連載小説
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プロローグ
「ーどうしてこうなった」
瓦礫によって無惨な事になっている部屋を見ながら
バフォメット『サンドラ』は呟いた


事の始まりは数ヶ月前

サンドラは、ある悩みがあった
強大な魔力を持つ種族『バフォメット』
サンドラはその自身の種族に誇りを持っていた
逞しい体、強大な魔力、大悪魔としての権力
自身の力を絶対的に信頼していた
しかし、魔王が変わったその時
体は縮み、人間の少女の体へとなり変わった
サンドラは自身の体の変わりように落ち込み
「こんな惨めな姿を公衆に晒せるか」
と言って山奥に姿を隠してから数年が経った時
彼女は焦っていた
と言うのも、淫魔化して以来魔力
つまり精を摂取していなかったため
魔力の限界が見え始めたからである
今までは元々の価値観から、交わりを拒んでいたが
日に日に湧き出る性欲と価値観の変化から
現在は拒絶の意志は無い
しかし旅人等を連れてこようにも立地条件が悪すぎた
山奥にわざわざ入る旅人は居なく、近くには人里もない
何処かに行くにも現在の魔力では勇者と戦えば命は無い
そこで閃いた
昔、教団の一味を襲った時に一人が持っていた報告書に書かれていた
『異世界からの召喚』を可能にする術式
これで異世界の男を召喚するのだ
これが数ヶ月前の話

そして運命の日が来た
「極力少ない魔力で召喚を出来る術式を完成させた
 後はイレギュラーさえ無ければ成功するはずだ」
と言ってサンドラは魔法陣を再確認しながら言った
そして起動呪文を唱え始める
「エロイムエッサイム エロイムエッサイム…」
このとき彼女は気付かなかった、この洞窟への侵入者に・・・
「(よし、ここまでは順調後は最後の一文を・・・)
 出でよ、異世のt「失礼しま〜す!」!?」
最後の一文を言おうとした瞬間、後ろから何かが抱きついてきた
「な、なんだ!?一体誰だお前は!?」
「あ、誰だとは失礼じゃないですか〜
 私ですよ〜、元側近のアンジェリカですよ!
 ・・・まぁ、背は縮みましたが」
と、箒に三角帽子と黒ローブを纏った少女が言った
「な!?あのアンジェリカか!?
 一体どうしてココに・・・
 はっ!、それどころでは無い
 早く退け、詠唱を切ったら何が起こるか・・・」
「ふぇ?」
と、次の瞬間辺りを轟音と閃光が走った
・・・・

「ーどうしてこうなった」
サンドラは途方に暮れた声で呟いた
「いや、原因は明らかだが・・・はぁ
 まぁ洞窟が崩れなかったのは不幸中の幸いだな
 おい、起きろアンジェリカ!」
サンドラは足で転がっているアンジェリカを小突いた
「うぅ・・・っは!」
アンジェリカに5のダメージ▽
アンジェリカは目を覚ました▽
「起きたか、色々話はあるがまずは何故此処にいる?」
「えっと〜その、サンドラ様が出て行く時
 私は里帰りしていまして、館に戻ったらサンドラ様が
 居なくなっているではないですか
 で、同僚に話を聞き、探していたのです」
「成程、そして私の魔力を感知して此処に来たと」
「その通りです、ってあれ?
 サンドラ様、妙に魔力が少ないですね
 てっきり押さえているのかと思っていたのですが・・・
 そういえば男のニオイもしないし」
「まぁ、(かくかくしかじか)と言う訳だ」
「でしたら私とサバトを開きませんか?
 知り合いにもまだサバトに参加していない子もいますし」
「すまないな、そうさせてもらおう
 とりあえず此処の片付けをしてから向かうぞ
 ・・・っと、ぅん?これは・・・発動痕跡?
 転移発動地点が出鱈目だな、誰かは知らないがご愁傷様だ」


プロローグ『全ての原因』
Fin
11/02/28 15:14更新 / 雪実
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