<DOWNLOAD>
平成31年 4月30日
23時55分
「もう少しで平成も終わるなー......」
僕は平成の次の年号...『令和』を目前にして大晦日のような心持ちとなっていた。
そんなこんなで春先だというのに深夜に蕎麦を食べつつ、
『令和になったんだから図鑑世界とつながって魔物娘でもこっちの世界にこないかな〜』という、星屑のように淡い希望を抱きながら、モンスター娘の梁山泊...クロビネガというサイトのトップページを眺めていた。
23時59分 42秒
「あとちょっとだ......あとちょっと......」
そして...
令和元年 5月1日
0時0分
......当たり前だが何も起きない。
「あーくっそ、わかってはいたよ!!」
仮面ライダー剣だって15年越しに悲しみが終わったんだからさ、なんかあったっていいだろうよ。
「あーもうどうしよう、このやり場のない感情......SSでも読んで憂さ晴らしだ......」
僕はどの娘にしようかな、魔王様の言う通り......と、トップページを物色する。
その時、いつもの『被害報告』という文字列の横に、いつもとは違う文字列が並んでいた。
それは、
<DOWNLOAD>......と書かれていた。
「.........なんじゃこら」
バグっているのかと考え、F5キーを押して何度か押して更新するも、依然として<DOWNLOAD>の文字列は消えない。
ここで魔物娘...ぬらりひょんの個別のページに入ってみると、このページにも被害報告の文字列の横に存在する<DOWNLOAD>の文字列。
何が<ダウンロード>できるのだろう?
怖いもの見たさに、そのダウンロードリンクをクリックしてみた。
...すると、案の定ダウンロードが開始した。
「押してみたけど、何がダウンロードされるんだコレ......」
自分は一つページを戻ってトップに戻ってくると、
自分が逢いたい白蛇、毛娼妓、稲荷、ジョロウグモ、龍のダウンロードリンクをクリックしてみた。
そして始まるダウンロード。
やっぱり<何か>がダウンロードされるんだ......。
でもいったい何が?
令和元年 5月1日
0時30分
見たことも聞いたこともない目の前の事象に思考を巡らせていると、一番最初に開始したぬらりひょんのダウンロードが完了した。
「さーて拝んでみるか...」
ダウンロードフォルダを開こうとマウスを握った瞬間、暗転するノートPCのモニター!!
ギャー!! 壊れた!?
......と思ったのだが、よく見ると暗転したんじゃないことに気づく。
画面を境に、『画面の向こうへと奥行きがある』ことに気づいた!!
何が起こったのかと混乱していると、画面の下部からヌッっと出てくる腕!!
貞子だー!!!
...と、悲鳴も出せないまま、背後へともんどりを打って本棚へ激突した。
「おいおい、平成も終わったってのになんてギャグだい...」
声の主...は、腕の主であった。
腕の主はPCの画面から頭を出し、上半身を出し、腰、脚と抜けて、なんとこの現実世界へと二本足で、ガンダムのように立ったではないか!!
「Who are you!? (意訳:お前は誰だ!?)」
思いっきり指をさしながら、貞子スタイルでPCから出てきた女に疑問をぶつけた。
「アイアム マモノムスメ。 アイム 『ぬらりひょん』。 こっち風のジョークでの返しもイケるだろう?」
なん...だと...。
「ぬらりひょんを『ダウンロード』したから、こいつは俺の目の前に現れたっていうのか......!?」
「ああ、その通りだ。 その世界で大きな節目を迎えると時空の門が緩むからできる芸当なんさね。 そういうわけだから、私はもうお前のオンナさ」
マジかいな......。
令和すげぇな...。
「で、だ。 私はぬらりひょんだろう? 魔物娘だろう? それはお前さんだって知っているはずだ。 その魔物娘をモノにして最初にヤることは決まっているだろう?」
なん...だと...。
令和になってすぐ、予想だにしない形で犯されるとか勘弁してください。
もうちょっとプラトニックな期間とか欲しいんですよ、頼むよォ〜...。
「うんっ、断る♥」
自室の本棚にぶつかっており、これ以上逃げ場がないという状況で、ぬらりひょんは四つん這いでにじり寄ってくる。
「あら、ぬらりひょん様、抜け駆けなんてひどいじゃありませんか」
「彼に『落とされた』魔物娘はあなただけじゃないのですよ?」
ぬらりひょんがシマッタ...という形で彼女は背後のPCに恨めし気に顔を向ける。
そこには、先ほどリンクをクリックした、白蛇さん、毛娼妓さん、稲荷さん、ジョロウグモさん、龍さんの姿が......。
「まぁ、一番最初に『落とされた』のはぬらりひょん殿ですから、しょうがないといえばしょうがないのですけどね...」
「じゃあこうしよう、今から代わる代わる彼を抱いて、竿姉妹の契りを交わすとしようや」
ぬらりひょんはトンデモないことを言い出した!!
皆が皆強力な魔物娘である、そんな彼女たちは自分を誓いの盃代わりに姉妹の契りを交わすと言い出したのだ。
ぬらりひょんの発案に、皆もそうだねそうしようかと頷き合った。
「まぁ、私が言い出しっぺだし? ダウンロードされたのも最初だシ? ここはー初物をかっ喰らう権利は私にあると思うんだけど、異論はないヨネ?」
しょうがないね、とみんなが妥協してしまった。
あの白蛇さんでさえ、『自分の分も残っていれば今回ばかりはしょうがない』と口惜し気に承諾した!!
仲間割れを起こすという手は使えそうにない。
僕は狭い自室の中、右手を毛娼妓さんに髪で縛られ、左手をジョロウグモさんの糸で拘束され、右足を龍さんが龍体でホールドし、左足を白蛇さんが蛇体でぐるぐる巻きにし、稲荷さんが膝枕で僕の頭を抑えた。
「さぁーて♥ 一発目をもらうとしますか......。 新元号、令和にカンパイ♥」
寝巻のスウェットをひっぺがされていく中、思った。
魔物娘が進出してきた今、年号がまた変わるのも時間の問題だと。
23時55分
「もう少しで平成も終わるなー......」
僕は平成の次の年号...『令和』を目前にして大晦日のような心持ちとなっていた。
そんなこんなで春先だというのに深夜に蕎麦を食べつつ、
『令和になったんだから図鑑世界とつながって魔物娘でもこっちの世界にこないかな〜』という、星屑のように淡い希望を抱きながら、モンスター娘の梁山泊...クロビネガというサイトのトップページを眺めていた。
23時59分 42秒
「あとちょっとだ......あとちょっと......」
そして...
令和元年 5月1日
0時0分
......当たり前だが何も起きない。
「あーくっそ、わかってはいたよ!!」
仮面ライダー剣だって15年越しに悲しみが終わったんだからさ、なんかあったっていいだろうよ。
「あーもうどうしよう、このやり場のない感情......SSでも読んで憂さ晴らしだ......」
僕はどの娘にしようかな、魔王様の言う通り......と、トップページを物色する。
その時、いつもの『被害報告』という文字列の横に、いつもとは違う文字列が並んでいた。
それは、
<DOWNLOAD>......と書かれていた。
「.........なんじゃこら」
バグっているのかと考え、F5キーを押して何度か押して更新するも、依然として<DOWNLOAD>の文字列は消えない。
ここで魔物娘...ぬらりひょんの個別のページに入ってみると、このページにも被害報告の文字列の横に存在する<DOWNLOAD>の文字列。
何が<ダウンロード>できるのだろう?
怖いもの見たさに、そのダウンロードリンクをクリックしてみた。
...すると、案の定ダウンロードが開始した。
「押してみたけど、何がダウンロードされるんだコレ......」
自分は一つページを戻ってトップに戻ってくると、
自分が逢いたい白蛇、毛娼妓、稲荷、ジョロウグモ、龍のダウンロードリンクをクリックしてみた。
そして始まるダウンロード。
やっぱり<何か>がダウンロードされるんだ......。
でもいったい何が?
令和元年 5月1日
0時30分
見たことも聞いたこともない目の前の事象に思考を巡らせていると、一番最初に開始したぬらりひょんのダウンロードが完了した。
「さーて拝んでみるか...」
ダウンロードフォルダを開こうとマウスを握った瞬間、暗転するノートPCのモニター!!
ギャー!! 壊れた!?
......と思ったのだが、よく見ると暗転したんじゃないことに気づく。
画面を境に、『画面の向こうへと奥行きがある』ことに気づいた!!
何が起こったのかと混乱していると、画面の下部からヌッっと出てくる腕!!
貞子だー!!!
...と、悲鳴も出せないまま、背後へともんどりを打って本棚へ激突した。
「おいおい、平成も終わったってのになんてギャグだい...」
声の主...は、腕の主であった。
腕の主はPCの画面から頭を出し、上半身を出し、腰、脚と抜けて、なんとこの現実世界へと二本足で、ガンダムのように立ったではないか!!
「Who are you!? (意訳:お前は誰だ!?)」
思いっきり指をさしながら、貞子スタイルでPCから出てきた女に疑問をぶつけた。
「アイアム マモノムスメ。 アイム 『ぬらりひょん』。 こっち風のジョークでの返しもイケるだろう?」
なん...だと...。
「ぬらりひょんを『ダウンロード』したから、こいつは俺の目の前に現れたっていうのか......!?」
「ああ、その通りだ。 その世界で大きな節目を迎えると時空の門が緩むからできる芸当なんさね。 そういうわけだから、私はもうお前のオンナさ」
マジかいな......。
令和すげぇな...。
「で、だ。 私はぬらりひょんだろう? 魔物娘だろう? それはお前さんだって知っているはずだ。 その魔物娘をモノにして最初にヤることは決まっているだろう?」
なん...だと...。
令和になってすぐ、予想だにしない形で犯されるとか勘弁してください。
もうちょっとプラトニックな期間とか欲しいんですよ、頼むよォ〜...。
「うんっ、断る♥」
自室の本棚にぶつかっており、これ以上逃げ場がないという状況で、ぬらりひょんは四つん這いでにじり寄ってくる。
「あら、ぬらりひょん様、抜け駆けなんてひどいじゃありませんか」
「彼に『落とされた』魔物娘はあなただけじゃないのですよ?」
ぬらりひょんがシマッタ...という形で彼女は背後のPCに恨めし気に顔を向ける。
そこには、先ほどリンクをクリックした、白蛇さん、毛娼妓さん、稲荷さん、ジョロウグモさん、龍さんの姿が......。
「まぁ、一番最初に『落とされた』のはぬらりひょん殿ですから、しょうがないといえばしょうがないのですけどね...」
「じゃあこうしよう、今から代わる代わる彼を抱いて、竿姉妹の契りを交わすとしようや」
ぬらりひょんはトンデモないことを言い出した!!
皆が皆強力な魔物娘である、そんな彼女たちは自分を誓いの盃代わりに姉妹の契りを交わすと言い出したのだ。
ぬらりひょんの発案に、皆もそうだねそうしようかと頷き合った。
「まぁ、私が言い出しっぺだし? ダウンロードされたのも最初だシ? ここはー初物をかっ喰らう権利は私にあると思うんだけど、異論はないヨネ?」
しょうがないね、とみんなが妥協してしまった。
あの白蛇さんでさえ、『自分の分も残っていれば今回ばかりはしょうがない』と口惜し気に承諾した!!
仲間割れを起こすという手は使えそうにない。
僕は狭い自室の中、右手を毛娼妓さんに髪で縛られ、左手をジョロウグモさんの糸で拘束され、右足を龍さんが龍体でホールドし、左足を白蛇さんが蛇体でぐるぐる巻きにし、稲荷さんが膝枕で僕の頭を抑えた。
「さぁーて♥ 一発目をもらうとしますか......。 新元号、令和にカンパイ♥」
寝巻のスウェットをひっぺがされていく中、思った。
魔物娘が進出してきた今、年号がまた変わるのも時間の問題だと。
19/05/01 01:30更新 / 妖怪人間ボム