『私が生まれたとき・・・』


(…? あったかい…?)
意識がぼやっとする彼女はまるで眠りから覚めるようにして体をゆっくりと起きあげると目を三回程度擦りその寝ぼけ眼の目のまま辺りを見回した。
彼女自身がふわふわと浮かんでいるものだから自然と視線も高いものとなるのでそれはそれはよく遠くまで見渡せるものである。

暗めの部屋の奥のほうではベッドに寝転びスプリングを軋ませてお楽しみ中の妖狐の夫婦がおり、もっと近場を見れば青くゆらゆらと宙をたゆたう青い焔の狐が数匹。
…かくいう彼女もその一員だが。

その彼女達はいっせいにキョロキョロと周りを見始めて思い思いの言葉を口にしていく。

「ココ…どこ…?」
「アナタだれ…?」
「オトコ…オス…ほしい…」
しかし起きたばかりの彼女達は一言二言発した次の頃には単純な狐火の通り性欲がムクムクと起き上がってそのまま何かにはじき出されるが如くその部屋を退室していく。

…口々にオトコ、オトコと話しながら。

奥で交わる夫婦に手を出さなかったのは義理か、はたまた本能か…。
件の狐火の一団は空中をスイスイと進みながら移動をする。


8匹…6匹…4匹…2匹…
壁抜け、窓抜けで散り散りになり集団の数を自然と減らしてる狐火達。


ーー そして… ーー


「…あ、カラダ…みつけたぁ♪」
最後に彼女と一緒だった狐火は庭先まで来るととある方向に向かって進路を変えてしまいとうとう彼女は一人になった。
しかしこの頃の彼女にはヤりたい願望しかないので感情というものが無いに等しく、寂しいという感情は湧かない。

「…? くらい…つめたい?」
そのまま彼女の後をつけていくと壁をスゥ、とすり抜けたと思ったらその日はあいにくの大荒れの天気であった。

「…! オトコ、オトコのケハイ…する…コッチ!」
吹きすさぶ風と共に滝のような雨が彼女に降り注ぐ(…ように見えて実は雨はすべて通過しているのだが)中彼女は本能的な直感と嗅覚でオトコの気配を悟るとすぐさまそちらへ向けて己の炎を青々と燃え滾らせて飛び去ってしまうのだった。
…その彼女がいたところからすぐの場所で女性の悲鳴と嬌声が聞こえたのは数秒後のことである。


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「ふぁ〜…だりぃ…」
窓へ強烈なノックを食らわす雨を他所に自宅であろうアパートの一室にてまだ日も沈まぬ内から酒を飲む、という不摂生をしている男が一人。

「たくっ…なんで今日に限って仕事が休みとか…」
グチグチと文句を言う彼はやがて飲んでいた缶ビールを飲み干すと「チッ」と舌打ちをして冷蔵庫から新しいお供を連れてこようと立ち上がる。

その瞬間。


ふわっ!!


「…オトコ…イタ…♪」
「のわぁ!? な、なんだテメェはっ!?」
まるで瞬間移動でもしたかのように…そうまさに刹那、彼の前に彼女が現れたのだ。
目の前いっぱいに広がる青一色のその様相を目の当たりにした彼はあまりの瞬間的な出来事に驚いて一歩後ずさると今度は彼女の様子を遠めで見ることにしたようだ。

狐のような耳と尻尾。
…これだけなら稲荷か妖狐でよかっただろう。

空中に漂い青い炎を纏い…いや、そのものという点で先の二種族とは違うものと判断。

「お前は…一体なんだ?」
「ワタシ? …わからない、ワカラナイけど…シたい♪」
「…は? シたい?」
ほとんど表情を変えない彼女はその言葉だけを吐くととたんに笑顔になった。
しかし彼はその言葉に対して一瞬フリーズしてしまう。
…物理的なものと思考的な意味で。

「だから…シて♪」
「…はっ!? い、いやいや待て?! 俺達まだ名前もわかr(ジィィーッ…)ってちょっと!!? ファスナーおろさないでっ!?」
そんな彼に対して彼女は近づいていきつつ高度を落とすとちょうど膝立ち位の高さになって彼の前に到着する。
すると彼女は彼のズボンのファスナーに手をかけてズリズリとそれをおろしてしまう。

一拍近く遅れてそりに気づいた彼はまた更に混乱を誘発するも次の瞬間。

「ハムッ♪」
「っぉぅ…っっ!」
まだ小さいままの愚息を外へと引っ張り出した見た目ロリの彼女がその愚息をなんの躊躇も無く口に銜え込んで下をまさぐり始めると彼の思考は一気にオーバーヒートしてしまった。

「んむ…チュルル…チュパッ…チロチロチロ…」
「ぅあ…あ、あったけぇ…うぐっ…気を抜いたら…やべぇ…」
彼女にとってコレがはじめてのフェラであるのにかなり手慣れた舌使いで愚息を一気に攻め立ててる。
…こういったテクニックは元々の魔力の持ち主に影響されるのだろうか?

テクニックがすごいということは男側としては我慢するのが辛い訳で…

「ン…ぷはぁ♪ ビクンビクン…してる…でるの?」
「あ、あぁ…出る、でちm(パクッ♪ ジュルルルルルッッッ!!)おぅふ!!」
「(ドビュッドビュッ)っ♪…ん…コクン…ゴクン…♪」
彼女が一度拘束を解いて愚息を開放するも一瞬のこと。
彼が出そう、と自己申告をすると全部言い切る前に彼女は再び愚息を口という牢獄に放り込んで強烈なバキュームを食らわすと愚息は堪らず歓喜の悲鳴の如く彼女の口に祝砲を食らわしたのだ。
発射と脈動を繰り返すその凶悪な棒を彼女は一度も口を離すことなくすべてを吸い出す勢いでその白濁を胃へと送り込む。

「…(ブチッ) よし、お前のメス穴コッチ向けろ。」
「ん? んぅんう?(チュルルル)っんぅぅ♪」
その彼女が自分のものをゴクゴクと音を立てて飲み干す様を見た彼はとうとう理性まで飛ばしてしまった。
いまだ口に一物をくわえている彼女に対して彼はコッチに尻を向けろというと彼女はふよふよと器用に彼へ自身のぴったりと閉じた割れ目を向ける。
それと同時に先ほどもらった精によって実体化した彼女の下の口から涎があふれ始めた。

縦のシックスナインという変形体位になった二人はそれぞれの性器を口に含み室内にいやらしく水音を響かせる続け絶頂を繰り返し、狐の貪欲な本能はそれでも満足せずにやがて自然な流れで彼と彼女はどちらからとも無く向き合う形…対面座位に移行する。

「ハァハァ…い、入れるぞ?」
「ぅん、きてぇ♪」
彼の精を文字通り浴びるようにして吸収したことできたときとは見違えるほどの饒舌さと理知さを出すようになったがそれでもまだ本能的なところが多いのか…はたまた蕩けているからかろれつが回っていない彼女。
しかし上目づかいで何かを期待するまなざしは彼にもとどいたようで彼は彼女を抱きとめて一気に腰を突き上げていく。

「はひぃぃ♪ ごりってしてぇ♪ き、きもひぃぃ♪」
ズンズンと響く腰への衝撃に彼女は今までで一番の快感に腰が動き出しナカがキュウキュウしまり上の口と共に歓喜の声を上げた。
だらしなく垂らす愛液は彼の一物に降り注ぐたびに彼の一物を強く太くたくましくする。

「はむっ♪…ンクゥ♪…チュルパッ…レロッ…」
そんな彼は激しい腰使いはそのままに彼女を更に強く抱きしめ唇を重ねて上下で彼女を味わいだす。
彼女の髪を撫でながら激しく動かす腰に、尻尾に当たる炎がコレでもかとブァンブァンと振れて彼のその好意に対しての彼女の満足度がみて取れる。

「あぐぅ、あっ…で…でる…でるぞ!」
魔物娘は名器ぞろい。
…つまり今まで人間の女性しか相手にしていなかった彼にとっては刺激が強すぎた。
あっという間にやってくる限界に彼女は不満になるかと思えば…

「うっ♪ あっ♪ き、きてぇ♪」
そうでもなかった。
生まれたての彼女もやはりはじめての性交であるが故に限界を迎えているようで。

「う、あ、あぁ…っぁ!(ビクンビクン」
「きゅぅぅぅん♪お、おくぅにいっぱぃぃ♪(ビクンビクン」
彼共々絶頂を迎えた彼女はしばし悦に浸っていたのだが…

「…ねぇ、もう一回シよっ♪」
「あぁ! なんどでも出してやるっ!」
かわいくおねだりをする彼女は理性の箍が外れた彼に更に発破をかけるのであった。


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「…というのが最初だったよね、春樹(はるき)?」
「…あぁ、そうだな。名前も知らないのにやっちまったのは…まぁ若気の至りってやつだな。」
あのあと彼は彼女のことをいたく気に入りそのままなし崩し的に生活…否、性活を始めた。
そして回を重ねるごとにどんどん成長する彼女は今や誰が見てもグラビア並みと言わん位のプロポーションになり、且つ知識や語録も増えまさに大人の女性という感じへと変貌をとげる。

「あ! そういえば初夜の次の日に私に名前が無いって知った春樹は私に素敵な名前をくれたよね♪」
「おぅ。名前無いと不便だしな…そうだろ? 秋葉(あきは)?」
「うん♪ えへへ…そんな春樹がワタシはだぁ〜いすきぃ♪」




ーー 彼に抱きつく彼女に当時の無表情無感情は無縁のようだ。 ーー


【完】

連続アップ! キツネはだいすきさぁ!
どうも、jackryです。

今度はもう1つの更新である狐火を書いてみました。
…短い? …すんません、妄想が中々生まれなかったので…orz

いかがだったでしょうか?(´・ω・`)
感想お待ちしています。

12/02/01 00:37 じゃっくりー

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