連載小説
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始まり始まり

よく、ドラゴンなどを妻にすると尻にしかれるとか言われている
というか魔物娘を妻にする時点で末期なんて言われたこともある
たがこれだけはいいたい
家の妻はそんなんじゃねーからっ!
魔物娘を妻にしないで後悔するのお前らだからっ!
・・・ということDA
「あっ、旦那様」
「なんだうぃ!?」
・・・こほん、緊張で噛んでしまった
「あ、あのー、・・・どこかお体が悪いのですか?」
僕の下半身はいつでもイマージャンシー!
という言葉は全力でふせておこう
さて私の妻、リーファである
白髪で、赤の翼、尻尾、あぁ〜
ヴ、ヴンッ!
この子はワイバーンにしては珍しく、非常に優しく、献身的な子だ
そう、ドラゴンといえば・・・
口が悪い
面倒臭い
傲慢
だけど、ワイバーンなら・・・
特殊な条件の彼女なら・・・
「・・・旦那様?」
「ごめんシルフィ、少し考え事をね、・・・というよりちょっと喫茶店での接客の練習をね」
「接客の練習をしてたんですか?」
「うん(大嘘)」
こんな、メイド喫茶でもしないことを・・・
「へへっ、旦那様、努力している姿は素敵です!」
あぁ〜、信じちゃうんだなこれがぁ〜(恍惚)


考え事、というのは
彼女の過去についてだ
おそらく、卵から孵化させられた方だろう
・・・それも、今は思い出してはいけないのかもしれない
俺は竜騎士の家系だった
竜騎士とは竜に跨が空を飛び特殊なスーツを着て、マッハ15にも耐え
戦闘機なんかは特殊な銃で一発
敵の追尾ミサイルなどは華麗に回避、そもそも当たっても大したダメージも受けない
おまけに地上には空爆ならぬ空から竜に火を吹かせて燃やすなど
魔物を従えるだけあって、なること+犠牲者が増えることも多い分、とても大切な戦力だったらしい
そもそも、俺がいまいる国以外では魔物は奴隷のようなもんだ、ろくに扱われちゃいないのかもしれない
その中でも、俺はエリート的存在に位置していた
・・・どうでもいいことだったが、ワイバーンを手懐けることができてしまい、おまけに騎乗訓練も簡単にこなせる才能があった
だが戦うことは好きではない
むしろ、こんな風に空を飛べるのが好きだった
しかし面倒な事に、嫌なことに戦争が起きて
俺はもれなく徴兵されることとなる
その時まで竜の姿の彼女と一緒にいたわけなのだが
戦いたくないこと、人の為に尽くしたいこと
この事を伝えると・・・
「何故逃げないんですか?」
竜が喋ったのだ
「・・・シャベッタァァァァァ!」
「きゃぁっ!す、すいません、すいません!今人の姿に成りますので・・・」
「チラッ、ギャァァァァ裸ダァァァァァァ!これ着ろこれ!」
眠るのに使っていた毛布をなげ、彼女をくるませる
「・・・あのぉ、もう、大丈夫・・・ですよ?」
「人?」
「魔物娘とかって言われてます」
聞いたことがある
その頃の俺は魔物を良く思っちゃいなかった
敵、もしくは奴隷、そんな所だ
だけど、彼女をそうは思えなかった
いつも一緒に飛んでいて
それでもって、彼女も・・・竜の時ではあるが飛んでいる間は楽しそうだったからだ
「・・・逃げたいよ、・・・あぁ、もう一度だけ君と空を・・・、死地ではなくて、青空を自由に飛びたいなぁ」
「なら・・・、なおさら逃げましょう!」
ガシッと手を掴む
ギャァァァァダカラハダカヲミセルナァァァァァァ!!!
「・・・そんなこと」
必死に目をそらすので、彼女はあわてて毛布に包む
「できます!私ならーー、私ならできます!」
そうだった
彼女ならできる、ワイバーンなら下手な航空戦力は追えないし、何しろ俺は演習で同じワイバーン五機と乱戦をしても切り抜けられる実力がある
・・・上手くいけばーー


そして、夜
俺は積めるだけの金になるものを積み
彼女と逃げ去った
行き先はーー




「・・・旦那様、今日は休みの日です」
「うん、そうだな」
「・・・ぎゅぅー」
強く、何かを惜しむように抱き締めてくる
「・・・いつもありがとう、こんな俺だけとこれからもーー」
すると、彼女はきゅっと尻尾を巻く
「よろしく、ですか?ふふっ、・・・ずっとずっと一緒にいましょう、・・・あの頃なんて忘れていいんです、貴方が朽ち果て私も朽ち果てるその時まで、私は愛し続けます、・・・絶対です!」
いつかまた、連れ去られるのかもしれない
でも今は・・・
「ウォォォォォォォォォォーー!!マーいはぁにぃぃぃぃ!!!」
今だけは、・・・こんな調子でいたい
「きゃぁっ!?」
彼女を押し倒した
そして、キスをする
「んっ、・・・だんな、さまぁ?」
今日は休みの日をたっぷりとつかおう
新婚生活は・・・、始まったばかりなのだから
17/03/28 19:13更新 / もっち
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■作者メッセージ
・・・・世界観崩壊していると気づいたそこの君、うん、正解なんだ、済まない
楽しんで頂けましたか?楽しんで頂けたのならば幸いです

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