――スマートフォンの内カメラに男性の顔が写り、朗らかな表情で説明を始める。行方不明であるこの男性は、この時点では興奮してはいるが正常である。周囲は暗く、キャンプ用品のLEDランタンがかろうじて男性の周辺を照らしていた。

　えーと、十月三日、土曜日。あ、こういう記録って年も言ったほうがいいのかな？2016年ね、今。
　俺はいま、ゲインヴィル街道近くの地下墓地に来ています。撮影許可取ってるからね、一応。
　なんでこんなかび臭いところにいるかっていうと、どうも地下墓地の地図に載ってない空間を見つけてしまったわけですよ。それが歴史的発見だった際に俺が見つけたっていう証拠になればな、と思って。墓守さんが言うには、この地下墓地は数百年前からあるらしいし、お宝ありそうだよね。
　というわけなので、さっそくその場所へ向かっていきたいと思います。

――外カメラに切り替わり、左右に並べられた小さな棺桶用シャッターから、近代的に改装された地下墓地であることが窺える。天井には等間隔に電球が吊り下げられているが、点灯されていない。床は木材で舗装されており、歩きやすそうに見える。映像はしばらく地下墓地内を進むのみで進行し、まだ目立った異変は見受けられない。男性は間を持たせるために身の上話を始める。声色からは興奮を隠しきれておらず、冷静ではない。

　それで、俺がなんでこんなところの隠し部屋を見つけられたかって話ですけどね。
　仕事の関係でこの辺に引っ越してきて、何か観光しておくと良い場所はあるかなってツイッターで呟いてみたんですよ。そしたらオカルトが好きなやつが、地下墓地あるじゃん探検してきて、なんてリプライよこしてきて。俺もホラーは嫌いじゃないし、試しに行ったわけです。
　まあ、当たり前ですけど何もなかったですね。ここって地元の人が普通に利用する墓地なので、ちゃんと管理されてますから。スケルトンとかゾンビが歩いてたら、こんな墓地でも遊園地なみの人気になりそうなんですけどね。それとも世界がゾンビによって滅亡する方が先か。ハハハ。
　でもね、見て回って何も無しか、って落胆してる時だったんですよ。地図持ちながら歩いてたから、自分がいるだいたいの位置は把握できてたんです。ふと横を見ると、階段がありましてね。もう一階下があるのか、と地図を見てみると、どこにもそれらしきことが書かれてない。
　ピンと来ましたね、これは隠し部屋だって。従業員用の作業部屋とか、渡された地図が古かったとか、そういう可能性もありますけど、そんなの夢がないでしょ。
　それに、墓守さんに聞いてみても、階段なんて見た覚えがないとのことで。この地下墓地は横に広がってるものなので、もし下があって隠されてたとしたなら、過去の貴族とかが秘密裏に設けた宝箱の可能性だってありますでしょう。呪われそうだったら、まあ、帰ります。
　さて、そろそろ見えてくるかな？あの辺りだったと思うんだけど……。

――男がランタンを前にかざすと、僅かに横道が確認できる。これまで隙間なく配置されていた棺桶用シェルターや、等間隔に電線で繋がれた電球、舗装された床は、横道の周囲だけ存在しない。まるで横道が無理やりこの場所に割り込んで作られたかのような、違和感のある風景だ。男は迷わず来れたことに安堵し、違和感に気づいた様子はない。

　良かった。アレです。生きて帰ってこられることを祈って、行ってみましょう。

――横道の前に到着すると、男性が述べた通り下へ向かう階段があった。階段の先はランタンの光が届かず、近代的な様相も見受けられない。壁面と床の材質は砂利と土。階段は石で作られておらず、同じく砂利と土によって成されていたが、男性が一歩踏み出しても崩れる様子はなく、非常にしっかりした作りになっていた。男性には、先へ進むことへの躊躇いなどは見受けられない。

　ちょっと暗いですね。このランタン、けっこう高かったんですけど、稼働時間も光の強さもお値段相応だと評判だったので買ったんですよ。それでも先が見えないってなると、かなり下るのかな？
　ともかく行ってみるしかありませんね。あんまり長いようなら、アップロードする際にカットか倍速の編集しておきます。まあ、長くてもせいぜい十分程度でしょう。

――転げ落ちないように注意はしつつも、駆け足気味で一段ずつ下っていく。階段を下り始めて五分ほど経過すると、男性が小声で不満を呟き始める。八分時点で苛立ち始め、十三分時点で独り言は一般的な話し声にまで大きくなり、その内容は全て階段の長さに対する鬱憤だった。しかし二十分経過すると唐突に階段が終了し、開けた空間に到達した。男性は未だに苛立ちが残っているらしく、他人に見せるために取り繕っていた丁寧な言葉遣いは消え失せていた。

　やっと階段が終わった……。なんだ、ここ。変な臭いがするな。生肉とチョコレートを混ぜ合わせたみたいな……上手く言葉に表しにくい臭いだ。かび臭い感じはしないね。
　こんな広い空間、お宝は眠ってそうにないけど……うわ、なんだ？なんだこの場所は。

――カメラが男性の足元に向く。足場が白い布のような一本の線しかなく、それ以外にランタンの光が照らすものはない。僅かに下方から風が唸る音が聞こえ、足場から踏み外した場合は助からないことが察せられる。男性は動揺したように呻くが、奥へ誘引されているかのように足を進める。

　……おい、おいおい。これはかなりやばいんじゃないか。この下、十フィートだって見えないぞ。落ちたら死ぬだろ。勘弁してくれよ。死なないとしても、落ちたら上がれそうにないし。
　いや、でも、インディ・ジョーンズみたいだよな。こういう危険な道の先にお宝がある、とか。少なくとも、転がってくる岩から走って逃げるってのに比べたら、まだマシな方だろ。これなら気をつけて歩いてれば落ちることはなさそうだし、いざとなったら芋虫みたいに這いずる。
　それに、クソ長い階段昇り降りするだけで終わりってのは徒労すぎる。なにか持ち帰るものが一つ二つないと、苛々が収まらねえ。イーベイで高値で売ってやる。

――慎重な足取りで布のような道を進んでいく。足場としては頼りないが、男性が乗った程度では揺らぎもしないこの布は、未知の技術で形作られているとしか思えない。そうして三分間進むと、周囲にも同じ足場が見えてくる。どうやら男性が乗っている足場と向かう方向も同じようだった。更に二分経過すると、足場と足場を繋ぐように布の足場が生えているのが見えた。それと同時に、小さな人影がランタンの光によって浮かび上がる。男性はそれに驚くが、尚も足を止めない。

　うわっ！な、なんだと？え、女の子か、あれ……？なんでこんなところに？
　ちょ、ちょっと！おーい、きみ！

――男性が呼びかけると、ゆっくりと少女が振り向く。近づいたことで少女の全身像が確認できるようになる。腕部と脚部を黒い布で覆う以外は、一糸まとわぬ裸姿だった。黒紫の長髪の下にある幼くも屹然とした目つきは男性を鋭く睨みつけており、警戒していることを隠さない。男性は困惑しつつも歩み寄っていき、七フィートほどの距離を空けて立ち止まり、会話を試みようとする。

　ね、ねえ、きみ。こんなところで何してるの？お父さんやお母さんは？ていうか、なんで裸なの？寒くないかな？

「……うるさい。あんた誰。なに向けてんのよ、それ。気持ち悪い。急に私の棲家に来て、私の裸がどうこうって、押し入りロリコンレイプ魔でしょあんた。優しく話しかけて油断したところで襲うつもりなんでしょ。出てってよ、最悪。私はあんたほど暇じゃないのよ」

――矢継ぎ早に男性を詰る少女の言葉に、男性は予想もしていなかった反応でしばし硬直する。少女の言葉からは敵意のみならず、男性が侵入したことによるストレスも含まれていた。男性が返答しないことに更に苛立ったのか、続け様に少女は男性に罵声を浴びせる。

「なにか言いなさいよ、ド変態のロリコン。私の身体を舐め回すように見て、どうやってレイプするか頭の中で考えてるわけ？最低の人間ね。それとも、私がこうやってあんたを最低だクズだって言うとは思わなくて、急に黙ったのってヘタレてるから？そうよね。あんたみたいなのって、小さい子は自分でも手篭めにできると思ってるからレイプしようとするんでしょ。本当最低ね」

――ひとしきり男性に罵詈雑言を叩きつけ、若干満足したのか、嘲笑するように頬を歪める少女。それに対して男性は、スマートフォンを持ち直し、少女に一歩近づく。声色に怒りが滲んでいる。

　あんまり大人をなめんなよ、クソガキ。躾もされたことないんなら、俺がしてやるよ。

「やってみなさいよ、ヘタレ。ちっとも怖くないわ。なにしろ、こんな小さな女の子にバカにされて怒るような大人ですものね。器の小ささが見て取れるのよ。本当に最低のクズよね」

――男性はスマートフォンを持っていない方の拳を振り上げ、少女の顔面に向けて殴ろうとしたが、それを少女はひらりと避ける。それどころか反撃にまで転じ、男性の腕に噛み付く。痛みに慌てた男性は腕を振り、少女を引き剥がす。幸いにも血は出ていないようだが、男性は噛まれた部分を抑えて蹲ったようで、画面が男性の影で暗転する。

　いてぇっ、クソガキッ、うおお痛えクソッ！

「あはは、いい気味だわ。どう、あんたの言うクソガキに手玉に取られる気分は。これで充分、あんたへの躾になったかしら？これに懲りたらさっさと出ていって。私にはアトラク=ナクアとしての仕事があるの、あんたにいつまでも付き合ってらんないのよ」

――男性は僅かに身を起こし、カメラは男性を見下ろす少女を捉える。男性の息は荒く、憤慨、欲情、恥などの様々な感情が吹き荒れていることが想像できる。

　……わかったよ。

「わかった？なら早く立って、出てって。邪魔なの」

　……お前がそんなにしてほしいっつーなら、犯してやるよッ！

「きゃあっ！？」

――男性が少女に素早く飛び掛かり、髪を掴んで押し倒した。いつの間にか露出して硬く勃起させていた男性器を少女の顔に近づける。

「嫌っ！離して！し、しまってよこんなもの！」

　うるせえ！裸で誘いやがって！お前が散々挑発するのが悪いんだぞ！クソがッ！

「んぐうっ！？おぶっ、んぶううぅ！」

――男性器を少女の口に強引に押し込み、少女が抵抗する間もなく腰を使って小さな口にピストンする。男性は明らかに理性と正気を失っており、ただ少女に挑発されたというだけでは説明がつかないほどに豹変している。付記事項として、男性にロリコンであったという記録や証拠もなく、失踪以前の性的指向は成熟した女性に向けられていた。

　ヘヘッ、チンポしゃぶってる顔は可愛いじゃねーかよ、嬢ちゃんよ！おら、ちゃんと咥えろ！歯ァ立てたらどうなるかわかってんだろうなァ！？

「ぐぶぅっ、んんんぅーーっ！んむっ、ぐす、んぐぅっ」

　黙って大人しくしてりゃあこんな目には合わなかったんだよ、わかったな？……お、おお？お前なんだ、チンポしゃぶらされてまんこ濡らしてんのか？

「んぅっ！？んっ、んんっ！」

――カメラが少女の股間に向けられ、一本の縦筋から粘性の強い液体が漏れ出していることが確かに映っている。少女は否定するように呻き声を上げるが、男性はこれを無視して少女の頭から手を離し、陰部の筋に指を這わせる。粘液が音を立て、男性の指を抵抗なく受け入れていく。

　指一本でもキツいな。さすがにこんな小さいとな。でも、だからって許さねえからな？いまお前がしゃぶってるものをここに入れるんだぞ？嬉しいだろ？

「んぅーっ！んんん！」

　ぐちょぐちょに濡れて準備オッケーだもんな？嬉しいよな。挿れてやるよ、大人のチンポで処女喪失なんて滅多にできることじゃないぞ！喜べよ！

――男性は少女から身体を離し、少女の身体をひっくり返してうつ伏せにさせ、抑えつける。少女は酸素を取り戻そうと呼吸をするのに必死で、抵抗は見られない。男性器が割れ目に押し当てられたことを察すると、少女は息を呑んで肩を震わせた。画面上には少女を抑えつける男性の腕も映っているが、先程少女から噛みつかれた部分がいつの間にか黒く膨らみ始めている。男性はそれに気づかず、息を荒げて少女の膣を亀頭で探り、やがて小さな侵入口を見つけた。

「はぁーっ……はぁーっ……ぁ♥」

　壊れんなよ。キンタマ空っぽになるまで犯し尽くしてやるからな。初潮迎えてなくても孕ませてやる。お前がこれから死ぬまでずっと忘れられないチンポの味を覚えさせてやる。いいな？

「はっ……は……♥」

　それじゃ……そらよッ！！

「ぅぎィっあ、ああぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞぁﾞ♥♥」

――男性が思い切り乱暴に突き込み挿れると、少女の膣は異常な伸縮性を見せ、明らかに入らないであろうはずの男性器を根本まで丸ごと咥え込んだ。その衝撃だけで少女は絶頂に達し、男性に丸ごと覆い被せられた全身を淫らに震わせる。

　うおおッ締め付けすげぇ！しかもこんな狭いのに痛くないぞ！名器じゃねえか！動かすぞ！

「まっ、イっ、ひィっ♥ 待、おおぉっ♥ ほっ、んおおおおおお♥♥」

――絶頂が続いたまま、少女の静止も虚しく、一方的な男性器による蹂躙が始まる。先程まで男性を詰っていた少女の声からは考えられないほど下品な喘ぎ声が漏れ、だらしなく舌を伸ばす。少女は快楽を素直に享受しており、男性を悦ばせようと緩やかに腰を左右に揺らしてさえ見せる。

「おッ♥ 奥ぅっ♥ ヤバいぃ♥ イグの、止まんないひィっ♥♥」

　やっぱり誘ってたんじゃねーかよッ！ロリビッチが！一生イキ続けろッ！アクメ顔しかできなくなれッ！死ぬまでロリまんこイキし続けろッ！！

「するぅッ♥♥ 死ぬまでイキまくるぅ♥♥ 大人チンポレイプもっとぉッ♥ アクメキメまくっちゃうからもっとッ、おおおおおおおおおおおッ♥♥」

　クソッ子宮が吸い付いてきやがる！生まれついてのビッチボディじゃねえかよ！出会って三秒でレイプされるためだけにロリまんこ丸出しだったんだろう！？

「そうなのぉッ♥♥ おちんぽでぐちゃぐちゃにされたすぎてっ、ずっとぉッ♥♥ 四六時中、ずぅーっとおまんこ丸出しでしたぁっ♥♥ はひィっ、またイクぅっ♥♥♥」

――男性の腕にある脈動する黒い膨らみから、人体に対する冒涜的な黒い染みが滲むように放たれていき、男性の腕全体、ひいては身体までもが黒い染みに染まっていく。男性はそれに対して何のリアクションもせず、がむしゃらに少女に男性器を叩きつける。自らの肉体の変化が視界に入っているはずの角度であるというのに、男性は少女しか見えていない。

　オラァっ、出すぞッ！一発目、処女子宮を精液タンクにしてやるッ！孕めよ！

「んおおおおっ♥♥ 出してぇ♥ 子宮溢れさせてっ♥♥ 着床アクメキメさせてぇッ♥♥」

　孕めッ！うおおおぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォオオオオオ――ッ！

「ぅぎゃっ、は、射精てるぅ♥♥ 中、ぁああ♥♥ んぎぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ♥♥♥」

――男性の全身が黒く染まり、泡立ち、脈動し、腕や足から赤く丸い瞳が瞼を開いていく。少女の膣に挿入された男性器は夥しい量の精液を射精しながら、数条の切れ込みが走り、やがて触手のような形状に変化する。そこまでカメラが捉えたところで、スマートフォンは男性の手から離れ、足場に転がる。カメラは今や、股の間から白濁した液体を垂れ流す少女を、尋常ならざる動きをする幾本もの触手によって磔にしようとしている、悍ましく凶々しい蜘蛛に似た四本足の生物を映し出し、男性の姿はどこにも見当たらなかった。四本足の蜘蛛からぎしぎしとひび割れたような声が発せられ、少女へと囁く。

　ああ、ああ……最高の名器だ、お前は。一発だけじゃ、到底満足できない。口も、尻も、手も足も、お前の全てを犯し尽くしてやる……。

――少女の返事を待たずして、四本足の蜘蛛は触手を動かし始める。少女はそれを、淫靡に蕩けた少女らしからぬだらしない笑顔で受け入れ、無様な喘ぎ声を持って歓喜していた。スマートフォンは、四本足の蜘蛛と少女の狂おしく慄然たる交わりを、数時間に渡って撮影し続け――電源が途絶えるまで、少女のくぐもった嬌声と四本足の蜘蛛のぎしぎしとひび割れたような囁きは続いた。