読切小説
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あなた......将来は、いいお父さんになるわぁ〜
「ママァ〜...どこぉ?」
「迷子かな...」

校内を一人の5歳くらいの少年がウロウロしている。
......いろいろな意味で危ないな、うん。

「とりあえず......おーい、少年」
「うん...? なに、お兄ちゃん?」
「もしかくて、ママとはぐれちゃったのかな?」
「うん......おねえちゃんの『さんしゃめんだん』とか言うのについて来たんだけど、はぐれちゃったの」
「そうかぁ......」

さーて、どこに連れて行くか...。
見つかるまで校内をウロつく......ダメだ、カモがネギしょって、さらにカモを連れてきたようなもんだ。
職員室は......一応、倫理観のある人たちのいる場だが、飢えたケダモノたちの巣窟でもある。限りなく黒に近いグレーゾーンか。
さてと、残るは......どこだろう?

困り果てていると、向こうから廊下の向こうから、白衣を来た先生がやってくる。

「島津君? 何してるの?」
「......ユキ先生......そうだ、ユキ先生だ!!」
「???」

俺は...島津タケヒロは、ワイトの保健医・黒原ユキ先生に事の次第を説明する。

「というわけで、保健室で待たせてもらって、その間に、先生に放送を流していただいてもよろしいでしょうか?」
「いいわよ? そのかわり、今度、保健室の大掃除を手伝ってもらうわよ?」
「分かりました、お任せ下さい」

美人で、良識のある人だから、生徒にも慕われるのだろう。
ほかの先生? あぁ...うん、こういうふうに頼みごとをしたりすると、『その代わり、先生のお婿さんになってね』とか、無茶苦茶言ってくるからなぁ......。
はぐらかした結果、終いには涙目で迫られたり、彼女がいるって嘘ついた結果、『だぁ〜まぁ〜しぃ〜たぁ〜なぁ〜』と、七日七晩犯されたという話も多く、ウチの学校......女子高が共学になったばかりの高校なのだが、その第一年目の男子の大多数が、女性教師とくっつくという、異例中の異例の珍事が起きている。
その煽りを女生徒が食っているのは言うまでもなく、残った男子生徒を巡って、
教師VS生徒の『婿取り大合戦』が毎日繰り広げられている。

俺? 俺は......二人の弟が恋人を見つけるまで我慢するから、とか理由をつけて断っているが......(遠い目)。


そんなこんなで保健室に来た三人。
そして、ユキ先生が放送室で迷子の放送を流してる間、少年の相手をしている俺。

「すごいなぁ、オーガさんはパワーとスピードがきょうぞんしてるんだ!!」
「こっちもすごいぞー、ヘルハウンドさんは、それに加えて機動力が同居してるんだぞー」

保健室組の俺たちは、少年と二人で保健室にあった『教団兵士でも分かる、魔物娘大百科』を読んでいた。

「すっごいや、ぼく、大きくなったらヘルハウンドさんをとケッコンする!!」
「いや、それはやめておいた方が......」

そんな会話をしていると、ユキ先生と保護者らしき女性(人間)と、姉?らしきサキュバスが保健室に入ってきた。

「ママー!!」
「ナオトちゃん、ここじゃ迷子になったら、エッチなお姉さんに食べられちゃうって言ったでしょ?」
「でも大丈夫だったよ!! お兄ちゃんがここに連れてきてくれたんだ!!」
「あぁ、ありがとうございます...本当にありがとうございます」
「いえいえ、気にしないで」

保護者さんと話していると、その後ろで興味深そうにユキ先生が俺たちを眺めていた。


その三人が帰り、保健室には俺とユキ先生だけになった。

「帰っちゃいましたねぇ...」
「あら、寂しいの?」
「ちょっとくらいですけどね」
「......そう」

顎に手を当てて、何かを考え込んでいるユキ先生。
すると、おもむろに口を開いた。

「島津君、将来は絶対に、いいお父さんになるわぁ。お嫁さんになる女の子が羨ましいわぁ」

......いいお父さんになるねぇ。よく言われるけど、なんだかなぁ。
...そうだ、ちょっとからかってみるか。

「...じゃあ、俺が中出ししてあげるから、俺の赤ちゃんを産んでくださいよ」

ピキッと固まるユキ先生。あららのら、マズッたか。
だが、ユキ先生は一枚上手だった。

「......じゃあ、遠慮なく」
「......えっ」

ユキ先生は俺をグイグイ押して、ベッドまで後退させる。
そして、足を払って、ベッドに押し倒した。
その間、わずか十数秒。
あまりの出来事に、身動きが取れなかった。

ユキ先生は俺に覆いかぶさり、唇を奪った。
加えて、俺の両手をバンザイさせて一箇所で纏めて、右手一つで押さえつけてきた。

「ちゅるっ、ぬるる、れろっ、じゅるるるっ...」

次に左手だけでベルトを外し、ズボンまで一気に下げてくる。
口内を蹂躙するディープキスにより、完全に勃ってしまっており、ユキ先生の履いているタイトスカートに先走り汁を擦りつける。

「あらぁ〜、イケない子ねぇ...。でも大丈夫、先生がそんなイケない子の赤ちゃんを産んであげるからねぇ...♥」

助ケテェェェェ!!!!
俺がバカでした!!
ナマ言ってスイマセンでした!!
だから、さっきのことは撤回させてください!!

と、言いたいが、キスを再開されてしまい、口を利くことが出来ない。
その間にも先生は、ワイト特有の半幽体の手を使って、イチモツをしごき上げ、生身の片手で制服のボタンを外し、シャツを捲くりあげ、肌を露出させた。
だが、吸精までは行わなかった。一発出させてしまえば、中出しする分が減ると考えているようだ。

こちらを一通り半裸にさせると、今度は自分の服を脱ぎにかかった。
早い...すごく、早い。あっという間に下半身はマッパ、上半身は全面オープン状態半裸になってしまった。

「さーて、では致しますか」
「冗談...ですよね?」
「こんなオイシイチャンス逃すと思ってるの?」ドヤッ
「デスヨネー(棒)」

今、人生で一番、『因果応報』『蒔かぬ種は生えぬ』ということわざの意味を噛み締めていた。
とっくの昔に手遅れだが。

「あっ、そうだ、あれがあったんだ」

ユキ先生は半脱ぎの白衣の下のスーツのポケットからスト○パのような感じの薬を取り出した。
そして、それをカラカラと振りながら説明を始めた。

「これはね、スマートサバト特製の排卵誘発剤なの。ス○ッパみたいに水無しで噛んで飲み込めば、一分くらいで効きだして、排卵させるっていうね」
「.........マジでやるんですか!? 本気と書いて、マジでやるんですか!?」

説得したところで聞き入れる道理はないのに、悪あがきする俺。

「まぁ、高校一年生で父親になっても、その辺うちは緩いし、大丈夫でしょ」

そう言って、ユキ先生は薬を5錠取り出して口に含み、ボリボリと噛み砕く。
そして、ゴクンと飲み下した。

「うぇぇ......一錠飲めばいいのやつを5錠も飲むのはキッツイわ......」
「............」

ここまでやるなら、もう何も言うまい。
諦めて、体の力を抜いた。
すると、ユキ先生の目つきが変わる。

「あらぁ〜、抵抗しないの? なら、思っきり可愛がってあげるワ♥」

...ユキ先生は、ギアが上がったらしい。しかも、二速から五速に飛ばす勢いで(車でやったら死にます)。
ユキ先生は腰を上げて、イチモツを捕捉、そして一気に腰を下ろしてきた。

「ひぎっ!!」
「!!!!!」ビリュリュルルルルルッ

衝撃的な快感に、早くも一発出してしまった。それも、人生最大の量を。
......ユキ先生の企みは、早くも成就したようだ。
だが、ユキ先生は止まらなかった。

「しぃまぁずぅくーん♥ まだまだ出して貰いますからねぇ♥」
「...もうだめ...やめ...」

こっちは既に頭が沸騰しきっており、ロクに考えることも、言葉を発することも出来ない。

「知りませーん♥」

ユキ先生にとっては関係ない様子だったが。

先生は、右手で俺の左手を、左手で俺の右手を押さえつけ、加えて唇をも奪い、ユキ先生の豊かな胸と俺の胸板が密着する。
そして恐ろしいことに......接している部分全てで、吸精を開始した。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!」

死ぬッ!!! 死ぬッ!!! 廃人になるゥゥゥッ!!!!

あまりの快感に耐え切れず、延々とユキ先生の中に射精し続ける。
それをユキ先生の子宮は、次から次へと飲み干していった...。

そして、その俺の目のド真ん前の、口内を蹂躙しながら吸精しているユキ先生の目は、とても満足そうな微笑んでいた......。








8ヶ月後......。

俺はあれからしばらく経ち、先生は妊娠8ヶ月になっていた。
当然、父親は俺だ......ハァ...。

......あれから、ユキ先生は俺をダーリンと呼ぶようになった。
しかも、進路うんぬんで担任のヴァンパイア(独身)に呼び出されると、「私のファーストキッスと初めてを捧げたダーリンをどうするの!?」と、暴走することも増えた。
......勘弁してくれ。

さらに頭が痛いことに、あの翌日(夜通しで保健室で犯されて)、フラフラになった俺を家に送ってくれた先生は、

「こんばんわ、お義父様、お義母様♥ 息子さんの未来の妻です♥」

と、挨拶をしたらしい。
俺が目を覚ました時には、

「タケヒロ、保健の先生がお前をお婿に貰ってくれるとよ!! よかったな!!」
「いや、俺、長男だし、家に残らないと...」
「大丈夫よ、あと二人いるし、一人残ってくれればそれでいいわ」
「なん...だと...」

と、トントントンと話が進んでしまい、気づけば先生のご両親にも挨拶を済ませてしまっていた。
何を言っているのかわからないが......と、ポルポル現象を身を持って体感するという事件まで起きた。

あまりのうまい事の運びように、ユキ先生がスタンドかなんかを使ったんじゃないかと、疑う始末である。

そんなことを4時限目の理科の授業を受けながら考えていた。
そこに、キーンコーンカーンコーンと、チャイムが鳴る。

学級委員長の「起立! 例!」を終えると、一目散に駆け出していく男子たち。
そう、恋人の魔物娘の女性教師と昼食を食べに行ったのである。
......まぁ、俺もその口なんだけどさ。

残った3人の独り身の男子に詰め寄る魔物娘の女子たち。
男子たちは一つのカタマリになって、心なしかプルプル震えている、南無三。

「さーて、俺も行こうかな......」

俺はぶらりと保健室に向かうのであった。


コンコン。

「失礼しまーす、ユキ先生」
「いらっしゃーい、ダーリン♥」

回転椅子を回し、大きく膨らんだ腹と顔をこちらに向ける先生。
......実はこの腹、中にいるのは一人じゃない。
なんと、六つ子である。高校生にして六児の父親になるとは......。

当然、精の供給も大変であり、六つ子+先生の分を補給しないといけない。
まぁ、あの日から先生の家(108坪の豪邸)で暮らすようになったので、思ったほど問題は無かったのだが。
下半身事情以外は。

そんなことを考えているとは露知らず、ユキ先生は弁当と水筒を差し出してくる。

「はーい、今日の分のお弁当ですよー♥」
「ありがとうございます」

先生と一緒に保健室の長椅子に座り、その前の長机に弁当を置いて、開封。
案の定、精がつくメニューのてんこ盛りであり、水筒の中身もホルスタウロスの牛乳だった。

どれだけ補給するつもりなんだろうね。
内心、乾いた笑いが止まらなくなってしまった......。




さらに1年と二ヶ月後......。

「パパ、だっこ〜」
「パピー、だっこ〜」
「ととー、だっこ〜」
「おとー、だっこ〜
「ダディー、だっこ〜」
「マイファザー、だっこ〜」
「おーし、こーい!!」

上記にもあるように、無事六つ子は生まれ、無事?俺は六児の父となった。
俺は完全にインキュバスになっており、座ってではあるが、纏めて六人抱っこできる、謎の技術を体得していた。
ん? 呼ばれ方が変? 相手は魔物娘だ、仕方ないね。

だが、次なる問題が浮上している。

「お父さんは人気者ですね〜♥」

椅子に座り、『また』大きく膨らんだ腹を撫でているユキ先生。
......『先生』付けが取れてない?
しょうがないだろう、Youは、先生と生徒として出会い、結婚(仮)に至った相手を先生付けしないで呼べるか?
地獄先生の奥さんの雪女だって、先生呼びだろう? なぁ? なぁ? なぁ?

......話を戻そう。
ユキ先生はまたも妊娠した。もちろん、俺の子供である。
出産直後のガチセックスがまずかったらしい、とは医者のリッチとユキ先生本人の談である。
そして、オチが予想できると思うが.........今度は五つ子である。
六つ子じゃないのか、だと? 残念でした!! 五つ子です!!

現在は10ヶ月で、もうすぐ生まれる。
高校二年生で11児の父とか......。
俺は不死者王国の建国の父(語弊なし)かなんかか?

六つ子を抱っこしたまま、疑問?をぶつけるようにユキ先生の腹を見る。
......我ながら子孫繁栄しすぎだ、アホンダラ。

「ぱぱー、何考えてるの〜?」
「......我が娘と、お母さんがカワイイなー、って思ってただけだよー」
「ダーリン? 棒読みだけどー?」
「ハハハ、ナンノコトヤラ」

こうなったら、気の済むまで産ませてあげよう。
娘たちを抱きしめながら、俺はそんなことを決意したのだった。

fin.
15/10/25 10:05更新 / 妖怪人間ボム

■作者メッセージ
ドーモ、妖怪人間ボムです。

あらすじ欄にも明記していますが、実は夢で見た話を物語仕立てにした話だったりします。
まぁ、夢で見たのをざっくり説明すると、


1つ!!
保健室のワイト先生に、「あなた、将来いいお父さんになるわ〜」って言われた

2つ!!
調子に乗って「じゃあ、僕が先生に中出ししてあげるから、赤ちゃん産んで下さいよ」って言った

3つ!!
気づいたら、ボテ腹のワイト先生が私の上で腰を振っていた、何を言っているのか分からないが......

ポルナレフ状態に陥っただけだったりします。
なので、夢の内容を脚色したパターンだったりするのですが、いかがだったでしょうか。

お気に召したらこれ幸い、そうでなかったらごめんなさい。

あと、以前から『ワイトさんをショタとか学生とかとニャンニャンさせたい病』を発症させていたのですが、とうとう夢にまで出てくるという、悪化の一途を辿っています。
治療する気も、させる気も無いですが。

そんなこんなで、ここらで筆を置かせていただきます。
次回もお会いしましょう、それでは〜。

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