、リョウマ…な、何を？」
「気にするな」
「気にする、んん！な…って、言われてもぉ…あ、ぁぁ」
リョウマは焦らすようにグルグルと尻尾で入口を刺激していたが、尻尾を放してレアの膣に入っている自分のモノを抜いて、レアの尻穴に挿入し直した。
「んぎッ、ッアぁぁぁぁ…！」
レアは目を白黒させ、酸素を求めるように口を大きく開いた。
愛撫も無しに挿入されたのだから痛みが強い。人間ならば裂ける事だってあり得る。
しかし、レアの身体はそれをすぐに受け止め、痛みすら快感に変換していた。その証拠に、困惑し、苦痛に歪んでいた表情がすでにとろけている。
「あッ、お、おし…お尻いいぃッ！」
壁に爪を立てながら、レアは今まで味わった事の無い感覚に酔っていた。それはリョウマも同じであった。膣肉とは違う独特の感触。異物を押し出そうと蠢きながら、決して放そうとせず食らいつく矛盾した感覚は癖になりそうだ。
荒い息を吐きながらレアはリョウマを貪るように腰を振る。ほぼ強姦に近い形で尻穴を後ろから責められているというのに、それでも必死になって絶頂へと向かっている。
「んぐッ、おッしり、これ！これぇぇいいッ！」
雄に征服される快感、性行為に使わない部分で快楽を得ている、禁忌的な、どこかマゾヒスト的な感覚はレアの身体と心、外と内から熱のように広がりレアの全てを侵していく。
それはリョウマも同様であった。
目の前の雌を征服した満足感に、全てを支配しているという達成感、性器ではないが性器では決して味わえない禁断とも言えるそれを全身で感じ、味わう。
しかし、それもそろそろ限界であった。
「ひ、ぐッ！リョウゥマ、おし、お尻で、大きく…！ん、おぉ」
「レア、すまん。限界だ…！」
「あッ…出して！おし、お尻にいっぱい！いっぱい出してぇぇッ！！」
尻肉を鷲掴みにしてラストを迎えようと激しく動く。それはまるで尻を削るような荒々しく、遠慮の無いものであった。
それをレアの身体は受け入れ、リョウマの動きに合わせて腰を振っている。
「リョウマァ…リョウマァァァァッ！！」
「ッ…！レアッ……！」
互いが互いの名前を呼んで、奥深いところで素早く動いた。レアが身体を反らして風呂場の床に崩れそうになるのをリョウマは支え、そしてレアの中に放った。
「ん…あぁ、はぁぁ…」
リョウマの放った白いものが腸内に浴びせられ、まるで火傷しそうになるほど熱い。
「あぁ……ん」
レアは瞳を閉じた。リョウマの精が身体中に染み込む感触を味わっているのだろう。
「変態」
風呂場での行為を終え、遅い夕食を取り終えるとリョウマとレアはベッドに入った。レアの機嫌は直らず、ずっとリョウマを睨んでいる。断りも無しに尻に挿入したのだから仕方がない。
「悪かった…つい」
「鬼畜」
「んぐッ…！」
「鬼」
「ぐぐッ…」
「…馬鹿」
レアは小さくそう呟くと、リョウマの胸に顔を寄せる。
「調子に乗ってた…本当に悪かったと思ってる」
「ふん…」
信じていない、そう言わんばかりに鼻を鳴らし、レアはリョウマの胸に舌を伸ばした。戦えなくなった体とはいえ筋肉は日ごろのトレーニングのおかげであまり衰えてはいない。鋼とまではいかないが、それでも十分な筋肉量である。
レアは胸筋に舌をあてて、ゆっくりとなぞるように動かした。背中にゾクゾクとしたものを感じながら、リョウマはレアの頭を撫でてやった。
「でも、結局はお前…尻でイッたよな？」
「ッ！うるさい！」
誤魔化すようにレアは歯を立てた。血こそ出なかったものの、かなり痛む。暗くて分かりにくいがおそらく歯形がくっきりと残ってしまっているだろう。
それでもレアの怒りは収まらず、リョウマをポカポカと殴る。
「この！人が！下手に！なれば！調子に！乗って！！」
「な、殴るなよ！イテッ！」
「最低！変態！ド変態！鬼畜！鬼！馬鹿！」
さっきから何度も聞いている罵詈雑言を浴びながらリョウマはぶたれつづけた。
「…でも、好き」
不意にレアは殴るのを止め、リョウマに抱きついた。
怪しくどこか気品を感じる甘い匂いがリョウマをくすぐる。
フッと笑うと、リョウマもレアを抱き返した。
「俺も…好きだ。愛してる」
「ふん…」
レアは何も言わなかったが、抱きつく力が強くなった事から悪い気はしていないのだろう。
それから2人は口づけを交わし、お互いの身体を愛撫し合いながら眠りに落ちていった。
眠りに落ちる中、リョウマはこの幸せが続くよう祈ったが、レアもリョウマと同じ事を願いながら眠った事を知らず、甘い夢の中へ落ちていった。
終わり
16/07/08 06:12更新 / ろーすとびーふ泥棒