読切小説
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嘘つき狸の訪問販売
『コンコン コンコン』

玄関の扉をノックする音が俺の家に響く。

「眠い・・・こんなに朝早くから誰だろう?」

寝起きで重い体をベッドから起こし、玄関に近づく。全く誰が訪問して来たか見当がつかない。田舎の母さんや父さんは来る前に必ず一報入れてくれるし、俺には友人はあまりいないしな。誰だろうか?
そう思っていると扉の向こうから可愛らしい声が聞こえて来た。

「すみませ〜ん 訪問販売ですぅ〜 開けてくださ〜い」

なるほど訪問販売か、それなら何ら不自然じゃないな。ちょうど今日、近くの王国の市場に買い物に行こうと思っていたし、ここで、今ある程度目当ての物を買えれば買い物からの帰りが楽になるしな。

俺は扉を開けた。が、それが間違いだった。

『ガチャ』

「ありがとうございますぅ〜 」

俺は固まった。てっきり人間の女性がいると思っていたのに、そこには狸の魔物がいた。確かこいつは・・・刑部狸だったか。

「どうも〜 刑部狸のアカリですぅ〜 よろしくお願いしますぅ〜」

やはり刑部狸だったか・・・。まあいいか訪問販売には変わらないし、とりあえず買い物するか・・・

「あれ?驚かないんですか?」

刑部狸がキョトンとした表情で俺に問う。お前は俺を驚かしたかったのか?

「まあ、この俺の家の近くには色んな魔物がいるので。今更驚かないです。」

俺は答える。刑部狸はなるほどといった表情をする。その顔が少し可愛かったのは内緒だ。

「なるほど、ところで『キノコの森三丁目一番地二号の』クレイさん?」

ご丁寧に俺の住所までありがとう。何故知ってるんだ?怖いぞ、刑部狸。おい、そのドヤ顔をやめろ。どうせ王国の国民管理所に行ったんだろう。あそこにはこの近辺の住人のことも記録されてるからな。

「あれ?どうして分かったんだ?って顔してますね?教えてあげましょうか?んふふ」

いや、していないぞ。
刑部狸はニコニコ笑いながら言う。

「王国の国民管理所へ行ってきたんですよ〜。そこで教えてもらいました。えへへ」

だから知ってる。

「訪問販売なんだから早く物を売って下さい。買いますから」

俺はぶっきらぼうに答える。
その瞬間笑顔から一変、鋭い目つきに変わった。

「ああ、私もこんな下らない話を長々とするつもりではなかったよ。さあ、欲しい物は何だい?」

いきなりの変わりように今度は俺がキョトンとした。
さっきまでのは嘘だったのか?

「おや?驚いた顔をしてどうしたんだい? あー、さっきまでのは俗にいう営業スマイルとかいうやつの類いだ。そのままの方が良かったか?」

態度が違いすぎるぞ刑部狸。
これならさっきのほうがまだマシだ。しかし、今更言えない。とりあえず買い物するか。

「いや、そのままで結構。とりあえず買わせてください、果物、野菜、薬草が欲しいのですがありますか?」
「あー、薬草は前行った国で売り切れたよ。」
「じゃあ果物は?」
「すまん、10分前にここに来る途中で食べた。」
「野菜は?」
「大分前に野うさぎにあげたから無いね」
「何もねぇ!」

思わずつっこんでしまった。じゃあその背中に背負ったカゴには何が入ってるんだ?
俺は刑部狸が背負ってるカゴを指差す。

「ああ、この中かい?媚薬しか入ってないよ。どうだい一緒に?」
「いや、酒じゃないんだから・・・」

何てこった、嫌な予感しかしないぞ。

「刑部狸さん。あんた何しにこんな所まで来たんです?」
「おいおい、クレイさん。あなたには私の名前は伝えたぞ。名前で呼んでくれ。それとも、こちらがフルネームで呼ばないとダメかい?クレイ=アダムスさん?」
「別にフルネームじゃなくて良いです。分かったよアカリさん。で、ここに来た理由は?」

俺が名前を言った瞬間アカリさんの顔が真っ赤になっていく。恥ずかしかったのか?なら、呼ばせるなよ。こっちも恥ずかしいぞ。

「え、ええ? り、理由かい?あの、その、えへへ。いや、その、あの。」
「言えない理由があるの?」
「じ、実は昨日王国でクレイさんを見て、ひ、一目惚れしちゃって・・・ふふ」

訳わからん、っていうよりどれがこいつの本性なんだ?狸は人を惑わすらしい。ジパングの魔物はここ一帯の魔物より厄介だな。

「とりあえずアカリさんの本性はどんな物なんです?」
「本性?」

アカリさんがまた鋭い目つきに戻る。

「私の本性かい?本性というか本音を言おう。」
「教えてください。」
「さっきの一目惚れは本当の話だ。で、続きがある。」
「何だ?」
「君を私の旦那にしたい!!」

言葉の意味がわからなかった
一瞬すぎて頭が回らなかった。何故ならアカリさんは背中のカゴから何かのビンを取り出し、恐らく媚薬、というより確実に媚薬だろう。自分で言ってたし。それを自分の口に含み、俺に口付けをした。本当に一瞬だった。
俺は目の前が真っ暗になった。


目が覚めると俺は自分のベッドに寝ていた。いつもと何ら変わらない。ただ一つ両手両足が縛られてベッドに固定されているのを除けばな・・・!!

「おはよう、と言ってももう昼だからこんにちは、だな。」

顔を横に向けるとアカリさんが俺の椅子に座ってた。裸で。

「なあ、アカリさん?」
「一つ聞いて良いかい?」
「んー、良いよ」
「一体、何が始まるんです?」
「愛の営みだ」

予想はできていたが、いざこうなると不安で仕方が無い。

「アカリさん、俺、自分の童貞は王国の花屋さんのアリアにあげたかったんだけど」
「ごめんね、諦めて。代わりに私が貰うし、お嫁さんにもなるから」

これは、もう無理だな。諦めるか。
いや、待てよ。俺にはある秘密がある。
よし、それでいこう。

「んふふ、もう心の準備はできたかい?いくぞ?」

アカリさんが俺のお腹に跨がり俺の顔を見る。中々なでかさの胸が揺れる。やばい息子よ、鎮まれ。

「おやおやぁ?元気だねぇ?」
俺の股間に気づきアカリさんがいやらしく笑い腰をぐねぐねと動かす。
その度に股間に血が集まる。くそっ・・・

そう思っているといきなりアカリさんが俺にまた口付けをしてきたいわゆるディープキスってやつだ。

「んー、んん、れろ、んちゅ、ふふ」
「んふ、んあ、ああ」

必死に顔を動かし避けようとするが顔をがっしり固定され動かせない。力強いぞ、さすが魔物。

「んー、ぷはっ。どうだった?気持ちいいかい?」
「はい・・・」

やばい、俺の股間はパンパンだ

「さーて、こっちも楽にしてあげようかねぇ」

アカリさんは俺のズボンに手をかけパンツもろとも引き下ろした
ギンギンだった

「おーおー、凄い凄い」
「恥ずかしい・・・です」
「なーに、恥じることは無い、じゃ、頂こうかねぇ」

アカリさんがそう言い、俺のペニスを握る、柔らかい手で握られただけでイキそうだった。と、いうよりイった。

ドビュ!ビュビュービュー!
白い液体が噴水のように出る
媚薬の影響か?
俺の体が跳ねる、気持ちよすぎた

「あ、ああ、ああああ!」

俺は声を出してしまった。恥ずかしい。
アカリさんは呆然としている。
そりゃそうだ、何故なら

「速すぎ!クレイ君!君ってもしかして早漏かい?!」

先に言われた、確かに俺は早漏だ。仕方ない。でもペニスはまだギンギンだ。厄介すぎるぞ俺の息子!急いでムキムキの男を思い浮かべてペニスを萎えさせる。
よし、処置完了。

アカリさんに両手足を縛ってたロープを切ってもらい、精液の付いた体を拭いてもらう
ふとアカリさんの顔を見てみるとめちゃくちゃ不機嫌そうだった。そりゃそうだ好きな相手が早漏なんだから、仕方ない。
これで、諦めてく

「よし!クレイ君、これからは夫婦二人でヤリまくって鍛えようじゃないか!それから夫婦揃って色んな国をまわって行商夫婦として生きていこう!君にならできると思うぞ!」

何・・・だと?
いや、百歩譲ってヤりまくるのは良しとしよう。何故旅をしないといけないんだ。

「アカリさん、さっきも言ったけど俺はアリアさんのことが」
「無理だ、早漏は嫌われる。でも私はそんなクレイ君を愛している」
「くっ・・・でも俺は旅はあまり」
「大丈夫、旅のプロの私がいるし、屋外で君を犯すとかそんなことはしないからさ。良いだろう?」

何も反論出来ないな・・・まあ、俺もそろそろ結婚したいと感じていたし案外アカリさんも良いかなって思えてきた、笑顔が可愛かったしな

「ふー、分かりました」
「本当かい?やった!これで、今日から、私とクレイは夫婦だぞ!いぇい!」
「いきなり、呼び捨てですか?」
「良いじゃないかい、愛しているぞ、クレイ!」

チュ

不意打ちだ、頬にキスをされた

「ふふっ」

アカリさんは顔を赤くして恥ずかしそうにしていた

「嬉しいよ。クレイ、これからよろしくね。」

アカリさんの幸せそうな笑顔が可愛かった 俺は今世界で一番幸せかもしれない この笑顔は最高だ

「一緒に頑張って早漏を治していこうな!」

前言撤回

「さぁさぁ 早く準備準備! まず最初は隣の国に商売に行くぞ!旅行の準備としては……カイラド王国で要るものを買うぞ!他国で高く売れる物もな!あれも要るし、これも要る!他国へ行くためのルートも考えないと!ラブラブ行商夫婦初の仕事だぞ!準備が終わったらまず国民管理所に行って申請だ!早く早く!あー忙しい忙しい!興奮が止まらないぜぇぇ!」

まぁ、可愛いいから許す


次の日の朝、王国の国民管理所で、『カイラド王国夫婦願届(特別様式人対魔物用)』なる物の作成と『他国旅行券(無期限用)』を発行をし、現在お昼頃である。
カイラド王国の隣の国、セイルレス王国へ向かう途中の道で、ずーっとのどかな風景が続く原っぱを、俺とアカリさんは歩いている。

「アカリさん?あとどれくらいで着くんですか?」
「………フンッ」

怒ってる・・・何故なら管理所の窓口で対応してくれたホルスタウロスの爆乳に目を奪われていたのを目撃されたからだ。
アカリさんは気付いた途端俺のズボンの中に手を入れて俺を一瞬で射精に導いた。めちゃくちゃ出た。パンツの中で出したもんだから一回家に帰って新しいパンツに替えてこなければならなかったんで最悪だった。
しかも、ホルスタウロスは

「あらあらお盛んねぇ」

とか言ってたし、恥ずかしい

で、今もまだ怒ってる。
「アカリさん、ごめんなさい」
「……」
「許してください」
「……分かった……許す……」
「ありがとございます…怒った顔も可愛かったですよ」
「……!!からかうんじゃない!全く……」

早足になって歩いてく
また、照れてる、可愛らしい

「よいしょっと、疲れた疲れた!」

近くにあった岩にアカリさんが腰掛ける、俺もその隣の岩に腰掛けた
アカリさんは相変わらず照れた時の赤い顔だった

「まあ、何だ、初夫婦喧嘩ってことでどうだい?ふふっ」
「分かりました、アカリさん」

俺とアカリさんはお互い微笑み合う、幸せだ
が、一瞬で俺は地面に押し倒された。原っぱだったから特に痛くはなかった
アカリさんの手が俺に伸び、ズボンとパンツを引き下ろし、そしてペニスを咥えた。
速すぎだ

「んっふっふー、ペロッ、ヌチュ、プハッ、ヌチュ」
「うぇ?!ああ、やばっ、あっあっあっ、あああ!」

ドビュッ!ビュー!ビュー!

たまらず口内射精、腰が抜けるかと思った

「んー、んんー、ごくんっ、あー、おいしっ!」

アカリさんは口の中の精液を飲んだ

「はーっ、はーっ、アカリさん、外ではやらない約束では?」
「ふふっ、外ではやらないと言ったな?」
「はい、言いました! アカリさん 助けて!」
「あれは嘘だ」
「ひぃぃ!」

背中に冷や汗が流れる

俺は起き上がり逃げようとした しかし、ズボンとパンツが引き下ろされたままの状態なので当然起き上がれない。気づくとアカリさんが自分の前に裸で立ってた、で一言

「逃がさない、見てくれるかい? これ?」

アカリさんが自分の秘部を指差す トロトロの蜜が溢れ出ていた。

「アカリさん・・・」

また、押し倒された
アカリさんは濡れた秘部を俺のペニスにあてた
この後の展開は予想できる

「クレイ、知ってるかい?」

アカリさんは尋ねる

「?」

「狸は・・・」

「人を騙すぞ!!」

アカリさんが一気に腰を降ろす
凄まじい快感だった

「ああああああ!!」

広大な原っぱに俺の声が響く
そして、俺は命を放つ

そこで 俺は気づいたのだ
これが生きることだと

〜Fin〜
14/11/30 12:38更新 / 針ノ神

■作者メッセージ
本番は書かなかったです。というより書けなかったです。(難しい……)
色々変な所がが……

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