読切小説
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年越しは茸蕎麦で
「シエル、今日は夜食を作ってくれるか?」
「ん、どうしたんだ。急に」
「いや、せっかくの年末だからな。年越し蕎麦でも食おうかなって」

 昼食を食べ終わったすぐ、オレはシエルにそう頼んだ。
 今日は、今年最後の日だ。久し振りに年越しをしてみようと思ったのだ。
 シエルはいつものように涼しい笑みを浮かべると、うなずいた。

「すぐに用意しておくよ。食べられなくなると勿体ないから、夕食は抜きにしようか」
「ああ、それもいいかもな」

 シエルは今から張り切っていて、楽しそうに準備を始めた。
 ……って、まさか一から作る気じゃないだろうな……。
 頬を、冷たい汗が流れた。

     ◇◇◇◇

 深夜、オレの腹の虫は絶好調だった。

「あ〜、腹減った。っていうか、年越し蕎麦っていつ食うもんなんだ?」
「さあ? まぁもうじき日付が変わる頃だし、もういいんじゃないかな」
「よっしゃ!」

 二人で台所に行き、それぞれの器を持ってリビングに戻る。
 さっきまで作っていたからか蕎麦からは湯気が立っていて、美味そうだ。
 ただ、やはりと言うべきか、汁に浸っているキノコが場違いな気がする。

「お前、本当になんにでもキノコ入れるのな……」
「美味しいじゃない」
「いや、いくら美味くても蕎麦には……まぁいいや。いただきまーす」

 そろそろ腹の虫が暴れ出す頃合いで、仕方なく言葉を蕎麦と一緒に飲み込む。
 キノコが入っているとはいえ、蕎麦自体が美味いからか、器が空になる頃にはもう満足しきっていた。
 椅子の背もたれに体を預け、溜息をつく。

「ふぅ……食った食った」
「食後のデザートでも食べるかい?」
「あんのか?」

 期待の眼差しで身を乗り出すと、シエルは苦笑しながら着ている服を脱ぎだした。
 それを、ぽかんとしながら見つめていると、彼女はすっかり脱ぎ終わっていた。

「……あの、ひょっとしてデザートというのは……」
「構わないだろう? それとも、わたしでは不満か?」
「いや、むしろ逆だけどさ……」
「安心しろ、退屈にはさせないさ」

 テーブル越しに一瞬唇を合わせ、微笑みを浮かべる。
 次にオレの足元に膝をつくと、オレのソレを引き出し、自慢の胸とやらで愛撫し始めた。
 柔らかな胸で挟んでみせたり、先端を擦り合わせるように滑らせる。
 次第に彼女の頬が染まり、火照ったように熱くなってゆく。

「ん……くっ、どうだ?」
「あーっと……」

 返答に困っているオレを見て楽しんでいるのか、今度は口を開き、かぶりつく。
 ねっとりとした舌が這い、歯で甘噛みされ背筋がゾワリとする。
 けれど、不快感はなくむしろ気持ちがいいくらいだ。

「んじゅ……はぁっ………んぅ」
「っ!」

 今までゆっくりと舐め回していた舌が動きを止め、その瞬間、とてつもない勢いで吸い付かれる。
 突然のことに、緩んでいたものごと吸い取られるように、シエルの口内へと
射精する。
 ずるずると、音を出してシエルが飲み込んでいき、それでは飽き足らず自ら胸を鷲摑みする。

「ふっ、ぐ……じゅるっ。はは、相当溜め込んでいたようだな」

 全て飲むと、顔を離してオレを見上げてくる。
 オレはまともに顔を見れず、目を逸らしてしまう。

「どうした、恥ずかしいのか? 次はお前の番だろうに」
「あ、あぁ……やっぱりやるのか……」
「当たり前だろう。少なくともわたしは、お前とすることをずっと願っていたわけだが」
「サラリと言わないでくれ、こっちが恥ずかしくなる」
「ははは」

 シエルは悪気のない笑顔で、テーブルの上に座る。
 目を逸らしている時にすでに衣類を脱ぎ終えたのか、ほとんど日に焼けていない真っ白な肢体を晒していた。
 体つきはとても細く、強く抱きしめてしまえば折れてしまいそうなほどだ。
 テーブルの上に、右足を乗せ、見せつけるように手で開く。
 愛液でじっとりと濡れた綺麗なピンク色の膣。

「さっきからずっと疼いて、仕方ないんだ。どうしてだろうな?」
「ちくしょう、分かってるくせに……」
「どうだろうな――うあ!?」

 艶やかな笑みを浮かべるシエルに、喰らいつくように抱きつく。
 それと同時に、すっかり濡れた膣に挿入し、ゆっくりと腰を引く。

「ひ――あ、あっ!」

 シエルがオレの肩をしっかりと握り、力を込める。
 彼女がゆっくりとした動きに弱いのは既に把握済みだ。
 一回の動作に数秒かけて、じわりじわりと快楽を与えてゆく。
 細い腰に右手を添えて固定し、もう片方の手で乳房をやんわりと掴んで捏ねる。
 空いている口も使い、赤く染まっている耳を甘噛みすると、体を激しく痙攣させ、声にならない悲鳴を上げた。

「はっ……はぁっ……ま、待ってく――やあぁぁ!?」

 固くなった乳首を二本の指で摘むと、更に体を震わせて仰け反る。
 もう片方の乳房に口をつけ、シエルがそうしたように思い切り吸い上げる。

「だめ――あぐっ、そ……ぉこは! い――イィッィ!!」

 下のほうも、いつまでもゆっくりやっているわけにもいかず、徐々にだが出し入れする速度を上げてゆく。
 一番奥の肉壁にぶち当たる度、彼女の口から声が漏れる。
 熱く、絞り上げるようにキツくなっていく膣を、強引に開いて何度も何度も衝突しあう。
 互いに限界が近づいてきて、最終手段に出た。
 今度はオレのほうから口付けし、シエルの口の中に舌を這わせる。
 シエルの舌と自分の舌を絡めながら、左手を胸から外し下の突起に触れる。
 人差し指の先端で押し、撫で、親指も使って摘み、擦る。

「む――ぐぅぅ! んぐっぅぅうううぅ!」

 とうとう絶叫するシエルを強引に引き寄せ、互いの体をピッタリとくっつける。
 逃げられないように、逃がさないように――。

 今年の年越しは、丁度その時だった。
13/12/31 19:04更新 / らーそ

■作者メッセージ
 今年ラストは、こんなお話でした。
 初めて書くもんだったから、表現がまるでわからず四苦八苦しましたわ。
 来年はもうちょっと上手くなりたいんじゃ。

 よいお年をー(´・ω・`)
 ところで年越し蕎麦にキノコってどうなんですかね?

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