読切小説
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つぼまじんタグのついていないつぼまじんSSをつぼまじん達が勝手に紹介するはなし
今回紹介するSS
・『挫折の証 フォーエヴァー』「(33)つぼまじん」
(十二屋月蝕さん)
・『物乃怪複鳥草紙 ―蛸娘、壷娘乃巻―』
(朱色の羽さん)
・『Semi Auto of Gag』「壷にあるは妖精か、それとも・・・」
(沈黙の天使さん)

※なお紹介するにあたって作家さん達の許可はとっていません。
また各作品の内容について触れるので、未読の方はご注意ください。

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(あらすじの続き)

王「と、いうのはもちろん冗談だ。同じつぼまじん好きを夫とした身、普通にしてもらって構わない」
つ「わかりました」
つ「オッケー、ファラちん」
王「ファラちん・・・」

つ「自己紹介も終わったところで、さっそく始めましょうか」
つ「だね」
王「待て待てお前たち、さっきから気になっていたが、お前たち二人ともつぼまじんだから、文章にすると略称が一緒で見分けがつかんぞ」
つ「そうですか?」
つ「口調でわかると思うけど」

王「そうかもしれんが、それにも限界というものがだな・・・」
つ「だからこんな」
つ「風にしゃべっ」
つ「てもほら」
つ「大丈」
つ「ぶ」
つ「秘技!」
つ「ロー」
つ「テー」
つ「ション」
つ「トー」
つ「ク!」
つ「ね?」
王「こら待て、ぐるぐる回りながら話すな!妾にももうどっちがどっちやらわからんではないか・・・。
ともかく、つぼまじん好きを夫にしたつぼまじんは“つ”、夫をつぼまじん好きにしたつぼまじんは“ボ”、よいな!?」

つ「私はかまいませんが・・・」
ボ「ボクも構わないよ。それでファラちんが納得するなら」
王「うむ、よし」

つ「それでは改めまして始めさせていただきます。最初は私からでいいですか?」
王「構わんぞ」
ボ「うん、いいよ〜」


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・『挫折の証 フォーエヴァー』「(33)つぼまじん」(十二屋月蝕)

つ「私が紹介するのは、十二屋月蝕さんの連載SS『挫折の証 フォーエヴァー』の中のひとつ「(33)つぼまじん」です」

王「ふうむ、これは連載の中の一短編という事か?」
つ「そうです。オムニバス形式の連載SSだとタグを“魔物娘いろいろ”にすることが多いので、種族タグで探しても見つからないんですよ」
ボ「だね。ボクの紹介するSSもそのタイプだよ」

王「なるほどな。ところでこのタイトルはどういう意味だ? 33歳のつぼまじんがメインキャラなのか?」
ボ「それは別のSSのネタだろ」

つ「この“挫折の証”は魔物娘の種族ごとに一本のSSを作るというシリーズになってまして、一作目『挫折の証』では(1)アルラウネから始まり(20)ワーウルフまで、二作目の『挫折の証リターンズ』では(21)ワーバットから(30)マーメイド。そして今回紹介する『挫折の証 フォーエヴァー』では(31)カラステングから(40)ケンタウロスを収録してます」

王「なるほど。このサイトで公開された順というわけだな」
つ「はい。ちなみにファラオ様は『Zasetsu-Land 2』に「(121)ファラオ」として収録されてますね」
ボ「ファラオひゃくにじゅういっさい・・・プププ」
王「別ネタだと言ったのはお前ではないか! だいたい妾は・・・」
つ「あのー、話進めてもいいですか? まだタイトルしか紹介してないんですけど・・・」
王「ああ、すまん妾としたことが失礼した」
ボ「ボクも失敬したよ。うぷぷ」
王「おい!」
つ「もう・・・」

つ「それで内容はですね、夫からプレゼントされた手焼きの壺に、つい頭を入れてしまい抜けなくなったつぼまじんが、旦那さんとほのぼのエッチするストーリーです。タグをつけるとするなら“エロあり”“ほのぼの”“ギャグ”“現代”というところでしょうか」

ボ「つまり、目隠しされた状態で旦那さんにあんなことやこんなことをされちゃうんだね?(フンハッ)」
王「ほのぼのだと言っとるだろうが。・・・だいたいなんでそんな、壺に頭を突っ込むなどという、わけのわからん行為をするのだ?」
つ「まあ他人から見ればそうかもしれませんけど・・・旦那さんからのプレゼントで、しかもそれが手作りともなれば、そうしたくなる気持ちもわかる気がしませんか」

王「うーむ夫からのプレゼントか・・・。あやつからもらった物といえば・・・」
ボ「キリンが逆立ちしたピアスとか?」
王「そんな物はもらってない。そもそも我が家では外出する機会がほとんどない上に財布はアヌビスが握っておるゆえ、夫から何かをプレゼントされるということがほぼ無いのだが・・・以前一度だけ『つぼまじん変身セット』というのをもらったことがあるな」
つ「ああ、あの人ならそういうのやりそうですね・・・」

ボ「ボクはねえ、花束もらったことはあるかな。記念日に買い物をしたいって言うから久々に外とつないだんだけどね。ホントはボク、首輪の方がよかったんだけど、でもまあ、その、せっかくだからね」
つ「旦那さんから花束もらうなんてすごく素敵だと思うよ。いいなあ」
王「妾の場合、住んでいる遺跡が砂漠の真ん中で、最近やっとペンペン草が周囲に生えはじめたところだからな・・・。
ふむ、もっと魔界化が進んで草花も増えたら、その花をあやつに贈るのも悪くないかもな」

つ「ああっと、それで話を戻しますけど、この「(33)つぼまじん」の見所はですね、つぼまじんの仕草がかわいいんですよ」
王「ほう(字面がまるで自分が可愛いって言ってるみたいに見えるがそこはつっこまないぞ)」
ボ「そうなんだ(このSSのコンセプト的にそこつっこむと話進まないからね)」

つ「例えば・・・壺をかぶってるせいで前が見えなくて、壁にぶつかったり旦那さんに手を引っ張ってもらったりとか」
ボ「“影〇”・・・いや、“マ〇オとワ〇オ”かな?」
王「確かに、つぼまじんとドジッ子属性は親和性が高いとあやつも言っておったな」

つ「あと、“んぉむぁぇうぃますぁうい”とか」
王「失礼、今なんと?」
ボ「なんかキーボードのLの使い方が上手くなりそうな呪文だね」

つ「これはですね、“おかえりなさい”って言ってるんです。壺が頭にはまってるので、つぼまじんのセリフはぜんぶこういう篭った声になってるんですよ。それでですね、私も旦那様と一緒にこのSSを読んだ後、大きめの壺をかぶってこのセリフを言ったらですね・・・えへへ」
ボ「ちょっとちょっと〜、そこで切らないでほしいな〜。ボク続きを聞きたいな〜」
つ「えへへへ、ひみつです♪」
王「・・・それはつまり、妾も同じことをすればあやつと・・・」
つ「まあ、そういうことになりますかね〜」
王「このSSにはそんな力が・・・ふむ、良いことを聞いた。帰ったら大きめの壺を用意して、あやつとこのSSを読むとしようか」

つ「それとですね、このSSでは目隠し状態のつぼまじんが、見えないことでいつもよりちょっと積極的になるっていう描写があってですね、私もいつも受身だから、そういう積極的になれるのっていいな、って思うんです」
王「まあ、あやつの変態性を考えれば常に受身にまわるのも致し方ないとは思うがな。とはいえ、お前がそれを本気で望むのならば、夜伽の場で積極的になるぐらいさほど難しいことではないだろう。その点は妾が保証しよう」
つ「あ、ありがとうございます」

ボ「んーまあ、本人がそれでいいなら良いとは思うけどね〜・・・」
王「どうした、なにか不満そうだな」
ボ「ボクは、つぼまじんが積極的になる必要はないと思うんだ。そもそもそういう種族だし、それにボク自身、旦那様にはもっと強引に迫ってきて欲しいぐらいだし・・・」
つ「そ、そうなんだ」

王「ま、それは人それぞれという事でいいだろう。つぼまじんといえど皆同じではない。妾のようなファラオでもそれは同様だ。胸が小さい奴もいれば、アポピスにけちょんけちょんにやられて部下たちに愛想つかされる奴もいる。アヌビスに反乱起こされてマミーやってる奴もいたな・・・今頃どうしているのやら」
ボ「それはもうファラオじゃないのでは・・・?」
つ「私たちも被害報告が増えればいろんな性格のつぼまじんが出てくるかもね」

 * * *

つ「というわけで私からの紹介は以上です」
ボ「おつかれー」
王「一番手としては充分だと思うぞ。むしろ二番手以降にプレッシャーがかかるというものだ」
ボ「よく言うよ、さっきから語りたそうにしてるくせに」
王「ふふん。では、二番手は妾という事でよいか」
ボ「いいよ〜」
つ「はい、よろしくお願いします」
王「うむ。それでは、妾の紹介するのは───」

ボ「あ、ちょっと待って」
王「ンがっク! 話の腰を折るな!」
ボ「いや、さっきからボク、二人の話にところどころついていけないところがあって、ちょっと気になってたんだけど」
王「そんなところがあったか?」
つ「?」

ボ「あのさ、二人って前からの知り合いなの? お互いの旦那さんのことも良く知ってるみたいだけど」
王「ああ、そのことか。このSSの本筋とは関係のないことだから説明する必要はないと思っておったのだが」
つ「私はてっきり知ってるものかと」
ボ「いや全然。というかこのつぼまじんSSになぜファラオのファラちんが来ているかもよくわからない」

王「それは妾が、とあるつぼまじんSSに登場しているからだな。お前とてそうであろう?」
ボ「まあね」
つ「それで、私たちの関係を簡単に言うと、私たちの旦那様は同じ人なんだよ」
ボ「そうなの!? あー・・・そう言われれば確かにそんな感じの会話してたけど・・・じゃあ、二人は一人の夫を共有しているハーレムの一員ってこと?」
つ「ううん、そうじゃなくて・・・」

王「本筋と関係ないからさらっと説明するが、遺跡に侵入した男を、妾と部下二人とペット一匹で協力して捕まえたのが、妾の夫」
つ「そして、ファラオ様に捕まる寸前で私が壺に引き込んだのが、私の旦那様」
ボ「???」
王「いわゆる“ぱられるわーるど”というやつだな」
つ「だから、私の旦那様とファラオ様の旦那様は、同一人物だけど、別人ともいえるわけ」
ボ「ボ、ボク、コドモだから、二人が何を言ってるのかヨクワカラナイゾッ!」

つ「えーっとだから・・・つまりここは“つぼま時空”なんだよ」
ボ「え、あそーなの? なーんだそういうことか
王「ちょ、ちょっと待て、いま妾が付いていけなかったぞ。なんだ“つぼま時空”って」

つ「なんて説明したらいいでしょう、要するになんでも有りというか・・・」
ボ「つぼま時空はつぼま時空だよ。あースッキリした。つまり二人の旦那さんは同一人物かつ別人ってことね。りょーかい。じゃあファラちん、改めてSSの紹介どうぞ」
王「ああ、ウン・・・」

※なげっぱなし脚注
つぼま時空:詳しくはお近くのつぼまじんにお問い合わせ下さい。私に聞かないで。
類義語:ミミッ空間、カリュブディメンション。


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・『物乃怪複鳥草紙 ―蛸娘、壷娘乃巻―』(朱色の羽)

王「妾が紹介するのは朱色の羽氏の『物乃怪複鳥草紙 ―蛸娘、壷娘乃巻―』だ」

ボ「蛸娘、壷娘ってことは・・・」
王「うむ、スキュラとのダブルヒロインだな。それゆえタグは“魔物娘いろいろ”となっておる」
つ「なるほど、ハーレム系だとそういうこともあるんですね」

王「バイコーンが絡むのであれば“バイコーン”タグを使うのだろうがな。あるいはハーレムの中でもメインの魔物のタグを使うとか」
つ「変わったタイトルですよね。なんて読むんでしょう」
ボ「えーっと・・・“もののけふくとりそうし”かな?」
王「“もののかいまたどりのそうし”かもしれんぞ」
ボ「・・・今適当に読んだだろ」
王「そんなことはない。どのみち正解など作者の胸の内なのだから、あーだこーだ揉めても仕方あるまい」

王「それで肝心の内容だが、ジパングで陶芸家をしている男の下に、ある日スキュラとつぼまじんが現れて、というストーリーだな」

ボ「陶芸家・・・わかった!“お前の身につけるものは髪飾りから下着まで、全部俺のお手製だぜグヘヘ”って感じの中年キモオヤジが主人公でしょ!(フンハッ)」
つ「スキュラさんの壺要素は髪留めだけだからそれはないと思うけど・・・」
ボ「そしてオヤジ主人公がおもむろにスイッチを押すと、ブラやパンツが超振動して(ハアハア)」
王「おい・・・?」

ボ「そして腰の壺の中では謎の技術のあんなものこんなものがボクの穴という穴を(フヒーフヒー)」
つ「えいっ!(パカーン)
王「おいっ!?」

ボ「・・・いっだ〜! ちょっと何すんのさ〜、頭割れるかと思ったじゃん」
つ「割れないよ。むしろ私の壺のほうが割れそうだったよ。それより、ファラオ様が話してるのに自分の世界に入っちゃ失礼だよ」
ボ「いつつ、コブになってないかな・・・。ごめんねファラちん、つい」
王「いや、気にするでない。多少面食らったがな・・・こいつはいつもこうなのか?」
つ「そうですね、たまに。もう慣れましたけど」

ボ「まあまあ、それより続きが気になるなー、中年キモオヤジ主人公がスキュラとつぼまじんをどうするのかなー」
王「いや、この主人公は中年でもオヤジでもキモくもないからな・・・?」

王「話を続けるが、妾がこの話を気に入っているのは3p描写だな。ハーレムのまぐわいとはどうあるべきかがよくわかるものとなっておる」

つ「そういえばファラオ様はアヌビスさん達と4人で、旦那様をお婿にされたんですよね」
王「うむ。もともと妾に仕えていたアヌビスとスフィンクス、それに居候兼ペットのアホピスでな」
つ「ペット・・・」
ボ「アポピスをペット扱いするところに魔物娘としての格の違いを感じるよ・・・」
王「そしてその4人を相手にまわして大立ち回りを演じたやつならほれ、そこに」
つ「そ、そんなんじゃないですよ。あの時はただ必死で」
ボ「スゲー・・・(若干引いている)」
王「愛とは偉大、という事だな」

ボ「でも、ハーレムものかあ・・・ボクはあまり興味ないけど・・・それで、ハーレムの正しいセックスってなに? ボクそういうの考えたことないからわからないんだけど」

王「うむ。これは一夫多妻制度をとる文化では大抵言われることだが、“夫は妻たちを平等に扱うこと”これがハーレムの基本だな」
ボ「ふうん」
つ「でも、そんなことって出来るんですか? その、例えばですけど、私は旦那様とする時に、旦那様の要望でいろんな格好をするんですけど、やっぱりその中でも旦那様のお気に入りの壺ってあるみたいで」
王「(お気に入りの壺?)まあその点に関して言えば、平等に接することが出来ないのなら複数の妻を娶ってはならん、という事になるな。また妻たちもお互いを尊重して、嫉妬せず仲良くしなければならん」

ボ「うへー。じゃあさ、ファラちんも旦那さんと他の奥さん達がイチャイチャしてても嫉妬したりしないわけ?」
王「嫉妬はする。アヌビスが肉球マッサージしている時とか、スフィンクスがしっぽフェラさせている時とか、アポピスが全身を巻きつけながらまぐわいをしている時など、なんとも言えん気分になる
ボ「それ嫉妬っていうか骨格の話じゃないの?」
つ「で、でもファラオ様にしか出来ないこともありますよね!」
王「ふふん、まあな。つぼまじんコスプレは4人の中で妾が一番似合うと言っておったぞ」
つ「さすがファラオ様です!」
ボ「それも骨格の話だよね?」

王「で、だな。このSSでは二人のヒロイン、スキュラのクリマタリヤとつぼまじんのトゥリパが、恋のライバルとして相手を意識しながらも、いざ事に及ぶと相手を押しのけるのではなく、お互いを高めあい共に夫を愛するために全力を尽くすという描写がだな、このSSと同じように一人の男を数人で共有する妾には学ぶことが多いのだ。
なにせスフィンクスやアポピスは自由気ままに夫の上でケンカを始めるし、アヌビスは妾がいると常に一歩引いてしまうからな」
ボ「ハーレムって大変なんだ・・・」

つ「でもこのヒロインたちって名前かわいいですよね。なんだかオリエンタルな感じで」
ボ「そう? ストゥーパ※みたいじゃない?」
※サンスクリット語で仏塔のこと。卒塔婆の語源。

つ「(無視)それに、3人でするシーンってそのう・・・ちょっとエッチですよね///」
王「トゥリパにクリマタリヤが絡むシーンのことか?」
つ「はい///」
ボ「そうなの? ハーレムに興味はないけど、実用性があるならあとで読んでみようかなぁ」
王「我が家ではああいった妻同士の絡みというのは少ないので、非常に参考になるな」

※名前についてなげっぱなし考察
グーグル相棒と相談した結果、クリマタリヤはギリシャ語の“ブドウ”、トゥリパは同じくギリシャ語の“チューリップ”からとったと思われる。チューリップの花弁を壺に見立てるそのセンス、妬ましいぜ!
日本で一般的なチューリップの品種:チュリパ(トゥリパ)・ゲスネリアナ

 * * *

王「以上で妾の紹介は終わりだ」
つ「お疲れ様です。実は私も以前にこのSSは読んだことあったんですけど、もう一度読みたくなってきました」
ボ「お疲れ。ボクはハーレムものはちょっと遠慮したいけど、抜けるシーンがあるなら一度読んでみようかな。旦那様との参考用に」

王「お前はテンションの浮き沈みが激しいな。そんなにハーレムは嫌か?」
ボ「そうだね〜。ボクはもっと旦那様に、ずっとボクだけを見ていてほしいなあ」
つ「でも前に聞いたときは“旦那様専用オナホになりたい”とか“ペニスケース扱いされて24時間犯されたい”とか言ってたじゃない」

ボ「モノ扱いされるのとないがしろにされるのは違うよ」
つ「ちょ、ちょっとファラオ様の前で・・・」
王「妾は別にないがしろにされているつもりはないぞ? まあ、妾とて最初からハーレムを築くとは考えていなかったがな」
ボ「そうなの?」
王「ああ。最初は遺跡に来る男達をそれぞれの夫とするつもりだったが、待てど暮らせど人っ子一人やって来んでな。数十年たってやっと来たのが我が夫というわけだ。
・・・確かに夫を複数で共有するというのは多くの魔物にとって不幸かもしれないが、それよりも不幸なのは愛する男と一緒になれない事であろう」
ボ「確かに、そうかもね」

つ「ちなみに私の世界では旦那様の友人達をファラオ様達に紹介しました!だから不幸な魔物娘なんていません!」
王「妾の世界では夫の知り合いの、見る目は確かだけど人が良すぎて商売下手な骨董商(イケメン)に壺を見せたところ、ものすごい勢いで壺に吸い込まれていったぞ! “やはりつぼまじんでも相手は選ぶのだな”と言ったらあやつはしばらくしょげ返っておったな!だから不幸な魔物娘なんておらんぞ!」
ボ「ハイハイ、つぼま時空つぼま時空」

※なげっぱなし方針:
全ての魔物娘は幸せになるべきであるなぜなら可憐な乙女が悲しそうにしているところなどこのサイトを見ている紳士諸氏は誰も見たがらないからである野郎は幸せにならなくとも良い。


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・『Semi Auto of Gag』「壷にあるは妖精か、それとも・・・」(沈黙の天使)

ボ「じゃあ最後はボクの番だね。ボクが紹介するのはこれ、沈黙の天使さんの連載短編集『 Semi Auto of Gag 』より、「壷にあるは妖精か、それとも・・・」だよ」

王「ふむ、先ほど言っていたオムニバス形式連載のなかの一短編、という奴だな」
ボ「そそ。この『Semi Auto of Gag』はね、作者が紹介文で“ギャグ!ギャグ!とにかくギャグ!”と書いているようにネタ系SSを集めたショートショートでね。思わず「くだらねーw」と笑いたくなるような短編集なんだよ」
王「我らの登場するSSも大概だと思うがな」
つ「そ、それで、肝心の内容なんだけど・・・」

ボ「ああそうだった。あのね、このSemi Auto of Gagは作者が短編集と言うようにひとつひとつのSSが短いんだ。どれも1000〜2000文字くらいかなあ? 気軽にさっと読めてちょうどいいんだよね。ボクが見つけた「壷にあるは妖精か、それとも・・・」もたぶんそれぐらいかな? 二人の紹介したSSよりは短いはずだよ」

つ「私の紹介した『挫折の証 フォーエヴァー』もそんなに長い方じゃないけどね」
王「元来“SS”とはショートストーリー(※サイドストーリーとも)という意味なのだから、文章が短いからと言って価値が減ずるわけでもなかろう。肝心なのは内容だ」

ボ「そうだね。でその肝心の内容なんだけど、つぼまじんが壺を割られて、捕まって、公開レイプされちゃう話なんだよ(フンスフンスフンス)」
※注意:この紹介はだいぶボクっ娘つぼまじんフィルターがかかっています。

つ「ちょっと待って落ち着いて。鼻息荒すぎだよ・・・」
王「お前というつぼまじんが一体どういう嗜好を持っているのか、妾もだいたい把握したぞ」

ボ「しかもね、捕まえ方がもう、虫でも捕まえるみたいに網でこう、ヒョイッと、無感情で作業的でね、ああ、いったいボクをどうするつもりなの? そんな夏休みの小学生のような純粋で酷薄な目でボクを見ないで! き、きっとボクのことを蝶の標本みたいにして“きれいな妖精さん、僕のために永遠に美しいままでいてね”なんて言いながら狂気を感じさせる情熱的な視線をボクの肢体に・・・ああでもさすがにピン止めされたら死んじゃうから、そうだな・・・ティーンと来たぞ! そうだよきっとボクを拘束して動けないようにした上でヴァギナを貫く台座に固定して、ボクが悶え喘ぐ姿をうっすら笑みを浮かべてワイン片手に鑑賞するんだよ! なんていい趣味ステキな趣味!(ヒーハー!)」

つ「お、落ち着いてってば。紹介してるのギャグSSなんだよね? 陵辱タグついてないよね?」
王「いかんな。もう自分の世界に篭っておる」
つ「もうどこまでがSSの紹介でどこからが妄想なのかわからないですよ」
※紹介は最初の1・2行です。

王「ううむ、これは妾達もあとできちんと読んだ方がいいな・・・」
ボ「ダメです御主人様、そんな、ピンセットで・・・ああん、乳首勃起しちゃってるぅ、恥ずかしいよう・・・(フシューフシュー)」
つ「どうしましょう? もう一発殴ります?」
王「やめておけ。これを正気に戻すには気絶するぐらい殴らんといかんだろうしな」
つ「じゃあ最後の紹介はこの辺でということで」
王「うむ」
ボ「御主人様、ボクの、はしたないイキ顔を・・・ご、御主人様、ボク、もう、御主人様、御主人様ぁ・・・!」
王「・・・一つ聞きたい、つぼまじんというのは」
つ「違いますよ?
王「う、うむ」
つ「これはちょっと特殊なつぼまじんであってつぼまじんが皆こういうのってわけじゃないです。いいですね?」
王「あっハイ」


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(一時間後)

王「ふむ」
つ「ぷふっ」
ボ「ほう・・・ほほう(フシュー)」

(魔物娘読書中・・・)

 * * *

〜『挫折の証 フォーエヴァー』読了〜
つ「私の紹介したSSはどうでした?」
王「うむ、良かったぞ。筆者は難産だったと書いておるが、いやなかなかどうして」
ボ「ふがひてぃ」
つ「あ、さっそく壺かぶってる」
王「わ、妾にも壺を」
ボ「もっへー。もみもめぇ」
(オッケー。はいこれ)
王「ふふふ、これで妾も・・・(ガポッ)んぉむぁぇうぃますぁうい」
つ「じゃあ私も(ガポッ)わぁひふぇ、ひほひひょぐはっへ」
王「うあいうう? えっおいうう? おえおおわ・あ・わ?」
(部下{犬・猫}にする?ペット{蛇}にする?それともわ・ら・わ?)
つ「ふぁえふぁひえふぁいおへ、ふぇをふぃふぃっふぇふははい///」
(前が見えないので手を握って下さい)
ボ「まめへぇ! まらひいもとむうひえひょ!めおあいまぐみまいみ!めおあいまぐみまいみ!」
(やめて!やらしいことする気でしょ!エロありタグみたいに!エロありタグみたいに!)
王「おっと、わぁわおぃよ! わぁわおあいえ!」
(もっと妾を見よ!妾を愛せ!)
つ「ふぁふぁふぁふぉふぁへうふぉはひひへふふぇふぉ、ふぁみふぉふぁへうふぉはひゃめへふははい」
(頭をなでるのはいいですけど、髪を食べるのはやめてください)
ボ「むぉっみみむぁむもぉ!むんみまむまままはらぁ!」
(そっち違うの!***出す穴だから!)

つ「(ガポッ)ハアハア、け、結構息苦しいですね、これ」
王「(ガポッ)ゼエゼエ、それに、暑い」
ボ「まえ? むえまい」
王「なんだ、お前はまだかぶっているのか?」
つ「あんまり無理しちゃダメだよ」
ボ「もえまいー!」

 * * *

〜『壷にあるは妖精か、それとも・・・』読了〜
つ「ねえ、この「壷にあるは妖精か、それとも・・・」に出てくる緑色の服を着て剣と盾を持った人って、何かの隠喩?」
ボ「え、知らない?“夢を見る島”とか“リ〇クの冒険”とか。ほらあの『ユウシャ 〇ト ココニネムル』で有名な」
王「まったくわからん。小説かなにかか?」

ボ「ゲームだよ! ファラちん知らないの? 竜探し旅とかスーパーラテンブラザーズ2とか究極幻想とか・・・」
つ「あ、究極幻想はやったことある。“♪ふしぎなじゅもんさ さっさかさ♪”」
ボ「とくれせんたぼーび!」
つ「あれ、トータスンタボービ!じゃなかったっけ?」
王「・・・つぼまじん達がまた妾に理解できない会話をしている・・・」

つ「ん、あれ・・・あの、この『Semi Auto of Gag』のこのSS・・・下から5番目の」
王「どうした、真面目な顔をして・・・む」
ボ「あー、見つけちゃったね」
つ「えっ、じゃあ6月に投稿されたあれは、これの?」
王「しかもタイトルが・・・これはまずいのではないか?」
ボ「まあ、二次創作サイトでそこまで突っ込むのは野暮だけどねえ」

※なげっぱなし解説
つぼまじん達が何に驚いているかと言うと、沈黙の天使さんの『Semi Auto of Gag』中の短編に「おおきな まんどらごら」(2011/06/26投稿)という作品がありまして、そして以前私が投稿した作品に『まもの絵本「おおきなマンドラゴラ」』(2016/06/13投稿)という愚作があってですね・・・イヤハヤナントモハヤ。パパ、パクリじゃねーし! 一応あれ書く前にマンドラゴラタグは全部チェックしたし! いや確かに2011年当時読んでたかも知れないけど! というかまず間違いなく読んでるけど!
 だから皆さん、この事はくれぐれも沈黙の天使さんには御内密に・・・あっ、ニコ〇コ動画の「魔物娘 ga TRPG」面白いですエヘヘ・・・
(by卑屈な笑顔のなげっぱなしヘルマン)

 * * *

〜『物乃怪複鳥草紙 ―蛸娘、壷娘乃巻―』読了?〜
ボ「あれ? ねえ、ファラちんの言ってたSS、検索しても見つからないんだけど。削除されてるんじゃないの?」
王「そんな馬鹿な。削除などされておらんぞ」
つ「どうやって検索してるの? 作者名で探すのは大変だからタイトルで検索した方がいいよ」

ボ「やってるよ。でも出ないんだもん」
王「ふむ、ちょっと見せてみろ・・・ああ、わかった。お前検索する時、作品名のタブに“壺”と入力しているだろう。妾が紹介した『物乃怪複鳥草紙 ―蛸娘、壷娘乃巻―』は“壷”で検索しないと出てこないぞ」

ボ「えぇ〜?めんどくさいなあ。ていうか壺と壷って違うの?」
王「アヌビスから聞いたのだが、壺も壷も意味は同じであるが、ぱそこんでは別の文字として処理されるから、検索する時には両方を使い分けないといかんとの事だ」
つ「使い分けということは、どちらかが正式な文字でもう片方は略字ということなのでしょうか」

王「ううむ、妾もアヌビスからの受け売りで詳しいことはよく知らんのだがな・・・。どちらかが正式で正しい文字ということはない。というか、調べてもよくわからなかったそうだ。よって、どちらを使っていても問題はないだろう」
ボ「ふーん。壷、と・・・あ、今度は出てきた」

※なげっぱなし脚注:
なげっぱなしヘルマンのSSでは漢字は“壺”表記で統一しています。理由としてひとつには、書籍版図鑑のつぼまじん解説文で使われているのが“壺”表記であること。(※ただし初出のHP図鑑では“壷”表記なので、この投稿所内でもどちらが正しいという事はないと思います)
それに加え、壺と壷を見比べた際、なんだか壺の方が中身が入っていないみたいで、つまり中身がない=捕らえた男が入っていない=未婚のつぼまじん=手付かずの自然=処女を連想させて世のつぼまじんメニアの胸に夢と希望があふれるからです。すなわち壺=中になにも入っていないつぼ、壷=中になにかしら入っているつぼという事なんだな(新説)んっんーこれはノーベル賞並の発見だよチミィ。
(by淫魔に処女性を求めるなげっぱなしヘルマン)

〜『物乃怪複鳥草紙』熟読中〜
ボ「こ、これは!このSSは!(フンハッ!)」

 * * *

(20分後)

ボ「蛸・・・吸盤・・・乳首(ブツブツ)」
つ「それであの人ったら・・・」
王「まことか? 妾にはそんなこと・・・」

(魔物娘雑談中)

王「のう、前から気になっていたが、お前たちつぼまじんが腰につけている壺、一体どうやって足を出しているのだ? 穴でも開いているのか?」
つ「穴は開いてないですよ。この壺はですね、私達つぼまじんの魔力の塊なんです。だから体の動きには全く干渉しないんですよ。もちろん触ろうと思えば触れますけどね」

王「であれば、もし『挫折の証〜』のように壺がはずれなくなっても、『壷にあるは〜』のつぼまじんがやったように壺に魔力を注げば簡単に脱げるのではないか?」
つ「たぶんできると思いますけど・・・ただ・・・」
王「ただ?」

つ「『壷にあるは〜』でやった魔法はあくまで緊急回避用で魔力も大量に使うので、よっぽど魔力を貯めているか・・・おそらくこの作品中では体力を魔力に変換して魔法を使ったんじゃないですかね。基本的に壺を割られたら魔力の大半を失いますから。それに作中では腰の壺がない状態でリンクさせてますからいいですけど『挫折〜』の場合腰にはちゃんと本来の壺をつけているのでその状態でリンクしたらまあ多分腰の壺が消えて頭の壺のほうが魔力の壺になるんでしょうけどでももしも“頭が入った状態の壺を腰にはいている”という認識をされた場合に体がどうなるか正直ちょっと私にも想像つかないというかまあ試してみればいいんですけど最悪命に関わるのでちょっと遠慮したいというか・・・うーんこれは今年のつぼまじん学会に提出して議論する必要がありますね」
王「え、ああいや、スマン、思ったよりも難しい話のようだな。そこまでしなくてもいいぞ、ウム」

※なげっぱなし脚注
腰の壺の正式な設定(図鑑記載)は
「つぼまじんの魔力の塊で、外すと一切魔法が使えない」
「潜んでいる壺とリンクしている」
のみです。つぼまじんがつらつら述べているのはなげっぱなしヘルマンの個人的な考察です。

つ「でもこの人、ガラス瓶を壺にしてますけどこれ多分・・・」
王「ん?」
つ「腰の壺がガラス瓶とリンクしているので、壺の外に出てもスケスケですよ」
王「ファッ!?」
つ「しかも上半身の服を壺と連動させていたら、乳首もスケスケです」
王「ぶふぅ!!」

つ「まあ似たような例で言うとケセランパサランやフェアリーもそうですけどね。彼女達は元から股間スケスケですし。というか魔物にはもっとすごい格好の人いっぱいいますし」
王「・・・言われてみればそうだったな。なんだか驚いて損した気分だ・・・。む? いやまて。お前も確か水晶製の透きとおった壺から出てきたはずじゃないか? 妾の副葬品の」
つ「あれは単に出口としてつなげただけですから、腰の壺とはほとんどリンクしてませんよ」

王「そ、うなのか? つぼまじんとは奥が深いというかなんというか・・・妾にはよくわからぬ」
つ「大丈夫ですよ。ほらここはつぼま時空ですから。深く考えちゃダメですよ」
王「う、うむ。(そのつぼま時空とかいうのが一番わからん) ・・・ところでこやつはさっきから一人でブツブツ言っておるが大丈夫なのか?」
つ「そういえば。ちょっと、どうしたの?」

ボ「蛸・・・北斎・・・蛸壺」

王「また自分の世界に入っておるな」
つ「ですね・・・おーい、ねえってば」

ボ「蛸壺・・・壺・・・♪壺・壺・壺to many on a kiss♪」

王「どうする、今度は妾が一発殴るか?」
つ「ファラオ様が殴ったら“リ〇グにかけろ”みたいに吹っ飛んじゃいますよ」
王「ギャラクティカ・ファラオム!」
つ「ウイニング・ザ・レインツボー!」
王「しかしここいらで話を締めねば・・・」

ボ「蛸壺! 触手! そして腰の壺! ティーンと来たぞ!
王「ぬおっ!?」
つ「ひゃっ!?」

ボ「待っててねぇ御主人様ぁ! 今日は触手でぇ、フフ、ヒヒ、ヒャーッハハハァ!」

つ「すごい勢いで出て行っちゃいました・・・」
王「あいつの夫はあんなのと四六時中付き合っているのか・・・哀れだな」

 * * *

つ「二人だけになっちゃいましたけど、ひとまず今日はお開きにしましょうか」
王「うむ。妾もお前たちと話せて有意義であったぞ。さて、そろそろ妾も行くとしよう」
つ「今日はありがとうございました。それと、旦那さんの事・・・あんまりいじめないであげて下さいね。あの人、結構打たれ弱いですから」
王「ふふ、わかっておる。そういうお前も甘やかしすぎるでないぞ? あやつは少々図に乗るところがあるからな」
つ「うふふ、そうですね」
王「では、な。いずれまた会おう」
つ「はい。またきっと」


─────────────────────────


おまけの3人

男「あの、つぼまじんさん、この薬はいったい・・・」
ボ「大丈夫大丈夫、変な薬じゃないから。はやく飲んでよ、“御・主・人・様”♪」
男「(ビクッ)は、はい。ゴクッゴクッゴ、ク・・・!?」
ボ「ふふふ、もう効いたんだ。予想以上だね」
男「つ、つヴぉまずぃんざん、いっだいぬぅぁあぬぅぃいうををををを(ドロドロドロ)」
ボ「安心してよ。ちょっと体が触手に変わって、理性が無くなるだけだからさぁ」
(注:一般的な市販の触手薬です。ご安心下さい)

男だったモノ(ウジュルウジュル、ネトネト、ジュロロロロ)
ボ「そしてぇ、さあこのボクの壺を覗いてぇ♪」

ゴオオオオ! ジュポポポポポ!

ボ「よしよし、御主人様はぜんぶ壺の中に入ったね。あとはこれをはいて・・・」

ニチャニチャ、クリクリ、ジュルジュルジュル

ボ「ひゃああん♪ 御主人様、いきなり激しいよお♪ 触手に壺の中へ入り込まれて、ボクの大事なところを守るための壺が、逆に休みなく辱めるための淫具にされちゃうなんてぇ♪」

ジュポジュポ、ヌルヌル、ズリュリュリュリュ

ボ「はひぃいい♪ 触手に、いいように蹂躙されて、イっちゃうう♪」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

男「つぼまじんタン、今日はどの壺にしようか?(ハアハア)」
つ「今日はこれにしようと思うんです(ゴトッ)」
男「ムム、これは確かファラオ様から餞別にもらっ(強奪し)た水晶の壺」
つ「はい。懐かしいでしょう?」
男「うむ。正直あの時の追い詰められてもうどうしようもなくなった恐怖まで思い出されるぞつぼまじんタン。だが、いかに思い出補正があるとはいえ、こんなただ綺麗なだけの壺で、果たして私をときめかせる事ができるかな?(ババーン!)」
つ「今日は一発でキメます・・・武装化(アムド)!」

パララララ ガシィン!ガシィン!ガシィン!
壺が展開し、つぼまじんの体に鎧のように装着される!

つ「壺式魔装術奥義、水晶魔神!(ブッピガーン!)」
男「FUFOOO!? スッケスケやでー!!」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

王「戻ったぞ」
アヌビス「お帰りなさいませ、ファラオ様。つぼまじん達との会合は如何でしたか?」
王「うむ、なかなか有意義であった。他の者はどうしておる」

犬「スフィンクスとアポピスは仕事時間中にまた夫君を取り合って暴れたので、二人まとめて簀巻きにして物置に放り込んであります」
王「そうか。それで、その、あやつはどうしておる?」
犬「現在、夫君は自由時間ですが、先ほど外の空気を吸ってくると言って出て行かれました。そろそろ夕餉の時刻ですので、呼びにいこうかと思いますが」

王「わかった。ではあやつは妾が連れて来よう。お前には少し準備してもらいたいものがある」
犬「ハッ、何なりとお命じ下さい」

〜遺跡外周・最上部〜
王「ここにおったか」
男「ああ・・・ファラオ、様。お帰り」
王「ただいま戻った。・・・星を見ていたのか?」

男「ちょっと旅してた頃を思い出してね。本当に、ここは何も無いな」
王「砂漠の真ん中だからな。・・・今日、“ぱられるわーるど”のつぼまじんと会ったぞ」
男「・・・」
王「向こうのお前は大分、無茶を言ってつぼまじんを困らせているようだったがな」
男「そうなんだ・・・ハハ、それならこっちの方が良かったかも。こっちのつぼまじんの夫は、背も高くて、優しくて、なにより俺みたいな変態じゃないからな・・・」

王「・・・砂漠の夜は冷える。中に入ろう。夕食は今日も豆のスープだそうだ」
男「ハハハ、そして明日もだろう?」
王「何もない、砂漠の真ん中だからな」

〜夕食後・ファラオの寝室前〜
男「1時間経ったら部屋に来いだなんて、今日はどうしたんだ? いつもなら食べたらすぐに寝室に連れ込まれるのに」

〜ファラオの寝室内〜
王「では皆、わかったな?」
犬「了解いたしました、ファラオ様!」
猫「ファラオ様の命令ニャらしかたニャいニャ〜」
蛇「え〜私はやっぱり皆でってちょっと〜・・・」

犬「貴様、エサ抜かれたいのか?」
猫「乳もぐぞナスビ」
蛇「だから私はペットでも野菜でもないっての!」
王「『やめよ』・・・アポピス、これは我ら4人だけではなく、あやつを含めた皆の為でもあるのだ」
蛇「私だって、わかってるわよぅ。大体最初から『命令』すればいいじゃないの」
王「妾は無為な命令は好まぬ。・・・間もなく時間だ。準備はよいな?」

犬「ハッ(ガポッ)」
猫「行けますニャ(ガポッ)」
蛇「いいわよ(ガポッ)」

 コンコン

―ファラオ様ー? 入るぞー?―

王「うむ、入れ(ガポッ)」

(妾では・・・我ら4人では、つぼまじんほどお前を幸せにする事は出来ないだろう。しかしそれでも、妾は王として、いや一人の女として、お前を幸せにしたい。笑っていてほしい。いつだって、そう願っているのだ──)

―ギイィ―

男「あれ、暗いな」
壺頭「「「「 んぉむぁぇうぃますぁうい 」」」」
男「ヒエッ!? 壺頭のバケモノオ!?」
壺頭ズ
「「なーたちにすう?(ズイッ)」」
壺頭蛇
「ままみもむう?(ズイッ)」
壺頭王
「おえとお、わ、あ、わ?(ズズイッ)」
男「ヒイィッ!?」


男の意識はそこで途絶えた。
気を失った男はうわごとのように「ごめんなさいもうつぼまじんつぼまじん言いません」と繰り返していたという。
16/12/07 23:09更新 / なげっぱなしヘルマン

■作者メッセージ
つぼまじんタグ以外にもつぼまじんSSはある。
こうしちゃいられねえ!俺も書くぜ、つぼまじんSSを!
うおーっ!バリバリーッ!(原稿用紙を破く音)


〜つぼまじん達の紹介〜
・つぼまじん(ノーマル)
初登場SS「つぼまじんの魅力を語り尽くしたい」
特にこれといった特徴のないつぼまじん。名前はまだない。

・つぼまじん(ボクっ娘)
初登場SS「つぼまじん七変化」
超ドM。一周まわってドS。旦那の性癖はノーマル。通称ゲスまじん。
本名:リプル・ゲスネリアーナ(今考えた)

・ファラオ様
初登場SS「つぼまじんの魅力を語り尽くしたい」
半径100kmはぺんぺん草も生えない砂漠の中の遺跡に住むファラオ様。
名前はまだない。つける予定もない。

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