読切小説
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『宮部奈弓』の『特別補習授業』
 放課後を迎えたはずの教室に、一人の男子生徒が残っていた。
 伸ばしっぱなしのままの黒い髪をした陰気で気弱そうなその男子生徒は、机の上に広げたノートに夢中で何かを書き込んでいる。

「……あら。まだ誰か残ってるの?」
「……わひっ!?」

 夢中で作業していた男子生徒、森圭吾は、突然開いた教室の扉とかけられた声に、椅子から跳ね上がるほどに驚き、反射的に教室の扉に目を向ける。
 そこには白い絹糸のように美しい長髪、豊満な体つき、知的なデザインの眼鏡が似合う美女が、きょとんとした様子で立っていた。

「森君?」
「え、あ、宮部先生……」

 この学校の国語教師、宮部奈弓は、圭吾の姿を認めると、そのまま教室内に入り、こちらに近づいてくる。
 圭吾は思わず立ち上がろうとしたが、すぐに机の上に広げられているままになっているノートや文房具に気づいて、中途半端に腰を浮かせた体勢で固まってしまった。

「なにか書いていたの?」
「え、あ、あ!?」

 奈弓に指摘され、大慌てで机に覆いかぶさって、広げていたものを隠す圭吾。

「あ、あの、なんでもない、です!」
「なんでもない、っていう反応じゃないと思うんだけど……」

 と、奈弓は、慌てている圭吾を宥めるように、肩に手を置いて、優しく見つめ始めた。
 そのまっすぐにこちらを見つめてくる、奈弓の翠色の目を見ることができず、圭吾は頬を赤く染めながら顔ごと彼女から目を逸らす。 
 しかし、そのせいで、奈弓が唇を舌で舐めあげているのを、圭吾は見ることができなかった。

「……そう、やっぱり。森君、私でエッチな妄想をして、それをお話にしてたのね」
「う、え!?」

 自分が今まさにしていたことをずばり言い当てられて、思わず圭吾が顔をあげる。奈弓の顔が、触れそうなほどに近くにあって、一層顔を赤くしてまた顔を逸らす。
 そんな圭吾の様子にうっとりするように目を細めながら、奈弓は言った。

「私、森君のファンなの。君が小説サイトに投稿してるお話、全部読んでるわ」
「え、と、あ、の……」
「はじめは夢中で読んでたんだけど、文章の癖に見覚えがあってね。君の普段の授業で書いてる文章なんかを読み返してみたら、森君なんだってすぐにわかったわ」
「あ、あ……」
「それがわかるとね、ヒロインのモデルも、私のことだって、わかっちゃったの。”こんなエッチなこと、私で妄想してるんだ……”って……」
 
 その豊満な体を押し付け密着させながら、奈弓は話し続けている。
 圭吾は、押し付けられている柔らかな巨乳の感触に心臓が激しく鼓動を刻み昂っているのを感じながら、顔を逸らすことしかできなかった。

「……ねぇ、私の体のこと、もっと、知りたくない?」
「え、え……?」
「私の胸の感触とか、触れたときの反応とか、弱点、とか。君のためだけの、『特別補習授業』してあげる」

 蠱惑的な口調と声音で囁かれ、首筋を撫で上げられる。
 全身が総毛立ち、思わず顔をあげた圭吾の目を、奈弓の目が射貫くように見つめていた。
 奈弓の目とその奥にある強い肉欲、押し付けられている極上の女体の感触に、圭吾の体の裡から激しい熱が湧き上がってくる。

「……どう?」
「……は、はい……、お願い、します……」

 顔を逸らすことももうできず、圭吾は熱に促されるようにそう答えた。
 そんな圭吾を見て、満足気に奈弓は笑う。  

「それじゃあ……」
「わ、わ……」

 圭吾の体を起こさせ、椅子の背もたれにもたれかけさせると、そのまま奈弓は向かい合うように膝へと座った。
 そして、胸元をはだけさせ、淡い青色のブラのホックを外した。ぷるん、と白く大きな乳房が、圭吾の眼前へと晒される。

「ほら、おっぱい、触れてみて?」
「あ……」

 ゆさり、と揺れて存在を主張しているその豊満な胸を、圭吾は両手で下から掬い上げるように触れる。

「おもたい、ですね……」
「ええ、Hカップあるの、私」
「え、H……」

 ごくり、と生唾を呑み込みながら、ゆっくりと胸を揉みしだきはじめる。指がどこまでも埋もれていきそうなほどの柔らかさだった。

「や、やわらかい……」
「ん、そう、優しく……乳首も触ってみて?」

 言われるがまま、圭吾がピンク色の乳首に触れた。それだけで、奈弓の身体がぴくん、と小さく跳ねる。

「下も、触って?」
「は、はい……」

 言いつつ、奈弓は少し腰を浮かした。圭吾は胸から片手を離して、下着越しに秘所を撫でた。

「あ、濡れてる……」
「森君の手つきが上手で、すぐに気持ちよくなっちゃったの。……指、動かしてみて?」
「は、い……」

 促されるまま、下着越しにゆっくりと、下から上へと丁寧に何度も擦り上げる。指を動かすたびに下着の水気は増していき、すぐに指先はふやけてしまう。

「すごい……」
「森君が、上手いからよ……、ん、ん……」

 指を動かすたび、奈弓は淫らな声をあげて、快感に体を震わせている。憧れの女性のそんな痴態を見て、圭吾の股間は、もはやズボンを突き破らんほどに隆起していた。

「あ、あの、先生……」
「ん、ふふ……いれてみたい?」
「は、はい……お願い、します」

 勃起に気づいた様子の奈弓にそう聞かれ、圭吾はすぐさまに頷く。
 奈弓がズボンのファスナーをおろし、肉棒を取り出す。そして下着をずらし、そのままゆっくりと先端へと向かって腰をおろし始めた。

「ん、入れる、わね……」
「は、はい……!」

 腰を落とし、肉棒が奈弓の中へと一気に挿入された。それだけで、震えるほどの快感が圭吾の脳に叩き込まれる。
 
「う、く、ふ、うぅぅっ……!」
「ん、ふふ、きもち、いい?」
「は、い……!」

 歯を食いしばり、今まで味わったこともないような快感と、すぐにでも腰を動かしたくなる衝動に耐える圭吾の姿に、奈弓はたまらず抱きついた。

「わぷ……!?」
「ふふ、いい子ね、森君。ご褒美に、私の弱点教えてあげる。今入ってるところから、少しだけ角度ズラして」

 言われるがまま、腰を動かして位置を調整する圭吾。

「そう、そこよ。そのまま、思うままに動いて」
「は、はい……じゃあ、イきますっ」
「あ、はぁぁん!」

 圭吾が腰を動かし突き上げると、奈弓が一際高く嬌声をあげた。
 予想外の反応に圭吾が動きを止めると、奈弓がにっこりと笑って言う。

「今のところ、私、すごく弱いの……、だから、もっとして、気持ちよくさせて……?」
「あ、は、はい……!」

 今までのどこか余裕ある姿とは違う奈弓の様子に激しく興奮し、圭吾は激しく一生懸命に腰を振りだした。
 その動きに合わせるように、奈弓も激しく腰を振り出し、巨乳が上下左右に激しく暴れる。

「ん、いいわ、すごく上手、もう、イッちゃいそう……!」
「宮部、先生……!」
「奈弓、って呼んで、圭吾君……。いつでも、出していいわ、一緒にイキましょう……?」
「は、い、奈弓先生……!」
「んん!」

 二人の動きが、一層激しくなっていく。どちらも、もう限界が近いようだった。

「あ、あ、イク、イク……!」
「せ、んせい……!」
「ん、んんんっ!」

 衝動的に奈弓を抱き寄せ、キスをする圭吾。そしてその直後に限界が訪れ、それぞれ射精と絶頂をする二人。
 射精され、子宮へと注がれた精液を一滴も逃がさず受け止めるかのように、奈弓の中が蠢き、その快感に、圭吾の尿道にいまだ残っていた精液がさらに吐き出された。

「ん、ふ……」
「ふ、ふー……」

 激しい行為に、椅子の背もたれに全身を預けて、圭吾は肩で息をしていた。褒めるようにその頭をひとしきり撫でた後、奈弓が口を開く。

「ふふ、もっとしたいのね?」
「え、あ……はい……」
「私もしたいわ。でも、ここにあんまり残ってると、怒られちゃうから……私の家で、『私』の『特別補習』の続き、する?」
「い、いいんですか?」
「ええ」

 ちゅ、と一瞬触れるだけのキスをした後、奈弓が言った。

「私の攻略法をたっぷり教え込んで、私の身も心も、全部君の所有物にさせてあげる」
「……はい、先生……」
22/08/14 07:47更新 / フォロン・ジクシー

■作者メッセージ
あまりに執筆が進まないので、フォロワー様方にお題をもらって二か月ぶりに書きあげましたお話です。
お題内容は 種族:「白澤さん」、テーマ:「エッチな補習授業」だったんですが……これ補習授業になってるかな???

なにはともあれ、お題を送っていただいた「doM」さん、ありがとうございました。
お題に沿えているかは微妙に怪しいですが、お納めください!

あと他のお題も鋭意ネタ練り執筆中なので気長に待っていただけると幸いです……
では


簡単キャラ紹介
森(もり)圭吾(けいご)
趣味で小説を書いている気弱な男子学生 投稿している小説サイトではそれなりに有名
奈弓に憧れて、彼女をモデルにエッチな妄想しながら小説を書いていた
自分の見た目には気を使わず、髪も伸ばし放題で目元が見えず、陰気な印象を受けがち


宮部(みやべ)奈弓(なゆみ)
白澤 国語教師をしている
読書(小説)が趣味で、最近のマイブームはWeb小説を読むこと
そんな中で、最近圭吾がネットに掲載している小説を見つけ、ファンになった
圭吾が書き手だということは以前から文章の癖でなんとなく気づいていたが、今回白澤の能力で改めて確信を得た 

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