おしかけラビット！
「あっさでっすよっ！」
布団を引っぺがされ、俺はまどろみの中から強制帰還させられた。
「ロディさん、おはようございますです！」
この朝っぱらからハイテンションな娘はキオ。
純白色のショートカットに大きな垂れ耳が印象的なワーラビットだ。
キオはベッドの上の俺にのしかかり、くるくる動く純真な瞳で俺を見つめてくる。
「さあさあ、ロディさんの朝勃ちをキオが鎮めてみぎゅ」
俺は無言でキオの耳を左右に引っ張った。
話は数週間前にさかのぼる。
「人参農家のロディさんですね！ お願いがありますっ！」
「お願い？」
町へ人参を出荷しにいったとき、往来でいきなり声をかけられた。
そのウサギの獣人──ワーラビットは、ぴょんこぴょんこ近寄って来て頭を下げる。
「キオと交尾してくださいっ！」
「・・・・・・はい？」
一瞬思考が停止する。
「だから、交尾です。交尾」
「え、ちょっと、交尾ってあの交尾？」
「はいっ！おちんちんをおまんまんに・・・」
「い、いやいや、説明はいいから」
「あ、ニンゲンは交尾のこと別な言い方するんですよね。えーと、セックス？そう、セックスしてください！セックもごもご」
往来で卑猥な発言を続けるキオの口をふさぎ、俺は人気の無いところへ彼女を連れて行った。
「一体何なんだ！魔物とはいえストレートすぎるぞ！」
「キオ、ロディさんのお嫁さんになりたいんです！」
どうやら、彼女の中では交尾イコール結婚と色々すっ飛ばされているらしい。
「人参農家のお嫁さんになれば人参食べ放題かなあって」
そして実に短絡思考である。
「この前、ロディさんが作った人参食べたんですけど、信じられないくらいおいしかったんです！人参界のパラダイムシフトです！あんな人参を毎日食べれればなあって思うと、いても立ってもいられなくて！」
自慢の野菜の出来を褒められるのは悪い気はしない。
だが、それとこれとは別である。俺の人生設計には、下半身が毛皮に包まれてる魔物娘と結婚するという項目はなかった。
「だから交尾してください♪」
「お断りだ」
俺はしつこく食い下がるキオを置いて、逃げるように町をあとにした。
荷馬車を飛ばし、ようやく家に帰り着く。
「やれやれ、とんでもない魔物もいたもんだなぁ」
野に咲く花のような鮮やかな笑顔で、高原を吹く風のごとく爽やかな声で、交尾しましょうときたもんだ。
こういうことはサキュバスでさえ、もう少し婉曲に誘うものなんじゃないのか。遭ったことないけど。
悪い子ではなさそうだが、あれが本気なら少し、いやかなりアホの子である。
「口さえ開かなきゃ、結構可愛いかったんだがなぁ」
「えへへー、照れちゃいます」
「おわぁ！」
荷台から声をかけられ、俺は口から心臓が飛び出るほど驚いた。
振り返ると、さっきのワーラビットがいつの間にか荷台に載っている。
「おまっ、どうやって」
「普通に走って追いつきました！」
さすがはウサギ脚ということか。
「ここがロディさんのおうちですか。おうちで交尾する派だったんですね！」
「だからしないって！・・・・・・ん？」
そのとき、この辺りで手紙や荷物などを運んでいるハーピィが舞い降りてきた。
「ちわー、シルク運送便っス！小包を届けに来たっス！」
「ちょうどよかった。銀貨５枚でこのワーラビットを港町まで運んでやってくれ。迷子らしい」
俺は懐から小銭を取り出して言った。
「あいあいさー！」
ハーピィのシルクはキオをかぎ爪でつかむ。
「わわっ、キオは迷子じゃないです！」
「家出したらしくて、帰るのを嫌がるかもしれないが、親が心配している。しっかり送り届けてくれ」
適当な嘘を並べ立てる。
「了解ッスー」
迅速配達がモットーのシルクは、暴れるキオをものともせず大空へと舞い上がっていった。
翌朝。
夜明け頃から人参の収穫をしていたところに彼女は再び現れた。
「はぁ、はぁ、キオは諦めませんよっ。さ、さあ交尾を」
港町からずっと走ってきたのか、ヨロヨロのフラフラである。
というか軽く二十里はあるぞ。ガッツだけはすさまじいな。
「まあ、とりあえず取れたての人参でも食って一息つけ」
見かねて俺は人参を一本差し出した。
「はううっ、ロディさんの人参！」
キオは土がついたままのそれをカリコリカリコリ猛烈な勢いで食べる。
「ああああ、舌の上でしゃっきりぽんと踊りますぅ」
意味が分からない。
彼女の食いっぷりが気に入った俺は、さらに二本提供する。
「まさに甘露！まさに滋味！たまんないですぅぅぅ」
「そうかそうか。じゃあお土産もあげよう」
かごにいっぱいの人参を渡してやる。
「ありがとうございます！ありがとうございますっ！」
「じゃあ、元気でなー」
「はーい」
お土産を手に、キオはにこにこ顔で去って行った。
・・・・・・ちょろいな。
その数日後。
「なかなかやりますね！ロディさん！こうもキオを欺くとは！」
適当にあしらわれたことにようやく気づいたキオが押しかけてきた。
「満足して帰ったんじゃないのかよ」
「キオの夢は一生人参パラダイスですっ！あんだけじゃ全然足りません！」
「そうか。今年は豊作だしもっと持っていくか」
「えっ、ほんと・・・じゃなくて！」
さすがに今度は騙されなかった。
「お嫁さんになるんです！だから交尾するんです。交尾交尾ー」
「あーもーうるさいっ！」
それ以来、キオはたびたび現れては、交尾をしろと迫って来るようになってしまった。
今日もまた、俺が農作業している後ろでセックスに誘おうと手を尽くしていた。
「赤ちゃん作りましょうよぅ」
「俺、魔物と子作りする気無いから」
ちなみに一度、無理矢理押し倒そうとしてきたが、耳を縛り上げて外に放り出して以来それは慎むようになった。
「男の人って年中セックスのこと考えてるって聞きましたけど」
「だからって直球過ぎると引くわ」
「・・・もしかして、ロディさんインポみぎゅ」
「違うわ」
たわけたことを抜かすキオの耳を雑巾のようにねじりあげる。
そりゃ、他の男なら女の子から誘われたら、ここぞとばかりにやっちまうのかもしれない。
酷い奴ならヤリ逃げなんてこともするだろう。
でも俺は、本気で好きになった相手としか、そういうことをしたくない。
そんな考えだからいつまで経っても独身なのかもしれないが・・・。
「いたいですいたいですぅ」
「ああ、すまん」
物思いにふけってつい力を入れすぎてしまった。
「もー、耳は敏感なんですよ」
「・・・なあ、お前は本当に人参だけで俺の嫁になりたいのか？」
ふと気になってキオに尋ねてみる。
「もし、俺が非道い男だったらどうするんだ？」
「うーん？キオはロディさんすごく優しい人だって知ってますよ」
「そうか？」
正直、たまに人参をあげているくらいしか心当たりがない。むしろ嫌われそうな事ばかりしている気がするが。
「ロディさんのつくる人参って、すごく愛情たっぷり注がれてる味がするんです」
そう言って、キオは両手で胸を押さえた。
「とっても心が優しい人だけです、あんな人参作れるの。ウサギは敏感だから分かるのです」
だから、と上目遣いで俺を見つめてくる。
「ロディさんの愛情、もっとずっと味わいたいなって」
その言葉と眼差しに、俺の心臓がきゅっと締め上げられた。
なんだ、俺、今こいつのこと抱きしめたいとか考えてる！？
「キオ、お前・・・」
「というわけで、さっさとずっこんばっこん交尾しみぎゅ」
「空気読めぇーっ！」
「いたたたたたたた！」
「あー、なんか今日は妙に疲れた」
キオのことを変に意識してしまってから、どうも作業に集中できない。
畑の雑草取りなどはキオも手伝ってくれたので、今日の分は終わらせることが出来たが・・・。
交尾交尾と騒がしいことを除けば、案外キオは働き者だった。
人参畑をぴょこぴょこ跳ね回る姿もなかなか愛嬌がある。
農家の嫁としては、いい線行っているかもしれない。
「仕事も終わったことですし、なあ・・・スケベしようや・・・」
「キモいわ！」
これさえなければ、だが。
「はあ、まあいいや。バイト代ってわけじゃないが、また人参食べてくか」
「うわーい♪」
両手を万歳して喜ぶキオ。
「そうだ、今日はキオがご飯作るです」
「お前が？」
「生もいいですけど、人参の真価は加熱してこそ発揮されるのです。キオがいかに人参に命かけてるか見せてあげましょう！」
そこまで言うなら、と俺はキッチンをキオに任せてみることにした。
「さあ、召し上がれ！」
キオは手際よく料理を仕上げると、上機嫌で食卓に並べた。
野菜炒めにリゾット、それに温野菜サラダもついている。当然ながら全部人参がたっぷりだ。
「おお、なかなかいいじゃないか。いただきます」
俺はリゾットを一口食べる。
「・・・んまい！」
すり下ろした人参の風味がご飯と絶妙に調和している。
野菜炒めもシャキシャキしていてちょうどいい火の通り具合だ。
それぞれ工夫が凝らされていて、人参ばかりでも飽きが来ない。
「驚いたな。すごいじゃないか」
料理をパクつく俺を、キオはにこにこ顔で眺めている。
「なんか嬉しいです。ロディさんがおいしそうに食べてくれるの」
「み、見てないで自分も食えよ」
「えへへー」
「やー、満足満足」
食事を堪能し終えて、俺はカウチに寝転がった。
洗い物を終えたキオも、俺の隣で床の上のクッションに座る。
「それにしても予想外だったな。あんなに美味いなんて」
せっかちなキオのことだ、てっきり生焼け生煮えが出てくるかと思ってたんだが。
「ロディさんの野菜がいいからですよ」
珍しく照れた様子でキオはうつむく。
「その素材の味を引き出したのはお前じゃないか」
と、俺はキオの頭に手を置いた。
「俺の野菜、あんな底力があったんだなぁ。自信がついたよ。ありがとうな」
グシグシと髪の毛を撫でてやる。
「・・・へへー。もっとほめてー」
キオはそう言って頭をすり寄せてきた。
なんだか犬か猫みたいだ。いや、ウサギだったか。
撫でているうちに、俺の手がキオの耳に触れる。
「みゅっ」
ぴくん、とキオが身をすくませた。いつも引っ張ってばかりだからなぁ。
俺は安心させるようにウサミミをそっとくすぐってやる。
うむ、もふもふしていて触り心地がいい。
キオはうっとりと目を細めて、大人しくされるがままになる。
穏やかに流れる食後の時間。
どれくらいそうしていただろうか、気がつくとキオはなんだかもじもじとしていた。
「どうかした？」
「ええっと、あの。なでなでされてたら、急に胸がドキドキしてきて」
ころんと転がり、いきなり股を開いてみせてくる。
「おまんまん、火照ってきちゃいました」
毛皮の中に埋もれていた裂け目があらわになった。
そして、割れ目の縁沿いに生えている毛は、しっとりと液体で濡れていた。
「き、キオ・・・？」
これは、あれか。あれですか。
もしかして、発情させてしまいましたか。
「こんなの初めてです。頭真っ白で、とっても切なくて」
交尾交尾と言っていたくせに、発情は初めてなのかよ。
俺はこのまま勢いに任せて、彼女を抱いてしまっていいものか逡巡する。
好きでもない子とセックスはしたくはない。
でも、俺はきっともうキオの事が好きになっている。
魔物でせっかちでド直球でアホの子だけど、可愛くて働き者で、料理が上手くて、一緒にいて安らげて。
だったら、迷う事はない、か。
「ロディさぁん・・・」
「キオ、交尾しようか」
潤んだ瞳で見上げてくるキオに俺はほほえみかけた。
俺は座ったままキオを後ろから抱きかかえ、彼女の肉裂の中へ指を差し入れた。
正直、俺も経験が無いのでどうやればいいのか分からない。
とりあえず、ビラビラしたものを弄くり回してみた。
「んんっ、んんんんんー・・・」
キオが何かを我慢するような鼻声をあげる。
こんな感じでいいのか。続けてみよう。
多分膣穴と思われるところからあふれ出てくる粘液を、擦り付けるように指を動かす。
「みひゃあぁぁぁぁぁ。それ、いいですぅ」
「ほんと素直だなあ、キオは」
「はあ、はあ、だ、だって、あ、ひゃあっ！」
指先がコリっとしたものに触れたとたん、キオの身体が跳ね上がった。
おお、これが話に聞くクリトリスというものか。
「ああああああああぅっ！」
その豆のようなものをつまんでみると、キオは失神しそうなほど悲鳴を上げた。
「すまん、強すぎたか」
「はあ、はあ、平気、です。びっくりしただけ」
もう少し優しいめの方が良さそうだ。力加減が難しいもんだな。
今度は指の腹を使ってそっと摩擦してみる。
「どうかな」
「んっ、ふぅ、はぁぁ。これ、いいです、くふぅ」
クリトリスを責めたせいか、膣からはかなりの量の露が漏れ出ている。
試しに指を膣に入れようとしたら、すんなりと飲み込まれた。
ふにゃふにゃでぬるぬるした感触に俺は感動する。
「ここに、おちんちん入れてくれって、キオはずっと言ってきたわけか」
我ながらちょっと意地悪な事を言ってみた。
「あっ、やっ、知らなかったんです、んんっ、こんな、ぞくぞくするなんて」
「だろうな」
膣の中をかき回してみると、きゅうっと内壁がすぼまってくる。
くちくちくち、と粘っこい音が俺たちの興奮を煽る。
それに、立ちこめるメスの匂いに、オスの本能が呼び覚まされてきた。
俺は人差し指を入れたまま、親指でクリトリスをぷるぷると揺らす。
「んあああっ、あああっ、キオ、キオ、なんかヘン、ひゃあうぅぅっ」
キオが身もだえし、自分からあそこを俺の指にこすりつけてきた。
「あふ、みきゅうっ、んあうっ、あ、ああああああーーーーっ！」
ひときわ高いあえぎと共に、キオが身体をのけぞらせる。
膣内の指は強く締め付けられ、ひくんひくんと膣壁が蠕動するのを感じた。
しばらくして、がくんとキオの力が抜け俺にもたれかかってくる。
「はあはあはあはあ、はあ、はあ、弾けちゃうかと、思いました」
女の子がイくとあんな感じになるのか。なんか男よりも気持ちよさそうだった。
「でもまだ本当の交尾じゃ、ないんですよね」
「ああ、まあ、そうだが。休まなくていいか？」
「だいじょぶです。・・・キオのおまんまん、早くロディさんのおちんちんを欲しい欲しいって言ってます」
「ったく、少しはデリカシー持てよな」
「へへ。でも、ロディさんのおちんちんもこんなになってるですよ」
そう言って、キオが後ろ手に俺のペニスを握ってきた。
確かに俺のペニスは、キオと、この雌兎と交わりたいとカチコチに硬くなっている。
「ばれちゃあしょうが無い」
俺は苦笑してキオを抱きしめてベッドに倒れ込んだ。
丸くてふわふわの尻尾を突き出して、キオが四つん這いになる。
俺はそのキオのお尻を両手でつかみ、あそこを割り広げた。
雪のように白い毛皮と、ピンクの肉の色のコントラストが妖しい美しさを醸し出している。
膝立ちになった俺は、濡れぼそった陰唇に亀頭をこすりつけて愛液を絡ませた。
「じゃあ、いくぞ」
「はい、ロディさん」
膣口と亀頭の位置を合わせ、腰を突き出すと共にキオのお尻を引き寄せる。
ずりゅん、と思ったよりもあっけなくペニスが飲み込まれていった。
「ふああああ、んあっ、入って、きたぁっ！」
「くうっ、すごっ・・・！」
熱い、と最初に感じた。それから、狭いと。
「はあはあ、んんっ、んはあ、これが、交尾なんだぁ」
堪えるような声でキオが言う。
「痛くないか？」
「ちょっと、きついかも。だけど、なんだかすっごく、嬉しいです」
「うん。嬉しいな」
ペニスをぎゅうぎゅうに締め付けてくるキオの膣。
竿の根元を柔らかく受け止めるキオの恥丘。
足やお腹に触れる温かくふかふかのキオの毛皮。
そして何より、互いを好きでたまらないという心。
これらが全てあってこそ、この幸福感となるのだろう。
それとは別に、この胎内に思いっきり射精したいという欲動がむくむく芽生えてくる。
当然だ。交尾は繁殖行為なのだから。
「動くよ、キオ」
そう声をかけて、俺は腰を前後に動かし始める。
「あっ、んんああっ、ふっ、ロディさ、あうっ、はっ、はっ、みきゅうっ！」
動かすたびに膣襞がうごめき、ペニスに快感が走った。
「ふううっ、くっ、いいな。キオの中、すごくいいぞ」
「はあ、はあ、だから、ずっと、ああっ、交尾しましょうって、んはあっ、言ってたじゃないですか」
勝ち誇ったようにキオは言う。
「普通はなあっ」
俺は一旦ペニスを引き抜き、キオの身体をぐるんと半回転させる。
すぐさま、にゅるりともう一度挿入してキオに覆い被さった。
「ふあっ！？ん、ちゅっ、んん、ちゅ」
キオの薄桃色の唇に吸い付くように唇を重ねる。
「こんな風に、キスしたりして、気持ちを確かめ合って、徐々に仲良くなるもんなんだよ」
「んあぅ、んちゅ、くちゅ、キオの気持ちは、ちゅっ、んふ、最初からロディさん大好きでしたよぅ。ん、ちゅる、ぢゅうぅ」
キオは自分から俺の舌を吸い始める。
頭と下半身、それぞれで身体の内部を触れ合い、感じ合う。
「俺だって、お前のこと、はあ、はあ、わりと早くから好きだったさ」
はむっ、と俺はキオの耳を甘噛みした。
「ああ、ほんと卑怯だよ。こんな可愛い兎耳してさ」
「やあっ、耳は敏感って、あうっ、ひゃあああ」
長い耳に沿って舌を這わせ、わざと音を立てながら耳の穴に舌先をねじ込む。
きゅきゅっと膣が反応してペニスをさらに締めつけ、奥へ奥へと導いてきた。
これ以上無いほど膨張した俺のペニスは、キオの一番深いところを突き上げる。
「うああ、キオ、俺そろそろ限界だっ」
無意識に腰を振る速度と挿入の深さが上がっていく。
「はあああん、ロディさん、キオも、キオもーっ！あ、あああああああああぅっ！」
「く、ああっ、キオぉぉぉぉっ！」
どびゅどびゅどびゅっ！
キオの膣がぎゅむぎゅむっと激しく収縮し、俺はたまらず膣内に射精した。
理性の歯止めも利かず、子宮の中へと余すところなく精子を放出する。
やがて絶頂の波が引いて行く中、俺はひたすらキオを抱きしめ続けた。
「これで、キオはお嫁さんですか？」
行為の余韻に浸っていたところ、俺の腕の中で丸まっていたキオが問いかけてきた。
「交尾したからって即結婚ってわけじゃないぞ」
「えー」
「・・・そんな顔するな」
俺はキオの頭をそっと撫でる。
「ちゃんと結婚式挙げてからだ」
「！ えっへへー」
ふにゃりと蕩けたような笑顔を見せるキオ。
この顔が見れるなら、人参なんていくらでも食べさせてやるさ。
それこそ、一生な。
「ねー、交尾しましょうよ。交尾ー。いいじゃないですかぁ。交尾しーてくーださーい」
俺が収穫作業をしている横で手伝いながら、ウチの嫁さんはわめき続けていた。
「あのな、毎日毎日、朝昼晩と求めてくるんじゃねえよ！身体保たねえよ！自重しろよ！」
初めて結ばれたあの日から、キオはずっとこの調子である。
半分ウサギなだけに、ものすごい性欲の持ち主だったのだ。
しかも、魔物の魔力なのか俺まで異常な精力が身についてしまった。
とはいえさすがに、この頻度はありえない。
「結婚して人参食べ放題で、それでいいんじゃなかったのかよ」
「交尾がこんなに気持ちいいって知っちゃったら、人参と同じくらい我慢出来ないでーす」
と、ぴょんこぴょんこ俺の周りを跳ね回る。
その仕草がまた愛らしくて・・・。
「ああもうっ。こうなったら、足腰立たなくなるまでヒーヒー言わせてやるっ！」
「わーい、ロディさん大好き−」
早朝の人参畑で、俺たちは愛を交わし始める。
こりゃ、早々に畑を広げて、増えまくるであろう家族の食い扶持を稼がなきゃいけないな・・・。
おわり
布団を引っぺがされ、俺はまどろみの中から強制帰還させられた。
「ロディさん、おはようございますです！」
この朝っぱらからハイテンションな娘はキオ。
純白色のショートカットに大きな垂れ耳が印象的なワーラビットだ。
キオはベッドの上の俺にのしかかり、くるくる動く純真な瞳で俺を見つめてくる。
「さあさあ、ロディさんの朝勃ちをキオが鎮めてみぎゅ」
俺は無言でキオの耳を左右に引っ張った。
話は数週間前にさかのぼる。
「人参農家のロディさんですね！ お願いがありますっ！」
「お願い？」
町へ人参を出荷しにいったとき、往来でいきなり声をかけられた。
そのウサギの獣人──ワーラビットは、ぴょんこぴょんこ近寄って来て頭を下げる。
「キオと交尾してくださいっ！」
「・・・・・・はい？」
一瞬思考が停止する。
「だから、交尾です。交尾」
「え、ちょっと、交尾ってあの交尾？」
「はいっ！おちんちんをおまんまんに・・・」
「い、いやいや、説明はいいから」
「あ、ニンゲンは交尾のこと別な言い方するんですよね。えーと、セックス？そう、セックスしてください！セックもごもご」
往来で卑猥な発言を続けるキオの口をふさぎ、俺は人気の無いところへ彼女を連れて行った。
「一体何なんだ！魔物とはいえストレートすぎるぞ！」
「キオ、ロディさんのお嫁さんになりたいんです！」
どうやら、彼女の中では交尾イコール結婚と色々すっ飛ばされているらしい。
「人参農家のお嫁さんになれば人参食べ放題かなあって」
そして実に短絡思考である。
「この前、ロディさんが作った人参食べたんですけど、信じられないくらいおいしかったんです！人参界のパラダイムシフトです！あんな人参を毎日食べれればなあって思うと、いても立ってもいられなくて！」
自慢の野菜の出来を褒められるのは悪い気はしない。
だが、それとこれとは別である。俺の人生設計には、下半身が毛皮に包まれてる魔物娘と結婚するという項目はなかった。
「だから交尾してください♪」
「お断りだ」
俺はしつこく食い下がるキオを置いて、逃げるように町をあとにした。
荷馬車を飛ばし、ようやく家に帰り着く。
「やれやれ、とんでもない魔物もいたもんだなぁ」
野に咲く花のような鮮やかな笑顔で、高原を吹く風のごとく爽やかな声で、交尾しましょうときたもんだ。
こういうことはサキュバスでさえ、もう少し婉曲に誘うものなんじゃないのか。遭ったことないけど。
悪い子ではなさそうだが、あれが本気なら少し、いやかなりアホの子である。
「口さえ開かなきゃ、結構可愛いかったんだがなぁ」
「えへへー、照れちゃいます」
「おわぁ！」
荷台から声をかけられ、俺は口から心臓が飛び出るほど驚いた。
振り返ると、さっきのワーラビットがいつの間にか荷台に載っている。
「おまっ、どうやって」
「普通に走って追いつきました！」
さすがはウサギ脚ということか。
「ここがロディさんのおうちですか。おうちで交尾する派だったんですね！」
「だからしないって！・・・・・・ん？」
そのとき、この辺りで手紙や荷物などを運んでいるハーピィが舞い降りてきた。
「ちわー、シルク運送便っス！小包を届けに来たっス！」
「ちょうどよかった。銀貨５枚でこのワーラビットを港町まで運んでやってくれ。迷子らしい」
俺は懐から小銭を取り出して言った。
「あいあいさー！」
ハーピィのシルクはキオをかぎ爪でつかむ。
「わわっ、キオは迷子じゃないです！」
「家出したらしくて、帰るのを嫌がるかもしれないが、親が心配している。しっかり送り届けてくれ」
適当な嘘を並べ立てる。
「了解ッスー」
迅速配達がモットーのシルクは、暴れるキオをものともせず大空へと舞い上がっていった。
翌朝。
夜明け頃から人参の収穫をしていたところに彼女は再び現れた。
「はぁ、はぁ、キオは諦めませんよっ。さ、さあ交尾を」
港町からずっと走ってきたのか、ヨロヨロのフラフラである。
というか軽く二十里はあるぞ。ガッツだけはすさまじいな。
「まあ、とりあえず取れたての人参でも食って一息つけ」
見かねて俺は人参を一本差し出した。
「はううっ、ロディさんの人参！」
キオは土がついたままのそれをカリコリカリコリ猛烈な勢いで食べる。
「ああああ、舌の上でしゃっきりぽんと踊りますぅ」
意味が分からない。
彼女の食いっぷりが気に入った俺は、さらに二本提供する。
「まさに甘露！まさに滋味！たまんないですぅぅぅ」
「そうかそうか。じゃあお土産もあげよう」
かごにいっぱいの人参を渡してやる。
「ありがとうございます！ありがとうございますっ！」
「じゃあ、元気でなー」
「はーい」
お土産を手に、キオはにこにこ顔で去って行った。
・・・・・・ちょろいな。
その数日後。
「なかなかやりますね！ロディさん！こうもキオを欺くとは！」
適当にあしらわれたことにようやく気づいたキオが押しかけてきた。
「満足して帰ったんじゃないのかよ」
「キオの夢は一生人参パラダイスですっ！あんだけじゃ全然足りません！」
「そうか。今年は豊作だしもっと持っていくか」
「えっ、ほんと・・・じゃなくて！」
さすがに今度は騙されなかった。
「お嫁さんになるんです！だから交尾するんです。交尾交尾ー」
「あーもーうるさいっ！」
それ以来、キオはたびたび現れては、交尾をしろと迫って来るようになってしまった。
今日もまた、俺が農作業している後ろでセックスに誘おうと手を尽くしていた。
「赤ちゃん作りましょうよぅ」
「俺、魔物と子作りする気無いから」
ちなみに一度、無理矢理押し倒そうとしてきたが、耳を縛り上げて外に放り出して以来それは慎むようになった。
「男の人って年中セックスのこと考えてるって聞きましたけど」
「だからって直球過ぎると引くわ」
「・・・もしかして、ロディさんインポみぎゅ」
「違うわ」
たわけたことを抜かすキオの耳を雑巾のようにねじりあげる。
そりゃ、他の男なら女の子から誘われたら、ここぞとばかりにやっちまうのかもしれない。
酷い奴ならヤリ逃げなんてこともするだろう。
でも俺は、本気で好きになった相手としか、そういうことをしたくない。
そんな考えだからいつまで経っても独身なのかもしれないが・・・。
「いたいですいたいですぅ」
「ああ、すまん」
物思いにふけってつい力を入れすぎてしまった。
「もー、耳は敏感なんですよ」
「・・・なあ、お前は本当に人参だけで俺の嫁になりたいのか？」
ふと気になってキオに尋ねてみる。
「もし、俺が非道い男だったらどうするんだ？」
「うーん？キオはロディさんすごく優しい人だって知ってますよ」
「そうか？」
正直、たまに人参をあげているくらいしか心当たりがない。むしろ嫌われそうな事ばかりしている気がするが。
「ロディさんのつくる人参って、すごく愛情たっぷり注がれてる味がするんです」
そう言って、キオは両手で胸を押さえた。
「とっても心が優しい人だけです、あんな人参作れるの。ウサギは敏感だから分かるのです」
だから、と上目遣いで俺を見つめてくる。
「ロディさんの愛情、もっとずっと味わいたいなって」
その言葉と眼差しに、俺の心臓がきゅっと締め上げられた。
なんだ、俺、今こいつのこと抱きしめたいとか考えてる！？
「キオ、お前・・・」
「というわけで、さっさとずっこんばっこん交尾しみぎゅ」
「空気読めぇーっ！」
「いたたたたたたた！」
「あー、なんか今日は妙に疲れた」
キオのことを変に意識してしまってから、どうも作業に集中できない。
畑の雑草取りなどはキオも手伝ってくれたので、今日の分は終わらせることが出来たが・・・。
交尾交尾と騒がしいことを除けば、案外キオは働き者だった。
人参畑をぴょこぴょこ跳ね回る姿もなかなか愛嬌がある。
農家の嫁としては、いい線行っているかもしれない。
「仕事も終わったことですし、なあ・・・スケベしようや・・・」
「キモいわ！」
これさえなければ、だが。
「はあ、まあいいや。バイト代ってわけじゃないが、また人参食べてくか」
「うわーい♪」
両手を万歳して喜ぶキオ。
「そうだ、今日はキオがご飯作るです」
「お前が？」
「生もいいですけど、人参の真価は加熱してこそ発揮されるのです。キオがいかに人参に命かけてるか見せてあげましょう！」
そこまで言うなら、と俺はキッチンをキオに任せてみることにした。
「さあ、召し上がれ！」
キオは手際よく料理を仕上げると、上機嫌で食卓に並べた。
野菜炒めにリゾット、それに温野菜サラダもついている。当然ながら全部人参がたっぷりだ。
「おお、なかなかいいじゃないか。いただきます」
俺はリゾットを一口食べる。
「・・・んまい！」
すり下ろした人参の風味がご飯と絶妙に調和している。
野菜炒めもシャキシャキしていてちょうどいい火の通り具合だ。
それぞれ工夫が凝らされていて、人参ばかりでも飽きが来ない。
「驚いたな。すごいじゃないか」
料理をパクつく俺を、キオはにこにこ顔で眺めている。
「なんか嬉しいです。ロディさんがおいしそうに食べてくれるの」
「み、見てないで自分も食えよ」
「えへへー」
「やー、満足満足」
食事を堪能し終えて、俺はカウチに寝転がった。
洗い物を終えたキオも、俺の隣で床の上のクッションに座る。
「それにしても予想外だったな。あんなに美味いなんて」
せっかちなキオのことだ、てっきり生焼け生煮えが出てくるかと思ってたんだが。
「ロディさんの野菜がいいからですよ」
珍しく照れた様子でキオはうつむく。
「その素材の味を引き出したのはお前じゃないか」
と、俺はキオの頭に手を置いた。
「俺の野菜、あんな底力があったんだなぁ。自信がついたよ。ありがとうな」
グシグシと髪の毛を撫でてやる。
「・・・へへー。もっとほめてー」
キオはそう言って頭をすり寄せてきた。
なんだか犬か猫みたいだ。いや、ウサギだったか。
撫でているうちに、俺の手がキオの耳に触れる。
「みゅっ」
ぴくん、とキオが身をすくませた。いつも引っ張ってばかりだからなぁ。
俺は安心させるようにウサミミをそっとくすぐってやる。
うむ、もふもふしていて触り心地がいい。
キオはうっとりと目を細めて、大人しくされるがままになる。
穏やかに流れる食後の時間。
どれくらいそうしていただろうか、気がつくとキオはなんだかもじもじとしていた。
「どうかした？」
「ええっと、あの。なでなでされてたら、急に胸がドキドキしてきて」
ころんと転がり、いきなり股を開いてみせてくる。
「おまんまん、火照ってきちゃいました」
毛皮の中に埋もれていた裂け目があらわになった。
そして、割れ目の縁沿いに生えている毛は、しっとりと液体で濡れていた。
「き、キオ・・・？」
これは、あれか。あれですか。
もしかして、発情させてしまいましたか。
「こんなの初めてです。頭真っ白で、とっても切なくて」
交尾交尾と言っていたくせに、発情は初めてなのかよ。
俺はこのまま勢いに任せて、彼女を抱いてしまっていいものか逡巡する。
好きでもない子とセックスはしたくはない。
でも、俺はきっともうキオの事が好きになっている。
魔物でせっかちでド直球でアホの子だけど、可愛くて働き者で、料理が上手くて、一緒にいて安らげて。
だったら、迷う事はない、か。
「ロディさぁん・・・」
「キオ、交尾しようか」
潤んだ瞳で見上げてくるキオに俺はほほえみかけた。
俺は座ったままキオを後ろから抱きかかえ、彼女の肉裂の中へ指を差し入れた。
正直、俺も経験が無いのでどうやればいいのか分からない。
とりあえず、ビラビラしたものを弄くり回してみた。
「んんっ、んんんんんー・・・」
キオが何かを我慢するような鼻声をあげる。
こんな感じでいいのか。続けてみよう。
多分膣穴と思われるところからあふれ出てくる粘液を、擦り付けるように指を動かす。
「みひゃあぁぁぁぁぁ。それ、いいですぅ」
「ほんと素直だなあ、キオは」
「はあ、はあ、だ、だって、あ、ひゃあっ！」
指先がコリっとしたものに触れたとたん、キオの身体が跳ね上がった。
おお、これが話に聞くクリトリスというものか。
「ああああああああぅっ！」
その豆のようなものをつまんでみると、キオは失神しそうなほど悲鳴を上げた。
「すまん、強すぎたか」
「はあ、はあ、平気、です。びっくりしただけ」
もう少し優しいめの方が良さそうだ。力加減が難しいもんだな。
今度は指の腹を使ってそっと摩擦してみる。
「どうかな」
「んっ、ふぅ、はぁぁ。これ、いいです、くふぅ」
クリトリスを責めたせいか、膣からはかなりの量の露が漏れ出ている。
試しに指を膣に入れようとしたら、すんなりと飲み込まれた。
ふにゃふにゃでぬるぬるした感触に俺は感動する。
「ここに、おちんちん入れてくれって、キオはずっと言ってきたわけか」
我ながらちょっと意地悪な事を言ってみた。
「あっ、やっ、知らなかったんです、んんっ、こんな、ぞくぞくするなんて」
「だろうな」
膣の中をかき回してみると、きゅうっと内壁がすぼまってくる。
くちくちくち、と粘っこい音が俺たちの興奮を煽る。
それに、立ちこめるメスの匂いに、オスの本能が呼び覚まされてきた。
俺は人差し指を入れたまま、親指でクリトリスをぷるぷると揺らす。
「んあああっ、あああっ、キオ、キオ、なんかヘン、ひゃあうぅぅっ」
キオが身もだえし、自分からあそこを俺の指にこすりつけてきた。
「あふ、みきゅうっ、んあうっ、あ、ああああああーーーーっ！」
ひときわ高いあえぎと共に、キオが身体をのけぞらせる。
膣内の指は強く締め付けられ、ひくんひくんと膣壁が蠕動するのを感じた。
しばらくして、がくんとキオの力が抜け俺にもたれかかってくる。
「はあはあはあはあ、はあ、はあ、弾けちゃうかと、思いました」
女の子がイくとあんな感じになるのか。なんか男よりも気持ちよさそうだった。
「でもまだ本当の交尾じゃ、ないんですよね」
「ああ、まあ、そうだが。休まなくていいか？」
「だいじょぶです。・・・キオのおまんまん、早くロディさんのおちんちんを欲しい欲しいって言ってます」
「ったく、少しはデリカシー持てよな」
「へへ。でも、ロディさんのおちんちんもこんなになってるですよ」
そう言って、キオが後ろ手に俺のペニスを握ってきた。
確かに俺のペニスは、キオと、この雌兎と交わりたいとカチコチに硬くなっている。
「ばれちゃあしょうが無い」
俺は苦笑してキオを抱きしめてベッドに倒れ込んだ。
丸くてふわふわの尻尾を突き出して、キオが四つん這いになる。
俺はそのキオのお尻を両手でつかみ、あそこを割り広げた。
雪のように白い毛皮と、ピンクの肉の色のコントラストが妖しい美しさを醸し出している。
膝立ちになった俺は、濡れぼそった陰唇に亀頭をこすりつけて愛液を絡ませた。
「じゃあ、いくぞ」
「はい、ロディさん」
膣口と亀頭の位置を合わせ、腰を突き出すと共にキオのお尻を引き寄せる。
ずりゅん、と思ったよりもあっけなくペニスが飲み込まれていった。
「ふああああ、んあっ、入って、きたぁっ！」
「くうっ、すごっ・・・！」
熱い、と最初に感じた。それから、狭いと。
「はあはあ、んんっ、んはあ、これが、交尾なんだぁ」
堪えるような声でキオが言う。
「痛くないか？」
「ちょっと、きついかも。だけど、なんだかすっごく、嬉しいです」
「うん。嬉しいな」
ペニスをぎゅうぎゅうに締め付けてくるキオの膣。
竿の根元を柔らかく受け止めるキオの恥丘。
足やお腹に触れる温かくふかふかのキオの毛皮。
そして何より、互いを好きでたまらないという心。
これらが全てあってこそ、この幸福感となるのだろう。
それとは別に、この胎内に思いっきり射精したいという欲動がむくむく芽生えてくる。
当然だ。交尾は繁殖行為なのだから。
「動くよ、キオ」
そう声をかけて、俺は腰を前後に動かし始める。
「あっ、んんああっ、ふっ、ロディさ、あうっ、はっ、はっ、みきゅうっ！」
動かすたびに膣襞がうごめき、ペニスに快感が走った。
「ふううっ、くっ、いいな。キオの中、すごくいいぞ」
「はあ、はあ、だから、ずっと、ああっ、交尾しましょうって、んはあっ、言ってたじゃないですか」
勝ち誇ったようにキオは言う。
「普通はなあっ」
俺は一旦ペニスを引き抜き、キオの身体をぐるんと半回転させる。
すぐさま、にゅるりともう一度挿入してキオに覆い被さった。
「ふあっ！？ん、ちゅっ、んん、ちゅ」
キオの薄桃色の唇に吸い付くように唇を重ねる。
「こんな風に、キスしたりして、気持ちを確かめ合って、徐々に仲良くなるもんなんだよ」
「んあぅ、んちゅ、くちゅ、キオの気持ちは、ちゅっ、んふ、最初からロディさん大好きでしたよぅ。ん、ちゅる、ぢゅうぅ」
キオは自分から俺の舌を吸い始める。
頭と下半身、それぞれで身体の内部を触れ合い、感じ合う。
「俺だって、お前のこと、はあ、はあ、わりと早くから好きだったさ」
はむっ、と俺はキオの耳を甘噛みした。
「ああ、ほんと卑怯だよ。こんな可愛い兎耳してさ」
「やあっ、耳は敏感って、あうっ、ひゃあああ」
長い耳に沿って舌を這わせ、わざと音を立てながら耳の穴に舌先をねじ込む。
きゅきゅっと膣が反応してペニスをさらに締めつけ、奥へ奥へと導いてきた。
これ以上無いほど膨張した俺のペニスは、キオの一番深いところを突き上げる。
「うああ、キオ、俺そろそろ限界だっ」
無意識に腰を振る速度と挿入の深さが上がっていく。
「はあああん、ロディさん、キオも、キオもーっ！あ、あああああああああぅっ！」
「く、ああっ、キオぉぉぉぉっ！」
どびゅどびゅどびゅっ！
キオの膣がぎゅむぎゅむっと激しく収縮し、俺はたまらず膣内に射精した。
理性の歯止めも利かず、子宮の中へと余すところなく精子を放出する。
やがて絶頂の波が引いて行く中、俺はひたすらキオを抱きしめ続けた。
「これで、キオはお嫁さんですか？」
行為の余韻に浸っていたところ、俺の腕の中で丸まっていたキオが問いかけてきた。
「交尾したからって即結婚ってわけじゃないぞ」
「えー」
「・・・そんな顔するな」
俺はキオの頭をそっと撫でる。
「ちゃんと結婚式挙げてからだ」
「！ えっへへー」
ふにゃりと蕩けたような笑顔を見せるキオ。
この顔が見れるなら、人参なんていくらでも食べさせてやるさ。
それこそ、一生な。
「ねー、交尾しましょうよ。交尾ー。いいじゃないですかぁ。交尾しーてくーださーい」
俺が収穫作業をしている横で手伝いながら、ウチの嫁さんはわめき続けていた。
「あのな、毎日毎日、朝昼晩と求めてくるんじゃねえよ！身体保たねえよ！自重しろよ！」
初めて結ばれたあの日から、キオはずっとこの調子である。
半分ウサギなだけに、ものすごい性欲の持ち主だったのだ。
しかも、魔物の魔力なのか俺まで異常な精力が身についてしまった。
とはいえさすがに、この頻度はありえない。
「結婚して人参食べ放題で、それでいいんじゃなかったのかよ」
「交尾がこんなに気持ちいいって知っちゃったら、人参と同じくらい我慢出来ないでーす」
と、ぴょんこぴょんこ俺の周りを跳ね回る。
その仕草がまた愛らしくて・・・。
「ああもうっ。こうなったら、足腰立たなくなるまでヒーヒー言わせてやるっ！」
「わーい、ロディさん大好き−」
早朝の人参畑で、俺たちは愛を交わし始める。
こりゃ、早々に畑を広げて、増えまくるであろう家族の食い扶持を稼がなきゃいけないな・・・。
おわり
12/06/09 12:56更新 / スノッリ