連載小説
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#8:終わりは始まりの唄
「……そうですか。ありがとうございます」
 ミカエル撃破から4日経った2010年1月12日。蒼井さんは、管理局に問い合わせた。
「結果は?」
「教団に過激派がいたらしく、彼らの犯行だと断定された。
 過激派でもやはり教団の人間らしく、ひとり寂しく過ごそうとしていた少女を見繕った結果、咲希ちゃん……、つまり保科咲希になったという話だ」
「なるほど。それで蒼井さん、過激派の連中はどうなったと?」
「魔界へ飛ばしたんだと。多分、ダークプリースト辺りがパンデモニウムに連れて行ったんじゃないか、と推測されているけど、どうだか分からん」
「……ともかく、『天使の揺り篭』事件はこれで解決ですね」
「ああ、そうなるな。あと、祐樹、恵玲奈を連れて管理局に出向いてほしいということだ」
「え……はい、分かりました」

 ◇

 ――オリュンポス世界・管理局『クロス・スクランブル』

「魔物娘管轄部、式堂祐樹、入ります」
「どうぞ」
 フォロンさんが局長室の扉を明けた。
「――お帰り、祐樹君。……すまなかったね、急にジパング地方に向かわせてしまって」
「いえ。子飼の兵士なんで、そこは逆らいませんでしたけど……。
 それで、何用でしょうか。わざわざ、魔物である恵玲奈も連れてこいとは……」
「ああ。蒼井君にはもう伝えてある。……『子飼の兵士』として復帰してくれ。
 それと君の義妹である、式堂恵玲奈も直属魔導師としての優遇措置をつける。
 聞くところによると、正体は稲荷で既に肉体関係もあるらしいじゃないか。私は二人を引き離す真似はしたくないからこその処置と思ってくれ」
「……ありがとうございます!」
「うむ。それでは、この度はご苦労だった」
 その後、2,3追加事項を聞き、管理局の自室に戻った。

「実家にいつでも戻っていいって、マジかよ。すげぇな……」
「今回の功労で、じゃないかな。それに私は九尾の狐に化けれるからってのもありそうだけど」
「ハハハ、そうか。それでか。……まあ、いいや」
 一緒にいられるならそれでいいじゃねぇか、と言って恵玲奈の唇を奪う。
「あっ……」
「まあ、暫くはいちゃつけるんだからいいじゃねぇか、な?」
「んもぅ……。お兄ちゃんったら……」
「……まあ、ここでイチャつくと他の人に迷惑だから、実家に帰るか」
「即行で?」
 それに俺はうなづいた。

 ◇

 ――ジパング地方・白銀町、祐樹の実家

「ぁんっ……。お兄ちゃん……」
「ホント、感じやすい身体になってるな、お前……」
 俺は恵玲奈の身体をまんべんなく愛撫していく。
「だって……それは、お兄ちゃんが……ぅっ!」
「本当にエロい身体しやがって……。セックスしたくなっちまう……」
 そう言って、恵玲奈の唇を重ねる。
「んぅ……。んぁ……んふぅ……」
「んっ……。んんっ……」
 脳裏をよぎるのは、恵玲奈のことだけ。
 こんなにも俺は恵玲奈のことを愛しているんだ。けど、何してもいいってわけじゃない。
 自分が出来る範囲で尚且つ、恵玲奈がもっと好きになってくれるように動けばいい。
「もう……。お兄ちゃんのバカ」
「まあ……それは仕方ない。……お前の膣内にいっぱい出してやるからそれで」
「………いいよ。満足させてよ?」
 勿論だ、と言って恵玲奈の膣内に自分のモノをゆっくりと入れていく。
「ぁぁぁああっ……! 入ってくるぅ……。お兄ちゃんのおち×ちん、入ってくるぅぅっ!」
 恵玲奈の肉襞が待ってましたとばかりに、俺の分身を愛撫するかのように絡んでくる。
『くぅ……。恵玲奈のおま×こヤバイ……。こりゃ、何回か往復するだけで出しちまいそうだ……』
 きゅうきゅうと、締め付けてくる恵玲奈の膣に挟まれて、それだけで達しそうになる。
 ちょっと動けないと思った俺は、恵玲奈を抱きしめた。
「……お兄ちゃん?」
「ごめん。恵玲奈の中が気持ちよすぎて、それだけでイキそうになる……」
「……そう、なんだ……」
 恵玲奈も俺を抱きしめる。彼女の身体はとても暖かく、心地よさがあった。
 そして、自然とキスしていた。
 ただ、唇を重ねているだけなのに、愛しさがこみ上げてくる。
「……んはぁ……」
「それじゃ、動くけどいいか……?」
 それに恵玲奈はうなづいた。
「はぁ……はぁ……。ぁっ、ぁぁっっ……!」
 ずぷっずぷっと分泌された愛液を飛ばしながら、俺は恵玲奈の中で動いていた。
「あぁぁっ、気持ちいいよぉ、気持ちいいのっ……! おにい、ちゃんっ……!」
 恵玲奈の顔は完全に蕩けて、与えられる快楽に素直になっているようだった。
 そんな俺も気持ちよくて、おんなじような顔をしているだろうなと思っていた。
 耳には、分身が恵玲奈の中に出たり入ったりする音と、恵玲奈の喘ぐ声しか聞こえない。
 その声は啼いているようにも聞こえる。けど、気持ちよくて啼いているのだから、問題はないはず。
「来るっ……来ちゃうよぉ……お兄ちゃん……!」
「あ、あぁっ……。そろそろ、俺も来そうだ……」
 くっ……。もう、限界だ……!
 そう思ったときには、俺のモノは決壊し、恵玲奈の子宮めがけて精液を飛ばしていた。
「あぁぁ――――――ッ!」
 ビューッ、ビューッ………。
「あぁぅ……。お腹熱いよぉ……、お兄ちゃんの精液いっぱい入ってくるぅ……」
「恵玲奈……」と、彼女の唇を奪う。
 舌と舌を絡ませたキスに興奮して、分身は恵玲奈の膣内で固くなっていく。
 精液を出しきったはずなのに、勢いは衰えなかった。
「……あれだけ出したのに、まだ固いんだね……。でもいいよ、お兄ちゃんなら……。
 また、朝までエッチしようよ……」
 恵玲奈の誘惑に負け、また朝まで彼女とセックスしていた……。

 ◇

 ――明るくなったと思うが、俺の肉棒は萎えなかった。
 恵玲奈が連続で絶頂して気絶していたが、それでも彼女の子宮に精液を吐き出し続けていた。
 ……そして、気がついたときには、お昼を廻っていて股の暴れ者も、元に戻っていた。
「……すまない、恵玲奈。調子にのって出しすぎた」
「いいよ、別に……。そこまでお兄ちゃんがしてくれたんだから……」
 肉棒が抜かれた恵玲奈の秘口からは、精液が零れ落ちていた。
「お兄ちゃんの精液……、愛液と混ざって……、最高……」
 零れる精液を手のひらで受け止め、それを舌で舐めて味わうという動作を繰り返す義妹。
 その表情は、淫妖で魔物その物のようだった。
「………やっぱり、お兄ちゃんの精液、もっとほしい……」
 恵玲奈は何処からか小瓶を取り出して、九本の尻尾の先端にその小瓶を差し込む。
 そして、その小瓶には何かの液体がいっぱい入っていた。
「これだけあれば、十分かな……」
「……何をしているんだ、恵玲奈?」
「媚薬と精力補強の効力がある液体。……お兄ちゃんが一杯中出ししてくれたから、何本でも作れるよ」
 ……本性を現してきたって感じか? まあ、別に良いけどね。
「試しに飲んでみる?」
 それにうなづき飲んでみると、肉棒が復活した。
「すごーい……。一瞬でカッチカチのおち×ちんになった……。
 それじゃ……はむっ……」
 恵玲奈は復活した分身を口の中に頬張った。
「んっ……じゅるっ、じゅるんっ、じゅぷっ……」
「あぁっ、恵玲奈……ッ!」
 ……その分、すぐイってしまったが……。
「んんーっ♪ んくっ、んくっ、んくっ……」
 出てくる精液を飲み干していく恵玲奈。
「ぷはぁ……っ。んんぅ〜♪ お兄ちゃんの精液、美味しい……♪」
 恵玲奈の顔を見たとき、何かがちぎれる音がした。
 流石にその後は覚えていなくて、有華姉が雄と雌の匂いにくらくらしながら、呼びかけたらしい。

 ◇

 ――それから、数週間後。

「……インキュバスになってる?」
 途切れることなく、恵玲奈と交われるのはどうしてかと思い調べたら、既に人間という枠組みを超えていたようだった。
「ええ。その身体の中身は、完全にインキュバスとなっています。
 エーテルコアもインキュバスの蒼井刹那とほぼ同レベルになっています」
「うっそーん……。マジで?」
「嘘じゃないですよ?」と検査員は、その結果を俺に見せた。
 俺のエーテル許容量と蒼井さんの許容量が、ほぼ同じだった。
「マジかよ……」
「魔物娘と性交渉を持ちすぎると、そうなっちゃうってことが分かったので、この結果は非常に興味深いものでした」
「は、はぁ……。まあ、インキュバスになってたって分かっただけ満足だわ。ありがとうございます」
「いえいえ。何か有りましたら、また来て下さい」
 ……しかし、検査の過程で精液も取られたけど、何に使うんだ、あれ?
「どうだった?」
 恵玲奈が尋ねた。
「中身はインキュバスになってエーテル許容量がバカほどある以外は、すべて正常」
「なんだ、よかった」
「タマ切れして死ぬってことが無くなってしまっただけか、悔やむのは」
「もう〜、そんなコト言わないでよぉ〜」
 恵玲奈に小突かれた。
「すまんすまん。……まあ、構わないんだけどさ」
 そう言いながら、俺と恵玲奈はその研究所を後にした。

 ……この時はまだ、恵玲奈とずっと一緒だと思っていた。
 だが、ある事件がきっかけで恵玲奈との関係に不安が生じようとはこの時、思っても見なかったのだ。



 END.



 しかし……。
10/01/16 22:36更新 / ヘイズル
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■作者メッセージ
これで「魔物娘管轄部 式堂祐樹」は終わりです。
ここまで見てくださった方、ありがとうございました。

無謀にも次回作も現在検討中ですので
よろしければ、そちらも見てくれると嬉しいです。

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