読切小説
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レスカティエの男女共用トイレ事情
ぬっちゃ、ぬっちゃ、ぬっちゃ、ぬっちゃ、ぬっちゃ......。

「だめ...たすけ......」
「だーめ♥ ホテルじゃなくても、あと5発は出してもらうからね♥」

「もう...だめ...で...ない...」
「情けないわねぇ♥ でも、容赦するつもりはないわよ♥」

「いや...もうだめ...やめ...」
「まだまだよ〜♥ 一回『こと』に及んだら、最低20発が相場ってもんよ〜♥」




喘ぎ声で溢れかえっているが、ここはホテルではない。
ここはレスカティエの、男女共用トイレである。

通路の左に25個室、右に25個室、計50個室が設けられていた。
その大半の個室内で、魔物娘と人間の男がコトに及んでいた。

なぜホテルを使わないのか?
いい質問である。

『使わない』のではない。『使えない』のだ。
なにせ最近は、怖いもの見たさにレスカティエを訪れる冒険者や旅人、観光客たち(という名の、ネギを携えたカモ)が増えたことで、男日照りが割と解消されたのだが、その結果、ホテルが全室埋まってしまう事態に陥った。

それをなんとかしようと、レスカティエ上層部が動いた結果、

『男女別トイレを廃止して、全部共用にするから、好きに使ッテイーヨ!!』

と、お触書を出してしまったのである。

そのせいで、あちらこちらに男女共用トイレは増え、ホテル代わりに利用する者たちが急増したのである。
8割5分が、逆ナンに成功した魔物娘と、まんまと引っ掛けられた男である。
...残り1割5分は、男のトイレ利用中に、個室に乱入されたケースである。

そんなこんなを話していると、また一組、できたてホヤホヤカップル(予定)がやってきた。




「......すごい、トイレマーク、だね...」
「だろう? レスカティエの名物なんだ、個性的だろう?」

20代半ばの青年と、緑のタキシードを着こなしているマッドハッターであった。
マッドハッターは男の腕に自分の腕を絡め、傍から見ると『アッチ』のカップルのようである。

「早く入ろうじゃないか。本当ならホテルを使いたいが、なにぶん空いてる部屋を探すまで我慢が利かなそうにないんでね、勘弁してくれ」
「......初めてがトイレでってのは.........うん」

ソワソワしているマッドハッターと、もはや諦めたような顔の青年は、えらく対照的であった。

「さぁ、一歩踏み出したまえ、好きな個室くらいは選ばせてあげるから」
「......どこも一緒じゃないっすか?」

マッドハッターに背中をグイグイ押され、青年はトイレの中へと足を踏み入れたのだった......。




「ほう、45番の個室とは」
「......深い意味なんでないぞ」
「分かってる、二回続けて、[4545]...『シコシコ』という語呂合わせで選んだことは分かってるぞ」
「...ぜんぜんわかってないじゃん」

個室に押し込められながら、青年がぼやく。
それを聞き流しながら、マッドハッターはパタンと扉を閉めた。
そして、閉めて早々と、ズボンを脱ぎ始めた。

「ムードも何もあったもんじゃないな...」
「うん? これ以上濡れると、洗濯するときに困るから脱いでるのだが、どうかしたかね?」
「...すまん、邪推した」
「気にしな.........悪いと思うなら、一発でも多く出すように頑張りたまえ」
「.........」

沈黙している青年をそっちのけで、なにもはいてないマッドハッターは、青年の服のボタンを外し、ベルトを緩め、ズボンと下着を足首まで引きずり下ろした。
なんだかんだ言って青年もその気になっていたようで、肉棒が天井に向かってそそり立っていた。

「...ほら、早く便座に座りたまえ」
「わかったから、そうがっつくな!!」

肩を押さえつけられ、便座に座らせられた青年。
続いてマッドハッターは、青年の股間に顔をうずめた。

「すーっ...はーっ♥ いやぁ、イイ匂いだ♥ 何週間も発散してない上に、蒸れに蒸れた臭いがたまらない♥」
「頼むから、頼むから実況するな!!」

青年が悲鳴を上げたものの、周りが嬌声だらけなのをいいことに、マッドハッターは聞こえないふりを決め込んだ。
...まだまだ実況するつもりらしい。

マッドハッターは、亀頭に一度キスを落とし、次にペロリと舐め回したあとに、ペニスを口に含んだ。
背を這い、脳髄を犯す感覚に、青年が背を仰け反らせた。

「じゅるっ、ずぞぞっ、うーん、この塩っ気がたまらないですな」
「だから解説するn......って、そこはぁぁぁぁぁっ!!!」

青年がやめろと言おうとした途端、ごまかすように先端に軽く歯を立てたマッドハッター。
青年は悲鳴を上げたが、同時にほかの個室から出た、それ以上の声にかき消された。

それをいいことにマッドハッターは攻め手のペースを上げる。
先端を甘噛みし、カリ首をしゃぶり、舐め回し、竿を舐め回し、甘噛みし、全体を口含んで吸引する。

青年は背を仰け反らせたまま、魔性の存在から与えられる快感に、ただただ翻弄されていた。

「..なかなか我慢強いんだね。なら...」

マッドハッターはプチプチとボタンを外し、下着を脱ぎ、豊かな乳房を露出させる。
そして、そのまま乳房で肉棒を包み込んだ。

「ひぅっ!!」

青年の体が跳ねる。

「そして、さっきのも合わせる」

マッドハッターは乳房での攻めに加え、口での攻めも再度開始した。
パイズリフェラというやつであった。

タプタプ、ぎゅっ、じゅるるる、タプタプ、ぎゅっ、じゅるるる。

乳房で圧迫されると同時に吸引されたとき、青年は耐え切れずに精を放ってしまった。
マッドハッターは一瞬呻くも、すぐに精を口で受け止め、飲み下し始めた。
ゴクッ、ゴクッと嚥下する音が二人の耳に響く。
射精を終えても、マッドハッターはチュウチュウ音を立てながら肉棒を吸い上げ、残っている中身をも吸い出そうとしてた。
そして、一発分を根こそぎ吸い上げ終わっても尚、青年の肉棒は萎える気配が無かった。

「...安心した、まだまだできそうだね」
「...続けてもいいから、ちょっと休ませて...」
「嫌だと言ったら?」
「......ダヨネー」

呻く青年に怪しい笑みを向けながら、まだ天井に向かってそそり立っている肉棒の上に移動するマッドハッター。
そして、先端を入口に当てて標準を定めると、一気に腰を下ろした。

「!!!!!!」
「おっ、おぉぉぉっ♥♥♥」

対面座位の体勢で、声すら出ない青年に、思わず抱きつくマッドハッター。
オープンになっている前面の胸部と腹部の肌が擦れ合う。

「はっ、はっ、はっ、はぁっ♥」


青年の肉棒を性的にかっ喰らい、口内にもディープキスで舌を突っ込み、一方的に蹂躙しているマッドハッターに対し、声すら出せず、貪られるだけで、全く応戦できない青年。
動いているのも、上に陣取っているマッドハッターだけであった。

それから数分経つと、青年の絶頂が近いらしく、ぴくっぴくっと体が痙攣し始める。
それに気づいたマッドハッターは妖艶な笑みを浮かべた。

「じゅるっ、ずろろっ、出すんだね? ボクの中に、とびっきりこぉ〜いのを出しちゃうんだね? いいよ......全部、マ○コで飲み干してあげるからね♥」

そして、再び青年の唇を奪い、口内に舌を差し込んだ。
その瞬間、青年の体が大きく跳ねた。

「〜〜〜〜〜〜ッ♥♥♥♥♥」

ビクンビクンビクンビクン....。

青年が、口で攻めていた時より膨大な精を注ぎ込むも、マッドハッターは腰を思いっきり押し付け、それを上回る勢いで膣で飲み干した。

絶頂が治まってくると、青年がうめき声に近い声を出す。

「おわ...り?」
「終わり? ナニを言っているんだい? こんなのただの準備運動だよ?」
「...............そう...」

その言葉を最後に、ガクッと頭を垂れる青年だった。
青年が気絶したことと、肉棒が依然と硬いままなのを確認すると、マッドハッターは青年の顔の汗をペロペロと舐め出した。
青年の顔が自分の唾液まみれになるほど汗を舐め尽くすと、物騒すぎるセリフを漏らした。

「さぁて、塩分も補給したことだし、個室にちなんで、あと44ラウンドやろうかな。私たちが魔物娘な以上、死なないだろうしね」

そう言って、マッドハッターは再び腰を上下に振り出すのだった...。






最近のレスカティエは、だいたいこんな感じである。
トイレに連れ込まれたが最後、1晩は出てこれないだろう。

そして、トイレマークすら変わってしまい、いざやってきた男が唖然とする珍事も起こっている。
そのトイレマークというのが......比較のために、以前のマークもどうぞ。
聞いて驚け、見て笑え。



......どうだろうか?
言いたいことはさまざまあるが、最近のレスカティエの共用トイレ事情は、トイレマークすら一変させてしまったのである。

恐るべし魔物娘。
そして、このトイレシステムは、よその親魔領でも流行りつつあるというのだから恐ろしい。

ぜひ、レスカティエ、ならびに親魔領を訪れる方は、これを頭に入れておいて欲しい。
では、旅行に行く際のご無事を祈る。
15/10/30 18:21更新 / 妖怪人間ボム

■作者メッセージ
ドーモ、妖怪人間ボムです。

またまたネジが外れた出来になってしまいました、とほほ。
そして、初の挿絵付き。
2時間クオリティです(長いでしょ、絵心が無いのよ...)。

私の地元の、公共施設のトイレマークを見て思いついたのですが、ホントーにしょーもない思考回路してるなと、自分に呆れてもいます。
...どうしよう?

そろそろ、あとがきもここまでにして、ここらで退散しようと思います。
次回もよろしくお願いします。
それでは〜。

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