連載小説
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疲労、性欲、そして・・
「・・あの作戦についての報告だが・・」「・・・」
私達は会議のテーブルを囲んでいた。
それぞれ隊長格が出席しているのでドラゴンやエキドナ、
リリムなどの豪華なメンバーが並んで座っている。
まさに壮観なわけだが、
「全員・・全滅だ・・」「っ・・・」
それが顔をしかめるだけでそれはもう迫力がある。

「やはり魔界甲殻虫は強敵だな・・」「ああ・・」
「それはそうとダーリン、バナナはおやつに入る?」
「リリィ、今は会議中だ・・性的な意味なら主食だろう?」
「なぁゼクス、トメさんの無理な勧誘止めさせてくんないか。
うちのが毎回困ってるって言うんだが・・」
「俺に言われても・・まぁ一応言っとくけどね・・」
・・話題がグチャグチャでなければ、真面目ならば、の話ではあるけど。
何人か腕、膝枕付きで寝てるのまで居るし。
「あ〜時間だから、会議終了〜後は皆さんご勝手に〜」
会議って言ってもこんなものだ。
・・グダグダと続くから夕方までもつれ込むけど。


「あ〜疲れた。
いつものことだけど、あんなの会議っていうより単なる集会じゃんか・・」
ん・・と伸びをする。
ずっと座っていたからか、コキコキと音が鳴った。
「さて・・これからどうするかな・・」
言っては見るものの、頭の中では寝る以外の選択肢は無い。
見回りをしたところで、見たくもない交わりを見せられるだけだろう・・
「ったく・・彼女の居ない俺の身にもなってよね・・」
何処からか、「てめぇが言えたことか!」と聞こえてきた気がするが・・
幻聴だろう、恐らく疲れているからだ。

「ふぅ・・ただいま・・っても誰もいないよね・・」
声が虚しく響くだけだ。
いつもはうっとおしいくらいのトメアも、今日は居ない。
(・・今日は、ほんとに早く寝ちゃおうかな・・っ!?)
いきなり立っていられなくなり、ベッドに倒れ込む。
何処がおかしいのか、体の様子を考えてみるとなんだか股のあたりが熱い。
触ってもいないのに陰茎が大きくなっているのが分かる。
「ああ・・そういやトメアと・・秘奥義やったっけ・・」
本当に性欲になって返ってくるとは・・これはまずい、何より眠れなくなる。
性欲・・ならば処理をしてやればいいはずだ。

「オナニー・・か。
トメアに気付かれたら、なおさらまずいけど・・」
と、テーブルの上の書き置きに気付く。
=兄上へ、今日は遅くなるやもしれぬ。
じゃから、わしのことは気にせずのんびりするがよいぞ=
どうやら早く帰ってきそうにはないようだ。
ならばさっさと済ませて、寝てしまえばいい。


ベッドで扉から背を向けて、トメアの事を思い浮かべる。
友人曰く大切な人を思い浮かべるといい、という事だからだ。
「悪い・・少しオカズにさせてもらうよ・・」
そして、少しずつ擦り始める。
「っ・・っぅ・・」
段々とその動きを速めていき、快感を増やしていく。
「く・・っ・・・う・・」
良い感じに膨らんできたところであったが、
ここで誕生日にトメアに貰った自慰用具を思い出す。
あれを使えば、性欲など一瞬で処理できるであろう。
そして、それを探そうと振り返った瞬間・・私の思考は完全にフリーズした。
そこに居るはずの無い人物・・・
とてつもなく不機嫌な顔をしたトメア・ルバーブが立っていたからである。

「あ     に     う     え    ?
わしの居ないうちに随分と気持ちよくなっていたようじゃのぉ・・?」

やばい、これはひじょーにやばい。
なんか目に殺意灯ってるし、笑ってすらいないよ・・!!
そして歩み寄り・・こう怒鳴り散らした。

「誰を想像して、行為をしておったんじゃ!!?」
「っ・・!と・・トメア・ルバーブ・・さんですっ・・!」
恐怖のあまり、敬語で応対してしまう。
本気で怒ってるトメア・・怖すぎる・・!!
「・・ほぉう・・?そうかぁ・・!!」
しまった・・!!私の命は終わったかもしれない・・!
硬直する私を余所にトメアは私の前に屈みこみ、そして・・
なんと、むき出しの陰茎を咥え込んだ。

「ちょっ!?トメ・・っ・・・!」「む・・はむっ・・うんっ・・」
先程までの恐怖と、トメアの行動に対する驚き。
それらで未だ硬直している私をよそに、トメアはそれを口でしごいていく。
「んっ・・兄上の・・臭い・・♥」「トメア・・っ・・もうっ・・」
限界だ、と言おうとすると、こちらをチラ見しつつ
「んっ・・良いぞ・・出して・・むっ、うむ・・うんふ・・!」
さらに、その動きを速めた。
そんなことをされては、経験もない私に耐えられる訳は無い。
(っ駄目だ・・こんなの、我慢できるわけ・・っ・・)
「くっ、あっ・・っっ!・・ぁぁっっっ・・!!」「む・・んっ・・」

出してしまった・・トメアの、口の中に・・
「んくっ・・はぁ・・おいしい・・兄上の、精液・・♥」
その言葉を聞きつつ罪悪感に襲われる。
トメアはそんな私を今度は押し倒してきた。
流石にこれ以上は止めねばなるまい!
そう思い、咄嗟に口から言葉を吐く。
「ま、待ってくれトメア!お前・・俺が自慰をしてたから
怒ってたんじゃないのか!?」
すると、私の上に馬乗りになりながら、応えてくる。
「ん・・?ああ、そのことか・・あれはのぅ、わし以外の奴を
オカズにしておったら許さんと言うだけのことじゃよ」

「はぁ・・?普通自分をオカズにするなって怒るんじゃないのか!?」
すると彼女は、さも可笑しそうに聞き返してくる。
「くっくっく・・なぁ兄上よ。
わしら魔物が何故に人間の女よりも魅力的に見せることに拘るか分かるか?」
「え・・?好きになってほしいから・・か?」
私の答えに、少し考えた後彼女は頭を横に振った。

「結果的には同じことじゃ、が・・違うな・・答えは・・」
そう言って私の耳元に顔を近づけ、囁いてくる。
「欲情してほしいから、じゃよ、兄上・・」
その声はいつもの子供っぽい声ではなく、
獲物に狙いを定めて、逃がさぬと心に決めた魔物の声だった。
思わず身震いする私を、火照った顔で見ながら続ける。
「じゃからの・・?自分をオナニーのオカズとして使ってくれた、
という事実は、わしらにとって一種のプロポーズなんじゃよ。」
オナニーが・・プロポーズ?
しかし、聞いたことのない話でも無かった。
まさか、自分が同じような気分を味わうとは思ってもいなかったが。
考えている間に、トメアは自らの秘所に・・そそり立つそれを・・!?

「じゃから・・つぅっ!・・大きいのぅ・・
しっかり、自分のしたことに責任を持って、な・・?」
差し込んだ・・差し込んでしまった・・!
未だ抵抗する往生際の悪い私に、
そのまま、動こうとしながらまたも囁いてくる。
「なんじゃ・・まだ抵抗するのか?
まぁ、ここまで来たんじゃ・・楽しまぬか、な?」
「だからって・・っ、あっ・・!?」
動かれた瞬間、思考が飛んだ気がする。
俗に言う、イった訳ではない・・が、凄い快感が走った。

「ふふ・・良い顔ではないか。
兄上もこうしたかったんじゃろ?本当は。」
「そりゃぁ・・誰とでもしたいわけじゃ、無い、けどっ・・!」
言われてみればそうだ。
「トメアとはなんか・・そういうことになっても、
べつに良いかなと思ってもいたけどさ・・っ・・
そういうのは、もっと順序とか、段階を踏んでさ・・?」
そう言う私に更に腰を動かしながら、トメアは優しい声で返してくる。
「そんなもの・・それこそ少し順序が変わっただけではないか・・
さっきから言っておるじゃろう?今は楽しめば良かろうなのじゃよ、と」

そう言われるとなんだかそれでいい気がしてくる。
勿論、快感でおかしくなっていたのもあるだろうが、
それでいいかもな、と私は確かに感じていた。
ならば、今この快感に逆らう必要が何処にあるというのか。
そう思い、今度は逆らわずむしろ自分から腰を動かしてみた。
「んはっ・・ん、兄上・・?
やっとその気に・・なってくれたかの・・?」
「ああ・・トメアの言うとおり・・今は楽しむとするよ。
別に嫌いな奴に無理やりされてる訳でもないんだし・・さっ・・!」

そうして突き上げると、トメアは
「あはぁ・・兄上・・?それはっ、合意と見てぇ・・良いんじゃな・・?」
瞬く間に、蕩けた表情になる。
「ん・・いくらなんでも・・蕩けるの・・速くないか・・っ?」
つい口に出すと、
「良かったんじゃよぉ・・兄上の・・言葉がぁ・・んっ・・」
更に蕩けて、膣内の締め付けも気持ち良くなっていく。
あ・・ちょっとまずいかも・・っ・・
「ごめ・・トメア、もうっ・・!」
「ん・・良いぞ・・わしのなかに、出せっ・・!」
途端にさっきとは膣の動きが微妙に変わった。
快感を与えるものから、吸い出すような動きへとなる。
「っ・・!・・ぁああ・・っ!・・うぁあああっ!!」
「はぁっ・・!凄い・・熱いのがっ、兄上のがっ、来ておるぞぉっ・・!」
次の瞬間、私は精をトメアの中に叩きつけていた。

・・意識が保てそうにない、このまま気絶してしまいそうだ・・
と、私の顔を支えつつトメアは真っ赤な顔で聞いてくる。
「兄上・・まだ、出せるよな・・?
だって、こんなに大きなままなんじゃから・・な?」
「トメア・・体力が持ちそうにないんだけど・・っ」
と、またもや意識は沈みかける。
しかし、この気持ちのいい行為をまだしておきたかった。
そこで、聞き返してみる。
「なぁ・・トメア、俺・・途中で気絶しちゃっても・・いいか・・?」
「あぁ・・構わぬよ・・兄上・・♥」
そして、休憩は終わりじゃ、とまた腰を動かし始めた。
それに応えるように私もトメアの体を抱きしめつつ腰を振る。


そして、何度目かの射精の後、私の意識はついに落ちた。


「ぁあ・・あ・・っ・・あ・・・っ・・ん・・・・」
「ん・・あにうえぇ・・?」
どうやら気絶してしまったらしい。
最愛の者からの精の味を感じつつ、その胸の鼓動をしっかりと感じる。
「・・兄上には無茶をさせたかもしれぬの・・」
正直、一回か最高でも二回が限度だと思っていた。
しかし、彼は三回まで付き合ってくれた。
その顔はもはや壊れているとしか言えない顔ではあったが、
確かに、自分のことが好きだと言ってくれていた。
だから・・
「これで・・お主は、わしの本当に兄上じゃ・・」
幸せと共にこの言葉を口にできる。
しかしなんだか物足りず、彼の腕を自分にかぶせてみた。
「・・ぁ・・こんなに、暖かい・・♥」
その暖かさに今度は瞼が落ちて来た。
こんなに最高の布団と気分の中で眠れる絶好の機会がこれからは毎日続く。
「兄上よ・・大好きじゃ・・とってものぅ・・」
これに勝る幸せは無いと思いつつ、自分も兄と同じように眠りについた。

=to be continued・・
13/07/18 23:27更新 / GARU
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■作者メッセージ
やっとこさ、ここまでもってこれました。
でもやっぱりエロを書くのは難しい・・

ちなみに次回は後日談的な話になります。
お楽しみに。

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