読切小説
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ミノさんといっしょ
・・・・う・・・ん。

彼女は睡眠中

褐色で筋肉質な肉体。頭には立派な角が二つ。 そして体に似つかわなく豊満な乳房が目立つ。その乳首と股間から白濁した液体がこぼれ流れている。 彼女は激しい交尾を行ったらしい。 彼女はミノタウルス。名前はオージー。
 その傍らで、人間の男性が横たわっている。デブということではないが太ってる感じの男。彼も褐色の肌をもつ。彼のあそこから白濁した液体がもれ落ちている。どうやら彼が彼女と交尾したらしい。彼の名はイノマル。こう見えても魔法使いの男なのだ。

「姉御、そろそろ起きようよ。」
彼が服を着て朝飯の準備にとりかかる。 魔法のわなで大きな猪をとったらしい。
「・・・・あたいを・・極限まで・・犯した・・あんたが・・・ぐう・・」
文句の途中で睡魔に負け、また眠りの中のオージー。
「んなこといって・・・姉御が”もっとぉ、もっとぉ〜”なんていうからだよ」
おおきなあくびをしながら、イノマルは火をおこす。ここは魔法使いの火力が大いに役に立つのだ。

「おっは〜イノマル〜!・・・ってオージーまだ寝てるのか・・。」
空から舞い降りてきた、ハーピーの娘。羽の色は鷹の色に近いと思っておけばよい。ナベを覗き込みにおいをかいで、幸せそうな顔をする。
「あ、おはようございます、アズハさん。今日はどこへ行くんですか??」
「いや、ちょっと空中散歩ってね・・・。で、まだ起きないね・・・。」
あきれた顔でアズハはオージーのほうへ歩いてゆく。

そして目覚ましの・・・・。
「ぐおら!!起きろっつうんだろ!!いいかげんにせんと彼氏さらってくぞこら〜!!」
とてつもなくドデカイ声。ハーピーは鳥系魔物ゆえか声が通る。それゆえにでかい声は思いっきり突き刺さる。
飛び起きるオージー、次の瞬間アズハの胸倉をつかんで、
「貴様・・・・ヒトがぐっすり寝とるのに耳元で大声出すんじゃねぇよ!!食っちまうぞおら!!」
しかしアズハも譲らない。
「彼氏が健気に朝飯つくっとるんだろうが!!主は起きて答えるのが当たり前だろうが!!!」

この2匹決して仲が悪いわけではない、むしろいい方だ。いわゆるケンカ友達というか。ケンカしたかと思ったら、仲良く酒飲んでたりする。こういう言い争いは日常茶飯事なのだ。
 当然コのケンカを止めるのは、イノマルの役目。

ふわふわと、光の玉が彼女達の間に割り込むように入っていく。次の瞬間・・・
「ぼん!」

「あ・・・あのな・・」
「あのなじゃないでしょ姉御。朝早々からケンカはいけないよ」
「じゃねぇよ・・・。あいつがああいう起こし方しなければ」
「目覚めなかったよね」
「・・・・・ごめんなさい」
朝食を食べながら、オージーはばつ悪そうにちょっと怒っているイノマルを見る。体中すすだらけで、髪の毛もややチリチリ。隣でこっちもすすだらけのアズハが美味しそうに朝食を食べていた。手はほぼ羽なのに見事なまでの器用に食器をつかんでいた。
「・・・やっぱうまい・・オージーいいよな。こんな出来のいい男貰って。」
「結局朝飯目的かよ・・・・」
オージーが額に血管を浮かばせアズハをにらむ。それをまったく無視してアズハは飯を食っていた。
「・・・ふん、あとでぐだぐだにしたる・・・・」
むっくれて飯を食うオージー二人の表情を見てほっとしたのかイノマルため息。

すすだらけの体を近くの池で洗う。
「・・・・・いいよなぁ・・・オージー」
「・・・なんだ、アズハ」
全裸のオージーの体をまじまじに見る全裸アズハ。
「もみがいのあるおっぱいしてんじゃないかぁ・・・」
「・・・あ、ああ・・・まぁ、でも・・ジャマなんだな・・」
顔を赤らめて下を向くオージー。「じゃま」と言ったのは母乳(牛乳)目的のホルスタウルスに対し、戦闘を得意としているミノタウルスにとって、巨乳は決してメリットではないということ。
「でも人間の男はおっぱいデカイとよろこぶんだよ。」
「ふ〜ん、イノマルはどう思ってるんだろう・・・やっぱり・・?」
悩ましげなポーズをとって悩むオージー。それをみたアズハ、
「本人に聞いてみれば???」
「え、えええええ???・・・・・やめとく・・・」
変なこと言って、逃げられたら困る、いまのオージーがのんびりできるのはしっかり者のイノマルがいればこそ。波風は立てたくないのだ。
「そういう、アズハはどうなんだ?乳でかいほうがいいか?」
自分の胸を見て、アズハは答える。
「私らハーピー族は、基本的貧乳だと思う。まぁ黒羽ねえさんみたいに巨乳もちはいるんだけどさ。飛ぶのには不便だって言ってたし・・。」
・・・確かに・・・・オージーは思った。

 オージーの仕事は・・この森を「魔物狩り」の人間から守こと。お金が必要な際はイノマルとともに傭兵業務もやったりする。でも、この森が手薄になるのでめったにはしない。
 この日も、「魔物狩り」が入ってきたという連絡を受けた。イノマルが「観測霊」を飛ばし、逐次連中の監視をしている。
「イノマル・・・・どうだ。」
「うん、まだ、仲間は捕まってない・・・。」
「たく・・・なんでうちらを目の敵に・・・別に敵なんかと思ってないのに」
オージーは・・というより、魔物娘全般に言えることなのだが、よほどのことがない限り人間を敵視はしない。むしろ共存を望んでるものが多いのだ。それは魔物自体、ほぼ全部女性しかいない故、人の男と交わる必要があるため。そのことは人間の方も知っているところがありその割合が高い地区では、人と魔物達の交流は進んでいる。ただ天界信仰の教会や国、そのお抱えの騎士団達は魔物を排除することに力を入れている。魔物狩りはそういう人間達の集まりなのだ。
「魔物の強さを恐れてるんだよ・・・。心は人間と一緒なのに。・ま・・ちょっと性的欲求が強いだけなんだけどね・・・」
ちらりとオージーをみて苦笑いのイノマル。その表情にちょっとムッとする。
「・・・仕方ねぇじゃん・・・でも、気持ちいいだろあたしのあそこは」
イノマルの肩ををつかみ強引に寄せる。巨乳をイノマルの丸い顔に押しつけて。色声で続ける。
「おわったら、昨日の続きやろう・・・。」
「やっぱり姉御・・・欲しがってるじゃないか」
お互い顔を赤らめる・・・が次の瞬間緊張が走る。
「・・・だれか見つかったみたい!!」
「え??」
「かく乱させるから。姉御は突貫して!!」
「お、おう!!」
イノマルは呪文を唱える。次の瞬間、オージーは木陰から飛び出した。

「いやはや・・・すまねぇな」
オージーはばつの悪そうに、一人の男の人を見ていた。
「いいのいいの・・・よかったね、あたしたちがここ通ってさ」
「って、いばるな、エイル・・・。」
ちょっと出遅れたところでもう少しで仲間が狩られそうな所を、たまたま通りかかった人間とワーウルフに助けられた。人間の方は見たことのないモノを使って魔物狩りを倒していた。
「なぁそこの人間、お前のそれ・・・なんなんだ」
不思議そうなオージーに、ちょっとびっくりしたイノマルが近づく。
「・・・そ、それ・・・まさか・・・・」
「お?お前キャスターのこと知ってんのか??」
エイルというワーウルフのパートナー、工藤和馬は”以外だな”という表情でイノマルに向いた。イノマルは話を続ける。
「で、でも・・キャスターは本来、魔物倒す為に開発されたんじゃ。」
「そうさ、でも結局は使う人間によりけり。今は魔物共存派の方が持ってるひと多いって話さ。」

 キャスターとは魔導士が対魔物(魔法系)用迎撃魔法具の事。そのもの自体が魔法力と呪文符をもつため、魔導士の詠唱なしで魔法が発動する。また、キャスターの中には召還獣を封入しているモノもある。扱いは非常に難しくなるが、巨大な魔法も可能となり、それを自在に扱うキャスター使いはどの国にも重宝されるケースが多い。

とうぜん、考えるのが苦手なオージーにはちんぷんかんぷんであったことは言うまでもない・・・。

「仮にそのキャスターは、ボクにも扱えるんでしょうか・・・。」とイノマル。
「なぜ、その質問を?」和馬は逆質問。
「・・・・・」
少し黙ったイノマルはオージーの顔を見てこう答えた。
「守りたいヒトが居るんです・・・・。いつもこの森をいの一番で守ってくれるヒトを」
 その事を聞いた和馬はニヤリと笑い、
「と、いうことさ、そこのミノさんよ!」
瞬間オージーの顔はみるみる赤くなって、後ずさりしながら・・・
「いや・・・それは・・あたしが・・こいつ守りたい・・・だけで・・・・・。だ、もういいだろ!!」
とイノマルの服を引っ張って森の中に去っていこうとする。じたばたしながらさがっていくイノマルが・・・・。
「あ、あの!! 今日はここで休んでいきませんか?? お礼のお食事作りますから」


「本当にご主人様よかったんですか? なんかオージーさんふて腐れてる・・というか」
「たぶん照れ隠しじゃねぇか・・・・てこれうまいわ。エイルこれ参考になるぞ。」
心配そうにオージーを見つめるエイルをよそに、和馬はイノマルの料理に舌鼓ををうっている。
「ああ、よかった、和馬さんの口にあうか心配したんですが。」
 ほっとした表情のイノマルその後ろで、ややふて腐れた表情のオージーその後ろにニヤニヤしているアズハが・・・・。1分後オージーがアズハをどついてケンカになり、朝と違って和馬のキャスターに止められるのは言うまでもなかった。
「くそー、朝といっしょで水浴びかぁ〜、いくぞアズハ!!」
「へいへい、あんたの愚痴につきあってあげるよ。」
朝のようにすすだらけの体を洗うべく水辺に行く二人、その後を「ご主人様、行ってきます」とニコニコ顔のエイルが追いかけていった。
「ちょっといやな予感がするんだけど・・・ま、いいか」
「いやな予感・・・て何ですか??」
食器を片付けながら、イノマルはその理由を聞こうとする。
「まぁエイルの過去と関係してな・・。夜がちょっと怖いというか激しいというか」
・・・あ、とイノマルは思った、そのことに関しては彼も慣れている。ミノタウルスの性格上、よくつきあっていたからだ。
「お互い夜は苦労していますね。」
「・・・・ていうことは・・・あ、そか、ミノタウルスの彼女はそうみたいだからな・・・」と和馬は苦笑い。
「食う・寝る・でもって姦(や)る、ミノタウルスの生活なんだよな。」
「でも、いいですよ・・・ぼくの大切なヒトだから」
笑顔のイノマルの目には決意の光が。それは和馬も感じている。彼らは自分たちの力を借りなくてもりっぱに生きていくことが出来る。

「もっと、この森の仲間達に会ってみたいかな。暇なとき遊びに来るよ」
「はい、そのときはいろいろ案内しますよ」






その後、和馬の思った通り、エイルがオージー、アズハを仕込ませて・・・
「この雌犬が・・・・へんなこと・・・するから・・・もう、ガマンできないよ・・・ほら、服脱いで・・・あたしをイカせてちょうだい・・・」
「ちょ、オージー・・・・あたしが、今日は満足させる番・・・・・ねぇ・・・あなたの卵産みたいの・・・・よろしくね」
「て・・・てめ・・・」
イノマルの取り合いの発情した二人の魔物。それを見て和馬苦笑い・・・そして発情ににはいってるエイルの首根っこをひっつかまえ・・
「どーすんだ、エイル。この状況どう責任とる???」
「へへへ、それはね・・・あたし達もいっしょに・・・イっちゃえばいいのです。ご主人様、準備はできてますか?」
こうなったら、もう止められない・・・・・その夜3人の魔物娘の喘ぎ声が静かな森の中で響いていった。



「なんか、へんな声が聞こえるのだ・・・」
リザードマンの娘テイルが、あたりを見回す。
「・・・ああ、聞かなくていいよ。この声がわかるにはあんたはまだ早いんだよ」
にやりと笑う、リザードマンの女性マイナ。
「そか、うしちちはこういう声したことあるのだな。変態なのだ・・」
ゴチン、げんこつを喰らい、頭を押さえるテイル。
「さぁ、こんな声気にしないで帰るぞ、もう夜中いっちゃってるみたいだし。」
そういうと、テイルの手を強引に引っ張って走って行った。







10/04/07 23:23更新 / Gすと・くま

■作者メッセージ
何週間かチョコチョコ書いて、今に至ります。

このオージー、イノマルの話はまた続けていきたいと思います。
このキャラを軸にして、自分のSSのキャラをリンクさせたいなと思ってもいます。

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