連載小説
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第1回放送 ●■
エリン
「イーリン裏戦記 今夜はNO! ボーダー!」

OP:『雫』

エリン
「みなさんこんばんは。孤児院の主人のエリンです!
 今回、始まりました『イーリン裏戦記 今夜はNO! ボーダー!』
 今回から、宿利社長からいただきましたこのタイトルで正式決定したいと思います。
 それでは、お知らせを挟んで、イーリン裏戦記 今夜はNO! ボーダー! 始まるよ!」

この番組は

本に囲まれた至福の一時を。『ロンドネル大図書館』(from『英雄の羽』 byバーソロミュ様)

世界中の花々が揃う当店ではお客様のニーズに合わせて花束からイベント用の花壇のセッティング、果てはガーデニングの相談等行っております。花のご用命は是非当店【白蛇の花園】へ(from『春車菊という花』 by jackry様)

の提供でお送りいたします。

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エリン
「はい、始まりましたイーリン裏戦記。それにしても、『イーリン』裏戦記という割には、誰か足りないような……」

緑のカンペ:
エリンさんが一人でしゃべり倒すのも何なので、パーソナリティをもう一人用意しました。

エリン
「カンペの色まで緑なのね。えーとそれはさておき、構成作家の緑のがパーソナリティをもう一人用意してくれたそうなので、入っていただきましょう。どうぞ!」

(そこに現れたのは、まだ20にも満たない青年だった。
 イーリン戦記のもう一人の主人公――)

イーサン
「みなさん、こんばんは。エリン姉に拾われたイーサンです。なんで俺がここに呼ばれたのか分かりませんが、よろしくお願いします」

エリン
「えーと、そういうのは緑のに後で聞いてね。とりあえずイーサン、ここで何をするかは聞いているかしら?」

イーサン
「とりあえず、ここで『ラジオ』っていうのをやればいいんだっけ?」

エリン
「そうなの。イーサンには、私と一緒にしゃべってもらって、」

イーサン
「それにしても……、何この見たことないの! さっぱりわかんない!」

エリン
「私もここに来たときは初めて見たの。だけど、これがないとラジオを進められないからね。あなたが釈然としないのもわかるけど、そんなことは気にしなくていいのよ?(暗黒微笑)」

イーサン
(怖ぇ……)
「あ、それもそうか」

エリン
「それでは、フリートークもここまでにして、コーナーに入りましょう! 『イーリン裏話』!」

イーサン
「裏話……か。どういうコーナーなの?」

エリン
「ここでは、本編に登場するキャラクターの名前の由来やら外見やら、本編では明らかになっていないデータをご紹介したいと思います」

緑のカンペ:
第一回裏話は、イーサン君がMCです。

イーサン
「ええっ!? 俺が!?」

エリン
「そうなの。よろしくね」

イーサン
「えーと、とりあえずわからないけど……データを見ていきたいと思います。本日の裏話は……この方、エリンさんです!」

エリン
「あ、それで結局私が外されたわけね」

イーサン
「そういうことみたい。まず、名前の由来について」

エリン
「某小説からそっくりそのまま取ってきたみたいです。ただ、見た目を考えれば少し危ない名前ではあるのですが……」

イーサン
「続いて、見た目について」

エリン
「腰ぐらいの長さの緑の髪に、緑の瞳。肌の色素は薄めで、自分で言うのもなんですがスレンダーなスタイルです。
 身長は人間時で180cmオーバー、魔物時で6mくらいかな?
 普段はブラウスに緑のエプロン、薄い緑のマーメイドスカートを着ております。魔物の姿に戻ってもブラウスとエプロンは外せませんね」

イーサン
「えーと、(カンペ読み)本編を読んでいらっしゃらない方にはネタバレで大変申し訳ないのですが、実はエリン姉はエキドナという魔物なんです」

エリン
「普段は親魔国で孤児院をやっていることもあって、人間に化けているんだけどね。さすがに街中に上位種の魔物がいたら大騒ぎになるからね」

イーサン
「少し話題が逸れてしまいましたが、続けようと思います。次に、年齢について」

エリン
「レディに向かってそれを聞くのかしら? 野暮ったいけど、まあいいわ。正確な年齢は覚えていないの。少なくとも、普通の人間の6倍は生きているわね(暗黒微笑)」

イーサン
「えーと、これ以上エリン姉に歳の話をさせるのも何なので、どんなキャラ?」

エリン
「冒頭でも言ってるけど、孤児院をやってるの。料理、洗濯、掃除……家事ならなんでもござれわ!」

イーサン
「エリン姉のご飯はすごくうまいんだよ!」

エリン
「性格は……常に笑顔で優しいけど、怒るとものすごく怖いってよく言われるわ」

イーサン
「確かに。でも、普段が優しいからそんな風に見えるんだろうな」

エリン
「そうね。あと、怒るときも笑顔だから(暗黒微笑)」

イーサン
「うわ、なんか怖くなってきた。次、戦闘能力について」

エリン
「作中で明らかになっていない……というよりはそろそろ明らかになるためこれを話すのははばかられますが、脚のないエキドナだけど槍をそれなりに使えます。あとは……ラミア種の特権、締め上げたりするのは得意です。
それから、幼いころはいろいろな知識を詰め込まれたので、古今東西の魔法なんかも使えたりします」

イーサン
「武器を使うラミア種自体みたことないけどなぁ……あ、メイ姉は使っていたっけ?」

エリン
「知らないわよ? あとで緑のに聞いてね?」

イーサン
「最後に、願望について」

エリン
「一つ目は、人間と魔物が共存できる世界を作ること。もう一つは個人的になるけど、素敵な男性と結ばれて、子ども達に囲まれて安穏とした生活を送りたいわ」

イーサン
「一つ目は俺も同じだな。もう一つは……やっぱりエリン姉も孤児院やってるだけあって子どもが好きだし、エキドナだもんな。以上、裏話のコーナーでした! 間髪入れずに次のコーナーに移りたいと思います。『助けてエリン!』!」

エリン
「このコーナーは、作者が没にしてしまったネタをこの場で発表するネタです。いわゆる水子供養ってやつですね」

イーサン
「ちなみに、このコーナーは『沈黙の天使』様より案をいただきました。どうもありがとうございます」

エリン
「さて、イーサン、発表して!」

イーサン
「第一発目はこちら! 『ダンジョンに住むエキドナが、冒険者を捕えて丸呑みして手籠め……もとい、手駒にする話』!」

エリン
「結局私達エキドナが好きなのね、緑のは。まあ、嬉しくないわけじゃないけどね。それにしても手籠めって何?」

イーサン
「(カンペ読み)実際、緑のはイートミーからのリボーンミー属性です」

エリン
「しかも13章立てで、転生させる魔物まで決まっていたのよ。しかもエキドナの名前がエリンって……私と全く同じじゃないの! まぁ、私とは別人だけどね……」

イーサン
「そこまで決まってたんだ」

エリン
「でも、緑のは書かなかった。書いてたけど……嫌になったっていう方が正しいかな?」

イーサン
「緑のがなんでこの話を没にしたかというと、『クロビネガ様の趣向に合わないから』と『ワンパターンになるから』、あとは『丸呑みに至るまでのバトルを描けないから』だそうです」

エリン
「後の二つはともかく、前者はねぇ……。緑のはそういうきわどいネタを書く勇気がないからねぇ……」

イーサン
「そんなこと言っちゃだめだよ。駆け出しっていうのもあるんじゃないか?」

エリン
「それもそうね。とりあえず、緑のには批判をきちんと受け止める心の強さを持ってもらわないとね」

イーサン
「そうだな……ああ見えて、緑のは弱いんだよなぁ……」

――――――――――――――――――――

イーサン
「さて、お時間がやってまいりました」

エリン
「イーサン、初めてのラジオどうだった?」

イーサン
「少し緊張したけど、楽しかったよ。次回が楽しみだなぁ……」

エリン
「イーサンも楽しんでくれて、何よりです。私も保護者冥利に尽きます。ここまでのお相手は、孤児院の主人、エキドナのエリンと」

イーサン
「孤児院のイーサンでお送りしました!」

イーリン
「次回もまた、お楽しみに!」

エリン
「あ、引き続き、チャンネルはそのままで。」

イーサン
「この後はラジオ番組『もふもふ☆Day's』です」

エリン
「周波数はSM072お願いします。Stay Tune!」

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この番組は、

ホテルも移動手段もチケットも、旅のコンセプト相談まで、旅に関することなら何から何まで 「福来観光」(from 『知らなかった気持ち』 by沈黙の天使様)

の提供でお送りいたしました。
11/10/31 23:48更新 / 緑の
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■作者メッセージ
みなさん、こんばんは。放送作家の緑の姫君です。
まずはじめに、本編第3.5章「●教団騎士進攻」でも述べている通り、本編と間違えてこちらに本編の続きを更新してしまい、即刻削除する事態となりました。混乱を与えたことにより、ラジオを楽しみにしてくださっております聴取者の皆様には、深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

―放送終了後―

エリン
「なかなかできてるじゃないの、イーサン」

イーサン
「いや、俺はただ緑のが出してる紙を読んでるだけだよ」

エリン
「それでも、ラジオの流れはちゃんとつかんだでしょ?」

イーサン
「ああ。次はもっと、うまくできそうな気がする」

イーリン
「これからも、『イーリン裏戦記 今夜はNO!』 ボーダー! をお願い……」

緑の姫君(以下緑の)
「大変ですー!!」

(構成作家の緑の姫君が、血相を変えてスタジオに走ってくる)

イーサン
「どうしたんだ、緑の!?」

緑の
「私のもとに、こんな手紙が!」

(緑の姫君から手紙をひったくり、それを読みあげるエリン)

エリン
「『おーほっほっほっほ! 魔物ごときがラジオなるものを始めたようですが、無駄ですわ! そんなことで魔物に傾く人間が増えるなんて、大間違いですわ! むしろ私がラジオを乗っ取って、あなた達の居場所をなくしてあげますわ! おっほっほっほっほっほ!』!?」

イーサン
「もしかして……」

エリン
「間違いない。イーサン、この番組の危機よ! あと、気になる聴取者の方々は、本編をお読みになると理解できるかと。あ、これ緑のからね。次回もお楽しみに!」

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