連載小説
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五話…で?俺に何の用だよ。
―――――― 宿屋 ブラウンポット

「あ、おうち!」

お、あれか…。へぇ…中々に趣がある佇まいじゃねーか。良かったな、チコちゃん。

「……………。」

おい、チコちゃん?

『人とは何物でこれを見心に留められるのですか。人の子は何物でこれを顧みられるのですか。(詩篇第8章4節)』

!!

『…よいしょっ、と。』

脳に直接響く、鈴みたいな透き通る声が聞こえたかと思うと、目の前によく知った顔が天使のそれとは比べ大きい羽をはためかせて舞降りてきた。

『随分とその子にご執心じゃないの、リヴァ。』

…何だお前かよ、ヴィー。驚くじゃねぇか、急に『詞』を使うなよ。後、大きなお世話だ。

『うっさいわね!元はと言えばアンタが私の仕事盗るから悪いんでしょ!?』

あー?お前おっさんから聞いてねぇのか?俺はおっさんに頼まれてやってんだよ。誰が好き好んでこんな下らねぇ事なんかするかよ。

『な…っ!?今、私の仕事をバカにしたわね!?【カース】の癖に!!』

二度とその名で俺を呼ぶな!

『…ッ!』

いいな?

『…わ、分かったわよ…。』

…で、何の用だよ。…まさか、文句言いに来たってだけじゃあねぇよな?

『…………。』

…おい。

『…あり得ない話だけど、お爺様が亡くなったわ。もうすぐ天界で葬儀が執り行われる。』

……………………やっぱりか。

『…知ってた、って口振りね。』

たりめーだ。…俺は運命神だぜ?神だろうが人だろうが石だろうが万物の運命位、すぐに判る…。

『…【回避】は出来なかったの?…【改変】は?』

出来たら、とっくに使ってる…。

『…何でお爺様は亡くなったの?【信仰】が無くなった訳では無いのに…。』

……………………。

『…ねぇ、リヴァ。貴方なら何か知ってるんでしょ!?何故【死】が無い私達神の主であるお爺様が【死んだ】の!?』

…………………。

『何か言いなさいよ!何で、何でお爺様は…!!』

…ヴィー。あんまり叩くな、いくら俺でも痛てぇよ。

『…………ごめんなさい。潰えてしまった事を責めても、何も始まらないわよね…。』

そう言うと、ヴィーは目尻に溜まった涙を拭う。しかし、彼女の顔には疑惑と困惑、更にはどこか恐怖の色までが伺えた。

『とにかく、お爺様の葬儀が始まる前に天界に戻るわよ。』

…ああ。

『…どうしたのよ?』

…なぁ、ヴィー。

『…何?』

…お前は、死ぬのが怖いか?

『…いいえ…と言ったら嘘になる、無いと思っていても怖いわ…。…でも、あり得ないとは分かっててもどこか理解してる私が居るの…。』

…そうか。それを聞いて、少し安心した。

『…どういう事?』

…此方の話だ。さ、行くぞ。

『…ええ。』

ヴィーの言葉を最後に、俺達は自分の羽を広げて天界へと飛び立った。
12/08/07 14:16更新 / 二文字(携帯版一文字)
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■作者メッセージ
休みっつー事でね、かなり暇ですwww

もしあっしと話したいって物好きがいらっしゃったらスカイプにどぞー

「一文字愁也」か「shuyahitomozi1」で出てくる筈なので〜。
時々生放送やったりするよwww

今から一時間くらい開いておきますので良かったら

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