読切小説
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稲荷クレーマー
カンカンカンカンカン…………

くっそ…まだ…まだ…働いても足りひん…
もっともっと稼がんと…
はっきり言おう、俺の家は貧乏や。バイトしなけりゃ満足にスパイクも練習着も買えへん。でも母さんは、妹は俺に期待しサッカーをさせてくれとる…。


アカン…もーアカン…限界や…
一つぐらい…食べてもばれへんよな…




ピーンポーン


「はぁ〜い」

!?キツネのお姉さんかいな!ヤバい…俺がくったんは…

「まいどー寿し屋ですぅー」

「ああどうもご苦労さん。はいって〜。」

「ありがとう。あれ新人さん?」

「はい。バイトっす。」

「あら〜えらいねぇ…いくつぅ?」

「あっ17っす。」

「そうなんやねぇ…がんばってな〜はい。」

「ちょうどいただきます!」
よし!即効にげんで!

「は〜いありがとうねぇ。あれぇ?」

「おっどうしました?」
あああああああああああああああああ!!!!!!!!

「…稲荷が入ってないやん…どうしてくれんのこれ!」

「やっすいません…」
ヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイヤバイ…

「注文とってへんのお宅…」

「や…そげな…ことは…ないですけど…」

「でもないやん。稲荷が。食べたかったから注文したんやで!」プクー
…ホンマや…わざわざ盛り合わせに稲荷追加してはるわ…

「なんでないの!」

「僕が…さっき食べちゃいました…。」

「食べた!?この中で稲荷を!!?」

「すいません!」

「ハァー…親方に電話させてもらうで…?」

「いや!それだけは…」

「稲荷を食べたんやからええやろ!!もう!!」

「お願いしますそれだけは…!」ウルウル

「…顔あげてぇな…こんなかわええ子に言われたらそんなことでけへんわ…」

「えっ!それじゃあ…」

「そのかわり…一緒に稲荷作ろ!な!なか入り…」

「はい!!ん?ううっ…」バタン!!



一緒に稲荷寿し…作ろな…

「いーなーりー…いーなーりー…」ゴソゴソ…
若い子はええなぁ…肌からして違うわ…ああん…尻尾の先までキュンキュンやでぇ…
「んんっ…あうっ…」
若いなぁ…青いなぁ…その反応…
「ふふふ…ここやなぁ…バイトクンの稲荷は…」ゴソゴソ…

「へ?なにやってんですか!」

「あ、おはよーさん。そりゃ君の稲荷ていすちんぐしとるんやで」

「ちょっと…やめて…」

「そそるなぁ…たまらんなぁ…その表情ええわぁ…」

「ああ…はああ…」

「出したくなったら…いつでもゆうてなぁ…アタシな…稲荷くらい君ぐらいの男の子大好きなんやぁ…」

「ああ!うう!出る!」

「きゃん!あーあ…かかってもうた〜」

「ご、ごめんなさい…」

「ええんやで…お口ぐらいじゃ足りひんやろ…全身使ってしぼったるからね」

「ヒイイ…」

「いやよいやよも好きのうちやぁ…」

「やめて!尻尾やめて!またでちゃ…ああ!」

「ええんやええんや…お次は…」

「ふええ…?」

「かわいいかわいい稲荷…つくろな…」ZUN!



そんなこんなで数年後〜


「ここで試合終了!我らがドルトムント!シンジの活躍によりボルシアに勝利!見事リーグ制覇となりました!!」


「お母ちゃーんそんなきつく抱っこせんでもええよー。ちゃんと見えるもん。」

「ええんや!よーく見ときぃ…あれがあんたのお父ちゃんの…アタシが世界で一番惚れた男の生き様なんや…!」





15/01/13 20:04更新 / リエージュ川島

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