連載小説
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過ぎたこと・・・・・・・・・・
{良い侵攻戦術とは・・相手が何も知らないうちに一気に殲滅すること・・}

                  Z部隊戦術学の一文より抜粋・・・・


「ボーン・・・ボーン・・・ボーン..................」

(・・!ッッ・・・・)

12時を知らせる音だろうか・・・・・

暗闇に包まれている館内に柱時計の鐘の音が不気味に響く・・・・・・

(・・心臓に悪いな・・こりゃ・・・・・・・)

現状の私はヴァンパイアの屋敷からから逃げるために日の出まで館内に

居なくてはならなかった・・しかしそれは並大抵のことではなく正直な所

夜間のヴァンパイアにまともに太刀打ちする手段が存在しなかった・・・・・

なので仕方なく罠が主体の姑息な作戦で挑むしかなかった・・・・・・

(名付けて・・・弱点の多いヴァンパイアの弱点を突きまくろう!・・・・・
・・そして罠を張ってヴァンパイアの位置を出来るだけ素早く把握して、なるべく出会わないようにする・・・・と言う作戦だ・・・・・・・・・・・・)

まあ・・ネーミングセンスはともかく・・これしか太刀打ちする方法が

無かったのが現状であった・・・・・

しかし・・相手は闇でも視界が利くはず・・しかしこちらの状況は・・・・・

FMG-9のフラッシュライトを頼りに廊下を進んでいる・・・・

近場でなくても光のせいで見通しが良ければすぐに見つかってしまう・・・・

暗視装置もあるが、室内で使うには視野が狭くなるため使用は危険である

たぶん隠密行動もヴァンパイアに対しては意味がないであろうが・・・・・

(まあ・・しばらくヴァンパイアも動けないはずだしな・・・・・)

私は先ほど食堂でヴァンパイアの弱点である真水を浴びせて・・・

疼いて倒れている所に手榴弾をお見舞いしてきた所だ・・・・・

たぶんしばらくの間は動けないであろう・・・・・・・

しかし・・いくら疼いているとはいえ相手はプライドの高きヴァンパイア・・

たぶん食堂で私は追撃を行えば私はその場で決死になったヴァンパイアに

斬り殺されるであろう・・プライドの高い者は大体そうだ・・・・・・

だからこうするのが一番だ・・・・・・・・・・

そう考えながら館内をぐるっと一周回り・・・・・

屋敷の構図を覚え・・罠を仕掛け・・そして窓と言う窓を割り・・・・・

・・カーテンと言うカーテンを日本刀で切り刻んでいった・・・・・・

(銀のフォークの類も存在しないしな・・もっとも殺す気は無いが・・・・)

そう思いながらも食堂から一番離れている東側の廊下に罠を張り

東側の一室に身を潜めることにした・・・・・・

(・・さて・・・なるべく長く疼いてくれよ・・・・・・・・・・)

そう願いながら銃器の整備を始めた・・・・・・・


・・で・・そんな感じに過ぎ去って・・時刻は約2時36分・・・・・・・・

(・・・・・・・もうしばらく持ってくれ・・・・・・・・・・・・・・・)

そう思いながら部屋の中で息を殺しながら日の出を待った・・・・・

日の出まで約2時間30分・・・・・

地上よりも高い位置な為もう少し早いだろう・・・・・・

しかしそれでも長かった・・夜のヴァンパイアに一度追いつかれでもしたら

1分と持たない可能性がある・・用はこのままの状態が続かない限り

勝ち目は無い・・と言うことだ・・・・・・・・・・・

(・・まあ・・まだこれがあるし大丈夫だと思うが・・・・・・・・)

そう思いながらレッグホルスターに入っている愛用銃ジャッジをなでた・・・

少し前にジャッジの弾薬410番シェルに・・にんにくを混入させた即席の

対ヴァンパイア用の弾薬を作った・・・・・

それに今回は他の弾も違う・・先ほどの食堂でのヴァンパイアとの戦闘で、

PP2000を160発近く心臓や頭部に撃ち込んだが効果がなかった・・・・・

しかしPP2000は他の同系統の弾薬と比べ貫通力・ストッピングパワーが

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
 ストッピングパワーとは被弾した相手の体内に留まる力です      
 貫通させただけでは大したダメージにならないため体内に弾丸を留めさせ
 内臓などを破損させた方が良いと言うことです。           
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

優れている・・しかしヴァンパイアそれすら紙吹雪の様に扱った・・・・・・

なので私はヴァンパイアは防弾チョッキを着用しているわけでは無いので

貫通力を極力削り・・ストッピングパワーを出来る限り強くした弾丸に加工を

施した・・・簡単な話・・弾丸の硬い鋼鉄製の部分を削り中の柔らかい鉛の

部分を露出させた弾丸・・通称ダムダム弾である・・・・・・

鉛は柔らかいため貫通力は強く無いがその代わり被弾した対象者の体内で

はじける特製があった・・なので私は持っていた弾のほとんどを削った・・・

そして、さらにストッピングパワー効果を上げるため弾丸の先端を平たくして

ホローポイント弾見たくしてストッピングパワーを上げた・・・・・・

だが正直な所・・この程度でヴァンパイアに太刀打ちできるようになれば

奇跡と思っていた・・なにせあの尋常ではない耐久力の前にこの程度では

無理であろう前提で物事を進めていった・・しかし出来る限りのことをして

一矢報いてやる・・・と私は考えてやっていた・・・・・・・・・・・・・・

(・・まあ・・負けるわけにいかないのでね・・・・・・・・・・・・・)

そう思いながらも私はヴァンパイアとの対峙を予想して何度も頭の中で

シュミレーションを行っていた・・・・・・


・・で・・・そんなこんなで時は過ぎて約2時56分・・・・・・・・・・・

「ォォォォォォ.....................................」

突如館内に小さな爆発音が響く・・・・

(遂に来てしまったか・・・・・・・・・)

そう思った私はFMG-9を構えた・・・・・・・・

たぶん私の仕掛けた罠がしっかりと作動しているとすれば

ヴァンパイアは食堂から出たはずだ・・・・・

なにせ食堂から逃げる際にこっそりと食堂の扉とヴァンパイア自身の開けた

穴にピンを抜いた手榴弾をそっと転がしておいた・・・・・・・

たぶんどちらかに引っかかったのであろう・・・

第一段階は成功だ・・ヴァンパイアが立ち直ったのを知らせてくれた・・・・

(・・さて・・・残りの罠もちゃんと作動してくれよ・・・・・・・・・)

他の罠とは・・同じくヴァンパイアの位置を知る為に館内中に仕掛けた

煙幕弾と音響閃光弾のワイヤートラップである・・・・・

万が一自分自身が引っかかっても安全なように手榴弾は避けておいた・・・

それほど多くのワイヤートラップを私は館内中に仕掛けておいた・・・

音響閃光弾のワイヤートラップでヴァンパイアの位置を知り煙幕弾の

ワイヤートラップで撹乱する・・・それらを頼りに日の出まで逃げる・・・・

それが今回私の立てた戦術だった・・・・・

(まあ・・・位置が分かった所で下手に動けばばれてしまうんだがね・・・)

夜のヴァンパイアの身体能力は計り知れない・・・・

たぶん見た瞬間には彼女の剣の餌食になっているであろう・・・・・

先程は私を召使いにするために軽く襲いかかった程度ではあったが

今回は殺しにきていると私は見た・・・・・・・

間違いなく一瞬で殺されるであろう・・・・・・・・

なので位置を知りながらもこの部屋に待機してこの部屋に入った瞬間・・・

このにんにく入りの410番シェルを当てなくてはならない・・・・・

(・・一瞬が勝負だな・・・・・・・・・・・・)

そう思いながら息を殺しワイヤートラップがうまくいくことを祈った・・・


・・で・・時間が過ぎて3時17分・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「ァァァァァァァァン.............................」

遠くの方で音響閃光弾の音がする・・・・・

たぶんヴァンパイアがワイヤートラップに掛かったのであろう・・・・・・

(音から推測すると・・北東の廊下辺りかな?・・・・・・・・・・・)

確実に近づいてきている・・・・

なにせ数量的な問題で、音響閃光弾はこの部屋の前に続く廊下と部屋の前両側

にしか仕掛けていない・・・残りは煙幕弾である・・・・・・・・・・

(・・少し早いな・・・・・・・・・・)

日の出までもう少し時間がある・・・・・・

しかしヴァンパイアはこちらの気配か何かを感じているのか食堂から

ほぼ一直線でこちらに向かってくる・・・・・

(・・戦闘準備・・・・・・・)

そう思いながら私は扉に向かってジャッジを構えた・・・・・・


・・で・・それから数分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

いやな沈黙が部屋の中を走る・・・・・・

正直な所いつ来てもおかしくは無い・・・・・・

(・・落ち着け私・・・・・・・・・・・・・)

若干だが震えている手を見ながらそう思った・・・・・・・・


・・で・・また数分立って・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(・・遅いな・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

いくらなんでも遅すぎる・・・

私はいやな感じがした・・・

(もしかして・・奴の作戦か!?・・・・・・・・・)

ヴァンパイアは他の魔物(一部例外は除いて)賢いであろう・・・・・

一度は不意打ちと言う意味で引っ掛かったもののワイヤートラップなんぞの

単純な罠なんかには引っ掛からないかもしれない・・・・

(だが・・それを見越して仕掛けたのだが・・・・・・・・・)

そう私が思った瞬間.......

「バァァァァァァンンンン.....................」

部屋のすぐ外で音がした・・・・・

(・・!!・・部屋のすぐ外!・・・・・・・・・・・)

私はすぐさま扉に向かって再度標準を合わせた・・・・・・・・

どうやら途中のワイヤートラップには引っ掛からなかったそうだが・・・

見事部屋の前のトラップに引っ掛かってくれた・・・・

(・・意外と単純化もな・・・・・・・・・・・)

そう思う私の理由は罠の仕掛け方だった・・・・・・

たぶん一番初めに引っ掛かったのはワイヤーが胸の位置に仕掛けておいた

トラップであろう・・・それ以後も他のワイヤートラップはすべて胸の位置

にワイヤーを仕掛けておいた・・・・・

これはわざとである・・・・なにせ一度引っ掛かってしまえば、仕掛け方を

覚えてそれに準じてトラップを回避するはずである・・・・

なのでそれを逆手にとり私はあえて胸の位置にワイヤーをしかけた・・・

そして自分の部屋の前のワイヤートラップはもっとも騙しやすくひっかけ

やすい足元に仕掛けた・・・最悪・・ヴァンパイアが自分の部屋の前に来たの

が分かれば良かったのでこう言う仕掛け方にした・・・・・・

(・・さて・・・何時でも来い・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

そう思いながらの待機・・・・・・

いくら至近距離で音響閃光弾を喰らったとしても良くて軽く怯む程度だろう

このにんにく入りの弾を喰らわせる以外に方法は無い・・・・・・

(・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

またもや不気味な静けさが襲う・・・・・・・・・

「バンッ.....」

扉を蹴飛ばす音がする・・・・

実はこの部屋の扉に簡易的なバリケードを作っていた・・・・・

そしてそのバリケードにも仕掛けがあって・・・

「バアァァァァンン.........」

物凄い力でバリケードごと扉が粉砕された・・・・

しかしそれと同時に・・・・

「チュドォォォォォォォォンンンンンン..................」

バリケードの中に仕込まれていた手榴弾数個が炸裂し物凄い爆風と共に

バリケードの家具類を瓦礫にした・・・・

(・・さて・・・無駄撃ちかな・・・・・・・・・・・・・・・・)

そう思いながらも震える手を押さえ、ジャッジを扉の入り口に標準を合わせる

「・・ガサ.............」

ヴァンパイアが目じりを震わせながら部屋に中に入ってきた・・・・・・

もはや私を殺すことしか頭にないようだ・・・・・・・・・・・・

(・・今だ!・・・・・・・・・)

「バンッバンッバンッバンッバンッバンッ・・・・・・・」

不気味な静寂を割くように・・にんにく入りの弾を6発・・・・・

ヴァンパイアに向かって撃ちこんだ・・・・

(・・とりあえず全弾命中!・・・・・・・・・・・・)

だがそう思っている暇は無い・・・・・

すぐさま隠れていたベッドの下から身を乗り出しFMG-9を掃射しながら部屋の

入り口に向かって出ようとした・・・が・・・・・・・

「貴・・貴様ッ!............」

部屋の入り口にはもはや美貌を台無しにしている様な顔つきで

ヴァンパイアが両手剣を構えて立ちはだかっていた・・・・・・・

(・・な・・にんにくは効かないのか!?・・・・・・・・・・・)

私はにんにくを当てれば真水と同じ様な効果が得られると思っていた・・・・

だが・・今私の目の前にいるのは真水を浴びたときと同じような状態の

ヴァンパイアでは無い・・完全に怒り狂っているヴァンパイアの姿である

顔が若干赤くなっており・・怒りからか体全体が小刻みに震えている・・・・

「貴様ッ・・このっ・・よくも・・・・・・・・・・・・・・・」

ヴァンパイアは両手剣を振りかざしてきた・・・・

(・・くっ・・・・・・・・)

私はかろうじて避けたものの・・・・

「バタッ・・・・・・」

床に倒れこんでしまった・・・・

(・・マズイ・・・・・・・・・・・)

私はそう思ったが床に倒れた衝撃でFMG-9を手放してしまった・・・

そう思っている間にもヴァンパイアは両手剣を振りかざしながらゆっくりと

近づいてくる・・・・・

(・・かくなるうえは・・・・・)

そう思うと私はヒップホルスターからM500ESを取り出し・・・

「ターン...ターン....................」

ヴァンパイアの胴体に向かって立て続けに2発撃ちこんだ・・・・・

(・・くっ・・さすがに衝撃はきついな・・・・・・・・・・・・)

M500ESは一発で厚さ8分の松の板を16枚撃ちぬく威力を誇っていた・・・・

なので・・一発撃つだけでもかなりの衝撃が走る・・・・・・・・

「バサッ........」

さすがのヴァンパイアもこの銃の威力には吹き飛ばされた・・・・・

かと言って致命傷にはならない・・すぐに回復してしまうだろう・・・・・

「なっ・・・・・」

床で倒れているヴァンパイアは驚きと怒りの混ざった顔をしている・・・・

(・・今だ・・・・・)

そう思うと私はしびれる腕で体を起こし・・部屋から出ようとした・・・・・

「くっ・・貴様!・・・・・・・・」

しかしすぐさまヴァンパイアも立ち上がり私につかみかかろうとした・・・・

(さすが・・ヴァンパイアだな・・・・・・)

私はそう思いながらもヴァンパイアが来た方向とは逆に逃げた・・・・・

何故なら・・・・

「バァァァァァァンンンン.....................」

音響閃光弾のトラップが1つ余っていた・・・・・・・・

(やはりこちらからか・・・・・・・・)

私の読みは的中した・・正直ここで間違っていたらどうしようかと思っていた

   ※何度も言うようですが私は大丈夫です

「・・・・・・・・!」

あまりの至近距離での炸裂だったので、ヴァンパイアが何と言っているのかは

分からない・・・しかし怒っている事だけは確かである・・・・・・・・

(さて・・全力疾走・・・・・・・・)

私はとりあえず食堂に向かって全力で走った・・・・・・・・

ヴァンパイアはまだ追ってはこない・・・・・

(しかし・・P90にタクティカルライト付けておいて正解だったな・・・・)

私は背中に背負っていたP90を構え、タクティカルライトを点灯しながら

暗い廊下を走り・・食堂を目指していた・・・・・・・

先程のヴァンパイアとの戦闘でフラッシュライトを装備したFMG-9を落として

しまった・・しかし回収する猶予も無かった為・・置いてきたのである・・・

(さて・・ここらだっけ・・・・・・・・・・・・・・)

そう考えている内に食堂付近に着いた・・・・・

何故かヴァンパイアは追いかけてこなく・・いとも簡単に食堂に到着した・・

(・・さて・・・念のため・・・・・・・・・・・・・)

そう思うと私は煙幕弾を後ろに投げ込み撹乱を図った・・・・・

正直な所1分間程度持てば良かった・・・・・・

(さてと・・食堂に入りますか・・・・・・・・)

食堂の前の廊下は注意しなくてはならない・・・・・

何故なら・・誘爆して両方とも炸裂しているはずだが・・・・

ヴァンパイアが立ち直ったことを知らせる為に転がしておいた

手榴弾が残っている可能性があったからである・・・・・・・

念のため床をP90のタクティカルライトで照らしながら手榴弾を探してみる

(・・両方の炸裂痕発見・・・・クリア・・・・・・・・・・・・・)

どうやら両方とも炸裂したらしく・・私は安心して食堂に入って行った・・・

もちろんヴァンパイアの開けた穴の方から・・・・・・・

(悪いな・・出入り口まで作ってもらって・・・・・・・・・・)

そう思いながら食堂に入って行った・・・・・・・・


・・で・・・食堂に入って2分後・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「・・てゃー!・・・・・・とりゃー!・・・・・・・・・・・・・・」

私のけたたましい掛け声が食堂に響き渡る・・・・・・

その掛け声と共には窓ガラスを割り、カーテンを日本刀で切り刻んだ・・・・

「は〜・・・やっぱし窓を割ると寒いな・・・・・・・・」

当然である・・外は未だに吹雪いている・・・窓を割ればそりゃ寒くなる・・

屋敷中の窓を割ったため・・・館内は完全に外気温と一緒である・・・・・

一部の窓の内部屋は除くが・・・しかしこれには理由があって・・・・・・

太陽が昇った際に効果的にヴァンパイアへ太陽の光を当たる為でもあるし・・

なにせ真水が弱点のヴァンパイアだ・・吹雪いてくる雪も体に当たって

溶ければ真水になる・・・時間稼ぎの1つだ・・・・・・・・・・・

(まあ・・もっとも逃げ切れば作戦は成功・・と言うわけだがな・・・・・)

私はそう思いながらも手持ちの手榴弾×4個と音響閃光弾×2個を見た・・・

(・・煙幕弾はもうワイヤートラップに使ってしまったし・・・・
           ・・音響閃光弾も・・少ししかないな・・・・・・)

予想以上にヴァンパイアは強く・・頼みの綱であった音響閃光弾を乱発して

しまっていた・・・だが乱発でもしない限り確実にヴァンパイアに仕留められ

ていただろう・・・逃げ切れなくては意味がない・・・・・・・・・・

(しかし・・あいつは魔法を使わないのか?・・・・・・)

私は疑問に思っていた・・ヴァンパイアも上位の魔物・・・・・・・

エレノアと対峙した時と同じ様に攻撃魔法を繰り出して来ても良いはず

なのだが・・なぜかあのヴァンパイアは攻撃魔法を繰り出してはこなかった

(おかしいな・・初めて出会ったときに念力で椅子を渡されたのだが・・・)

そう私は不振に思いながらも食堂に開いた壁に張り付き・・・・

ヴァンパイアの動向を探ることにした・・・・・・

(たとえ攻撃魔法を使わなくても・・あの異常な身体能力だけで十分だ・・)

そう思いながらも私は耳を澄ました・・・・・・・・・・

ヴァンパイアがすぐ近くに来ていてもおかしくないからだ・・・・・・

やはり煙幕弾1つだけではすぐに視界が戻ってしまう

しかも窓が割れていてなおかつ吹雪いてくるのなら煙幕弾は効果を

ほとんど発揮できないであろう・・・・・・・

(・・煙幕弾は役に立たないな・・・・・・・・)

そう私が思っていると・・・・・

「・・ザッ・・・・ザッ・・・・・・・・・」

壁を擦る音が聞こえてきた・・・・・

たぶんヴァンパイアが視界が利かなかったため壁伝いにそってきたのであろう

音のする方は未だに煙幕弾のワイヤートラップが存在するエリアだ・・・・・

窓が無いとはいえ・・瞬間的に煙が視界を奪うことができる・・・・・・

(・・さすが・・頭が良いな・・・・・・・・・・・)

そう思いながらも私は食堂の壁の穴とは反対方向に移動した・・・・

(・・もうPP2000はいらないか・・・・・・・)

私は先程発生した食堂でのヴァンパイアとの対峙際に放棄して床に落ちている

PP2000を見てそう思った・・PP2000の弾は水の入った容器を破裂させたのが

最後だった・・・・正直な所・・もはや小口径の弾ではいくら小細工した所で

無意味と悟っていた・・・・・・

(・・頼みの綱はM500ES・・・・・・・・・・)

そう思いながらも私は壁の穴を警戒しながら手榴弾を取り出しピンを抜いた

(・・残りは三つ・・・・・)

そう私が思った瞬間・・・・・・

「・・ガキィィィィ.....................」

物凄い衝撃が胸部に走った・・・・・

私は何が起こったかは理解できなかったが、物凄い衝撃のせいで

ピンを抜いた手榴弾を手放してしまった事だけは理解できた・・・・・・・

「がはっ・・・し・・しまった・・・・・・・・・・・・・」

物凄い衝撃によって後ろの壁に飛ばされ叩きつけられたが・・・・

装着していた装甲のおかげで何とか無事でいた・・・

たぶんこの装甲をつけていなかったら即死だったはずだろう・・・・・

それ位強い衝撃だった・・・・・・

(・・な・・何が・・・・いや!そんなことよりも手榴弾は!?・・・・・)

いきなりの出来事と強い衝撃によって若干あせったが・・・・・・

何とか落ち着きを取り戻し衝撃のショックで手放してしまった手榴弾を探した

(・・何処に行った?・・・・・・・・)

しかし私が周りを見わたしたが何も見当たらない・・・・・・・

しかも手榴弾のピンは抜かれている・・・・・

(・・時間がない・・・・・・・・・)

そう私は判断すると・・手榴弾が離れている事を願いながら床に伏せた・・・

正直な所・・近接攻撃を受けた直後なのに床に伏せることは危険だった・・・

だが・・伏せなければ手榴弾の餌食になってしまう・・・・・・・

私がそう考えている内に・・・・・・

「チュドォォォォォォォォンンンンンン.....ガラガラ..............」

                      手榴弾が炸裂した・・・・・

しかし・・手榴弾は少し離れた机の下に転がっていたらしく・・・・

机は吹き飛んだが、私は何とか無事でいた・・・・・・・・

(・・ふう・・・何とか無事か・・・・・・・・・)

しかし・・そう私が思った時だった・・・・・・・・・・

「・・ガンッ・・・・・・・」

床に伏せている私にまたもや強い衝撃が走った・・・・

幸いにも装甲に対してだったので、死んでいないが・・・・・・・・・

「・・がは・・・・・・・・・・」

どうやらヴァンパイアの様だ・・・・

姿は見えないが首元に突き付けられている剣が震えているので怒っていること

はたしかだ・・・・・

(・・どうやら私の想像を絶していたようだな・・・・・・・・)

自分が警戒して見張っていたのに捉えられない俊敏さ・・・・

そして私が持っていた武器の特性を一度で理解してそれを応用する

戦術と応用性の高さ・・・・・・

初めから勝ち目は無かったのかもしれない・・・・・・

(だが・・あきらめたわけではない・・・・・)

そう私は思った物の・・今の状態では反撃しようがない・・・・・

左側はすぐに壁・・右側には首筋に剣・・・・・

しかし・・幸いなことにヴァンパイアはまだ私を殺そうとはしない・・・・

とりあえず私はタイミングを待った・・・・・

(・・さて・・私をどうするかな・・・・・・・・・・・)

そう思いながらもヴァンパイアの行動を見張った・・・

未だに私の首筋に剣を震わせながら突き立てている・・・

何時とどめを刺されてもおかしくない・・・・・・

(・・イタッ・・・・・)

首筋に痛みが走った・・・・どうやら剣が震えているせいで、私の首筋を少し

ばかり切ってしまったらしい・・そして動脈近くだったのだろうか、

致命傷ではないが、血が垂れるのが分かるほど出血した・・・・・・・・

すると不思議なことに剣が首筋から離れた・・・・・・

(・・あれ?・・・意外とやさしいな・・・・・・・・・
       ・・・だが・・・いまがチャンス!・・・・・・・・・・・)

そう思うと私は一気に右側に転がりヴァンパイアから距離を置くと

素早くM500ESヒップホルスターから取り出してヴァンパイアに銃口を向けた

(・・なっ・・・・・・・)

銃口を向けた先に居るヴァンパイアを見て私は驚いた・・

何と剣の先に付着した私の血を指先で拭きとって舐めていたのだ・・・・

しかも舐めている指先は震えていた・・・・・・・・

(・・なっ・・何なんだ・・・・・・・・・・・・・・・・)

私は血を指先かた舐め取っているヴァンパイアの姿を見て驚いた・・・・

なにせあのプライドの高いヴァンパイアが殺そうとしている相手の血を

舐めている事に驚きだ・・・・・・

しかし・・相手は未だに威圧感に満ち溢れていた・・・・・・・・

「ふむ・・お主の血は・・・何か独特の味がするな・・・・・・・・・・・」

ヴァンパイアは自分の指先を見ながらそう私に言ってきた・・・・・

しかし・・何故か体がおぼつかない様子・・・・・・・・・・

若干だが足が震えて内股になっており吐息が聞こえる・・・・・・・・

「しかし・・残念だ・・・これが最後か・・・・・・・・・・・」

そう言うとヴァンパイアは私が反応しきれないほどの速さで

私の首に剣を当ててきた・・・・・・

(・・やはり通常の人間では反応は難しいか・・・・・・・・)

ヴァンパイアに剣を当てられながらも私は至って冷静で居た・・・・・・・

「お主・・言い残すことは・・・・・・・・・」

どうやらこのセリフは何処の世界でもお約束らしい・・・・・・・

「ああ・・最後まで油断しないことだ・・・・・・・・・・」

そして私はお約束通りの事を言い返した・・・・・・・

時刻は約4時00分・・・・・・

「そうか・・なら散れ・・・・・・・・・・・・・・・」

そうヴァンパイアは言いながら剣を大きく振りかざした・・・・・・



{予備は重要だが、予備に執着して主の方をおろそかにしてしまっては
 いけない・・しかし意思ある者はやはり予備に執着して主の方を
 おろそかにしてしまう・・重要なのは予備を意識せずに持つことである}

              Z部隊戦術心理学の一文より抜粋・・・・・・



10/08/09 23:12更新 / クロニカル
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■作者メッセージ
廊下を走っている最中・・・・・

(だ〜・・何だ!?・・・このイライラとくるムラムラは!?・・・・・・)

***********************************
長いですね・・しかしあと2〜3位で終わりそう・・・・・・・

ヴァンパイアに病みつきになっている私zabasaです

読んでくださりありがとございます・・・・

読む方が少なくても読んでいただくことが私の元気の源です・・・・・・・・

でわでわ・・・・・・・

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