*Everlasting*
「ただいまーっ」
玄関の扉が勢いよく開く音と共に、元気のある少女の声が部屋に響き渡る。ワンルームマンションの短い廊下をぱたぱたと体重の軽い足音が移動し、室内灯で明るいリビング兼寝室の中へ走りこんでくる。時計を横目で確認。午後八時を少し過ぎた辺りだ。
彼女におかえりと言葉を返す暇もなく、小さな手提げかばんを抱えた彼女は椅子に座っているこちらへと抱きついてきた。身長が足りないために、半ばよじ登るようにして身を乗り出してくるのが微笑ましく愛おしい。同時に香ってくる、彼女の甘い汗の匂いも。
「あのね、あのねっ。いっぱいお菓子貰えたよー!」
「悪戯した?」
「みんなお菓子くれたー。いたずらできなかった」
「そっかそっか、よかったね」
「うんっ、えへへ」
百円ショップで買った安い魔女帽子と彼女のお気に入りの黒いケープが合わされば、思わずお菓子をあげたくなるに決まってる。なんてったって、今日はハロウィンなんだから。
彼女は暗赤色の尻尾をくねらせて得意顔のまま、手に持っているかばんを開いて中のものを手に取り、一つ一つの戦利品を机へと並べていく。スーパーで売っているチョコやクッキーが多く、例外なのはかわいくラッピングされた手作りのマフィンが一つ、ビニールラップで包まれていて飾り気がないが見た目はすごく美味しそうなシフォンケーキのピースが一つ。
「こっちのはね、デーモンのはなちゃんのお母さんだった。こっちがリッチのしろちゃんのお母さん」
「ああ、友だちのお母さんかー」
「うん! すっごく美人なんだよー」
まるで自分のことのように自慢し、これらのお菓子をビニール袋に纏める彼女。夜におやつを食べないという自制がきちんと出来る良い子だ。纏めて引っ張り出せるようにビニール袋に入れるところもお利口さんで可愛らしい。
お菓子を纏めた袋を家の小さい冷蔵庫に入れ、魔女帽子を脱いでその辺に置き、ケープを脱いでもらう。控えめなキャミソールとショーツだけの姿になった彼女からケープを受け取り、ハンガーにかける。クリーニングに出さないとな。
「お風呂はー?」
「湧いてるよ」
「じゃ、入ろ!」
くいくいとこちらの服の裾を引っ張ってくる彼女。この仕草をされると、どうにも拒否する気になれない。元より拒否するつもりなんて更々ないとはいえ。
物入れから換えの下着とパジャマと籠と二人分のバスタオルを出し、浴室前のキッチンに向かう。まだ冬に入る前なので、玄関扉から漏れ入ってくる隙間風の寒さもそこまでじゃない。今年の暖房代はどうなるだろう。
先に彼女の下着を脱がしてあげて、暖かい浴室内へ入れてやる。下着姿のままは寒いだろうし、風邪を引かれるとこっちがいろいろと困る。
「お先にーっ」
「はいはい。ちゃんと先に身体洗うんだよ」
それだけ言って、浴室の扉を閉める。こちらも服を脱ぐ前に少しだけ、彼女の汗を一日中吸った女児サイズのキャミソールを鼻まで持っていく。ちょっと鼻呼吸するだけで、肺に桃のような匂いが満ちていく。甘く酸っぱい匂い。アリスというサキュバス種の魔物娘の代謝の匂い。夫と認めた男だけを誘惑し発情させ勃起させるためだけに放たれる、アリスのフェロモン。それに抗えない自分も自分だ。
だが、これでオナニーするのは無駄だ。痛いほどにズボンを押し上げているモノを気にしないようにしながらキャミソールを籠の中に入れ、自分も服を脱いでいく。二人分の脱いだ服の上にバスタオルを被せ、浴室の扉の傍に籠を下ろす。
情けなくギンギンに勃起させたまま浴室内に入り、彼女の視線を気にしてない振りをしてシャワーを掴む。
「入ってまーす」
「知ってまーす。お湯、熱くない?」
「うん、ちょうどいいよー。極楽極楽」
「そういうの、どこで覚えてくるの……?」
「んーと、テレビ?」
旅番組とかだろうか。やたら温泉を紹介する番組多いし。
シャワーで一通り身体を流したあと、頭と身体を洗う。彼女は真似をして物事を覚えていくので、できるだけ自分の身体を洗う時は丁寧にやる。最も、彼女の視線は股間にしか行ってないみたいだが。
無意識なんだろう。彼女は性的な知識は全く無いし、一夜寝れば性知識も処女性もリセットされる体質だ。どうあっても彼女の純真さは失われることがない。けれど、同時にサキュバスの一種でもある。男の精液を糧にするし、そのために男を誘惑する。魔物娘らしく、夫と見定めた相手がいればその者のために身体を作り変えていく。
その上、彼女は成長することがない。一年もあれば少女としての成長は至る所に出てくるはずなのに、いつまでも彼女の身体は出会った時のままだ。おそらくは精神性すらも少女のまま、この先ずっと生きていくのだろう。周りの同世代であるはずの子どもたちも、魔物娘の子どもですらも彼女を追い抜かしていく。彼女は置いてけぼりになる。
だというのに、彼女はどこまでも少女だ。健気に世の中を歩き、快活に遊び、朗らかに笑い、いずれ自分を置いていくであろう友達を作っていく。一日一日を大切に、全力で生きている。
自分は、そんな彼女がたまらなく愛おしい。保護者として、夫として、彼女の友達の一人として、彼女のことを守ってやりたい。彼女が友達の背中を見送ることしかできないなら、自分だけでも彼女の隣にいてあげたい。彼女の涙を見た時からずっと、この思いは一生変わらない。
魔物娘である淫魔の突然変異種族、アリス。言葉通りの罪作りな生物だ。
「あ、また髪の毛結ってない。せっかく綺麗な髪なんだから、湯船につけちゃダメだって」
「えー、やだー。平気だよ平気」
「平気じゃないって。髪の毛傷んじゃうよ」
「若いから平気だもーん」
身体を洗い終えて浴槽を見れば、彼女がブロンドの長い髪を湯船の中にじゃぶじゃぶ浸けていた。いくら愛おしいと言っても、いけないことをしていれば叱る。もちろん叱るだけじゃなく、ちゃんと正してやるのも忘れない。
シャンプーの近くに置いておいた簡素なヘアピンとヘアクリップを手に取り、彼女の髪を掬いあげて巻き、湯船に浸からないように留める。濡れてサラサラと流れる金髪は艷があって良いが、しかし湯船に浸かるのは見過ごせない。
かきあげられて自由になった尖り耳をピコピコ動かしながら、どこか彼女はご満悦そうである。
「はい、これでよし。これは自分でもできるでしょ」
「ね、かわいい?」
「そりゃあかわいいよ、ずっと」
「そお? えへへへ」
嬉しそうに笑う彼女を見ながら、こちらも浴槽に入る。ざぶりと若干浴槽から湯が溢れるが、気にせず身体を浴槽に預ける。浴室も浴槽も小さく狭いが、彼女と一緒に浸かる程度ならできる。
それに、例え狭くとも風呂が暖かく心地よいのは変わらない。ほう、と安堵の息が出る。
「極楽?」
「極楽。あんまり長く浸かってるとのぼせるよ」
「大丈夫ー。若いから」
「気に入ったの、それ」
「若いもんねー」
裸の彼女を視界に収めないように上を向きながら、彼女に返答する。こういうやり取りも慣れた。夜毎に彼女はどんどんサキュバスとしての魅力が増していて、彼女の魔力にこちらの身体も影響されてきている。だからこそ、無自覚な彼女に責任転嫁せず自分で節度を持たなくちゃいけない。風呂でそういうことするとパイプが詰まるらしいし、ちょっとの辛抱だ。
もしこの先、彼女の近くにいるだけで自制心が働かなくなるほどに彼女の力が増したら、どうなってしまうのだろうか。たぶん、このワンルームを引き払って魔界に向かわないといけなくなるだろう。魔界なら欲に溺れた二人を受け入れてくれる。でもそれまでは、彼女には一般社会で遊んでいてほしい。その日にあったことを楽しげに話してほしい。確証はないけど、彼女のためになることだと思う。
何より、彼女のそういうところが好きなんだ。
☆
彼女を前に抱えながら、二人でベッドに座ってテレビを眺めて。
風呂には入った、歯も磨いた、髪も乾かした、ついでにトイレにも行かせた。時間的に彼女はもう眠そうで、少しぼーっとしている様子。彼女の髪の毛から立ち上ってくる、シャンプーと混ざってフレグランスになった彼女の匂い。さっきからずっと堪能していたけれど、彼女は気づいていない。
布越しの彼女の尻に押し当てている勃起したソレは、いい加減我慢の限界が近い。彼女に弄くらせたい。彼女に挿入したい。小さくて純粋で淫乱で無垢な彼女に欲望の限りをぶつけたい。
自分はロリコンなのかと思ったけれど、知り合いのサキュバスさんが言うには魅了の魔法が放たれているだけなのだそうだ。だからロリコンではなくとも、ロリコンのように性的対象を捻じ曲げることができる。それがアリスという魔物娘の特徴。
彼女に出会うまでは、彼女のような少女に欲望が向くことはなかった。そして今も、彼女以外の少女に欲望は向かない。無意識に魅了してくる彼女は、気に入った人以外には魅了をしない。そういうもの、だそうだ。
サキュバスとしてのスイッチが入れば、寝るまでは本性を思い出す。そのスイッチを入れる方法も、彼女と一緒に暮らしているのだからとっくにお手の物だ。
「そういえば」
「んー?」
「俺、まだハロウィンのお菓子あげてなかったよね」
「あー! そういえばそうだ。んー、着替える?」
「いいよ、このままで」
「そう? じゃあ、トリックオアトリート!」
ベッドから降りて、真正面からお決まりのセリフを言ってくる。両手を上げてがおーと言いながら、可愛らしい威圧だ。和みながらも、することは変わらない。
彼女の頭に手を添えて顔を引き寄せ、
「んむっ!? ん、ちゅ……♥」
淫魔としての彼女が目を覚ますには、粘膜への性的な刺激があればいい。彼女の小ぶりな唇に口を付け、舌を挿し入れて彼女の舌に絡ませる。それだけで、途端に彼女の雰囲気が一変する。
当然ながら驚いた彼女はびくりと身体を震わせるが、すぐにこちらへしなだれかかってくる。舌を絡め返してきながら、白く細い両手がこちらの頬をそっと包んでくる。
こちらの手は彼女の頭から離し、背中を伝って羽根を迂回し、臀部へ到達する。綿生地の無地のパジャマの上から、両手で収まる程度の未発達の尻を優しく撫で回す。脂肪が少ないために柔らかくはないが、弾力があるために撫でるとその方向へ尻肉が引っ張られていくのが楽しい。
「んっ、ふ、ちゅる……♥ ん……ふぅ……♥」
彼女の口内に侵入させた舌をなされるがままにしながら、尻への愛撫を続ける。徐々に頬に赤みが差して、鼻息が荒くなっていく。純真で快活で朗らかだった少女の目から、淫欲と愛欲と精搾取に生きる淫魔の目に変貌していく。
尻尾のフック状になった部分を活かし、器用に動かしてこちらのズボンをずり下げてくる。抵抗はしない。むしろ、尻を浮かして脱がせやすいようにしてやる。
こちらも彼女のズボンを掴み、下げていく。
「ちゅぅ……、はぁ♥ これ、悪戯?」
「お望み通り、"犯し"てあげようと思って」
「山田くん座布団全部持ってっちゃって」
「手厳しいな」
ズボンもショーツも脱がせると、未成熟故にぷっくりとそこだけ浮かんでいる一筋の割れ目から粘性の液体が出ていることに気づく。キスだけで愛液をびちゃびちゃに漏らしてるんだ。公園で友達と鬼ごっこして遊ぶ程度の外見年齢なのに。そんな子をここまで淫らにさせたのは自分だが。
右手を膣に持っていき、愛液を中指で掬いながら筋に沿って撫でていく。たぶん慣らす必要はないが、これも気分を盛り上げる儀式の一つみたいなものだ。
「あっ……あ、うぅっ♥ んんぅ♥」
ぷにぷにと柔らかい線を、ぬるぬるの潤滑剤がたっぷり塗られた中指で往復する。土手を掻き分けたり、自己主張するクリトリスを轢いたり。それだけで少女の身体がぶるりと快感にわななく。
小さい体で一身に快楽を享受する背徳的な姿に対して、興奮しないと言ったら嘘になる。もっと気持ちよくなってほしい。何もかも忘れるほどに。もっともっと求めてほしい。自分以外が見えなくなるように。
「はぁ♥ うくぅ……♥ あのね、おなか……♥ おなかの奥、うずうずするぅ……♥」
「じゃあ、もう、いいかな……」
先ほどまで無邪気に微笑んでいた、幼いながらも整えられた女児の顔立ち。それが今や、昂ぶる性欲を快楽に変えて狂いたがる、歪んだ淫魔の艶やかな笑みを見せている。
脈動に合わせて震えている怒張した陰茎を、尻尾で愛おしそうに撫で回してくる。理性の部分では性的な知識はない。けれど、もう身体がちんぽの味を覚えているんだろう。
彼女の腰を掴み、ベッドへ引き寄せる。こちらが座った状態のまま、向い合せでベッドの上に膝を置いてもらう。
「ね、すごい、ドキドキしてる……♥」
「俺もだよ。深呼吸して」
「ん♥ すぅー、はぁー……っ」
竿を指で掴み、腰を浮かせている彼女の割れ目に宛がう。入り口を探すために亀頭で筋をなぞり、即座に亀頭の先が埋まる場所を見つける。
「はぁ、そこぉ……♥ そこの、奥……♥」
「深呼吸。吸ってー、吐いてー」
「すぅーっ、はぁぁー……」
両手で彼女の腰を掴み直し、十分に彼女が深呼吸できたことを認めると、歯を噛み締めながら一思いに腰を下ろさせる。
「すぅーっ、は、ああ゛ぁぅっ!?♥♥」
「――、く」
いつものことながら、ぎちぎちと圧の強い幼膣肉が陰茎に殺到してくる。腰と腰が密着するほどに膣内へ捩じ込んで、数センチほど肉の壁を押し上げた感触に凄まじい征服感と快楽信号が生まれる。
彼女の方はといえば、腰をがくがく揺らしながらだらしなく全身を弛緩させてよだれまで垂らしている。たった一突きで絶頂したんだ。少女がしてはいけないような浅ましくいやらしく緩んだ相貌に、邪悪な笑みさえ浮かんでくる。
「は、ひ……♥ く、ふ♥ はぁ……ふぅ♥」
こっちはまだイってない。体重を預けてきてくれている彼女が息も絶え絶えになってることを無視して、彼女の腰を掴んだまま、物のように上下させる。
「ぁ、ぅ……♥ ん、あ゛!?♥ や、んお゛っ♥♥ まっ、ん゛ひいいっ♥♥」
「舌、噛まないようにな……!」
「んぎゅう♥ まって、はひい゛♥ しゅごっ、もぉ、んぐうう♥♥」
お構いなしだ。さながらオナホールのように、こっちの都合だけで彼女の腰を上下させる。弛緩と収縮を痙攣のように繰り返しながら陰茎の形を覚えようとしている幼女膣に、何度もストロークを重ねる。
彼女は抵抗する力も、意思も放棄している。こちらの首の後ろに両腕をまわし、ずり落ちないようにするのがせいぜいだ。それだけ彼女の性感帯は敏感で、ちんぽに弱い。深呼吸を促していたのも、快感に素直に喘ぐせいですぐに酸欠になるからだ。
「り゛ゃめ♥♥ むり、ひぃ゛♥♥ おなか、おっ♥♥ も、わがんないよぉ♥♥♥」
普段はもっと優しくピストンしてはいるが、こうして無理やり乱暴にするのも悪くない。陰茎から脳髄まで引きずり出そうと食いついてくる強い締まりに、すぐに射精しないよう歯を食いしばって耐える。彼女に余裕が無いのと同じように、こっちも必死で射精を我慢している。
「ぎひいっ♥♥ こわへるぅ♥ からだ、バラバラになっちゃうぅ♥♥ んぐっ、くひぃ♥♥」
獣のような喘ぎ声を上げながら、ピストンの往路復路それぞれで敏感に身体を跳ねさせている。ここまで激しく腕力だけで持ち上げているのに、彼女の軽い身体のおかげでまだまだオナホピストンできそうではある。その前に射精欲求が耐え切れなくなるが。
鼻で深呼吸しながら歯を食いしばりながら、彼女の乱れる姿を間近で見られる優越感。きっとこの姿は彼女の友達には見せられない。ひどいよがり方だ。これは自分だけのもの。独占欲すら満たしてくれる、魅力的な少女。
隙間が生じることなど許さないというくらいに、膣肉が陰茎に密着してくる。スポンジのように愛液をしみ出させている壁襞は幼く未発達ながら、むしろ未発達だからこその弾力が肉棒ブラッシングを重ねてくる。
「お゛ぉっ♥♥ んぎっ♥♥ すきっ♥♥ こりぇへ、しゅきぃっ♥♥ ばかにぃ、ひ、なりゅぅ♥♥」
「く、やば――」
「きゅんきゅん、とまんにゃ、んう゛う゛♥♥ ふぎっ♥♥」
彼女の両足と尻尾がこっちの背中にまわされ、より密着してくる。彼女の喘ぎがより耳の近い場所で発され、ますます気分が昂ぶってくる。それはもう、射精したくて仕方がなくてピストンを強めるほどに。
腰の奥から熱いものがどんどんせり上がってくる。射精への先触れのように陰茎がびくびく跳ね、ぎゅうぎゅうと締め付けて離さないアリス膣の中をひっかき回す。もう、限界だ――!
ぷつんと臨界点に達した奇妙な実感とともに、彼女の最奥に亀頭を思い切り叩きつける。
「う、お……!!」
「んぎゃああっ♥♥♥ おくっ、ぉ、お゛、〜〜〜〜〜〜〜っ!!♥♥」
ピストンが乱暴なら、射精の勢いも凶暴だった。すかさずこちらの亀頭にかみついてきた子宮に、暴力的な吐精。背筋から指の末端まで焦げ付くような快楽神経の電流。陰嚢の中身が全て出ていくのではないかと思ってしまうくらい、射精が止まらない。
彼女はいやいやと頭を振り乱しながら身体を丸め、全身を激しく震わせて絶頂している。事前にトイレしていなければ、ここで快楽失禁していただろう。
脳内の幸福アドレナリンによって永遠のように引き伸ばされた数秒間の射精が終わり、彼女の痙攣も弱まってくる。
「は、ぁ♥ う♥ ん、ふぅ、うう♥♥」
「……」
もう少し落ち着くまで、頭を撫でてあげながら待ってやる。まだまだ、愚息は硬さを保ってる。彼女の魔力の影響だ。回復も、精液の回復も早くなってる実感がある。
性感による紅潮で、彼女も自分も汗が出ている。風呂はいった意味ないよなぁと思いつつも、帰ってきた彼女はだいたいまず風呂を要求するから仕方ない。
そんなことを考えていると、こちらの肩口から頭を離す彼女。二回戦は優しくしてあげないといけないかな。焦点の定まらない目で見つめてくる彼女を見つめ返しながら、
「トリック、オア、トリート」
「……上等じゃねえか」
満身創痍でありながらも笑顔を淫靡に歪ませる彼女は、これを大層お気に召したようだった。
彼女の肩を掴み、ベッド上の毛布の上へ押し倒す。枕をひっつかんで彼女の腰の下に置いて、変わらず挑発的な笑顔を魅せつけてくる少女淫魔の膣口に戦闘態勢の陰茎をあてがう。
今日も長い夜になりそうだ。彼女と一緒のこれまでも、夜は長かった。きっと、これからも変わらない。
玄関の扉が勢いよく開く音と共に、元気のある少女の声が部屋に響き渡る。ワンルームマンションの短い廊下をぱたぱたと体重の軽い足音が移動し、室内灯で明るいリビング兼寝室の中へ走りこんでくる。時計を横目で確認。午後八時を少し過ぎた辺りだ。
彼女におかえりと言葉を返す暇もなく、小さな手提げかばんを抱えた彼女は椅子に座っているこちらへと抱きついてきた。身長が足りないために、半ばよじ登るようにして身を乗り出してくるのが微笑ましく愛おしい。同時に香ってくる、彼女の甘い汗の匂いも。
「あのね、あのねっ。いっぱいお菓子貰えたよー!」
「悪戯した?」
「みんなお菓子くれたー。いたずらできなかった」
「そっかそっか、よかったね」
「うんっ、えへへ」
百円ショップで買った安い魔女帽子と彼女のお気に入りの黒いケープが合わされば、思わずお菓子をあげたくなるに決まってる。なんてったって、今日はハロウィンなんだから。
彼女は暗赤色の尻尾をくねらせて得意顔のまま、手に持っているかばんを開いて中のものを手に取り、一つ一つの戦利品を机へと並べていく。スーパーで売っているチョコやクッキーが多く、例外なのはかわいくラッピングされた手作りのマフィンが一つ、ビニールラップで包まれていて飾り気がないが見た目はすごく美味しそうなシフォンケーキのピースが一つ。
「こっちのはね、デーモンのはなちゃんのお母さんだった。こっちがリッチのしろちゃんのお母さん」
「ああ、友だちのお母さんかー」
「うん! すっごく美人なんだよー」
まるで自分のことのように自慢し、これらのお菓子をビニール袋に纏める彼女。夜におやつを食べないという自制がきちんと出来る良い子だ。纏めて引っ張り出せるようにビニール袋に入れるところもお利口さんで可愛らしい。
お菓子を纏めた袋を家の小さい冷蔵庫に入れ、魔女帽子を脱いでその辺に置き、ケープを脱いでもらう。控えめなキャミソールとショーツだけの姿になった彼女からケープを受け取り、ハンガーにかける。クリーニングに出さないとな。
「お風呂はー?」
「湧いてるよ」
「じゃ、入ろ!」
くいくいとこちらの服の裾を引っ張ってくる彼女。この仕草をされると、どうにも拒否する気になれない。元より拒否するつもりなんて更々ないとはいえ。
物入れから換えの下着とパジャマと籠と二人分のバスタオルを出し、浴室前のキッチンに向かう。まだ冬に入る前なので、玄関扉から漏れ入ってくる隙間風の寒さもそこまでじゃない。今年の暖房代はどうなるだろう。
先に彼女の下着を脱がしてあげて、暖かい浴室内へ入れてやる。下着姿のままは寒いだろうし、風邪を引かれるとこっちがいろいろと困る。
「お先にーっ」
「はいはい。ちゃんと先に身体洗うんだよ」
それだけ言って、浴室の扉を閉める。こちらも服を脱ぐ前に少しだけ、彼女の汗を一日中吸った女児サイズのキャミソールを鼻まで持っていく。ちょっと鼻呼吸するだけで、肺に桃のような匂いが満ちていく。甘く酸っぱい匂い。アリスというサキュバス種の魔物娘の代謝の匂い。夫と認めた男だけを誘惑し発情させ勃起させるためだけに放たれる、アリスのフェロモン。それに抗えない自分も自分だ。
だが、これでオナニーするのは無駄だ。痛いほどにズボンを押し上げているモノを気にしないようにしながらキャミソールを籠の中に入れ、自分も服を脱いでいく。二人分の脱いだ服の上にバスタオルを被せ、浴室の扉の傍に籠を下ろす。
情けなくギンギンに勃起させたまま浴室内に入り、彼女の視線を気にしてない振りをしてシャワーを掴む。
「入ってまーす」
「知ってまーす。お湯、熱くない?」
「うん、ちょうどいいよー。極楽極楽」
「そういうの、どこで覚えてくるの……?」
「んーと、テレビ?」
旅番組とかだろうか。やたら温泉を紹介する番組多いし。
シャワーで一通り身体を流したあと、頭と身体を洗う。彼女は真似をして物事を覚えていくので、できるだけ自分の身体を洗う時は丁寧にやる。最も、彼女の視線は股間にしか行ってないみたいだが。
無意識なんだろう。彼女は性的な知識は全く無いし、一夜寝れば性知識も処女性もリセットされる体質だ。どうあっても彼女の純真さは失われることがない。けれど、同時にサキュバスの一種でもある。男の精液を糧にするし、そのために男を誘惑する。魔物娘らしく、夫と見定めた相手がいればその者のために身体を作り変えていく。
その上、彼女は成長することがない。一年もあれば少女としての成長は至る所に出てくるはずなのに、いつまでも彼女の身体は出会った時のままだ。おそらくは精神性すらも少女のまま、この先ずっと生きていくのだろう。周りの同世代であるはずの子どもたちも、魔物娘の子どもですらも彼女を追い抜かしていく。彼女は置いてけぼりになる。
だというのに、彼女はどこまでも少女だ。健気に世の中を歩き、快活に遊び、朗らかに笑い、いずれ自分を置いていくであろう友達を作っていく。一日一日を大切に、全力で生きている。
自分は、そんな彼女がたまらなく愛おしい。保護者として、夫として、彼女の友達の一人として、彼女のことを守ってやりたい。彼女が友達の背中を見送ることしかできないなら、自分だけでも彼女の隣にいてあげたい。彼女の涙を見た時からずっと、この思いは一生変わらない。
魔物娘である淫魔の突然変異種族、アリス。言葉通りの罪作りな生物だ。
「あ、また髪の毛結ってない。せっかく綺麗な髪なんだから、湯船につけちゃダメだって」
「えー、やだー。平気だよ平気」
「平気じゃないって。髪の毛傷んじゃうよ」
「若いから平気だもーん」
身体を洗い終えて浴槽を見れば、彼女がブロンドの長い髪を湯船の中にじゃぶじゃぶ浸けていた。いくら愛おしいと言っても、いけないことをしていれば叱る。もちろん叱るだけじゃなく、ちゃんと正してやるのも忘れない。
シャンプーの近くに置いておいた簡素なヘアピンとヘアクリップを手に取り、彼女の髪を掬いあげて巻き、湯船に浸からないように留める。濡れてサラサラと流れる金髪は艷があって良いが、しかし湯船に浸かるのは見過ごせない。
かきあげられて自由になった尖り耳をピコピコ動かしながら、どこか彼女はご満悦そうである。
「はい、これでよし。これは自分でもできるでしょ」
「ね、かわいい?」
「そりゃあかわいいよ、ずっと」
「そお? えへへへ」
嬉しそうに笑う彼女を見ながら、こちらも浴槽に入る。ざぶりと若干浴槽から湯が溢れるが、気にせず身体を浴槽に預ける。浴室も浴槽も小さく狭いが、彼女と一緒に浸かる程度ならできる。
それに、例え狭くとも風呂が暖かく心地よいのは変わらない。ほう、と安堵の息が出る。
「極楽?」
「極楽。あんまり長く浸かってるとのぼせるよ」
「大丈夫ー。若いから」
「気に入ったの、それ」
「若いもんねー」
裸の彼女を視界に収めないように上を向きながら、彼女に返答する。こういうやり取りも慣れた。夜毎に彼女はどんどんサキュバスとしての魅力が増していて、彼女の魔力にこちらの身体も影響されてきている。だからこそ、無自覚な彼女に責任転嫁せず自分で節度を持たなくちゃいけない。風呂でそういうことするとパイプが詰まるらしいし、ちょっとの辛抱だ。
もしこの先、彼女の近くにいるだけで自制心が働かなくなるほどに彼女の力が増したら、どうなってしまうのだろうか。たぶん、このワンルームを引き払って魔界に向かわないといけなくなるだろう。魔界なら欲に溺れた二人を受け入れてくれる。でもそれまでは、彼女には一般社会で遊んでいてほしい。その日にあったことを楽しげに話してほしい。確証はないけど、彼女のためになることだと思う。
何より、彼女のそういうところが好きなんだ。
☆
彼女を前に抱えながら、二人でベッドに座ってテレビを眺めて。
風呂には入った、歯も磨いた、髪も乾かした、ついでにトイレにも行かせた。時間的に彼女はもう眠そうで、少しぼーっとしている様子。彼女の髪の毛から立ち上ってくる、シャンプーと混ざってフレグランスになった彼女の匂い。さっきからずっと堪能していたけれど、彼女は気づいていない。
布越しの彼女の尻に押し当てている勃起したソレは、いい加減我慢の限界が近い。彼女に弄くらせたい。彼女に挿入したい。小さくて純粋で淫乱で無垢な彼女に欲望の限りをぶつけたい。
自分はロリコンなのかと思ったけれど、知り合いのサキュバスさんが言うには魅了の魔法が放たれているだけなのだそうだ。だからロリコンではなくとも、ロリコンのように性的対象を捻じ曲げることができる。それがアリスという魔物娘の特徴。
彼女に出会うまでは、彼女のような少女に欲望が向くことはなかった。そして今も、彼女以外の少女に欲望は向かない。無意識に魅了してくる彼女は、気に入った人以外には魅了をしない。そういうもの、だそうだ。
サキュバスとしてのスイッチが入れば、寝るまでは本性を思い出す。そのスイッチを入れる方法も、彼女と一緒に暮らしているのだからとっくにお手の物だ。
「そういえば」
「んー?」
「俺、まだハロウィンのお菓子あげてなかったよね」
「あー! そういえばそうだ。んー、着替える?」
「いいよ、このままで」
「そう? じゃあ、トリックオアトリート!」
ベッドから降りて、真正面からお決まりのセリフを言ってくる。両手を上げてがおーと言いながら、可愛らしい威圧だ。和みながらも、することは変わらない。
彼女の頭に手を添えて顔を引き寄せ、
「んむっ!? ん、ちゅ……♥」
淫魔としての彼女が目を覚ますには、粘膜への性的な刺激があればいい。彼女の小ぶりな唇に口を付け、舌を挿し入れて彼女の舌に絡ませる。それだけで、途端に彼女の雰囲気が一変する。
当然ながら驚いた彼女はびくりと身体を震わせるが、すぐにこちらへしなだれかかってくる。舌を絡め返してきながら、白く細い両手がこちらの頬をそっと包んでくる。
こちらの手は彼女の頭から離し、背中を伝って羽根を迂回し、臀部へ到達する。綿生地の無地のパジャマの上から、両手で収まる程度の未発達の尻を優しく撫で回す。脂肪が少ないために柔らかくはないが、弾力があるために撫でるとその方向へ尻肉が引っ張られていくのが楽しい。
「んっ、ふ、ちゅる……♥ ん……ふぅ……♥」
彼女の口内に侵入させた舌をなされるがままにしながら、尻への愛撫を続ける。徐々に頬に赤みが差して、鼻息が荒くなっていく。純真で快活で朗らかだった少女の目から、淫欲と愛欲と精搾取に生きる淫魔の目に変貌していく。
尻尾のフック状になった部分を活かし、器用に動かしてこちらのズボンをずり下げてくる。抵抗はしない。むしろ、尻を浮かして脱がせやすいようにしてやる。
こちらも彼女のズボンを掴み、下げていく。
「ちゅぅ……、はぁ♥ これ、悪戯?」
「お望み通り、"犯し"てあげようと思って」
「山田くん座布団全部持ってっちゃって」
「手厳しいな」
ズボンもショーツも脱がせると、未成熟故にぷっくりとそこだけ浮かんでいる一筋の割れ目から粘性の液体が出ていることに気づく。キスだけで愛液をびちゃびちゃに漏らしてるんだ。公園で友達と鬼ごっこして遊ぶ程度の外見年齢なのに。そんな子をここまで淫らにさせたのは自分だが。
右手を膣に持っていき、愛液を中指で掬いながら筋に沿って撫でていく。たぶん慣らす必要はないが、これも気分を盛り上げる儀式の一つみたいなものだ。
「あっ……あ、うぅっ♥ んんぅ♥」
ぷにぷにと柔らかい線を、ぬるぬるの潤滑剤がたっぷり塗られた中指で往復する。土手を掻き分けたり、自己主張するクリトリスを轢いたり。それだけで少女の身体がぶるりと快感にわななく。
小さい体で一身に快楽を享受する背徳的な姿に対して、興奮しないと言ったら嘘になる。もっと気持ちよくなってほしい。何もかも忘れるほどに。もっともっと求めてほしい。自分以外が見えなくなるように。
「はぁ♥ うくぅ……♥ あのね、おなか……♥ おなかの奥、うずうずするぅ……♥」
「じゃあ、もう、いいかな……」
先ほどまで無邪気に微笑んでいた、幼いながらも整えられた女児の顔立ち。それが今や、昂ぶる性欲を快楽に変えて狂いたがる、歪んだ淫魔の艶やかな笑みを見せている。
脈動に合わせて震えている怒張した陰茎を、尻尾で愛おしそうに撫で回してくる。理性の部分では性的な知識はない。けれど、もう身体がちんぽの味を覚えているんだろう。
彼女の腰を掴み、ベッドへ引き寄せる。こちらが座った状態のまま、向い合せでベッドの上に膝を置いてもらう。
「ね、すごい、ドキドキしてる……♥」
「俺もだよ。深呼吸して」
「ん♥ すぅー、はぁー……っ」
竿を指で掴み、腰を浮かせている彼女の割れ目に宛がう。入り口を探すために亀頭で筋をなぞり、即座に亀頭の先が埋まる場所を見つける。
「はぁ、そこぉ……♥ そこの、奥……♥」
「深呼吸。吸ってー、吐いてー」
「すぅーっ、はぁぁー……」
両手で彼女の腰を掴み直し、十分に彼女が深呼吸できたことを認めると、歯を噛み締めながら一思いに腰を下ろさせる。
「すぅーっ、は、ああ゛ぁぅっ!?♥♥」
「――、く」
いつものことながら、ぎちぎちと圧の強い幼膣肉が陰茎に殺到してくる。腰と腰が密着するほどに膣内へ捩じ込んで、数センチほど肉の壁を押し上げた感触に凄まじい征服感と快楽信号が生まれる。
彼女の方はといえば、腰をがくがく揺らしながらだらしなく全身を弛緩させてよだれまで垂らしている。たった一突きで絶頂したんだ。少女がしてはいけないような浅ましくいやらしく緩んだ相貌に、邪悪な笑みさえ浮かんでくる。
「は、ひ……♥ く、ふ♥ はぁ……ふぅ♥」
こっちはまだイってない。体重を預けてきてくれている彼女が息も絶え絶えになってることを無視して、彼女の腰を掴んだまま、物のように上下させる。
「ぁ、ぅ……♥ ん、あ゛!?♥ や、んお゛っ♥♥ まっ、ん゛ひいいっ♥♥」
「舌、噛まないようにな……!」
「んぎゅう♥ まって、はひい゛♥ しゅごっ、もぉ、んぐうう♥♥」
お構いなしだ。さながらオナホールのように、こっちの都合だけで彼女の腰を上下させる。弛緩と収縮を痙攣のように繰り返しながら陰茎の形を覚えようとしている幼女膣に、何度もストロークを重ねる。
彼女は抵抗する力も、意思も放棄している。こちらの首の後ろに両腕をまわし、ずり落ちないようにするのがせいぜいだ。それだけ彼女の性感帯は敏感で、ちんぽに弱い。深呼吸を促していたのも、快感に素直に喘ぐせいですぐに酸欠になるからだ。
「り゛ゃめ♥♥ むり、ひぃ゛♥♥ おなか、おっ♥♥ も、わがんないよぉ♥♥♥」
普段はもっと優しくピストンしてはいるが、こうして無理やり乱暴にするのも悪くない。陰茎から脳髄まで引きずり出そうと食いついてくる強い締まりに、すぐに射精しないよう歯を食いしばって耐える。彼女に余裕が無いのと同じように、こっちも必死で射精を我慢している。
「ぎひいっ♥♥ こわへるぅ♥ からだ、バラバラになっちゃうぅ♥♥ んぐっ、くひぃ♥♥」
獣のような喘ぎ声を上げながら、ピストンの往路復路それぞれで敏感に身体を跳ねさせている。ここまで激しく腕力だけで持ち上げているのに、彼女の軽い身体のおかげでまだまだオナホピストンできそうではある。その前に射精欲求が耐え切れなくなるが。
鼻で深呼吸しながら歯を食いしばりながら、彼女の乱れる姿を間近で見られる優越感。きっとこの姿は彼女の友達には見せられない。ひどいよがり方だ。これは自分だけのもの。独占欲すら満たしてくれる、魅力的な少女。
隙間が生じることなど許さないというくらいに、膣肉が陰茎に密着してくる。スポンジのように愛液をしみ出させている壁襞は幼く未発達ながら、むしろ未発達だからこその弾力が肉棒ブラッシングを重ねてくる。
「お゛ぉっ♥♥ んぎっ♥♥ すきっ♥♥ こりぇへ、しゅきぃっ♥♥ ばかにぃ、ひ、なりゅぅ♥♥」
「く、やば――」
「きゅんきゅん、とまんにゃ、んう゛う゛♥♥ ふぎっ♥♥」
彼女の両足と尻尾がこっちの背中にまわされ、より密着してくる。彼女の喘ぎがより耳の近い場所で発され、ますます気分が昂ぶってくる。それはもう、射精したくて仕方がなくてピストンを強めるほどに。
腰の奥から熱いものがどんどんせり上がってくる。射精への先触れのように陰茎がびくびく跳ね、ぎゅうぎゅうと締め付けて離さないアリス膣の中をひっかき回す。もう、限界だ――!
ぷつんと臨界点に達した奇妙な実感とともに、彼女の最奥に亀頭を思い切り叩きつける。
「う、お……!!」
「んぎゃああっ♥♥♥ おくっ、ぉ、お゛、〜〜〜〜〜〜〜っ!!♥♥」
ピストンが乱暴なら、射精の勢いも凶暴だった。すかさずこちらの亀頭にかみついてきた子宮に、暴力的な吐精。背筋から指の末端まで焦げ付くような快楽神経の電流。陰嚢の中身が全て出ていくのではないかと思ってしまうくらい、射精が止まらない。
彼女はいやいやと頭を振り乱しながら身体を丸め、全身を激しく震わせて絶頂している。事前にトイレしていなければ、ここで快楽失禁していただろう。
脳内の幸福アドレナリンによって永遠のように引き伸ばされた数秒間の射精が終わり、彼女の痙攣も弱まってくる。
「は、ぁ♥ う♥ ん、ふぅ、うう♥♥」
「……」
もう少し落ち着くまで、頭を撫でてあげながら待ってやる。まだまだ、愚息は硬さを保ってる。彼女の魔力の影響だ。回復も、精液の回復も早くなってる実感がある。
性感による紅潮で、彼女も自分も汗が出ている。風呂はいった意味ないよなぁと思いつつも、帰ってきた彼女はだいたいまず風呂を要求するから仕方ない。
そんなことを考えていると、こちらの肩口から頭を離す彼女。二回戦は優しくしてあげないといけないかな。焦点の定まらない目で見つめてくる彼女を見つめ返しながら、
「トリック、オア、トリート」
「……上等じゃねえか」
満身創痍でありながらも笑顔を淫靡に歪ませる彼女は、これを大層お気に召したようだった。
彼女の肩を掴み、ベッド上の毛布の上へ押し倒す。枕をひっつかんで彼女の腰の下に置いて、変わらず挑発的な笑顔を魅せつけてくる少女淫魔の膣口に戦闘態勢の陰茎をあてがう。
今日も長い夜になりそうだ。彼女と一緒のこれまでも、夜は長かった。きっと、これからも変わらない。
15/10/30 21:45更新 / 鍵山白煙