影をとるか影をとるか、それが問題だ %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d %02 c=15d

影二つ

 伊藤カレンはふらふらとおぼつかない足取りで狂祐の前まで歩み寄った。呼吸は荒く、顔は上気し、床にぽたぽたと液を垂らす彼女は明らかに異常だった。
 あまりの状況に、狂祐も正気に戻り、自分が組み敷いている『伊藤カレン』に問いかけた。
「おい!!これはどう言うことだ!彼女に何をした!」
 間近で怒鳴られるも、怯えた風も見せずにドッペルゲンガーは答えた。
「別に何もしてないよ。彼女は狂ちゃんのことが好きなだけよ。」
「嘘だ。嫌われていないにしろ、あんな状態になるわけないだろ!」
「嘘じゃないわ。私は彼女を完璧にコピーしてるもの。身体も記憶も感情も。狂ちゃんが気づいてくれなかっただけ。私は彼女を正直にしてあげただけ。」
「そんなこと・・・!!」
 言葉を継ごうとした時、後ろからカレンに抱きすくめられた。
「はぁはぁ・・・狂くぅん///」
「カレン。正気に戻れ。君は操られて・・・。」
「ううん、違うよ。私は狂くんのことがだぁい好きなの/// ずっと前から見てたんだよ、狂くん。」
 カレンはそう言うと、うなじをぺろぺろと舐めながら狂祐の服を脱がしにかかった。
「うぁ、やめ、、、。」
「いぃや。それにさっき散々私のことむちゃくちゃにしたくせに。」
「さっ・・・き・・・?」
「そう、さっき。」
 今度は、いつの間にか狂祐の下から抜け出したドッペルゲンガーが、はだけさせられた狂祐の胸板に吸い付き始めた。
 意味が解からない。さっきからしてるのはドッペルゲンガーのほうで、本人には指一本も触れてない筈なのに。
「何のことだって顔してる。(くすくす」
「からかっちゃ可哀想。(くすくす」
 二人がかりで素っ裸にされた狂祐は、同じ身体に前後から挟まれ、ちろちろと敏感なところばかり舐められていた。少しだけ戻った正気もだんだんと薄れてしまい、思考もぼやけてきた。
「良いこと教えてあげる。私と彼女はね、魔力で完璧にリンクしちゃったの。だから、私の記憶は彼女も持ってるし、彼女の記憶を私も持ってる。私達の身体は魔力で繋がってるから。彼女の快感は私にも伝わるの。」
「私も解かるようになってきたよ。狂くんのどこが弱いのかとか、何をして欲しいのかとか。」
「くはぁ、そんな舐められると・・・!!」
 前後からの快感に身体が震えだした瞬間を見はからい、二人のカレンは狂祐を押し倒し、それぞれに狂祐の乳首に吸い付いた。

「「ほら、ここが良いんでしょ。」」

 まったく同じタイミングで話しかけ、まったく同じ力加減でシンメトリーに責め立てる。
 瓜二つの愛しい顔が迫り、分け合うように唇に吸い付く、双子、いや、それ以上の連携だ。
「でもね、まだ私と彼女では決定的な違いがあるの。」
 左側のカレンが唇を話し、語りかけた。
 ここまで見事にそっくりな二人にまだ違いなどあるのか?
「違い?」
「そう。ほら見て。」
 カレンはそう言うと右側のカレン(服がぼろぼろだからこっちがドッペルゲンガーだろう)の股に指を突っ込み、ぐちゃぐちゃとわざとらしく音をたてた。
 ドッペルゲンガーはビクビクと震え、感じているのを我慢していたが、不思議なことに責めているカレン本人も感じているようで、口を結び我慢している様子だった。
「「んん、くあ、んあ、イクぅ」」
 しばらく二人分の痴態を堪能していると、カレンが責めるのを止め、狂祐の顔の前に白くどろったした液体がこびりついた指を見せ付けた。
 考えなくても先ほど自分が放った精だとわかる。
「私もね、狂くんの精が欲しいの。ちゃんと二人分くれないと不公平よ。」
「でも、・・・いいのか?」
「今更だよ。ここまでしといて。それに私のほうが本物、彼女がして欲しいかったことは私がして欲しかったことなんだから。」
「・・・わかった。」


 狂祐は身体を起こすと、カレンと位置を入れ替えた。
「一応、言って置くけど彼女はまだ処女だから、優しくしなきゃだめよ。」
「わ、わかってるよ。」
「はじめてを二回も失うなんてなかなかできる経験じゃないわよね。」
「あの時の記憶もあるのか?」
「当たり前じゃない。私の『はじめて』なんだから。あのときったら狂くん私の中にたくさん出して///。 うらやましかったんだから。」
「こ、今回もがんばるよ。」
 狂祐が秘部に触れると十分なほどに濡れていたので、そのまま剛直をあてがい、ゆっくりと沈めていった。
「あ、あんんう!入ってくるよぅ。」
「くっ!きつい・・・!」
 本物のカレンの膣内はきつく、痛いくらいだ。そして、すぐに抵抗にぶつかった。
「いくよ。」
「うん、いいよ。私のはじめておねがい。」
 狂祐は一気に腰を下ろし、抵抗を突き破った。
「ぐううう!い、痛いぃ!ううう。」
「だ、大丈夫!?」
 カレンはかなり痛そうな様子で目に涙を溜めている。前にドッペルゲンガーとした時には破孤の痛みなんて微塵も感じさせなかったので狂祐は戸惑ってしまった。
 ふと隣を見ると、ドッペルゲンガーのほうも脚を広げ、股を押さえ痛みに耐えていた。しかし、こちらはどちらかと言うと、痛みによる『快感』に耐えているようだった。
「もう、あふあふ、優しくしなきゃ、んあん、だめって言ったのに。」
「だって、君の時には・・・。」
「私はドッペルゲンガーだからね。狂ちゃんが痛いことするのが大好きな変態さんだったから私の身体もそうなっちゃったの。」
「うっ。」
 一言も否定できない。
「でも、大丈夫。見て。」
 カレンに目を戻すと、いままで痛みに耐えていた顔は何処かに吹き飛んでおり、代わりに、上気した表情に犬のように舌を出し、ハッハッと荒い息を撒き散らしながら腰を振られるのを今か今かと待つ妖艶な顔が張り付いていた。
 それに、痛いくらいだった締め付けがいつの間にか快楽のみになり、今にも暴発してしまいそうだ。
「狂くん、まだぁ〜?早く動いてよぅ。我慢できないよ。」
「こりゃ一体・・・?」
「彼女の身体にも魔物の魔力が流れ込んでるからよ。すぐに私みたいに狂ちゃん好みの狂ちゃん専用の身体になるわ。簡単に言えば魔物化ね。」
「な!?大丈夫なのかよ?」
「平気よ。それよりもねぇ、早く動いてよ。私も彼女も、もう我慢できないんだから。」
「んあ!そうよ。動かないならこっちから責めてやる。えい!」
 膣内が急に蠢き、息子をぐにぐにと弄られているような快感が襲う。
「ぐあああ!やめ、出ちまうよ、あああ!」
「いいよ、出してよ。」
 このままでは動かすことなく本当に出してしまう。狂祐は最早、優しくなんて言っていられない状況になり、容赦なく突きまくる事にした。
「くそっ、だったら遠慮しないぜ!」
「ああああああ!はげし、あん!んあ、あん、いう、ひゃう!あう!」
「だ、だめぇ!こっちも感じちゃうんだから!あむ、ああん!あん!んあんあ、くあああ!」
 本当に処女とは思えない感度でカレンはよがり、同じようにドッペルゲンガーも一人で腰を振って感じていた。
 カレンのはだけた制服を掴んで突いていると、「ビリィ!!」っと服に破れが入った。それを見てカレンは不適に微笑み

「やっぱり、んん!狂くんに、ああ!優しくなんて、くああ!無理だったね。いいよ、ふぁ、『そう』したいんでしょ。」

 箍が外れた狂祐は、カレンの制服をさらに乱暴に掴み、下着も何もかも引き裂きながら脱がしていった。
 それだけでは、開花した嗜虐心は満足できないのか、隣で悶えているドッペルゲンガーの秘部に手を伸ばし、指を突き入れてかき回し始めた。

「「ひああああああああああああああああ!!」」

 二人分の悲鳴が響く。剛直を奥まで突き入れられる快感と膣内をかき回される快感を同時に与えられる快感は並みのものでは無かった。
「だめ!!これだめ!!イク!イっちゃううう・・・・・・・うう?」
 カレンは、急にそれまでとは違う、何かに耐えるような苦しそうな表情を浮かべた。
「な、何で!?イきそうなのに、イけない!!なんで!?くああ、だめ、変になる!!」
 ドッペルゲンガーはカレンに絡みつき、囁き始めた。


「あなたはね、あん!あう!狂ちゃん専用の女に生まれ変わるの、んくっあう!今のあなたならわかるでしょ?」


「はぁはぁ、狂ちゃんはね、『一緒にイってくれる娘』が好きなの。だ、あう!だから、『勝手にはイけないの』。」


 カレンは少し青い表情になったが、直ぐに狂祐に突き上げられた衝撃でもとのだらしない顔に戻った。
「ああああああ!だめなのぅ!!だめなのに、きもちいいよおぉぉ!!うあああ!」
「あん!んあ!ひぐ!わ、わらしもひゃめ!ひゃめ!ひくうううううう!!」
「いいぞ、くあ!二人とも!おれも、げ、限界!!ぐううう!」
 二人の苦しそうな顔にますます興奮した狂祐はそのまま限界に達し、カレンの膣内に盛大にぶちまけた。


「ぐああああああああああ!!(ビュクッ!ドクッ!ドクッ!」

「「ひぐうううううううううううううううううああああああああああ!!」」


 三人はまったく同時に身体を震わせながら突っ伏し、そのまま気を失った。









 三人は夕日が沈もうかとする時間になってもまだ眠り続けていた。しかし、その日は異様に厚い雲が空を覆い、普段なら見えるはずの夕日も、すでに空に上がっているであろう月も見えずにいた。
 見えない夕日が沈み、薄暗かった外が真っ暗になった時、一人が目を覚ました。

 少女が入り口を見ると漆黒の服を身にまとった少女が立っていた。

 目覚めた少女は同じ漆黒の服を纏わり着かせ入り口の少女にニッコリと微笑んだ。
 それに入り口に立つ少女は応え、微笑み返した後、口を開いた。
「よくやったわね。さすが私の娘。このお社の次の主はあなたの娘ね。その時には、また、噂を流さなくちゃ。」
 二人はまた、にこりと笑った。
「お父さんが待ってるからもう行くけど、たまには顔を見せに来なさい。じゃあね。」
 そう言うと漆黒の少女は扉へと歩き出し、音も無く扉の隙間の影に消えた。それと同時に空を覆っていた雲は急に晴れ、大きな月が姿を現した。
 残されたもう一人の少女は、未だに眠る自分そっくりの娘と青年に手を置き、これから始まるであろう奇妙な三角関係に心を馳せた。








 それからしばらくは、なかなか大変な思いをした。なんてったって、学校でも冷血クールビューティーで通っていた美少女がいきなり二人に倍増し、さらに公認二股彼氏が出来たのだから、他の生徒が放って措く筈が無かった。
 狂祐はそれまでの触らぬ神に祟りなし、な扱いから、全男子生徒の恨みの的にまで格上げになった。
 カレンはと言うと、お嬢様グループから抜けた。正確にはどうでもよくなり相手にしなくなった。彼氏が出来ると女と言うのは強くなるようだ。


 そして、問題はドッペルゲンガーのほうだ。彼女はあの後、カレンの家にいつ居ている。カレンの両親は、「愛娘がもう一人出来た!!魔王様ありがとう!!」と言って温かく向かい入れたそうだ。
 そこまではいい。問題は、二人とも学校に行きたがったことだ。記憶も経験も感覚も共有できるのだから一日交代で登校すればいいものを二人とも拒否した。そのため先のトラブルになったのだが、二人に言わせれば、

「「狂ちゃんくんと登校できないなんていや!!」」

 だそうだ。

 よって、今日も両腕に美女を絡み付けて登校している。
「なぁ、絡み付いてくるのは嬉しいんだが、少し離れてくれないか?」
「「えぇ〜、いいじゃない、これくらい。嬉しいならいいでしょ。」」
 そう言うとさらに腕を身体に、主に胸の谷間に食い込ませ、上目遣いで見てくる。
 これだ。何か言うとこの態度で反論できなくなる。しかも、ダブルで来るのだから手に負えない。
「いやまあ、そうなんだが、朝からこれだとその・・・な?」
 テントを張っても隠せないのが恥ずかしい。
「「もう、解かってないなぁ、狂くんちゃんは。」」
「?」
「「そんなのわざとやってるに決まってるでしょ。『今日は』何処でしよっか♪」」
「・・・」

 カレン達は最早外見や仕草だけではどっちが本人でどっちがドッペルゲンガーなのか判断できない。いや、本人達でさえもしかしたら解からなくなってるのかもしれない。
 だがそんなことはどうでもいい。重要なのは楽しみが増えたということだ。
 また、サバトから怪しげな魔法薬を取り寄せたとかなんとか言ってたからその内ヤバイことになるのだろうがそれすらも楽しみで仕方ない。

                    「「ねぇ、早く行こ?」」

    普通のカップルには一人しか支え合う人がいないが、俺には二人も居る。
   そう思うと、これからの人生、何でも乗り越えられるような、そんな気がした。

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親友「すげぇな、あいつ。両手に華かよ。」
サラ「うらやましいのか?」
親友「バカ言え。俺にはお前一人で十分だよ。それ以上なんて罰が当たるわ。」
サラ「/// と、ところで、娘ができたら両手に華になるのか?」
親友「なんねぇよ。デビルバグじゃなし。・・・ってまさか?」
サラ「三ヶ月目だそうだ。がんばれ、お父さん。」



やっとこ完結です。難産でした。シリアスや冒険ものって話の結末が見えてるから書きやすいですが、ラブラブ日常生活ってのは、その日常自体がすでにハッピーエンド見たいなんでオチが難しいですね。
舐めてましたorz

まぁ、とにかくこれにて完結と相成りました。次回にてまたお会いいたしましょう。

11/04/29 01:17 特車2課

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