連載小説
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トメアの寂しく、嬉しい誤算
やってきたのはワーウルフ、レンだった。
横には恋人のセルガーも一緒だ。
「中々楽しそうだったからな、俺達もやっていいか?」
それに対しトメアは
「構わぬよ、わしらは疲れたし部屋に戻っておくとするかの。」
と言って、私と一緒に訓練場を後にした。

部屋に戻ってきた私は、いきなり疲れを感じてベッドに倒れ込み寝てしまった。
・・起きてみると何故だかトメアが私の布団にもぐりこんでいる。
「ねぇ、トメア。
なんで俺の布団の中に当然のように潜り込んでんの?」
「む、兄妹ならば何らおかしいことではあるまい?」
「だから兄妹じゃ・・もういいよ。」
それにしても、なんだかトメアの息が荒い気がする。
心なしか見上げてくる顔も少し赤く感じる。

「大丈夫?顔・・赤いけど・・風邪でも引いたんじゃ・・」
「あの木偶に掛けた魔術の効果じゃよ・・
与えたダメージをしばらくの後、性欲と少々の疲れに換えて加害者に反射・・連続しての使用を避けるための処置と言った所かの・・」
そして、そのままこっちを見てるのは分かるんだ・・けど・・

「そこでの・・?丁度この際わしとの関係もはっ・・した・・」
「ごめん・・トメア・・」
ほんとにすまないと思いつつ言葉を紡ぐ。
「そうか・・い・・なら・・」

「眠くってよく聞こえない・・」「・・えぇ?」
あ・・なんか・・丁度いい抱き枕が・・少し小さいけど・・
「こ、これ、起きぬか!わしは抱き枕では・・それにまだ話は・・」
ふへへ・・お休み・・トメア・・


寝おった・・・鈍感で天然と思ってはいたがここまでとは・・
しかし・・これは・・
「兄上に抱かれながら、ベッドに眠る・・悪くないのう・・♥」
襲ってもいいが・・今はこっちの方が勝る。
性欲などこの為ならば抑えられるほどだ。
あの木偶は実は増やしておいたし・・チャンスはまだある・・
「・・ん・・へへ・・」「・・ふぅ・・」
それにしても良い顔で寝る・・
少しだけ・・頬ずりしても良いかの・・
「ん・・んん・・すーすー・・」「ふふ・・やわらかいのぅ・・」
そうして居ると、こちらまで眠くなってくる。
「まずは・・第一歩、といった所かの・・」

ゼクスは優しげだが流石は隊長と言うべきか、こういう事には割と厳しい。
噂では、これまで結構な数を断っているという。
力づくで犯ろうとしても、あの実力で返り討ちにされたとか。
かく言う自分も一緒に部屋にいた事はあれど、
添い寝など言うだけ無駄という状態であった。
それがここまで来れたというだけでどれほど嬉しいことか!

しかし急いては事を仕損じる、とジパングのことわざにもある。
そう思い、やはり本心では襲いたいと思いながらも、瞼を閉じた。
「・・いつか、本当にわしの兄上になってもらうからの・・ゼクス。」
囁きかけてみるものの、返ってくるのは寝息だけ。
どうしてバフォメットたる自分だけがこんなにも悩まねばならないのか。
そんな思いは突然、少しだけ強くなった手の温もりによってかき消された。
起きていたのかと見上げるが、そこに在るのは無防備な寝顔だけだ。

「・・そうか、もし何の気も無かったならばこんな姿は見せぬよな」
それは少なからぬ彼からの信頼の証なのだと思うと、胸が温かくなる。
それは確かな満足感へと変わり先程の悩みも何処へやら、
気付けば彼の胸に抱きつきゆっくりと寝息を立てていた。

明日も連係秘奥義、またやろうな、お休みじゃ兄上・・
=to be continued・・
13/07/09 20:17更新 / GARU
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■作者メッセージ
あ、ありのままおこったことを記すぜ!
俺は、中二病を書いていたと思ったら、砂糖を作っていた・・
な、何を(ry

・・はい、すいません。
前の章の反動で書きたくなっちゃいました。

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