連載小説
[TOP][目次]
(44)ダークエルフ
姉がエルフの里を出たと聞いたとき、私の胸に生じたのは、申し訳なさだった。
魔力に侵され、肉欲に素直になった体を持て余し、私が里を出たのはいつの頃だっただろうか。双子のため顔こそ瓜二つなものの、私より意志の強かった姉を残して、里を出てしまったことが今更になって悔やまれる。
あのころ、姉が肉欲の赴くまま自分を慰めていた私を見下していたのは、単に姉が魔力に侵されていなかったからだと思っていた。しかし、私と姉は双子だ。私が肉欲に苛まれているとき、姉も体の疼きに耐えていたのだ。
唯一の違いは、私が素直で、姉が強情だっただけ。その結果、私は自ら故郷を立ち去り、姉は遅れて里を追われたのだ。
あのとき無理矢理にでも姉を連れ出していれば。私の胸に、後悔が湧き起こる。
だが、今更悔やんだところで、どうすることもできない。私にできることはただ一つ。生来の気の強さのため、自らを素直に受け入れられない姉を、素直になれるよう手伝うことだった。




「まったく、いい格好ねえ」
私の言葉に、私の姉である目の前のエルフは奥歯を噛みしめた。
微かにぎりり、と歯の擦れる音が響くが、手足を縛られた状態でいすに座らせているため、威嚇にもならない。
私がいるのは、地下牢めいた一室だった。石積の壁が私の左右と前方を囲んでおり、背後は黒いカーテンで仕切っている。
そして、私と向かい合うように、白い肌のエルフが座っていた。一糸纏わぬ姿でいすに座らせられているため、そこそこの大きさの乳房も、両足の付け根の金色の茂みも、よく見えていた。
もちろんさっきまで着ていた彼女の服は、皺にならぬよう丁寧に畳み、別の部屋においている。また、彼女だけ全裸というのも可哀想なため、私も下着姿で姉に向かい合っていた
「あら、その目は何かしら?久々の姉妹の再会だっていうのに」
「黙れ。自ら魔に身を投じたお前なんか、私の妹じゃない・・・!」
私と全く同じ顔をした、今も双子の姉だと思っているエルフが、そう告げた。
私はこみ上げてくるおかしさに、くすくすと笑った。
「何がおかしい!?」
「いえ、だって・・・エルフの里から追い出されたのに、自分は一丁前のエルフだって顔してる姉さんがおかしくて・・・」
ほんの冗談のつもりだったが、姉はショックを受けたような表情を浮かべた。。
「ち、違う・・・私は、遅かれ早かれお前のようになると思って、みんなに迷惑をかけぬよう自分の意志で・・・」
「そうね、自ら魔に身を投じたわけね・・・私みたいに」
少しだけ意地悪をしてやろう、と私は姉の言い訳にそう返した。。
「そのくせ、ダークエルフの集落にやってくるほどの度胸もなく、孤独感に苛まれて人里近くに住み着いて・・・もう少ししたら、体の疼きを癒すために、夜な夜な人里に降りてたんじゃないの・・・?」
「ち、ちが・・・」
姉の言い訳を先回りしてやると、姉はただ否定するばかりだった。
「じゃあ、あなたが森で会っていた男はなに?」
「っ!」
姉の行方を調べるうち、浮かび上がった人間の男のことを口にすると、姉は目を見開いた。
「なぜ彼を・・・」
「ふふ、山菜摘みやキノコ狩りにかこつけて、週に三度も会っていたらわかるわよ」
気高く人間など見下しているはずのエルフが、頻繁に人間の男と会っている。私としては喜ぶべきことだったが、当の姉はあまり自覚がなかったらしい。週に三度、という私の表現に、彼女は目を泳がせた。
「今はまだ手も握ったこともないみたいだけど、そのうち彼でキノコ狩りしちゃうつもりだったんでしょ?きゃーやらしー」
あの強情な姉が、私の言葉に動揺している。久々の再会の喜びに、姉の反応のおもしろさが加わり、私は思わずそう冗談めかした口調で行ってしまった。
「ち、違う・・・!私はそんなつもりじゃ・・・」
「そうね、いつも姉さんが正しくて、周りが悪いのよね。だから今度も、あの男が我慢できずに襲ってくるまで待ってたんでしょ?」
私は言葉を紡ぎながらカーテンから離れ、姉の方に歩み寄った。
「里を追い出されたのも、双子の妹がダークエルフになったから。あの男と会っているのも、彼が一人じゃ山菜もろくに採れないから。そしていつ襲われるかわからないのに度々会っているのも、彼がそんなことしそうにないように見えるから」
おそらく姉の肉体は、ほぼサキュバスのそれと同じぐらいになっているはず。だとすれば肉体の疼きは酷いものになっており、意志力で押さえつけるのは限界に近いだろう。だとすれば姉は、自身の理性が許容できる、『興奮した男に襲われる』という方法で肉欲を発散させることを無意識に選んでいたのだろう。
姉の眼前で腰を屈め、顔を覗き込みながら、私は続けた。
「そうやって、自分はいつも正しいと思っているのよね」
「そんなつもりじゃ・・・」
「いや、悪いって言ってるわけじゃないのよ。むしろ自分が何もかも悪いって思いこむよりずっといいわよ。ベリグー」
親指と人差し指で円を作り、残りの指をまっすぐ伸ばしながら、私はにっこりほほえんだ。
「だから、これから私がすることも、淫乱で邪悪で自ら魔に飛び込むような愚かな妹がやることだから、気にしなくていいの」
そう、私のような悪者にいいようにされたのならば、姉も気兼ねなく気持ちよくなれるだろう。
私は指を伸ばし、姉の肌に触れた。
「っ!」
「ふふふ・・・」
彼女は笑みを浮かべながら、姉の方や背中、二の腕を指で撫でていく。私は一瞬驚いたのか身を強ばらせたものの、身をくねらせ肩を揺らし、私のくすぐりから逃れようとした。しかし、しょせんはいすに縛り付けられているため動きには限界がある。私は姉の動きにあわせて手を移動させ、肌から指先を離さなかった。
徐々に肌に赤みが差し、少しずつ汗の湿り気が肌ににじんでいく。
私の指が触れた部分がじわり熱を帯び、指の動きにあわせて広がっていく。
「やめ・・・なさい・・・!」
私の愛撫に感じ始めているのか、姉が私をにらみながら呻いた。しかし、身をくねらせて逃れようとする努力もやめた彼女の言葉は、口先だけの空虚なものだ。素直になりつつある肉体に、私は微笑む。
「いやぁよ、もうすぐで掘り起こせそうだって言うのに」
「掘り・・・?ひっ!」
私の言葉に気を取られた一瞬、私は姉の肩から鎖骨をくすぐり、乳房の脇を滑らせていった。肌を滑るくすぐったさに、思わず声を漏らした。
「ふふ、やっぱり」
私は、笑みを浮かべながら姉の乳房の脇から指を離し、肩に再び触れさせた。
「姉さん、私と弱いところ一緒・・・」
「な、何を・・・ひっ!」
口答えしようとする姉に、軽く息を吹きかける。狙うのは耳の裏、うなじとの境目あたり。すると姉は、まるで私がそうされたときのように背筋を震わせた。
「私、鎖骨とかおっぱいの横とか、うなじのあたりが弱いの・・・だったら、私たち双子なんだから、姉さんも弱いのよね?」
私の旦那が見つけてくれた弱点は、どうやら姉も一緒だったらしい。
「よ、弱くなんか・・・っ!」
今度は先ほどとは反対側の鎖骨を、ダークエルフの指が滑った。姉は歯を食いしばり、どうにかあえぎ声を噛み殺すが、体の震えだけは押さえられなかった。
「ほら、やっぱり・・・我慢しなくていいのよ・・・」
「誰が、我慢を・・・!」
私への怒りを言葉ににじませながら、姉は私をにらむ。だがそれは威嚇ではなく、鎖骨から生じるくすぐったさと、うなじに残る吐息の余韻を堪える為のようだった。
「我慢してない?だったらこれは何かしら?」
ちらちらと視界の端に写っていた、姉の乳房の先端に、私はひょいと手で触れた。
すると彼女の乳房の先端では、妙に固さを帯びた乳頭が突出していた。
「乳首、びんびんにして我慢してないだなんて・・・」
「それは・・・」
「姉さん、認めなさいよ。『私は妹と同じ、淫乱な体の持ち主です』って」
耳元に顔を近づけ、片手で鎖骨を、もう片方の手で乳房をもてあそびながら、私は囁く。
「どうせ里から追い出されたんだから、欲に忠実でいいじゃない。あなたの妹も、こうなんだから・・・」
姉の中にあるエルフとしてのプライドを突き崩すため、私は唇を窄めて再びうなじに息を吹きかけた。
同時に鎖骨と乳房の先端を、指で擦る。
三カ所からの刺激は、姉の背筋を這い上がり、意識の中に飛び込んでいった。
「っ〜〜〜!」
姉はとっさに目をつぶり、歯を食いしばって快感の波を堪えた。
やはり、私が里を出る直前、あれほどまでに辛かった股間の疼きを耐えきっただけあって、快感をこらえるのは得意なようだ。
「はあ、はぁ・・・」
「強情ねえ・・・」
絶頂に至るのを我慢した姉に感心してしまった。だが、このままではいけない。こんなに姉が強情なら、攻め方を変えよう。私は顔をすっと近づけ、姉の唇に触れた。
「っ!?」
唇同士がふれあった、という事実に姉の意識が至る前に、私は顔を離して、口の端を吊り上げた。
「姉さんキスは初めてだったかしら?ああ、同性で身内だから、ノーカンでいいわよね」
エルフは貞操観念が強く、キスも結婚のそのときまでしないほどだ。だからおそらく、今のが初キスだったのかもしれないが、まあノーカンでいいだろう。
だが姉はノーカンではすませられないらしく、妹と唇を重ねてしまった、という事実に、つい先ほどまで触れていた唇を震わせていた。
「やっぱり初キスは好きな男の人に取っておきたいわよね。それに初キス同士って素敵よねえ」
姉の衝撃が和らぐ前に私はイスから離れ、カーテンのそばに歩み寄ると、その黒い布をつかんだ。
「というわけで、姉さんの初キスは、私が間接キスでこの人にプレゼントしま〜す」
滑るような動きで、カーテンをつかんだまま、私は部屋を横切った。
カーテンが開き、その向こうに隠されていたものを目にした姉が、目を大きく見開いた。カーテンの向こうにいたのは、姉と同じように捕まえておいた、姉がたびたび会う男だったからだ。
「っ!」
猿ぐつわを噛まされた彼の姿に、姉の口から声にならぬ声が漏れる。
そして、姉の目が一糸纏わぬ男を見まいとするかのように、視線をさまよわせた。
「ふふふ、びっくりした?」
胸中で旦那に謝りながら、イスに腰掛ける男にしなだれかかり、私はほほえんだ。
「姉さんの体が、この子に抱いてほしい、この子の精液欲しい、って泣いているのに、姉さん我慢するんだもの。かわいそうじゃない?」
ちらちらと男が私の胸を見ているのが分かるが、私は気にせず姉の肉体の欲望を代弁した。
「だから、私が姉さんの代わりに、姉さんの体のお願いを叶えて上げるわ」
私はそう言うと、男の口にくい込む猿ぐつわを解き、唇を重ねた。相手は旦那だ、姉のことを好いている男ではない、と必死に自分に言い聞かせる。
「あぁぁ!」
イスに縛り付けられているのを忘れたのか、姉が声を上げながら立ち上がろうとした。
私は目を閉ざし、必死に脳裏に旦那の顔を思い描きながら、キスを続けた。
脳裏の旦那は顔を揺らし、キスから逃れようとするが、逃がさない。
「ん・・・んちゅ・・・」
私と『旦那』の唇の間から、唾液の絡み合う音が漏れ出す。
「やめて、やめて!」
姉が言葉に涙をにじませながら、そう必死に声を上げた。自分から初めておいてなんだが、旦那以外の男とキスしている私の方が泣きたい。
そして、たっぷり数分は唇を重ねると、私は顔を離した。
「ぷはぁ・・・」
二人の唇の間を唾液の糸が張り、垂れ下がって切れた。
「ふふ、姉さんとこの子の初間接キス・・・おめでとう、姉さん」
そう、私がこの男とキスしたのではなく、姉がこの男と間接キスしたのだ。
淫らな様子を演出するため、唇にへばりつく男の唾液を舐めとりながら、私は微笑んだ。
「え、エルフさん・・・ごめんなさい・・・」
彼が、接吻によって顔を上気させたまま、どこか虚ろな目でそう紡いだ。しかしエルフさんって、この男は姉の名前を知らないのか?
名前も知らずに週に三度も会うってどういうことなの、と問いただしたかったが、私は衝動を押さえ込み、姉に向けて口を開いた。
「ほら姉さん、この子も謝ってるわよ?『気高いエルフ様に劣情を抱いていてごめんなさい』って。ほら、姉さんと間接キスしただけで、こんなにして」
私は、彼の股間の屹立を示した。うん、旦那のより小さい。
「本当なら、姉さんのあそこに精液ぴゅっぴゅしたいんでしょうけど、姉さんは清くて気高いエルフだから、君とそういうことできないのよ。ごめんね〜」
彼のやや小さな肉棒に指を触れさせ、軽くもてあそびながら、私はそう言った。ここで姉が食いついてくれれば、素直にこの男を受け渡そう。
「ち、違う・・・」
しかし口を開いたのは、男の方だった。
「違う?」
そう、違う。今発言すべきだったのは男ではなく、姉さんだ。だが口を開いてしまったものは仕方ない。
「ああ、君、姉さんじゃなくて私にぴゅっぴゅしたいのね!」
彼が心の内に抱いていた劣情の否定を、私はそれを曲解するようにいった。
「私は姉さんと違って、気持ちいいの大好きだから、いっぱいぴゅっぴゅさせて上げる・・・」
私は腰に手を伸ばすと、骨盤の上に食い込む紐に指をかけ、股間をわずかばかりに覆う下着をおろした。
はらり、と布と紐が両足の間に落ち、尻の谷間から股間までが姉と男の視線にさらされる。
「はい、お待たせ・・・」
私はひょい、とイスに腰掛ける男の太股をまたぐと、首をひねって姉の方をみた。
「じゃあ、清廉潔白な姉さんの代わりに、私がこの子とセックスするわね。ホントは間接セックスさせて上げたかったんだけど、双子だから体も同じだし、別いいわよね?」
「やめて、やめて・・・!」
私言葉に、姉はなぜか涙を目に浮かべながら、私を止めようとした。
「いやよ。姉さんが素直にならなかったから、こうなったの」
その直後、彼女は太股の上で浮かせていた腰を、すとんと下ろした。
彼の肉棒が、私の女陰をこすり、下腹の下敷きになる。
挿入はしていない。私のそこは、旦那の屹立を迎えるための場所だからだ。
「ああ・・・!」
静かに興奮していた私の滲ませる愛液が彼の肉棒を擦り、男が声を漏らした。
「ふふ、熱いわ・・・」
下腹部に押し当てられる屹立の熱に、私はそう呟く。
そして、あたかも対面座位で交わっているかのように、私は腰を動かした。
本当に挿入しているのならば、抜けるかもしれないからあまり大きな動きはできない。しかし男の肉棒は、素股もどきで私の女陰の全部や下腹を擦るばかりなので、心おきなく体を動かすことができる。
暴れ馬にでもまたがっているような気分で、私は尻を大きく揺らした。女陰から溢れ出た愛液が、男の肉棒に塗り立てられていく。
「やめて、やめて、やめてぇ!」
姉が言葉に涙を滲ませながら、声を上げた。
だが、私は止めない。正直、旦那以外の肉棒がこうして触れるのも若干お断りなのだが、姉が素直になるためには必要なのだ。
心を鬼にして腰を揺すり続けていると、背後からギシギシとイスのきしむ音が響いた。姉が、手足を縛られているにも関わらず、立ち上がろうとしたのだ。
姉の抵抗に、私はそれほど彼女がこの男を想っていることを悟った。エルフのプライドだとかに囚われているかと思ったら、ちゃんと心の奥底では想いを育んでいたことにほっとする。
同時に、私の下腹と自身の下腹に挟まれた肉棒が、ピクピクと震え始めた。
「あぁ、あ、あぁぁ・・・!」
「ふふ、もう出るのね?たっぷりぴゅっぴゅしなさい・・・!」
男のあえぎ声に、私はそう呼びかけ、彼女が勢いよく腰を太股にたたきつけた。
直後、私の太股の下で彼の足が震え、肉棒が脈動とともに白濁を迸らせた。
「ん、あつぅい・・・」
私の下腹を精液がぬらし、肌を伝って尻の下から滴り落ちていく。射精が収まるまでのしばしの間をおいて、私は立ち上がった。
姉の方を向き、へその下から太股をぬらす白濁を、じっくりと見せつける。
「あぁぁぁぁ・・・」
すると姉は、ぼろぼろと涙をこぼしながら、口からため息のような声を漏らした。ちょっとやりすぎたかしら?
「ふふふ、この子、私にこんなに出してくれたわよ・・・」
だが、ここで甘やかしてはいけないと、私は心を鬼にして下腹に指を伸ばした。褐色の肌にへばりつく白濁を指先につけると、軽く舐める。
「ん、苦いわ・・・」
ある程度覚悟は決めており、ほんの一滴を口に運んだが、想像以上にまずい。苦い。旦那の精液のような心地よい苦みではなく、ただただ苦く、明らかに口に入れるものではないと主張していた。
私は無意識のうちに眉間に寄せていた皺を無理矢理引き延ばすと、気を取り直すために姉に目を向けた。
「それじゃあ姉さん、私もやりたいことはだいたいやったし、解放して上げるわ」
余りにショックが強すぎたのか、ぐったりと脱力し、男を見つめている姉にそう言う。
「うーん、ちょっとやりすぎたかしら・・・?」
何の反応もなく、目元に涙を浮かべながら、男の方ばかりみている姉に、私の胸中に心配が芽生える。
「とにかく姉さん、姉さんがそれでも清廉潔白な気高いエルフを気取っているなら、帰ってもいいわ」
私はそう言いながら姉の方へ歩み寄り、フォローの言葉を続けた。
「でも、姉さんがエルフのプライドを捨てるなら・・・彼の初めて、取り返せるわよ?」
「・・・・・・」
姉は私の言葉をただ静かに聞いているようだった。
「紐、解くわね」
私が指を鳴らすと、姉の手足に巻き付いていた紐が、はらりと解けた。
すると姉はゆるゆると立ち上がり、私には目もくれず、まっすぐに男の方へ歩んでいった。
少なくとも、いきなり殴りつけられたり首を絞められたりはされないようだ。
やりすぎた感に心を痛めていたが、私はほっと胸をなで下ろした。
一方、姉は彼の前に膝をつくと、状態を倒して未だ屹立する肉棒をいきなり咥えた。
「ん・・・んむ・・・」
先端に滲む精液の滴を吸い、肉棒表面に残る愛液を、姉がなめている。間接クンニだイェー。
「うぅ・・・」
男が姉の奉仕に小さく呻いた。しかし姉は、男に目を向けず、黙々と彼の肉棒をしゃぶり続けた。
そして、射精には至らないもののなんらかの目標を達成したところで、姉が屹立から口を離した。
「ぷは・・・きれいになったわ・・・」
彼女の言葉から、私は姉が肉棒についた私の愛液を舐め清めていたことを知った。お掃除フェラってやつね。
「エルフさん・・・」
「こんなことに巻き込んで、ごめんなさい・・・」
男がぼんやりと姉を呼び、彼女が頭を下げる。
「私が態度をはっきりしていれば、こんな目に遭わずにすんだのに・・・」
ようやく姉が己の過ちを認めたのか、静かな声でそう紡いだ。
「代わりに、私が全部塗りつぶして上げる・・・」
そして、続けたその言葉には、決心が宿っていた。
直後姉は彼の太股をまたぎ、屹立の先端、両足の付け根に触れさせた。
彼女は少しだけ腰の位置を整え、腰を落とした。
私の愛撫と男の射精を見せつけていたためか、姉の股間はグチョグチョに濡れていた。
十分に濡れているなら大丈夫、と思ったところでふと私の胸に疑問が湧き起こった。
(姉さんってまだ処女よね・・・?)
「・・・ぅ・・・!」
疑問の直後、姉は処女とは思えない勢いで腰を下ろし、苦痛の声を漏らした。
顔は見えないが、動きが止まっているところからみると、破瓜の痛みは相当きつかったらしい。
「・・・ん・・・」
しかし、彼女は痛みをこらえながらか、小さく呻きながら腰を動かし始めた。
異物のはいったことのない膣を肉棒が押し広げているだけでも辛いだろうに、健気だ。
ゆっくりゆっくりぎこちなく、私が男に素股もどきをしてやったときのように、姉は腰を浮かせては沈めを繰り返した。
どうやら、もう私の手助けはいらないらしい。
「あぁ・・・」
私はぎこちなく腰を揺する姉と、小さく声を漏らした男をそのままに、そっと部屋から出ていった。
落ち着いたところで迎えに来てやろう。そして、二人の門出を祝ってやるのだ。
だがその前に、私にはやるべきことがあった。下腹のあたりにへばりつく、男の白濁を清めることと、いつまでも口に残るその苦みをどうにかすることだ。
とりあえず、旦那のところに行って可愛がってもらおう。ブリッジ暴れ馬騎乗位でだ。
12/09/25 12:56更新 / 十二屋月蝕
戻る 次へ

■作者メッセージ
取りあえず、エルフとダークエルフで一つの情事を裏表でやってみました。
エルフ編ではNTR上等!なダークエルフの妹さんも、実はそこまで乗り気じゃなかったんですね。
まあ、これでエルフとダークエルフの姉妹が仲良くなるとか、そういうことはないんですけどね。

ボツにした部分1
「いやあ、さすがに間接初セックスはまずいけど、間接初キスならセーフかと・・・」
「十分アウトよ!」
苦笑いで後頭部をかく私に、姉はつかみかからんばかりの勢いで吠えた。

ボツにした部分2
そして、男が山菜を摘みに山にはいると、季節を問わず山から、
「キノコ狩りの女、エルフウーマッ!」
という声が聞こえ、夕方頃に焦燥しきった彼が帰ってくるようになったが、それはもう別の話である。
オワリ

TOP | 感想 | RSS | メール登録

まろやか投稿小説ぐれーと Ver2.33