読切小説
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据え膳食らわば皿まで
 海の中には、色んな種族が住んでいる。
 特にこの国には多種多様な種族が肩を並べて仲良く歌を歌う日々。

「ら〜……コホンッ…ら〜らら〜ら〜…」

 魔物達が行き交う中心街からちょっと離れた海の底。
 そこが、彼女の家であり活動範囲であり唯一無二の居場所だった。

「もうそろそろ…なんだよね…」

 腕に「エナ」と刻まれたタグを提げた少女。
 それがこの少女の名であり彼女がこの物語の主人公でもある。

ぐぅぅ〜〜

「……が、頑張らなきゃ…」

 彼女がこれからしようとしている事は、案外彼女にとって死活問題でもあった。
 彼女の活動範囲は、足場であり入り口であるこの貝から手を伸ばして届く距離。
 別の場所へも移動する事は出来るのだが、歩くわけではなく転移魔法による空間接続だ。
 分かり易い例えで言えば、この貝はどこ○もドアのようなものだと思えばいい。
 ただし使用者の足を空間から外へは出せないという制約が含まれているが。

「んしょっ!」

 準備の為、一度自分の貝の中へと引っ込むと、そこに広がっていたのは広大な空間だった。
 どこまでも白くどこまでも遠く続くその世界こそが、エナにとっての家であり世界である。
 いつもなら貰いものや漂流物を吸いこんで設置したりしているのだが、ある人からの指示を受けてこの空間に設置したもののだいたいは廃棄してしまっていた。
 それと言うのも、これから来る巨大な獲物を少しでも多く吸い込む為だ。

「……うん、これくらい開けてれば十分だよね… あ、おやつ!」

 最終チェックを終わらせて元居た場所へ戻ろうとしていたエナの前に、ちょっとしたおやつが流れてくる。
 まだ消費していなかった分の肉や野菜が、海中に漂っているかのように漂流してきたのだ。
 ちょっとシュールかもしれないが、この空間に日ごろから住んでいるエナたちカリュブディスにとっては日常的な事である。

「あむっ… おいひぃ!」

 火の通った状態で漂流しているそれらは、浜辺で焼かれた物のようだ。
 何故匂いで分かるのか?
 海に近しい香りが漂う食べ物が、浜辺で焼かれた物以外にどこで作られていると言うのか。
 どっちにしろ、今の空腹状態なエナにとってはその程度の事はどうでもいい事だった。
 食事にありつけた事こそが彼女にとって一番の幸福なのだから。

「…!? も、戻らなきゃっ!」

 食事に気を取られてしまっていたが、彼女は今こんな所で肉を頬張っている場合ではない。
 下手を打てばこれが最後の晩餐になってしまうかも。いや、今が夜かどうかは分からないが。
 とにかくエナは大急ぎで元の場所へと戻る。

「っ! もう始まってる?!」

 元の貝から身体を出してみると、周囲にはいくつもの渦潮が発生していき海上へと延び始めていた。
 このままでは出遅れて本当にさっきの食事が晩餐になってしまう。

「ご、ごめんなさい先生! もうしませぇん!」

 泣きながら大慌てで魔力を込めるエナ。
 十分な量の魔力が身体を巡って来た所で彼女は足元の貝を開く。
 ちょうどポケットを開けるように開かれた貝殻は、渦潮を生み出す魔道具として機能する。
 そうして吸い込んだものが、さっきの空間に漂うというわけである。

「うえぇええぇん!!」

 大声で泣き叫ぶと、彼女の魔力は一気に弾ける。
 周りで発生するどんな渦潮よりも巨大な渦が海面めがけて伸びていく。
 半ばコントロールの効かなくなったソレは海面に到達した。

「もっと強く、大きくしなきゃ先生に怒られちゃううぅ!」

 思い浮かぶのは鬼のような形相をしたネレイスの姿。
 普段はニコニコしていて笑顔の美しい教師だが、怒ると怖い事をエナは知っていた。
 友達のように仲がいい事もあって、エナはその教師の怒った顔を見るのが二つの意味でイヤだったのだ。
 一つは単純に怒られる事への恐怖。
 もう一つは、友人として声をかけて貰えなくなる喪失感への恐怖。

「そんなの…そんなのどっちもいやぁぁぁ!!」

 教師としての彼女の為、友人としての彼女の為、両面から嫌われる事を恐れたエナの魔力はより一層膨れ上がった。
 それにつられて、発生する渦もさらに大きくなっていく。
 こうして、ミッションは完遂された。

「…え… …船…?」

 まるで城のように大きな船が、はるか頭上、海面から沈んでくるのが見て取れる。
 当然、人も山のように乗っているだろう。
 その船を引き割き海へと引きずり込んだのは他でも無いカリュブディスたちの渦潮だ。
 船から放り出された人々や物資は次々とスキュラやマーメイドたちに奪われていく。
 エナ自身も吸い込んでいるのは吸い込んでいるだろうが、さっきから入ってくるのは船の残骸ばかり。
 こんなものをたくさん詰めていては内側の空間がゴチャゴチャとゴミで溢れ返ってしまう。

「あ…えっと… ど、どうしよう…」

 自分のしたことの重大さに心が悲鳴を上げ、確実に彼女のストレスとなっていく。
 手が震え、呼吸が不安定になって、心臓が高鳴り、思考が稚拙になっていった。
 所謂パニック状態というやつだ。

「はぁ…はぁ… わ、わたしっ…なんて…ことっ…」

 海へ投げ出され、攫われて行く人々は、自分が運命を捻じ曲げてしまったも同然の人たち。
 そんな彼ら彼女らに、自分は果たして償いきれるだろうか?
 答えは明確に分かっている。分かってしまっている。どうあがこうが償いなんて出来るはずもない。
 自分の空間以外では一歩たりとも歩く事なんて出来ない足を持つ彼女には。

「ひぐっ…えぐっ… ご、ごめんなさいっ… わたしっ…」

 誰に謝るでもなく謝罪の言葉を口にするエナは、そのままそっと貝の口を閉じる。
 渦潮は閉じた途端に消えて行き、開いた空間では水の流れ同士がぶつかって渦潮など無かったかのように元の姿を取り戻していく。
 後に残ったのは、少し離れた場所に沈没したのだろう巨大な船から見える大きな煙突だけだった。

「ひどいよね…こんな…こんなこと… ごめんなさい…ごめんなさい…」

 自責の念に自分の心が磨り潰されていくような苦しみを味わいながら、エナは顔も知らない人々を悔やみ涙を流す。
 暫くそんな事が続いていたが、不意にエナの視界に何かが写る。
 白くて清潔そうな服装に身を包んだ青年が一人、ゆっくりとエナの下へ沈んできたのである。

「ひぐ…… えっ?! え、せ、先生っ、空から男の人がっ!」

 居もしないネレイスを呼び、空ではなく海上から沈んできた男性をゆっくりと両手で受け取るとすぐに分かる事がある。
 人間の肌というものは、こんなにも冷たい物じゃない。
 じっくりねっとり触った事なんてないから実際はどの程度なのか知らないが、確実に人間がしていていい温度ではなかった。
 導き出される答えがどうであれ、エナがするべき事はただ一つ。

「っ!? 大変っ!」

 落ちてきた青年を抱き止めたエナは、すぐに彼を殻の内側へと、まるでウツボが獲物を捉えて巣へ引き込むように素早く潜りこんだ。
 後に残されたのは、入り口の閉ざされた大きな貝だけだった。

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「……やっぱり、息してないっ!」

 ここはエナの内側にある空間。
 最初こそ白くて広くて何も無かった空間だが、今では吸い込んだ大きな船の瓦礫や残骸などで埋め尽くされてすっかり船の中のようだ。

「しっかり…しっかりし…て? …えっ?」

 適当なベッドを見つけ、そこへ寝かせ状態を確認する。
 耳を近づけると呼吸の音は聞こえない。
 胸へ耳を当てると、心臓の音は聞こえていた。
 死んではいない。
 希望に胸を膨らませていたエナの目の前で、それは自らを膨らませていた。
 ズボンを貫かんがばかりの怒張が大きなテントを張っていて、しかも目と鼻の先にそんな物があっては誰だって二度見くらいするだろう。
 事実、エナだって強烈な二度見をかましてみせたわけだし。

「こ… これって… っ! 違う違う!」

 今見るべきは彼の股間のテントではない。
 海水をタップリと飲んでしまっているであろう身体を救う方が優先だ。
 けれど、どうしてもそっちへ意識が向いてしまう。

「あ… あぅぅ…」

 しかも、意識がそっちへ向いてしまっている事が災いして二次的な被害が彼女を襲う。
 気道確保の為に傾けられた彼の口…いや、唇をどうしても意識してしまっていた。
 じっくり見て分かった事はと言えば、彼がどちらかと言えばイケメンな優男タイプ、要は優良物件っぽさを滲ませる容姿をしている事くらい。
 それを意識してしまっては、ますますこれからしようとしている事がやりにくくなってしまう。

「お…おぼぼ…おぼれた時は… そう、じ、人工呼吸だよね…?」

 ネレイスの先生から教わっていた事をゆっくりと思いだす。
 普通の人間は水棲種の魔物娘やその伴侶と違い、泳ぐことに不慣れなら水中で過ごすのにも不向きな体つきをしている。
 空気を取り込む手段も無ければ水中で呼吸する事も出来ないため、長く水の中に居てしまえば溺れてしまう。
 そうなってしまったら、早く救助しなければ死んでしまう事だってある。

「やらなくちゃ… わ、わたしが… こ、このひとに…」

 興奮と緊張で胸が張り裂けそうなくらい高鳴っているのが何もしなくても分かるくらい、エナの心臓は早鐘を打っていた。
 早くしなければ彼はこのまま死んでしまうかもしれない。
 けれど、助けるには人工呼吸をしなくてはいけない。
 そして人工呼吸をすると言う事は即ち、唇を重ねるということ。

 ここまで考えたエナは、頭からボフッと湯気が出る程の緊張と共に身体中の力が抜けていった。

「で、できないよそんな… うー、すっごく綺麗だし私なんかじゃ… って、人の命が掛かってるんだよ?! そんな事言ってる場合じゃないって!」

 一本、また一本と緊張の糸が解れて行き脱力していくエナ。
 だが自分がこうしてモジモジしているだけで彼の命は消えてしまうかもしれないのだ、そんな事を言っている場合ではない。
 彼の命は、エナにかかっているのだ。

「ごめんなさい… 私のはじめてもあげるから許してー」

 ブツブツごにょごにょと呟きながら顔を近づけていく。
 近くで見れば見る程に自分とは不釣り合いなんじゃないかと思わせてくるその容貌は、もはや罪なんじゃないか。
 だが今この状況において、そんな事を言っているような余裕なんてない。

 そして、覚悟を決めたエナは意を決して彼とくちづけを交わす。
 そのまま人工呼吸をするのが正しいのだが、今回はちょっと状況が違っていた。

「(えっとこのまま…) …っ?! んぅ! んーーっ?!」

 口を口で塞ぎ、そのまま空気を送り込むはずが、そうする事が出来なかった。
 彼の舌がエナの口の中へ入り込んできたからだ。
 しかも、突然の事に驚いていたエナは気付かなかっただろう。
 彼の両腕が自分の身体を抱きしめて離さない事に。

「んんん〜っ?! (舌が私の中に入って… ふあぁ!?なにこの気持ち良さぁ!)」

 最初こそ離れようともがいていたエナだったが、次第にキスの心地良さに心を奪われていく。
 舌と舌を絡めあい、くちゅくちゅとかき混ぜあって蕩けるような快楽を貪るようになりはじめる。
 ビクンビクンと跳ねる身体を彼に抱き止められ、そのまま全身を彼の思うがままに委ねていった。

「ん……んぅぅー…(もうダメ… 気持ち良すぎてとろけちゃう…)」

 舌を絡めあい、抱き締められながらキスを交わす。
 その状態がいったいどれほど続いただろうか。
 頭の中から足の先までとろとろに蕩けたエナは、そこでふと…

 目覚めた彼と目があった。

「………?! ぷぁっ! す、すすすす…すまん!」

「ぷへぁ! …ぽへぇー…」

「おい!しっかりしろ! リアルでぽへーとか言う奴と会うのは初めてだぞ?!」

 目覚めた彼を見たエナが最初に受けた印象は「この人になら全てを託してもいいかな」だった。
 そしてそれが、彼女の思考した最後の考えになり、後はこの海のように蕩けて行く…訳もなく。
 キスの余韻が頭から離れなくて、いつまで経っても呆けた顔をしたまま戻れそうになくなっていた。

「まったく… どこなんだココは…」

 周りを見れば、ついさっきまで乗っていた客船の中のようにも見えるが造りがめちゃくちゃだ。
 ボイラーのような鉄塊が壁になっているかと思いきや、木造の床が壁を塞ぐように重ねられていたり、窓のつもりなのか柵が刺さっているだけな所もあったりと建築のけの字も感じられない作りをした部屋が目の前にはあった。
 しかもまだ意識がはっきりしていないからなのか、それらがゆったりゆらゆらと揺れているようにすら見える始末。

「それにこの子は…」

「えへへー… エナっていうのー」

「そうか…エナ、さっきはすまない 大丈夫か?」

 エナの様子は明らかに大丈夫とは思えなかった。
 まるで酔っぱらったかのようにふらふらと身体を揺らし、青年に猫のように懐いてくる。
 すっかり思考が緩み切ってしまっているようだ。

「おにーさんはなんていうのー?」

「俺か? 俺はシーザー。シーザー・ファスター」

「しーざーさんかぁ… これからよろしくねー?」

「えっ? よろしく? というか何して… ふぉあ!?」

 酔った時でもこういう事に関してだけは器用に指が動くもの。
 あっと言う間にボタンを外して紐を解いて、顔を覗かせたカメさんがこんにちわ。
 既に我慢の限界だと言わんばかりに真っ赤な色に腫れ上がって苦しそうだ。
 そして、シーザーは自分のモノを見て驚いた。
 どうやら自分の意思とは無関係にここまで大きくなっていたらしい。

「よろしくはよろしくだよー?」

 えへへと無邪気な笑みを浮かべながら、エナは腫れ上がったモノをじーっと見つめる。
 この空間に充満した魔力を浴びて、しかもエナから直接魔力を吸い上げてしまった事によって巨大化したイチモツ。
 それを制御出来る程、シーザーは魔術や魔力に対して深い知識を持ってはいない。

「っ?! す、すまんっ! 身体が勝手に!」

「はぶぁ! おっふぃぃ! んぐぇ…じゅるる…」

 気が付けばシーザーは、エナの頭を大きなボールでも持つように掴み、その柔らかそうな口の中へと剛直を捻じ込んでいた。
 乱暴に腰を振り、頭を揺らしてただ只管に快楽を貪る。
 本人にそんな気はなくても、身体は言う事を聞いてくれない。

「あ…がぁ…!」

「れるれる…じゅるるぅ…じゅぶっ…じゅぼっ…」

 一度突き上げれば喉が揺れ、一度引き戻せば舌に引き留められを繰り返している内にシーザーの我慢はあっと言う間に限界へ達する。
 一際強くビクンと跳ねた逸物からは既に先走った液体がエナの口の中から溢れてきているようだ。
 唾液なのかも分からないが、一つだけ言えることがある。

 死んでしまいそうなくらい気持ちいい。

「だ…だめ…だ……で…るぅっ!」

「んぶぇ!? …んっ…んっ…んっ…」

 限界という堰を越えたシーザーは、最後に一際強く腰を突き上げエナの頭を押しつけて、溜まっていた物全てを吐き出して行った。
 ドクドクと流し込まれる精液を、エナは美味しそうに喉を鳴らして飲み干して行く。
 だが、食いしん坊なエナが精液を飲み干すだけでは終わらない。
 逸物に絡めていた舌を動かし、中に残っていた絞りかすまで残らず吐き出させて吸い尽くす。
 その姿はまさに彼女の種族名であるカリュブディスそのものだっただろう。

「……ぷはぁ…」

「はぁ…はぁ…うっ?!」

 射精の余韻に浸っていたシーザーだったが、自分の身体に走る違和感が彼の身体を突き動かす。
 精を吸い取られた彼の身体は、きっと更に精を作り出そうと動くはずだ。
 それにこの空間に満ちた魔力が反応しない筈もない。
 風の無い淀んだ空気の密室に燃えやすい小麦粉なんかをぶちまけた後に火を付けると、とんでもない大爆発を起こす。
 その魔力版が、今まさに発生していた。
 粉塵爆発ならぬ魔力爆発である。
 まぁ、爆発とは言っても本当に爆発する訳ではない。
 魔力を小麦粉、シーザーの精を火として見ると分かり易いだろうか。
 つまりはこういう事だ。

「う、うおぉぉぉっ?!! なんだコレは?!」

「あはぁ… すっごくおっきー」

 吐き出されてすっかり衰弱したシーザーの逸物を、空間に満ちる魔力たちが一斉に飛びかかって復活させようとしてくる。
 だが彼一人の身体にとってそれは、あまりにも膨大な魔力であった。
 魔法使いや魔術師ならコントロールも出来たのだろうが、不運な事に彼は魔術師でも魔法使いでもない。
 それどころか魔法や魔術なんて聞いたことがあるくらいで使える訳もない。
 シーザーという袋に、溢れんばかりの空気…魔力だが…が送られていき、それは逸物を限界以上へと大きく膨らませる。
 二人の目の前には、人の腕かそれ以上あるんじゃないかと思える程に大きくなった逸物が脈打つ度にビクンビクンと強く震えていた。

「ねぇねぇ、それここにいれてー?」

「うぐっ!? や、やめっ… ダメだ…身体が…」

 大量の魔力を吸いこんだシーザーの身体にとって、エナの声はどんな魅惑的な言葉や声よりも脳を蕩けさせ思考を奪う。
 頭ではダメだと分かっているのに、思考とは無関係に身体は動いてエナの上に覆いかぶさる。
 エナはと言うと、仰向けに寝転がり両足を広げて膣穴が奥まで見えるくらいしっかりと膣を指で拡げていた。

「ここだよー? ここ、ここ」

「う…ぐぁ…あぁぁ!!」

 誰が見ても分かる。
 こんな小さな女の子の、こんな小さな所に、彼の腕より大きく太いモノが入る訳がない。
 こんなものを捻じ込んでしまえば、エナは腹から裂けて死んでしまうだろう。
 だが、身体はそんな事などお構いなしに体勢を整えていく。
 震える逸物を、腰を引いて下げて行き、やがてその真っ赤に腫れ上がった先端はエナの性器の入り口にまで届いた。

「はやくはy」

「ぬんっ!」

「んぎぃぃ!?」

 一秒でも早くと上の口からも下の口からもせがまれて、シーザーの理性は泡のようにパチンと爆ぜた。
 一気に腰を突き出し、エナの膣内へ逸物を捻じ込んでいく。
 逸物が入った事が不思議に思える程の体格差だったにも関わらず、エナの身体は裂けてなんて居ない。
 それどころか今この瞬間も、貪るように膣が動いてシーザーを締め付けてくる。

「えへへ…はいったぁ…ひぎぃ?!」

「ふんっ! ふんっ!」

 きゅんきゅんと締め付けてくるだけで、シーザーの攻めが収まるほど彼の膨張した性欲は甘い物ではなかった。
 乱暴に腰を突き込み、何度も抜いて刺してを繰り返す。
 すぐに一番奥まで届いたかと思えば、子宮ごと奥へ奥へと捻じ込んでいく。
 その様子はエナのお腹が突かれる度に膨れ上がっている事からもどれだけ捻じ込まれているかは一目瞭然。

「らめぇ! おなか…おなかばかんなっひゃ…うぐぇ! あたまも…あたまもばかんなって…くっひぃぃ!!」

 腰を突き入れられる度に襲い来る快感の渦にすっかり飲まれてしまった。
 渦で以て全てを呑み込むカリュブディスが渦に呑まれるとはこれいかに。
 だが、エナとてただ呑まれているだけではない。

「んぁ! らめ…ぬかないれぇ!!」

「ぬぅん!?」

 あまりの勢いに抜け出てしまいそうになっていたのを、膣の締め付けで掴むようにして止める。
 さらには両足でシーザーの身体を挟みこんで外へ逃がさず自分の身体へ押し付けてきた。
 こうする事によって、彼の動ける範囲は前だけになっていく。

「あっはぁ! もどってきた…んっひぃ!」

「はっ! はっ!」

 獣のように唸り、腰を振り打ち付けて行く。
 パンパンと強い音が鳴り、その度にエナの小さな膣を子宮まで押し潰しそうな勢いで突き上げる。

「あっはっ! いまびくってしたぁ… そのままっ! そのままらしてぇ!!」

「ぬっ! ぐおぉぉぉぉぉおお!!」

 膣の中で逸物が大きく跳ねながらも腰を振り続ける。
 泡のように爆ぜてしまった理性も、だんだんと戻って来ていた。
 けれどその時にはもう遅い。
 エナはシーザーに掴まるように抱きついて、彼を自分の一番奥の更に奥へと捻じ込ませる。
 幼い体躯を串刺しにするかのように、彼女の腹部からは逸物の大きさがしっかりと観察できてしまう。
 それだけ大きなモノを挿入られていようがお構いなしに、エナはきゅんきゅんと膣を締めてお目当てのものをせがむ。

「らしてっ! らひへっ! んっ…んぅ! んぅぅぅぅぅーっ!」

 どんどん淫らに崩れていくエナの表情。
 それを見られたく無かったからか、それともただ単に欲しかっただけか。
 気が付けば二人は腰を突き上げながらキスを交わしていた。
 互いに舌を絡ませ合い、お互いの唾液を交換しながら快楽を貪る。
 脳をより一層蕩けさせる甘美なスパイスとなった口づけが、二人を限界の更にその先へと引き上げていく。
 二人が望む結末を迎えるまで、そう時間は取らなかった。

ドクンッ

「っ?! んひぃぃぃ……はふぅ…」

 一際強く跳ね、一際深く突き入れられた逸物は、ついに限界を迎えた。
 最後にトドメを飾るべく、シーザーはエナを抱きしめ精の限りを彼女の膣内へとぶちまけていく。
 きっと射精の音はこの空間に響くようにしてびゅるびゅると響いていた事だろう。
 子宮にどんどん流し込まれていく一方で、エナも一緒に絶頂に達して潮を噴く。
 膣からは入りきらない程に大量の精液が漏れ出して行き、エナの潮も混ざって二人の身体を汚して行った。

「はぁ…はぁ…はぁ… っ…お、俺は…なんてことを…」

 暫くは繋がったまま二人とも絶頂の余韻に浸っていた。
 けれど、それは同時にシーザーを正気へと戻していく。
 正気を失ってはいても、自分が何をしたのかシーザーはしっかりと覚えている。
 自分よりずっと年下であろう少女を押し倒し、それどころか自分のモノを捻じ込んでぐちゃぐちゃに犯してしまった。
 この罪悪感は、きっと一生消える物ではない。

「えっへへぇ…しーざー…んぅっ…らぁいしゅき…」

「っ…… まったく…」

 まだ繋がったままなのが原因か、嬉しそうに愛の言葉を囁いてくれていたエナの身体はビクンと時折震えていた。
 蕩けた顔で抱きつく彼女を引き剥がすほど、シーザーは彼女を嫌ってなどいない。
 淫靡に笑う彼女のキスを拒む理由なんて何一つなかったのだ。

「これで…けっこん…できるねっ」

「けっ?! ……そうだとも ここまでやったんだ、一生付き合って行こうじゃないか」

 彼とて一人の紳士だ、外道のような真似を出来るはずもない。
 今の性行で孕んでしまったかもしれないような、それも幼い少女を好き放題犯して後は捨てるなんて外道や畜生にも劣る行為、もしも神が師が家族が許したとしてもシーザー自身が許す事が出来なかった。
 自分の犯してしまった過ちを背負い、これからも彼女と共に愛し合い暮らしていくのは何も悪い事ではないだろう。
 シーザー自身にも夢はあった。
 凄腕の料理人となるという夢だった。
 料理の腕を磨きに磨き、ついに至った星付きシェフの座。
 世界に集う料理の神様とも呼ばれる人々と、やっと肩を並べられるまでもう一歩という所まで来て彼はここへ至る。
 勤務していた船は沈んでしまったが、愛と夢は沈ませはしない。
 どちらも欲し、どちらも手に入れて見せる。そんな貪欲で努力家で勤勉な男、それがシーザーという男だった。


それから数年の年月が経った頃、国の中心街から少し離れた所に料理が美味いと評判のある料理店があった。


「こんにちわ、エナ」

「あ、ローズさんとジャックさん! いらっしゃいませー」

「いつものメニューをお願いするわ」

 シービショップの夫婦が店を訪れると、入り口ではカリュブディスの女性がメニューの応対をしてくれる。
 そのカリュブディスとは他でも無いエナである。
 夫を得た故なのかそれとも単に成長期だったのか、彼女はぐんぐん女性的な体つきへ成長して今では立派なお姉さんだ。
 シーザーと正式に結婚して家庭を持ち、今ではこの料理店「メイルシュトローム」の看板娘である。
 注文するものが決まれば席へ通され料理が来るのを待つ。
 料理を待ちきれず先に夫を食べてしまおうとするせっかちさんもいるらしいのだが、その時はエナのうずしおがその客だけを店の外へと流し出してしまうんだとか。

「はーい。 アナター、レナードソンさんのいつもの、お願いー」

「分かったー」

 店の奥で、今日も今日とて彼は腕を振るう。
 鮮やかな動きで料理を作って行き、皿へと盛り付けていく。
 この店の中、実は全体が水棲種と人間のどちらもが心地良く過ごせるように調整が施されていたりする。
 この中でならば、例え海神の加護を受けていない人間であっても自由に動けるだろう。
 だって海水がないような状態を作り出しているのだから。
 故にソースが海水に混ざってしまう事もなければ、火を扱う事だって出来てしまう。

「お待たせ、持って行ってあげて?」

「はーい」

 そして何より、エナが貝の中以外でも自由に動き回れるのだ、この店の中では。

「お待たせしましたー」

「いつも速いわねー」

「えっへへー…ありがとうございます」

 この店を始めた当初こそ、他者と触れ合う事に慣れていなかったエナが心配だったが、日を重ねていく内に彼女は慣れてくれていた。
 気が付けば料理を食べに来たお客さんと世間話をするほどに。
 そんな彼女の姿を見ているだけでも、陸の上で有り得たかもしれない誰かとの冒険や夢のような日々を捨てた価値はあったかもしれない。

「うん…うん、そうなんです! あ、先生! いらっしゃいませー!」

 今日もこうしてエナの笑顔を見ながら料理が出来るのは、シーザーにとってこの上ない幸せだ。
 唯一困っている事があるとすれば、それはエナとの子供がなかなか出来ない事くらいだろうか。
 詳しい人によると、元々魔物娘はそうそう簡単に子供が出来る事はないと聞く。
 とは言っても出来ない訳ではない。
 人間と比べてちょっと子供ができにくいと言うだけの話だという。
 だったらその程度、エナとシーザーにとっては簡単な話だった。
 満足行くまで愛し合い、交わっていけばその内子供も出来るだろうと考えて今に至る。
 二人の愛の結晶となってくれる娘が生まれるまで、まだもう少し掛かるだろうがそれはそう遠くない未来の話。
 こうして今日もシーザーとエナはこの店を訪れる客人を待っているのである。

つづく
18/11/24 00:08更新 / 兎と兎

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