連載小説
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Z部隊訓練所{夜間は地獄にお似合いです}
{返すようですけど・・・それでは貴方は希望に満ち溢れている最中に訪れる絶望と絶望の真っただ中での希望・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どちらが良いですか?・・・}
   
                   副艦長のザバサの問いへの返答  

時刻は7時25分・・・・

ザバサは小休止をやめて自分の装備品の手入れをしていた・・・・

(・・夜間に何か起きそうな予感だからな・・・・・・・・)

ザバサは何か嫌な予感を感じて装備の状態を再確認していた・・・・

もう外は薄暗くなっている・・・

ザバサは愛用銃のジャッジをホルスターから出して分解、手入れしている

そろそろ通常訓練の者は訓練を終え個々の予定・・・・・

即ち食事・入浴・特別訓練などに赴く・・・・・・

ちなみに食堂の夕飯の係りはザバサやヘレーナ達は今日は含まれていない

よってザバサ達は深夜にある朝食の下ごしらえに赴くだけで今日は事が足りる

「さて・・・下ごしらえまで何をしようかな?・・・・・・・」

そうザバサは珍しく暇な日を過ごすつもりでいた・・・・・・・

(たまにはこう言うのも悪くないな♪・・・・・・)


時刻は7時39分・・・・・

「ザバサ!・・今講義を終えて帰ってきたぞ!・・・・・・」

そう言いながら教育訓練場で講義をしていたフレイヤが返ってきた

「お前さあ・・俺が居ること知っていて撃っただろう?・・・・・・・・」

「さあ?・・・何の事だか?・・・・・」

フレイヤは上から目線で笑っていた・・・

どうやら光学迷彩の講義中に光学迷彩を装備して様子を覗いていた

ザバサのことをP90でハチの巣にしようとしたフレイヤだが

当の本人はザバサが居たとは知らないらしい・・・・・

(・・絶対的な嘘だな・・と言うか軽くこの状況を楽しんでいるな・・・・)

そう思いながらもザバサはフレイヤの笑いに免じて追及はやめた・・・

「まあ良い・・・でフレイヤ・・・・エルナの事を見ていないか?・・・・」

そうザバサは訓練所でへばったと結論付けたエルナについてフレイヤに尋ねた

ザバサ自身も若干だがエルナのあの状態からの以後を心配している・・・・

「ああ・・そう言えばエルナは夜間の特別訓練に行くらしいぞ・・・・・・」

そうフレイヤはザバサの問いに答えた・・・

「そうか・・で酔いの方は大丈夫なんだな?・・・・・・・」

「ああ・・・もうすっかり覚めている・・」

(まあ・・お前が飲まさなければ良かったのだが・・・・・・・)

そう思いつつもザバサはエルナが無事なことに安堵した

「で・・フレイヤ・・・いったいエルナは何処の訓練場に行ったんだ?」

そうザバサが聞くと

「室内用戦闘施設に行くと言っていたぞ・・・・」

そうフレイヤは答えてきた・・・

「そうか・・・良し!私も面白そうだから行ってこよう!・・・・・」

「は?・・何を?・・・・・・」

そうザバサは急に言うとフレイヤが反応に困っている間に飛行原理不明の

羽を広げて窓から飛び出した・・・・・・・・

(なんだかさっきから若干だが嫌な予感がするからな・・・・・)

そうザバサは世話焼きお父さんみたいな感じでエルナの元に行った・・・・

「ふう〜まったく・・・世話焼きだな・・ザバサ・・・・・・・」

そう言いながら飛んでいくザバサの姿を監視塔から覗くフレイヤの姿があった


時刻は7時52分・・・・・

「バァァァァンンン...............」

「バババババババババババババ................」

大演習場では闇夜を切り裂くように戦車から発射された砲弾と銃弾が

幻想的な風景を映し出している・・・・

機甲部隊の夜間砲撃訓練である

またその傍らで夜間の視認性を生かしてレーザー兵器やプラズマ兵器の

訓練や実験が行われていた・・・・・・・

「おお〜・・やっとるやっとる・・・・・・・・・・・」

ザバサはそう言いながら目的の室内戦闘訓練施設を目指していた

「さてと・・・あそこだな・・・・・・ってすごい魔力・・・・・・・」

ザバサは目的地から5〜6キロ離れているのに物凄い魔力を感じていた

「まあ・・たぶんあいつだな・・・うん・・・・あいつだ・・・・・・」

そうカタコトになりながら室内戦闘訓練施設の入り口に降り立った・・・・

「・・中からは何も聞こえない・・・・・・・・」

ザバサは息を殺しながらそう呟いた・・・・

たしかに室内戦闘訓練施設からは何も聞こえない・・・・・・

いまこの空間に聞こえるのは遠くの戦車の砲撃音と銃声のみだ・・・・

「・・・エルナを含め数人の新兵と教育係の隊員が居るはずだが・・・・・」

そうザバサは不気味にも静まり返った室内戦闘訓練施設を見上げた・・・・

(良し・・1つ私が突入して中の様子を探るとするか・・・・・・・)

そうザバサは思い、入り口の扉に近づいて行った・・・・・

扉からは異様な空気とかは感じられないがザバサは用心した・・・・

(まあ・・突入した奴らが扉に罠を仕掛けるわけないか・・・・・・・)

そう思いながらザバサはホルスターからジャッジを取り出し構えた・・・・

(・・静かに・・・・・・・・・・・・)

そうザバサは思いながら扉を開けた・・・・・・

「キィィィィィィ..........」

若干すれた音はしたが何事もなく施設内にザバサは侵入した・・・・

施設内は暗く・・そしてとてつもなく巨大だった・・・・・・・・・・・

(・・特別訓練とはいえ・・広くしすぎだろ・・・・やはりあいつか・・・)

そうザバサは嫌な感じで思っていた・・・・・・

実際この室内戦闘訓練施設は次元移動技術を応用して内部の広さを

変えることができ、また様々な物質を構築することも可能で

無限大のシチュレーションを再現できる優れた施設である

しかし室内の為に大火力の武器は使えない・・・・・・・・・・

(で・・この広さはどうなんだ?・・昔の貴族の屋敷に似ているが・・・・)

そう思いながらザバサは入り口のすぐ目の前にある二つの階段を上った・・・

(・・やはりこの構造・・・・・・リリアの・・・・・・・・・・・・・・)

そうザバサは懐かしさの混ざった思いで巨大な施設内を探りに行った・・・・


その頃の管理棟・・・・・・・・・

時刻は8時27分・・・・・・・・

管理棟ではフレイヤがまた何かを飲んでいた・・・・・

訪ねてきたヘレーナを巻き込んで・・・・・

「ふふふ・・・・やっぱりこれか・・・・・・・・・・・・・・」

「あの・・・さすがに飲みすぎでは?・・・・・・・・・」

ヘレーナは今朝の食堂と同じ様な立場に居る

酔っ払っているフレイヤを介抱している・・・・

「大丈夫・・・今の時間何も起こらないから!・・・・・・・・・」

そうフレイヤは言っている・・・・・

「いやしかし・・室内戦闘訓練施設で異常拡大示す警報が・・・・・・・」

「大丈夫だ!・・・艦長が今居るから・・・・・・・・・・」

心配するヘレーナをそっちのけでフレイヤは酔っている・・・・・・

(・・ザバサ・・私からの特別訓練だ・・・・・・・・・・・・)

そうフレイヤは心の中で思っていたらしい・・・・・・・・・・

「まあ・・・艦長も居るし・・・部隊内で変なことは起こりませんよね・・」

そうヘレーナもフレイヤに流されそう結論づけた・・・・・・・・


戻って室内戦闘訓練施設・・・・・・・

(・・・どうやらかなり奥まで行っているらしいな・・・・・・・・・・)

ザバサはそう思いながらクリアリングされて扉が吹きとばされた部屋が

連なる廊下を気配を消しながら歩いていた・・・・・

どうやら特別訓練の者達はかなり奥に行っているようだ・・・・

(まあ・・正確な訓練内容は知らないがやり方からして制圧訓練だな・・・)

そうザバサは思いながら廊下の分岐点に来た・・・・・

(・・教育係の隊員は1人のはず・・・あっちにの方向に残留思念・・・・
     ・・・しかし私の予想では目標は反対方向に居るはず・・・・・)

そうザバサは分かり切った様な感じでエルナ達の行った方向とは

逆に走って行った・・・・

(弾は一発はバックショット残りは通常散弾・・・・・・・・)

そう思いながら弾を装填しながら走って行き・・・・・・・

(・・あの時の屋敷と同じならリリアの部屋は・・・・ここ!・・・)

そう思うと同時に目標の部屋の扉の前に立ち・・・・

(悪いな・・新兵達・・・・・お前達には荷が重すぎるんでな・・・・・)

そうザバサは思いながらバックショットをドアノブに撃ち込んだ・・・・

「ダァァァァァンンンンン...............」

バックショットによってドアノブがカギごと吹き飛ぶ・・・・・・

「バンッッ・・・・・・・・・・」

ザバサは扉を蹴飛ばして部屋の中に突入する

音響閃光弾も無い、煙幕弾も無い、武器は愛用銃のジャッジ以外には

日本刀しかない・・・

「ほお・・予想外の人物だな・・・・・・・」

そう言いながら中に居たのはザバサの予想通りリリアであった

悠長に肘掛の付いた椅子に座っている・・・・・

(予想通り・・か・・・・・・・・・・・)

リリアの姿を見てザバサはそう思った・・・・・・・

「リリア・・お前が訓練と言う建前で戦っても新兵は下手したら死ぬぞ」

そうザバサはリリアに息を切らしながら忠告した・・・・

「何を勘違いしているのだ・・我はただ人質の役だぞ・・・・・・・」

「何!?・・・そうなのか?・・・・・・・・」

ザバサは若干驚いたように言った・・・・

どうやらリリアは制圧目標ではなく人質だったらしい

ザバサの思い違いであった・・・・・・

「まあ良い・・我はどの道パニックに陥る人質役だったからな・・・・・」

「それだけで下手したら重傷者が出る・・・・・・・・」

ザバサは若干失敗した感じだっが、リリアが何かしらの被害を出す事は

防げたらしい・・・

(来て正解だったな・・・・・・・・・・・・・・・)

そうザバサは自分の行動に意味をなしたことを喜んだ

「しかし・・暴れないとなると少しストレスが溜まるな・・・・」

そう言いながらリリアは椅子から立ち上がった

(・・やはりそう言う感じになるか・・・・・・・・)

嫌な感じがしていた・・・・・

「おいおい・・無駄な争いはやめてくれよ・・・・・・・」

そうザバサはリリアをなだめる様に言った

「良いではないか・・お主は我を制圧しようとしに来たのだろう?・・・」

リリアは戦闘を起こす気満々である

「・・仕方がないな・・・・久々の真剣勝負だ!・・・・・・・・」

「そう来なくてはな♪・・・では・・行くぞ!・・・・・・・・・・」

(・・短期決戦と行きますか・・・・・・)

そう心の中で決心したザバサであった


時刻は9時16分・・・・・・・・

ザバサとリリアの戦闘が始まった・・・・・・

「やりおるな!・・・ザバサ!・・・・・・・・」

「そっちこそ!・・・・さすが夜は強いな!・・・・・・・・」

そう双方言い合いながら攻撃魔法やら散弾やら刀やらの音が響いた・・・・

そしてそのすざましい戦闘音は無論、同施設内のエルナ達にも聞こえた・・・


エルナ達一向・・・・・・・

「何ですか?・・・この音は・・・・・・・・」

そう言うと教育係の隊員は訓練中の新兵を呼びだした・・・・・・

「数は・・・全員居るな・・・良し!・・・・・・・・」

そう新兵達の数を確認していた・・・・・

エルナを含め新兵達も何が起きたかは理解できていない

(・・リリア殿に・・人質役は任せろ!・・と強引に言われましたが・・・)

そう教育係の隊員は思っていた・・・

(いや・・もしかしたらリリア殿の試練か何か・・・そうとしたら・・・・)

そう教育係の隊員は結論づけ・・・・

「あなた達!・・戦闘らしき事が起こっています・・・・
                 ・・・私が先導するから続きなさい!」
「了解!・・・・」

そう教育係の隊員が新兵達に言うとそう返答された・・・・

「前方に火力を集中!・・・注意して進め!・・・・・・・・・」

そう先導しながらザバサとリリアの元へ向かって行った・・・・・・・


時刻は9時28分・・・・・・・

「ざっざっざっざっざっざっ............」

教育係の隊員の先導の下エルナを含む新兵達の足音が廊下に響く

「おかしいですね・・・先ほどまでの戦闘音が聞こえません・・・・・・・」

そう教育係の隊員は不思議に感じていた・・・

たしかにエルナ達の足音が聞こえるくらい静かになっている

「良し!たぶん戦闘音はあの扉が吹き飛ばされている部屋からです・・・・」

そう教育係の隊員が言うとエルナ達は走りながら銃を構えた・・・・

部屋の中からは何も聞こえない・・・・・

「スタンバイ・・・・」

教育係の隊員が走りながら指示する

「一気に行け!・・・・・・・」

そう言うと・・・・・・

「行け行け行け行け!・・・・・・・・・・・・」

教育係の隊員の合図の下エルナ達新兵は部屋の中に突入した・・・・・・・


突入時刻は9時30分・・・・・・・・・・・・・

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」←新兵達

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」←教育係の隊員

「・・・・・・・・・・・・・・・艦長?・・・」←エルナ


            突入したエルナたち一行はこのような感じになった

なぜなら・・・・・・・

「・・あ・・・ああ・・・・・大丈夫・・無事無事・・・・・・・・・・」

部屋の中にはそう言うザバサの首筋を噛み血を吸うリリアの姿があったからだ

しかもザバサを床に押し倒した体位で・・・・・・・・・

(まあ・・はたから見ればまずいよな・・・この体勢・・・・・・・・・・)

そうザバサは思いながらもリリアに血を吸わせている

「あ・・あの〜・・・失礼しますが・・・・艦長?・・・」

そうこの気まずい感じを打開しようと教育係の隊員がザバサに声をかけてきた

「艦長・・・どうしてこちらに?・・・・・・・・・・」

まあ妥当な質問から・・・・・

「ああ・・・ちょっとな・・・・・・様子見に・・・・・・・・・」

リリアに血を吸われているのが原因かどうかわからないが

若干呂律が回っていない・・・・・・

「まあ・・それは分かりました・・で・・この状況は?・・・・・・・・・」

教育係の隊員は続けて質問してきた・・・妥当な内容の・・・・・・・・

「ああ・・リリアが血が吸いたいと言って来てな・・それでこうなった・・」

そうザバサは言ったが、当のリリア本人は血を吸っている最中でザバサ達の

会話は耳に届いていない・・・・・・

「艦長!気は確かですか?そんな感じでヴァンパイアに血を飲ませるなんて」

「私なら大丈夫だ・・・・それより訓練の続きはどうした?・・・・・・・」

そう若干呆れる教育係の隊員の意向を無視してザバサはそう聞き返した

「もう終了ですよ・・人質役のリリア殿を見つけましたからね・・・・・・」

「そうか・・・なら良し・・・・・・・・・・・」

そう言うと聞くとザバサは吸血の真っ最中のリリアを肩を叩いて言った

「リリア・・もう十分だろう?・・・・ほかの者も見ている・・・・・・・」

「そうか?・・我はもう少しほしいのだが・・お主が言うなら仕方ない・・」

そうリリアは言うとザバサの首筋から牙を抜いた・・・・・・・

「かぽっ・・・・」

ザバサの首筋からキバが離れる音がした

(うっ・・吸血中は体が疼くんだよな・・・・・・・)

そう思いながらザバサは若干首筋から血を滴らせながら立ち上がった・・・・

(・・・・・・・・・・・・・・・・・やっぱりそうなるよな・・・・・・)

ザバサはリリアの髪が邪魔してよく部屋の中の様子が分かっていなかったが

立ち上がってよく分かった・・・・・・・・・

教育係の隊員は若干引いており・・・・・

エルナを含む新兵達は顔を赤くしながら目を手で覆っていた・・・・・

「ああ〜・・まあお前たち・・・習性に理性が打ち勝てないときもある・・
     ・・・結果的に相手方に迷惑がかからなければ良い・・・・・・」

そうザバサは言うとリリアのほうを見た・・・が・・・・・・・・・・

リリアはとっくに何処かに行ってしまった・・・・・・・

(あいつ・・・こういうことに関しては殊勝な奴だよな・・・・・・・)

そうザバサはリリアのことをそのように評価した

「じゃあ諸君がんばってくれ!・・・・・」

そういいながら敬礼をしながら光学迷彩を起動させ

室内戦闘訓練施設からザバサは撤退した・・・・・・・・・・

(ふう・・やはり公開プレイには慣れていないんだよな・・私は・・・・・)

そう思いながらまたもや飛行原理不明の羽で監視塔に向かっていった・・・・

(・・・・・艦長って・・・やっぱりヘタレ?・・・・・・・・・・・・)

室内戦闘訓練施設では何故かそう的確に思うエルナが居た・・・・・・・・


時刻は9時58分・・・・・・・・・・

ザバサは監視塔に帰ってきた・・・・・・・

「おお〜い!フレイヤ今帰ったぞ!・・・・・っておおい!?・・・・」

ザバサは若干の悲鳴をあげた・・・・なぜなら・・まあ・・・予想通り・・・

「ZZZZZZZZZZZZZZZzzzzzzzzzzzzzz........」

盛大に泥酔して居眠りしているフレイヤの姿があった・・・・

しかもその横で

「くぅ〜・・・・もう・・無理ぃ〜・・・・・・・・・・」

そのような感じで何故か居るヘレーナも泥酔して居眠りしていた・・・・

(あれ?このシーン・・デジャブ・・・・・・・・・・・・・)

そう思いながらも机のうえの酒瓶に目をつけた・・・・・・

(あちゃ〜・・ここに酒・・隠していたの忘れてたわ・・・・・・・・・)

そうザバサは心の中で後悔していた・・・・・・・

どうやらフレイヤは酒に目がないらしく近場にあれば飲んでしまうたちらしい

(・・まあ・・泥酔中の顔が良いのだがな・・・・・・・・・・・・・)

そう心の中でザバサは思いながらイスに腰掛けた・・・・

「まあ・・今の時間の訓練はほとんどないだろう・・・・・・・・・」

そういいながら自分の装備品をはずして手入れを始めた・・・・・・・


時刻は10時9分・・・・・・・・・・・

「コンコン・・・・」

ザバサが装備品の手入れに一段楽している最中に誰かがやってきた・・・・・

扉を叩く音が響く・・・・・

「はいどうぞ!・・鍵はしまっていませんよ・・・・・・・・・」

そうザバサは言った

「ガチャ.....」

扉からは先ほどの訓練から帰ってきたエルナだった・・・・・・・

(あれ・・やっぱりデジャブ?・・・・・・・・・・)

そう思いながらもザバサはエルナを部屋に通した・・・・

「ああ〜エルナ・・まあ先ほどのことは気にしないでくれ・・・
                  ・・・いつもは違うから・・・・・」
そうエルナから誤解を解こうとした・・・・

「大丈夫です・・艦長・・・・私は気にしていませんから・・・・・・・・」

そうエルナは無表情で言ってきた・・・・

「ああ・・そうか・・・それはありがたい・・・・・・・・・・」

(正直喋っているのすら怖い・・・・・・・・)

ザバサはそうは言っているが正直普段から無表情なのは分かるが

こうも普通に無表情で言われると気まずい・・・・

(何か軽蔑された感じで心底怖い・・何かエルナについての情報は無いか?)

そうは思ったもののエルナを良く知っているヘレーナも・・・・・・

「ZZZZZZZZZZZzzzzzzzzzzzzz................」

今や寝言がいびきに変わっている・・・・・・・・・・・・

(いや〜八方塞とはこのことだあね!・・・・・・・・・・・)

そうザバサは思いながらもエルナにコーヒーを持ってきた・・・・・

「まあ・・とりあえず飲んだらどうだ?・・・・・・・・・・・・」

「いただきます・・・」

そうあっさり言われた・・・・・・・・・

(さて・・・なぜ来たのだ?・・別に来たことに関してはうれしいが・・・)

そうザバサは思いながらエルナに聞いた・・・

「あ〜・・エルナ・・・ここにはどの様な用件で?・・・・・」

そうザバサは聞いた・・とりあえずこの気まずい状況を打開したかった・・・

「ヘレーナを迎えに来たのですが・・・あのような状況では・・・・・・」

そう言ってきた・・・・

「まあ・・そうだな・・・まあそこまで飲んでいないようだし・・・・・
      ・・・・・下ごしらえの時間には酔いはさめると思うぞ・・・」

そうザバサは返した・・・・・

「そうですね・・・」

エルナはそう簡潔に返し再びコーヒーを飲み始めた・・・・・・

「ズーーーーーーーーーーーー................................」

二人のコーヒーをすする音が聞こえる・・・

(気まずい・・気まずい・・・何を話したらよいのか分からない・・・・・)

ザバサは若干戸惑った・・・エルナは新兵・・ザバサ自身もよく分からない

そこそこの意志疎通は出来るがこの様なシチュレーションは経験にはない・・

また・・監査長に聞いても教えてくれなかった・・・・・・

そして唯一の頼みの綱のヘレーナも今は酔いつぶれいる・・・・・・

(・・ふう〜・・・まいったな・・・・コーヒーの味が分からん・・・・・)

そうザバサが若干困っているとエルナの方から話しかけてきた・・・・・・・

「艦長・・あの・・・聞きたいことが・・・・・・・・・・」

「ああ・・何が聞きたいんだ?・・・・・・・・」

そうザバサはエルナに返した

(ふう〜・・とりあえず話のネタは提供されたな・・・・・・・・)

そう心の中で安堵した・・・・

「艦長・・先ほど・・・・・・・・・・・・・

そうエルナが言い終わらないうちにすかさずザバサが答えた・・・・

「ああっ・・あれはだな・・・・・・色々な事情と言うものがあってだな・・
・・まあ・・そう・・・あやふやにするのは性に合わないが・・・・・・・・
いきなり話すのもどうかと思う・・・・」

そうザバサは若干戸惑いながら言った・・・・・

するとエルナは少し驚いた顔をしながら言った・・・・

「艦長?・・私が聞きたいのはそのことではなく・・・・・・・・・・・」

「あっ・・そうか・・いや・・すまないすまない・・・・取り乱した・・・」

(ふう〜・・まださっきのことを気にしているのかと思ったよ・・・)

そうザバサはあわてながら訂正した・・・

そしてエルナはその様なザバサの行動を見て

(・・・・・ヘタレ・・と言うか・・・・恥ずかしがり屋?・・・・・・)

そうエルナは思っていた・・・

「すまない・・で・・・聞きたいことは何だ?・・・・・・・・・・・・」

そうザバサは冷静に状況を立て直した・・・・

「あ・・はい・・・聞きたいことは先ほどの事ではなくもう少し前に
ヘレーナから艦長と監査長との過去についてですが・・・・・・・・・」

そうエルナは聞いてきた

「なんだ?・・ヘレーナが忘れてしまって全部聞けなかったのか?・・・」

そうザバサは返した

「いえ・・近いんですが違います・・・・あの・・・・実は・・・・・・・・
・・・・・(赤裸々説明中・・・)・・・・・・・・・・・・・・・・・」

エルナは若干恥ずかしがりながら理由を話した・・・・


説明を聞き終わって・・・・・・・・

「・・・・・・・・・何だ・・・そんなことか・・・・・」

「・・・はい・・・・・・」

ザバサは若干赤くなっているエルナにそう言っていた・・・・

どうやらエルナがヘレーナから話をされた時はエルナが酔っていたので

話されても話の内容をあまり理解できずに途中でうたた寝もしたりして

内容が分からなくなり、ヘレーナに再度聞こうとしてこの部屋に居ると聞いて

来たが・・・このように酔い潰れている・・・・・・なのでザバサから直接

聞こうとしたのが経緯らしい・・・・・

(・・・酔っている最中に話すヘレーナもヘレーナだな・・・・・・・・・)

そう思いながらもザバサはエルナに聞いた・・・・・

「エルナ・・・別にまたヘレーナに聞けば良いではないか?・・・・・・・」

そうザバサが聞くとエルナは

「それが・・微かに内容を覚えていたのですが・・・・思いだせなくて・・」

そう答えてきた・・・

「・・で・・・気になって仕方がなく一刻も早く思いだすために聞きたいと」

「はい・・・・・」

ザバサはエルナの思っていることを理解した

「まあ・・別に再度話しても良いが・・・・・・・」

ザバサは少し考えた・・・・

(・・もう一度話すのもな〜・・・・ヘレーナとの会話の時間を削る結果に
なるしな・・・・一刹那でも仲間との交流の機会は多く取った方が良い・・)

そうザバサは結論付けると

「エルナ・・・」

「はい・・・」

「監査長との話はヘレーナから聞け・・・・」

「・・・え・・・・・・・・・・」

エルナは若干だが驚いている

「その代わりに誤解を解く目的でもあるがリリアとの出会いについて
代わりに話してあげよう・・・・・・・」

「・・・・・リリアさんとの出会い・・ですか?・・・・・・・・」

「そうだ・・・リリアと私の遭遇についてだ・・・後でヘレーナにも
話してやれよ・・・・・」

「・・はい・・・・・・・・」

エルナは何とか状況を飲みこもうとしているがいまいち理解できていない

「まあ・・安心しろ・・・監査長との話から流用することに関しては
もう一度説明してやる・・・」

「はい・・・お願いします・・・・・・・」

「ん・・良し!・・・・・・」

そう言うとザバサはエルナに監査長との遭遇に関して粗方説明し始めた・・・


時刻は10時23分・・・・・・・

ザバサはエルナに説明を続けていた・・・・

「で・・・監査長と遭遇したわけだ・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

「で・・まあ・・・監査長のおかげで帰ってこれた・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

エルナは終始ただ黙って聞いていただけである

(・・・やべえ・・・・話していても気まずい・・・・・・・・・)

そうザバサは思いながらも話を続けた・・・・・・・・

「ここからはヘレーナに話した以後の話だ・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・」

「戻ってからがまた大変だった・・・なにせ存在しない魔物が来たからな
とりあえず秘匿のため長期の滞在は不可能だったので最初は監査長の
次元移動魔法で月一で交互に世界を渡り歩く様な感じの生活だった・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・あっちの世界に居る時は私と共に洞窟やミランダさんの村で過ごし
こっちの世界では次元移動の技術を監査長の協力の下研究をしていた・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・その様な生活を半年くらい過ごした所で今の様な次元移動装置などが
完成して・・・少しずれた次元に基地を構えたのだ・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・そこには我々以外は存在しないし次元移動装置のおかげで、何時でも
移動することが可能になったからな・・・・・とても便利になった・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「まあ・・・でも開発には苦労したぞ・・・何せ監査長に次元移動の魔法を
実験に使うたびにな・・・まあ・・・・色々と求められてな・・・・・・・
まあ若干きつかったが・・・正直な気持ち私はうれしかったがな・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「その苦難の末に手に入れた新天地だ・・苦労なんて忘てしまった・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・この次元での暮らしになれ基地も作りZ部隊を結成・・・・・
そして隊員を増やそうとした・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「だが・・Z部隊の隊員は素質以外にも人格・意志・意志・理性など
下劣な考えや欲で他の者をつぶすような者は当然のごとく入れない・・・・
と言うかその様な奴らは抹殺対象だ・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「しかし・・元居た世界にはその様な人間はほとんどいなくなってしまった」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「なので私は監査長の世界・・つまりは魔物達を主隊員として迎え入れる
事を考え着いた・・・・無論両方の世界の人間も迎え入れようとしたぞ・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「だがとりあえず人間の隊員は元居た世界のある部隊から連れてきたので
まず最初に魔物から募ろうとしたのだ・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・・私は監査長に訪ねたんだ・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「ある意味一番意思と意志が強い習性や風習がある種族が居るかと・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・言われたのだ・・・・ヴァンパイア・・・・・・・・とな・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「そして言われたよ・・我と同じく奇跡的な遭遇が出来ると良いな・・・と」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「で・・私は新たな隊員を探す為に次元移動装置の
              初の実用者第一号となったわけだ・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「まあ・・・あらすじを話すとこんな感じかな?・・・・・・・・」

そうザバサは話を一旦切り上げた・・・・・

(・・さっきからやけに真剣に聞いているが・・・・・・)

エルナはザバサの話を何も言わずに黙って真剣に聞いている・・・・

「・・あ〜・・エルナ・・・分からないことがあればいつでも聞いてくれ」

「・・はい・・・・・・・」

ザバサの気遣いにエルナはただそう答えた・・・・・

「では続けるぞ・・リリアとの出会い・・もとい遭遇について・・・・・・・


時刻は10時32分・・・・・・・・・

フレイヤとザバサの状態は変わらないが

ヘレーナとエルナの状態が逆転している・・・・・

(うわあ・・やっぱりデジャブ・・・・・)

そうザバサはしつこく、そう思いながらエルナに話を続けた・・・・・

二人のいびきが若干響く中で・・・・・

(まあ・・幸せなことは何回あっても良いか・・・・・・・・・・)




{お前も分かっているな・・・希望は常にあり・・そして絶望も常にあり・・
しかし無くなる事もない・・・そして両者とも意志か意思のどちらか1つで
追い払える・・・・・・だろう?・・・・}

{同感ですね・・・・}

                 ザバサと副艦長の結論・・・・・・  

10/07/18 23:39更新 / クロニカル
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■作者メッセージ
更新の際に間違えて公開状態にして皆さんにはご迷惑をおかけしました

すみません・・・・・・

この次は回想ですよ・・・・・・

妄想が暴走する可能性があるのでご注意を・・・・・

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