読切小説
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君と永遠を
 
 今日、一つの命が散った。その人は聡明で、いくつもの賞をもらうほどの学者だった。だが彼女は恐ろしく変人だった。しかし彼女は誰とでも平等に接し、この世のすべての生命を尊ぶ聖人のような人でもあった。

 ベットで横たわる彼女を見ていると生前彼女と作った忘れもしない思い出の数々が止めどなく浮かんでくる。

 「なんで君なんだ。なんで僕のような役立たずが残り、君のような人が逝ってしまうんだ」

 気づけば僕は泣きながら叫んでしまった。どれだけの時間が過ぎたのだろうか、とっくに太陽は顔を出していた。その後の記憶はよく覚えていない、恐らく誰かに家まで送ってもらったのだろう。気が付けば先日まで彼女と蜜月を過ごした自宅にいた。
 僕はその後簡単にシャワーを浴びるとかすかに彼女の匂いが残るベットに寝転がると、すぐに意識を手放した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 彼女と出会ったのは大学に入ったばかりの頃だった。苦学生だった私は比較的家との距離が離れていないことも相まって、大学まで歩いて通学していた。半分ほど散った桜を横目に通学していると、一段と異様な人がいた。ぼさぼさの髪にくたびれた白衣を着ていた。その人は枯れかけた木を心配そうに見ていると思ったらおもむろにポケットから何かを取り出すと地面に差し込んだ。彼女はその後ルンルンと音符マークが見えそうなくらい大きな鼻歌を歌いながら大学の方向へ消えていった。
 私はその時はどこかで見たことある思ってはいたが今日の講義の事を考えているうちにどうでもよくなってきた。

 昼頃になり友人と食堂で昼ご飯を食べている時、ふと朝の事を思い出し話してみることにした。

「そういえばさぁ」

「ん、どした?」

「朝歩いてたら変な人がいたんだよね」

 私は友人に朝見た変人について話した、友人はその話を聞くと。

「あー、その人は…

 友人の声は最後まで私の耳に入ることはなかった、食堂に「あー、居た」という声が響き渡ったからだ。恐らく食堂にいたすべての人が彼女を見ていたであろう、あのぼさぼさの髪とくたびれた白衣の女性。朝見つけた人だった。
 女性はこちらへ近づいてくる、それを察知するなり友人は、

「じゃ、じゃあ俺はこの後用事だからー」

 と、どこかへ行ってしまった。一人残された私に彼女は

「朝見てた子だよね、興味あるんでしょ?さ、こっちだよ」

「え、ちょ、あの」

 彼女は僕の腕を掴むとグイグイ引っ張って歩いていく、引きずられるのもごめんなので仕方なくついていくことにした。
 しばらく歩いていると彼女は急に立ち止まった、どうやら目的地に着いたようだ。視界を彼女から扉に移すとそこには植物研究会と書かれた張り紙が黄ばんだセロハンテープで張り付けられていた。

「ささ、新人クン、入って入って」

 彼女が扉を開けるとそこには…特にこれといった特徴もなく普通のサークルの部室だった。汚れた部屋を想像していた僕はいい意味で期待を裏切られたこのサークルが少し興味が出てきたがすぐ冷静になった

「あの〜、僕は興味ないので〜」

 そうだ、やっと念願のキャンパスライフなんだぞ。こんな変人と一緒に居る暇はない。
 しかし彼女は何かを確信したような顔で

「君は帰らないよ、だってねぇ」

彼女はズボンのポケットから何かを取り出した、それは僕の食費やら何やらがすべて入っているお財布だった。確かこれだけはおいていっちゃまと思い尻 今日、一つの命が散った。その人は聡明で、いくつもの勲章をもらうほどの植物学者だった。だが彼女は恐ろしく変人だった。しかし彼女は誰とでも平等に接し、この世のすべての生命を尊ぶ聖人のような人でもあった。
 
 「私の頑張りでこの子たちが元気になるなら私は幸せだよ」

 ベットで横たわる彼女を見ていると生前彼女が口癖のように言っていた言葉が浮かんでくる。いや、言葉だけじゃなかった。あの時の笑顔が、交わした約束が、忘れもしない思い出が。止めどなく浮かんでくる。

 「なぜ君なんだ。なぜ私のような役立たずが残り、君のような人が逝ってしまうんだ」

 気づけば私は泣きながら叫んでしまった。どれだけの時間が過ぎたのだろうか、とっくに太陽は顔を隠していた。その後の記憶はよく覚えていない、恐らく誰かに家まで送ってもらったのだろう。気が付けば先日まで彼女と蜜月を過ごした自宅にいた。
 私はその後簡単にシャワーを浴びるとかすかに彼女の匂いが残るベットに寝転がると、すぐに意識を手放した。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 彼女と出会ったのは大学に入ったばかりの頃だった。苦学生だった私は比較的家との距離が離れていないことも相まって、大学まで歩いて通学していた。半分ほど散った桜を横目に通学していると、一段と異様な人がいた。ぼさぼさの髪にくたびれた白衣を着ていた。その人は枯れかけた木を心配そうに見ていると思ったらおもむろにポケットから何かを取り出すと地面に差し込んだ。彼女はその後ルンルンと音符マークが見えそうなくらい大きな鼻歌を歌いながら大学の方向へ消えていった。
 私はその時はどこかで見たことある思ってはいたが今日の講義の事を考えているうちにどうでもよくなってきた。

 昼頃になり友人と食堂で昼ご飯を食べている時、ふと朝の事を思い出し話してみることにした。

「そういえばさぁ」

「ん、どした?」

「朝歩いてたら変な人がいたんだよね」

 私は友人に朝見た変人について話した、友人はその話を聞くと。

「あー、その人は…

 友人の声は最後まで私の耳に入ることはなかった、食堂に「あー、居た」という声が響き渡ったからだ。恐らく食堂にいたすべての人が彼女を見ていたであろう、あのぼさぼさの髪とくたびれた白衣の女性。朝見つけた人だった。
 女性はこちらへ近づいてくる、それを察知するなり友人は、

「じゃ、じゃあ俺はこの後用事だからー」

 と、どこかへ行ってしまった。一人残された私に彼女は

「朝見てた子だよね、興味あるんでしょ?さ、こっちだよ」

「え、ちょ、あの」

 彼女は僕の腕を掴むとグイグイ引っ張って歩いていく、引きずられるのもごめんなので仕方なくついていくことにした。
 しばらく歩いていると彼女は急に立ち止まった、どうやら目的地に着いたようだ。視界を彼女から扉に移すとそこには植物研究会と書かれた張り紙が黄ばんだセロハンテープで張り付けられていた。

「ささ、新人クン、入って入って」

 彼女が扉を開けるとそこには…特にこれといった特徴もなく普通のサークルの部室だった。汚れた部屋を想像していた僕はいい意味で期待を裏切られたこのサークルが少し興味が出てきたがすぐ冷静になった。

「あの〜、僕は興味ないので〜」

 そうだ、やっと念願のキャンパスライフなんだぞ。こんな変人と一緒に居る暇はない。
 しかし彼女は何かを確信したような顔で

「君は帰らないよ、だってねぇ」

彼女はズボンのポケットから何かを取り出した、それは僕の食費やら何やらがすべて入っているお財布だった。確かこれだけはおいていっちゃまと思い尻ポケに入れたはずだったのだがいつの間に…

「ふっふっふ、このお財布を返してほしければ我が研究会に入ってもらおうか」

「わかりました、わかりましたからお財布返してくださいよ〜」

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 このサークルに入って暫くたった。桜はとうに散り、夏の気配が出てきた6月。いわば無理矢理入れられた植物研究会だがしていること自体は割と真面目で、個人の研究したいテーマを決めてそれを研究する…らしい。なぜ語尾を濁したのかというと会員が彼女以外彼女の友達数名でそれも幽霊会員で構成されていたからだ。後から聞いた話だとあの時僕を無理矢理入れたのは大学から実質一人活動はダメだと言われたのと自分の助手が欲しかったそうだ朝自分を見てた子に犠牲になってもらおうと思ったかららしい。いい迷惑である。

 そしてもう一つ、彼女はかなり頭の良い変人だったことだ。彼女、倉木茉莉は学生ながら既に学会でもかなり名の知れているらしい、そのため今まで一人でも活動が黙認されたり、噂では彼女専用の研究室もあるらしい。ちなみに3年生らしい。

「あー、茉莉先輩また白衣をそこら辺におきっぱだよ。回収と洗濯するこっちの身にもなってほしいな」

 僕はポケットを確認した後、彼女が置いた洗濯機に他の洗濯物と一緒に白衣を突っこみ慣れた手つきで洗濯機のボタンを押した。
 暫くすると外から足音が聞こえてくる。

「おっ、後輩クンじゃーん。やっほ〜」

「やっほ〜、じゃなです先輩。脱いだらせめて洗濯機に入れといてって言ったじゃないですか」

 すると彼女は悲しそうな顔をして

「ごめんね、でも私のお腹ちゃんがお腹が減ったって泣いてたの。だから仕方なかったのよ」

「先輩? 僕怒りますよ」

「あー怒らないで、悪かったよ。ごめんごめん」

 はぁ、先輩は適当すぐ手困るなぁ。僕が世話するまでどうやって生きていたんだか。

「で、先輩。今日は何するんですか?」

「今日はフィールドワーク…をしたかったんだけど私の家がピンチだからお片づけを手伝ってもらいまーす」

 はぁ、やっぱりこの人俺が来るまでどんな生活をしていたんだ

「じゃ、僕はこの辺で」

「あぁ〜見捨てないでくれよ〜頼むよ〜。ここで後輩クンが片づけをしてくれないと
私はこの部屋に住むことになっちゃうよ〜」

「はぁ?家賃滞納ですか?お金は貸しませんよ」

「あぁ、違う違う。部屋に荷物がありすぎちゃうだけ」

「それはそれで呆れるんですが」

「そうゆう事だから今から私の家にれっつごー」

「あ、ちょ引っ張らないでくださいよ。この馬鹿力」

 結局先輩の馬鹿力に引っ張られて歩いて20分、意外と近場に先輩の家はあった。羨ましい。
 先輩が家のドアを開けるとそこには、ゴミや段ボール。研究資料などが散乱していた。

「先輩」

「ん? どした?」

「なんでこんなになるまで放置した」

 先輩はえへへ〜と笑って誤魔化す。

「はぁ…とりあえずいるものといらないものの選別から始めましょう」

「はぁ〜い」

その後僕たちは掃除に取り掛かったのだが…

「これは〜要らないか」

「あ〜ダメだよ、これは大切な何かだもん」

「ハァ? 何かもわからないものなんてどの道使わないでしょ、はい処分」

などと意味のわからないことばっかでかなり作業は難航したが何とか夕方までにはゴミ出しまで終わった。

「いやー後輩クンが手伝ってくれて助かったよ」

「ほんとですよ。じゃ、もうこんな時間ですし僕は帰ります」

すると彼女は僕の腕を掴み

「まって、手伝ってくれたんだし今日は私が奢るよ」

「ほんとですか?」

「餅のロンよ、私お金は結構あるからね〜」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「お金あってもサイゼ行くんですね」

「ここは課題やら論文やら書くのに使わせてもらってるからね〜。私ドリアとサラダにー、ピザはシェアとして…」

「どれだけ食べるんですか」

 結局僕も結構食べた。いや、食べさせられた。調子乗ってお酒まで頼んで…弱いのに。何とかお酒だけ頑張ってもらったが頼んだ食事はほぼ僕が食べることに…いくら普段節約生活でおいしい物たくさん食べれてないにしてもキツイ。
先輩はすっかり寝てしまったので家まで送ることにした。なんで俺がこんなことまで…

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 しばらく歩き彼女の住むマンションに着いた

「先輩、家に着きましたよ。起きてください」

「zzz」
 それからいくら声をかけてもう唸ったり、そもそも反応してくれなかったりの繰り返しだった。仕方がないので彼女のバックから鍵を取って部屋に入りベットに寝かせることにした。

「ふぅ、疲れた。これじゃどっちが年上かわかったもんじゃないな」

 そうつぶやくとついに彼女が目覚めた、起きるならさっき起きてほしかった。

「あれぇ…どおして後輩クンがいるの?」

「先輩はサイゼのワインで酔っt

 先輩はなんと話してる僕に飛びついてきた。あっという間まに組み伏せられてしまった。

「そっかぁ、これは夢なんだぁ… ならぁ…大好きな後輩クンにキスしちゃお」

「ちょ、先輩これ現実現実。寝ぼけ、ウム…

 キスされた、それも最初から舌を絡ませる深い奴だ。僕の頭はパンク寸前になっててまともな思考はできなかったが、残った理性で何とか彼女を引きはがし、そのまま先輩の家を出た。近くの公園で少し休憩し正気を取り戻すもそれはそれで先ほどのキスシーンが頭の中で鮮明にフラッシュバックしてくる。

「何だったんだ…そ、それに大好きって」

そこからいてもたっても居られなくなり急いで家に帰った。シャワーを浴びて早く寝ようにもベットに着くと嫌でもあの光景といやらしく官能的な音が頭の中にこびりついており結局寝ることはできなかった。

「やっほ〜後輩クン」

「わっ。せ、先輩…」

「どした? なんかあるなら先輩話聞くぞ〜」

 貴方のせいでこうなってるんです…なんて言えないしなぁ

「昨日の事覚えてます?」

ちょっと遠回しに聞いてみるか

「それが全然覚えてないんだよねぇ」

「そうですか、昨日は僕と一緒に部屋の片づけをしたんですが覚えて無いんですか?」

「えっ、そうなの!?道理でお部屋がきれいなわけだぁ」

どうやら最初から覚えてないようだ、羨ましい。

「もしかして私なんかしちゃった?」

「どうしてそう思ったんですか?」

「だってお顔が随分と不機嫌さんだよ?」

そりゃ顔にも出るよ、だって先輩からキス&告白だよ?顔に出ないわけないじゃーん。と、言いたい、すごく言いたい。
 正直あのことから先輩を女として見てしまっている。胸は意外と大きく、顔も可愛らしい。いろんな所適当なのを考えてもお釣り位の美人だ。正直こんな人が恋人だったら毎日楽しいだろいう。

 あれ、これ隠す必要なくね?

「先輩、俺先輩にキスされたんすよ」

「!?!?!?」

先輩の顔が茹蛸のように真っ赤になる

「なんならその時に『大好きな後輩クン』って言ってましたよ」

「!?!?!?!?!?」

「そのせいで僕今寝不足なんですよね」

先輩はもう耳まで真っ赤だが止めるつもりはない、こんな先輩初めて見るし何より面白いし可愛い。

「責任取ってくれるんですかねー」

「ひゃ、ひゃい。よろしくお願いしましゅ」

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 その日から僕たちの生活は大きく変わった。先輩のごり押しでほぼ同棲することになったり、サークル室でも体をくっつけたりしてくる。
 そんな生活もなれると時間が過ぎるのがあっという間で僕は2年生、茉莉は4年生となった。

「今日から4年生〜、どーせ今まで研究したこと論文にすれば簡単に卒業できるし。今までの研究の実績で研究室に呼ばれてるから就活もしなくていいし。大学って楽でいいな〜」

「天才だけが言えるセリフだよ全く」

 彼女と出会ってもう一年がたって流石になれたのか彼女が服をそこらにぽいぽいしたり、大学内の花壇に謎の液体(茉莉ちゃん印の栄養剤らしい?)を散布したりと彼女は前と一切変わっていない…
 いや、かなり変わったこともある

「なぁ…」

「ん? どした?」

「その…目のやり場に困る服は着ないでほしいって言ったよね」

 彼女の変わったこと、それは服装である。いま彼女が来ているのは露出こそ少ないが彼女の胸を強調する物、服をぎゅうぎゅうと押している豊かな双丘のせいで僕は目のやり場に困っている。

「えぇ〜ネットでこの服なら彼氏もい悩殺って書いてあったから着たのに…嫌だった?」

そんな子犬みたいな目で見ないでくれよ全く…

「そうゆう服は家デートの時にでも着てください、全く。ここは大学ですよ?他の人にジロジロ見られたらどうするんですか」

「お?お?独占欲ですか?いやぁ〜彼氏くんがこうだと困るなぁ〜」

「の、割には嬉しそうですね」

「だって大好きな人に愛されてるんだもん」

思ってもいない所から手痛いカウンターを食らってしまった、今億恐らく真っ赤になっているだろう。

「あっれれ〜お顔が茹蛸みたいになってるぞ〜」

「覚えてろよ、夜にヒンヒン言わせてやる…」

「よ、夜ってそのセッ…/// 」

彼女の顔も茹蛸のように真っ赤になる。

「するのは好きなくせに」

「仕方ないじゃない、今までそうゆう事とは無縁の勉強生活なのよ、性教育すら受けさせてもらえなかったし…」

「じゃあ夜にたっぷりその体に教えてあげますね〜」

「お、お手柔らかに〜」

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「はっ…、はぁ! そこダメぇ…弱いから♡」

二人だけの部屋に響く水音と女の喘ぎ声、しかしその音は部屋の暗がりに吸い込まれ消える。

「じゃあ、やめますか?」

彼は余裕と言わんばかりに彼女に聞く

「らめっ、やめないで♡ そ、そこ好きだから…も、っと♡」

彼女の言うとおり腰を振る、いや。むしろペースアップしている

「わかりました、ここ好きですもんね。じゃあ、もう一回…」

「らめっ…ちょ、きゅーけーを… あひゃあ♡」

「気持ちいいよ茉莉、はっ…う…そろそろイきそう…」

「わらしも…あん♡ いっしょにイこ?」

「わかったよ、うっ…もう限界…イく…」

「うん…わらしも♡ イくっ」

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一戦が終わり少し休憩をしている時、僕は前から気になっていることを聞いてみた

「はぁ、はぁ、ねぇ茉莉」

「なあに?」

「君は僕のどこを好きになったの?」

すると彼女はポカンとしたのち、いたずらな笑顔をして。

「結婚するときに教えてあげる」

「そっか、じゃあその時まで楽しみにしてる」

しかしその時来ることはなかった

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あの夜から2年がたった、僕も晴れて大学を卒業し今は独立した茉莉の助手をしている。

「今日はそろそろ切り上げないか?」

「そうねー、じゃあそこの奴片づけといて〜」

全く、そんなところは全く変わってないな

「わかったよ」

 僕はいつもと変わらないこの日常が大好きだ。だが、今僕はこの日常を一日だけ特別に変えようと思っている。そう、結婚だ。
 もう指輪は作ってある、後はプロポーズだが彼女の邪魔をしないよう今している研究が終わったときにしようと考えている。

しかし、彼女の研究が終わることはなかった

 茉莉が死んだ、通り魔に刺された死んだ。その日は茉莉に先に帰っていいと言われ家でご飯を作って待っていた。しかしいつまでたっても帰ってこない彼女を心配し探しに出るとそこには血だまりに横たわる彼女がいた。
 今考えたら彼女と一緒に帰っていたら、彼女を待っていたら。彼女は死ななかったんじゃないかと考えてしまう

 僕はそこから無気力になってしまった。何をするにもやる気が起きず、ただ彼女のいない灰色の世界を無気力に生きていた。

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 茉莉が使っていたベットで目を覚ます。いつから寝てしまったのだろう、まぁいい。夢だとしても久しぶりに茉莉の顔が見れただけでも満足だ。茉莉が死んで何日がたっただろうか、彼女がいないことにも慣れてしまう前に茉莉のもとへ行こう。
 事前に準備はしたものの覚悟がなくできなかったが今ならできる。彼女へ渡すはずだった指輪の片方を自分の薬指につけ、片方をポケットへ入れる

「茉莉、今そっちに行くね。指輪は持ったから、そっちで渡すからな」

「私はそっちにはいないよ」

 あぁ…茉莉の声が聞こえる、今そっち行くからな…

「おーらどっこいしょー」

 茉莉の声が聞こえると思ったら私は床に叩きつけられた。そこで私は茉莉の声が現実だということが分かった。
 周りをきょろきょろと見回すと「後ろよ」と声がかかる、

 そこいたのは茉莉だった、俺が見間違えるはずはない。確実に茉莉だ。だが肌は病的を通り越して血が通ってないのではと思うほど白く、髪の毛も前の黒色とは真反対の白色だった。

「ねぇねぇ、愛しの茉莉ちゃんに会えたんだからなんかあるでしょ」

「そんな事より茉莉が何でここに…?」

 茉莉は笑って

「それよりもさぁ、するべきことがあるんじゃないかなー」

「す、することって?」

彼女の顔がむくっと膨らむ。まずいな、何か地雷を踏みぬいたか?

「ただいまのキスに決まってるでしょーが。あーもー私から行くから」

「えちょ…

 言い終わる前に彼女に口を塞がれた、うねる舌が僕の口の中を犯していく。くちゅくちゅと淫靡な音が部屋と僕の脳内に響く。
 それから解放されたのはキスされてから10分ほどたってからだ

「したいことも済んだし。さ、私たちの新居にいこっか」

 そう言うと彼女は本を取り出した

「えっと、転送魔法は…ここね。えぃ」

 彼女がかざした手の先に穴?のようなものが出現した。彼女はその穴の中に入る

「こっちよ、ついてきて」

 と、手招きをして僕を読んだ。僕は彼女の言う通りついていくとそこは真っ暗な空間に道があるだけだった。

「迷ったら時空の狭間に転がり落ちちゃうから、私にくっついてて」

 彼女に話に直感的に危険を悟り僕は彼女の言う通り彼女にくっついて歩くことにした。しかし彼女に近づくと彼女はいたずらな笑顔を浮かべ

「まぁ、嘘なんだけどね」

「そうゆう所ですよ」

 びくびくして損した…と、思う一方で変わらない彼女にホッとする

「さ、出口はあそこよ」

 彼女が指さした先には僕が入った穴のようなものがった。またしばらく歩くとその穴のようなものに着いた。

「さ、入って。そこが私たちの新居よ」

 そこには木組みの壁、いや、しかしこの間取り…

「どう?新しいお家は。家具とか間取りとかお家の形とかはまるっきりあのお家と一緒にしたんだ〜」

「やっぱりそうだよね、見覚えがあった。それよりさ」

「ん?どーした。エッチなら寝室でね。あそこだから」

「違う、君がここにいる理由を教えてくれ」

「あーやっぱりきになる?私が生き返ったり、もとから可愛かった私がもっと可愛くなったわけ」

 それから彼女はここが元居た世界とは違ういわゆる異世界という事、自分がリッチという魔物になったこと、しかし根は前の自分と変わらないこと、こっちの世界でも研究は続けていてそこそこ有名になった話してくれた。

「そんな事で新生茉莉ちゃん、こっちの世界だとマリーって名乗ってまーす」

「そうか…いや、君にまた会えた事が嬉しいな」

 今まで驚きが勝っていたがついに彼女にまた会えたという嬉しさがこみあげてきた僕は自然と涙がこぼれてきた。

「あーあー泣かないでよ。ほら、愛しの茉莉ちゃんだぞ〜」

「君に会えたのがうれしくて泣いてるんだよ」

 すると彼女からも涙が出てくる

「私だって久しぶりだもん。今まで我慢したけど泣いていいよね?君が泣くんだもん、泣くよ」

 その日は一日中泣いてた気がする。気が付いたら朝陽が上がっていた

「いつの間にか朝になってしまったね、とりあえずご飯食べたいな。その後に研究の続きをするよ、これからも頼んだよ最愛の助手君♡」

「ああ、わかったよ。」

 僕たちはきっとこれからもこの日常が続くんだろう。今度こそ彼女と永遠を。
22/06/18 04:09更新 / photon

■作者メッセージ
 疲れました、このSSは大体一万字なのですがこれくらい長いssは初めてだったので時間が物凄くかかってしまいました。
 
 次は夏に君との続きを上げる予定です、果たして待っている人がいるのかはわかりませんが待たせていたらごめんなさい

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