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邪悪の果てに
邪悪の果てに

*拷問ショーの始まりです。

魔界銀を使用してますが、残酷描写があります。



カタリナ殿下の対談から3ヶ月経ち、いよいよ国立闘技場にて拷問ショーが開催される。

黒衣の聖者 がショーに出る。そのニュースは瞬く間にノーマンズランドや周辺国に広がり、首都カタリナにはポスターや広告文が溢れかえり、街道はショー見たさに人や魔物娘や馬車でごった返している。中にはやたらと豪華な馬車があり、従僕であるダフネの話によると親魔物国や魔界の王侯貴族までもこのショーを観にくるらしい。勿論、我が雇い主でありこの国の国主であらせられるカルミナ殿下も見に来てくださるそうだ。……ご苦労な事だ。

私はこのショーへの準備と魔界銀を始めとする魔界のあらゆる物質や生物、魔法、魔法薬の研究などで雇い主から与えられた屋敷の研究室に缶詰めだった。研究以外の時間は物を口にするか、眠るか、ダフネを犯していた。そういった訳で初めてこの街に訪れてから外に出た事はない。馬車の窓から見る首都カタリナの景色はむせ返るような熱気に彩られ、照りつける白昼の太陽が霞むほどだ。

国立闘技場に着くとすぐに控え室に案内された。そこで使う道具を確認し、闘技場裏側に向かう。闘技場では前座の剣闘士による試合が行われている。戦争で捕えた捕虜と魔物娘を戦わせ、捕虜が勝てば自由を与えられ、魔物娘が勝てば捕虜を好きに出来るらしい。使われる武器は魔界銀製で、死人が出るような事は無い。また当然の様にギャンブルも行われている。既に観客は興奮の只中だ。

今戦っているのは、中つ国人であろうか?ターバンを巻いた褐色の肌を持つしなやかな体躯の男だ。ダフネによると彼はイシュマール王国の暗殺者だと言う。かなりの手練れのようで曲芸師のような体術を持ち、曲刀を振るっている。

対するは身の丈程の大剣を振るうアマゾネスの女戦士だ。信じられない事にアシュマールの男が放つ神速の剣撃を全て紙一重で躱している。

『旦那様。ああやって、戦士達は愛する者を見つけるのでございます。』

すると一際大きな歓声が聞こえた。どうやら勝負が決まったようだ。喝采と共に犯せ!犯せ!と野次が聞こえる。

アマゾネスの剣闘士は鬨の声を上げるとその場で男を犯した。

その様な試合が幾つか続いた後、いよいよ私の出番となる。円形の闘技場の中心にはまるで処刑台のような舞台が設置されている。

『お集まりの皆様!お待たせしました!本日のメインイベント!!遠く離れたベルモンテ王国より訪れたのは、冷酷無慈悲の邪悪を極めし異端審問官……かの高名なる"黒衣の聖者"ベンジャミン・シュバルツ・リヒター!!』

ファンファーレが鳴り響き、司会者が大仰に私の名を告げた。

『旦那様……行ってらっしゃいませ。』

ダフネがそう言って頭を下げ、私は闘技場へと続くドアを潜る。観客はまるで楽しい見世物や喜劇を見るような様子で猿のような奇声とも歓声とも取れるを上げ、邪悪なる異端審問官を歓迎した。

私が舞台に上がると鎖に繋がれた絹服を纏った老人が連れて来られた。

『本日の犠牲者は同じく遠く離れたベルモンテ王国出身のケント・オーベルシュタイン主神教司教。彼は先のオランジュ独立戦争の折、イスパール王国にて胎牢の刑に処された大罪人ノーマン・ビショップ司教らと共に、主神教福音主義派への執拗な弾圧や民への収奪並びにユタ人虐殺に関与。その後はベルモンテ王国へ戻り若き王子を傀儡にし私腹を肥やした正に悪の権化!!是非とも我らが"黒衣の聖者"に宗教裁判にかけていただきましょう!!!』

司会者がそう言うと、彼に裁きを!!断罪を!!屈辱を!!と観客達は口を揃えて叫んだ。

彼等にとってはオーベルシュタインがどうということは関係無い。残酷で楽しい拷問ショーを観れればそれで良いんだろう。

彼は警備兵により舞台に繋がれた。

『おぉ、久しぶりだなベンジャミン。あの目付きの悪い小僧が大きくなりおった。して……主神教司教たる我を裁くと?宗教裁判だと?』

『ええ、そうです。オーベルシュタイン先生。私はあなたを裁きます。』

ペッ!!

ベチャ……

オーベルシュタインは私に向かって唾を吐き掛けた。

『舐めるなよ若僧!!この裏切り者め!!』

なるほど、これはやり甲斐がある。

唾を拭い、パチン!と指を鳴らすとダフネが今日ここで使う様々な拷問具を持って来た。

『先生、勘違いしないでいただきたい。今、あなたが崇めるべき神は主神では無い……私だ。』

彼の目の前にイグニスの炎により真っ赤になった焼き印を見せる。それには快楽のルーンが刻まれている。奴隷にしるしを付けるにはもってこいの代物だ。

『な、なんと傲慢な!主神の怒りと裁きを恐れるがいい!!』

『ククク……可笑しいな。主神が存在するとして、この状況でまだ私に怒りの火が落ちてはこないぞ?』

私は大袈裟に両手を広げて見せる。

『新約聖典マテウによる福音書27章42節……お前が誠の勇者であるのならば、自分を救ってみせろ……。今のお前にぴったりの言葉だよ。お前が主神を愛し、愛されてると言うのなら、主神が救ってくれるだろうよ先生。』

ダフネが猿ぐつわをオーベルシュタイン先生に咬ませるのを確認し、私は焼き印を彼に押し付けた。

じゅぅぅぅううう

『む"ぅぅぅう"う"う"う"!!!!!』

彼の胸に赤々と快楽のルーンが刻まれた。イグニスの炎に快楽のルーン……苦痛は与え無いが、堪え難い快楽の呪いが文字どうり焼きついた事だろう。白目を向け口から泡を吹いて気絶している。

バケツにウンディーネの水を汲み、ザブリ!と頭から掛けて叩き起こす。

ガッ!!

『ぎぃ!??うがぁぁぁぁああ!!』

ガクガクガクガクガクガクガク!!!

イグニスの火傷にウンディーネの水はさぞ滲みるだろう。

『お前にコレが何かわかるか?しっかりと奴隷の悦びを教えてやる。』

白髪い鬚を掴み、目の前に魔界銀で作られた薔薇鞭を見せつける。

『この哀れな罪人へ、先ずは鞭打ち30回だ!!』

ヒュパン!!!

『ぉ''ぉ"ぉおお"!!』

思い切り薔薇鞭を振るうと、先生の絹服が避け、えぐるように棘が食い込んでいく。魔界銀は身体は傷つけない……が、凄まじい衝撃を与える。その衝撃が焼き印で付けたルーンにより全て性的快楽に変換される。

老体には堪えるようで、豚の様な呻き声と共に、僅かに頭を上げる様に勃った逸物からションベンと精液が垂れ流されると、それを見た観客共は笑い転げ、はしゃいでいる。

しかし、ご老人をいたぶるのは感心しない。絵的にも良くない。気分が悪くなってくる。そしてなにより私が楽しくない。コレをご覧の諸君らもそうだろう?

猿ぐつわを外し、虫のような息をあげるオーベルシュタイン先生の口を無理やり開き、懐から取り出した小瓶の中身を飲ませる。

『ぐっ!??……っは!な、何を飲ませた!!……か、体が!!』

『さぁな……自分の体に聞いてみろ。』

すると、みるみるオーベルシュタイン先生の体が小さく……いや、若返っていく。まるで体をすり潰すように縮んでいき、見た目10歳前後だろうか?老人が繋がれてた舞台には小さな可愛らしい少年が服をダボつかせていた。それを見た一部の幼児趣味の観客からはため息にもにた声が聞こえてきた。

『子供に!?……バカな!!』

よく通る変声期前特有のソプラノの声が響く。

『お前に飲ませたのは、サバトから取り寄せた幼児化薬だ。さて……気分はどうだね?良好かな?』

『……醜悪極まり無い。はぁ……はぁ……我を……元に戻せ!!』

『ククク……良い姿だな。安心しろ。薬の効果は一時的なものだ。時期に元に戻る……が……』

ヒュパン!!

『あぁぁあああああ!!!!』

ビクビク!

ビチビチビチビチ!

『口の聞き方に気をつけて貰おう。私がそう易々と首を縦に振ると思うか?』

『ひっ……ぁあ……うぐ…』

良い声で鳴く。流石は歌楽の天使と呼ばれただけはある。聖学校時代に彼の聖歌を耳にしたことがあるが、それはそれは見事なものであった。

私の感心虚しく当の本人は聞いてる余裕も無いのか、地面に青臭い精液をぶち撒けながら痙攣している。

パチン!!

私が指を鳴らすと、ダフネが甕と大きなじょうごを持ってきた。

『暑いな……さて、こうも暑いと喉が渇いただろ?』

『む"ゔぅぅ!!!』

じょうごの先に付いたホースを無理矢理喉の奥に付き入れ、甕の中にあるゲル状の液体……スライムの体液を流し込む。

『ごっ……お"っ……んぐっ……ぐっ……』

甕の中のスライムの液体は吸い込まれるようにどんどん流れ込むと、それに比例するように、オーベルシュタインの腹がまるで妊婦の様に大きくなっていく。

『うぐぁ……ごっ……お"っおぁ……んぐっ……ぐっ……(やめろ!やめてくれ!!もう入らない!!)』

『そうか、まだ足りないか?』

スライムの体液は食道、胃、腸を犯しながら体を満たすと……

どぶりゅ!!ぶちぶち!ぶりゅりゅぶりゅ!!!!

『お"お"お"お"ぉぉぉぉぉ』

堰き止められたダムが決壊する様に、尻から大量の汚物が吐き出され、やがてそれは透明な液体へと変わっていった。

『無様だなぁ……西方主神教司教ともあろうお方が年端もいかない少年の姿に変えられ、大衆の面前で排泄とは……いやはや、これはこれは!クククククク!!!』

『……うぅぅ』

目の前の少年は眼を赤く腫らし、涙を浮かべて屈辱に耐えている。……まだまだこれからだ。

『さて、これが何か分かるか?』

『……なん……だ?……』

紅い色の液体と銀色に輝くペンを突きつける様に見せる。

『人魚の血と書いた文字が決して消えない魔法のペンだ。コレを使い、先生の背中に隷属の魔法陣を書く。……あぁ、そうそう……人魚の血には不老の効果があるそうだ……。』

『ふ、不老?……!!!!』

気付いたな。そう、人魚の血で魔法陣を書く。隷属の魔法陣自体、“今は”大して重要じゃあない。人魚の血には不老の効果がある。重要なのはソコだ。つまり今のオーベルシュタインに人魚の血を使えば彼は永遠に少年のままだ。幼児化薬の効果が切れたとしても、何年時が経とうともそのままだ。

がしゃん!がしゃん!

『やめろ!やめてくれ!嫌だ!嫌だぁぁあああ!!!』

ヒュズバン!! ブチブチブチブチブチブチブチブチ!!!!!

『あがぁぁぁあああ!!!……ヒュー……ヒュー……ヒュー……』

死にはしない(死ねない)が殺す勢いで薔薇鞭を叩き込むと目の前のボテ腹の少年は静かになった。虚ろな目で頼りない息をしている。

私は彼の胸に焼き刻まれた快楽の呪印の周りに服従の淫紋を描いていく。魔法のペンを走らせる度にオーベルシュタイン先生は可愛らしい少年の声で呻き声を上げる。程なくして魔法陣を書き上げ起こそうとするが、頬を張るも水を掛けるも効果が無い。

『ダフネ。小さい方だ。良く焼いて持って来い。』

『かしこまりました。……どうぞ。』

寝ている奴を起こすにはコレが一番良い。呆けているオーベルシュタインの口を開け、舌を掴み、引っ張り出す。

じゅぅぅぅうううううう!!!!!

『ん"ぼお"お"お"お"お"お"お"お"!!!!』

イグニスの炎での焼き印。快楽の呪印を今度は彼の舌に焼き付け、叩き起こすと、観客から拍手喝采が送られた。

『先生。おはようございます。』

『ぅ……ぁあ…………』

さて、先生も起きた事だ。観客にはもっともっと楽しんでいただこう。

『ダフネ……アレを呼べ。』

『かしこまりました。』

ダフネは闘技場の門の兵士に合図を送る。すると、七色の光と蒸気が吹き出し、その中から檻の付いた大きな御輿の様なものが兵士の乗る馬に引かれて来た。しかし、あの派手な演出は魔法の無駄遣いだ。観客は喜んでいるが……

檻の中に居るのは魔界の深部にある“触手の森”の触手植物だ。ダフネに言い、研究の為に魔界の深部から取り寄せた。

『さて、諸君!私の優秀な助手を紹介しよう!!魔界は触手の森から、触手植物のハルちゃんだ。ハルちゃんにはこれから存分に働いてもらおう!!』

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

人語を理解し、少なからず知性をもつ触手植物のハルちゃんと私は契約をした。ハルちゃんは魔物娘“テンタクル”になる事を望んでいる。それには相当な魔力が必要になる。そこで私達は限定的な主従の契約を結び、ハルちゃんが“テンタクル”になるまでの間、私がハルちゃんを使役し、触手植物の研究と私の仕事を手伝ってもらう代わりに、私はハルちゃんに精と魔力を提供すること。

精と魔力の提供……それはつまり、ハルちゃんをショーに出演させ犠牲者から精と魔力を絞り取らせれば問題ない。今のオーベルシュタイン先生はさぞ美味しそうなご馳走に見える事だろう。

ガタン!

檻が開き、放たれたハルちゃんは粘液を滴らせながらじゅるじゅると音を立てて触手を嬉しそうにくねらす。私はハルちゃんの触手を取り、握手を交わす。

『君の為に用意したんだ。私の言う事に従うこと。後は好きにして良い。』

シュー♪シュー♪

じゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅるじゅる……

『ひっ……ひぃ!!』

オーベルシュタインは怯えている。人懐っこいハルちゃんはオーベルシュタインの頬を撫でた。

ぬと……

『うわぁぁぁあああ!!!』

その無様な姿を見て観客は大笑いしている。悲鳴や喚き声がこの愚かな民衆を喜ばすだけだとまだ理解していないらしい……

『くるなぁ!!くるなぁ!!!』

硬いな……これでは助手に苦労を掛ける。

ジャラ……

んちゅ……れろ……はちゅ……

『んんん!?……ひぅ……あ……ん……』

鎖を引き、少年の唇を奪う。施した快楽の呪印により彼はあっと言う間に体を弛緩させた。……なぜか私を睨み付るダフネと目が合ったときなんとも言えない寒気を感じた。

『ちゅ……。こいつを犯せ。』

シュー♪シュー♪♪

うねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうね

ずるるるるるるるる!!!!!

『アァーーーーーーーーーーッ!!!!!』

『そうそう、ハルちゃんはスライムの体液が大好きなんだ。ハルちゃん……胃や腸にまだまだ沢山詰まっているぞ?』

じゅるじゅる♪♪

ハルちゃんはオーベルシュタインの肛門を正確に探り当てその触手を一気に突き入れた。触手はどんどん奥へと入り込んでいく。

ビクビクビクビクビクビクビクビク!!

オーベルシュタインの体が痙攣した。彼の逸物からは、何も出ていない。ただ虚しそうに上下に震えるだけだ。快楽の呪印があるにせよ、初めての肛門責めで射精を伴わない絶頂……彼は意外に才能あるのかもしれない。

『ぁあ!!いやだ!……ああ!…ぃ''ぃ……いやだぁ!!……もう……がんじ……だぐ……な"ぃ……殺じてくれ!!……ひぃう!……こ、殺してくれぇぇええ!!!』

触手にケツを犯されいるオーベルシュタイン先生が私の足元に這い蹲り、その顔を涙や鼻水や汗や唾液でぐちゃぐちゃにしながら、ブーツを掴んでいる。私はしゃがみ込み先生の頬を優しく撫でてやる。

『オーベルシュタイン先生。私がなぜ“黒衣の聖者”と呼ばれているのか教えてやろう。……拷問を受けた者は皆、最後には這い蹲り、私に殺してくれと嘆願する。その様子がまるで聖徒を導き救う聖者に見えるそうだ……』

ハルちゃんに合図を送ると、空いている触手を一本こちらによこしてきた。

『ククク……ハハ!!この私が聖者とはなぁ!……さて、先生……あなたには少し残念なお知らせですが、私はただの1度も拷問で人を殺した事は無いのですよ。そしてそれはこれからも変わらない。』

シュー♪シュー♪

くぱぁ……うねうねうねうねうねうね

オーベルシュタイン先生の目が暗い暗い絶望に染まる。彼の目の前で触手の先が耳にまとわりつく様な音を立てて分かれた。中は口膣から粘液が止めどなく分泌しており、小さな触手がうねうねと所狭しと蠢いている。

『はぁぁあああ……ーーーーーー!!!!』

音もなく触手が少年の逸物へ食らいついた瞬間、彼は仰け反り声にならない悲鳴を上げた。

観客は笑っていたり、食い入る様に観ていたり、あそこにいる若い魔物娘は拷問中のオーベルシュタイン先生をオカズに自身を慰めている。皆、まるで楽しい喜劇を観ている様だ。

『ぁあ……いぎぃ……は……でる!……でる!!あぁ❤あ❤あぁ❤あ❤あ❤あ❤』

オーベルシュタイン先生の口から艶めかしい声が聞こえてくるようになった。与えられる刺激に慣れ、快楽を享受している……さて、そろそろか………

『あっ❤あ❤あ❤あ❤あ❤あ❤あ❤あ❤………』

『……逝っても良いが、勝手に出すな。』

『ひゃう!!??』

ビクンビクン!!

『ぅうぁ……ど、どう……して?』

シュー!?シュー!?

突然の事にハルちゃんも抗議の泣き声を上げる。

『ハルちゃん。契約は必ず果たす。……今は黙って言うとおりに働け。……さて、オーベルシュタイン先生。あなたはまだ主神を信じていますか?』

『と、とう……ぜんだ。』

揺らいでる、揺らいでる♪……しかし、まだ彼の中には信仰がある。最後の拠り所だろう。80年以上それに縛られているのだ、仕方がない。

『……では、自分の姿を見てみるがいい。』

氷と水の魔法で作った即席の鏡を空気中に浮かべると、オーベルシュタイン先生の顔が凍りついた。10歳前後の可愛らしい金髪碧眼の少年が逸物とケツを犯され、全身に絡みつく触手に淫らに顔を蕩けさせていた。

『見えるか?お前自身の姿が。胸には快楽の呪印に服従の呪印……使われた人魚の血によって可愛らしい少年の姿から永遠に歳を取らない。……これで人間といえるのかね?……ましてや、主神教の聖徒といえるのかな?主神教司教“だった”お前なら、今のお前自身の様な者をどうするか……自身が一番良く知っているだろう。』

『あ……あ………』

『この状態で主神教国へ返しても良い。どうなるかは目に見えているが……。』

『……………………』

『……お前には、最早何もない。憐れな事に何もありはしない。お前が信じるモノもお前を助けはしない……主神は降りて来ない。……だか、私ならお前を救える。』

『す……く……い……?』

『そうだ。……一言。ただ一言、主神を否定すれば良い。そうすれば……』

パチン!

ぐちゃっ……

『あっ❤………』

『永遠の快楽と享楽を与えると約束しよう………』

うねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうねうね

『ひっ……あっ❤あっ❤あ❤あ❤』

さぁ言え!否定しろ!そうすれば、この拷問は完成する。主神を否定する。オーベルシュタインにとってそれは自身の全てを否定するに等しい。人格、思想、精神、自分自身の人生も何もかも。

『我は……主神を……否……定……す……る……。だから……永……遠の…か……快……楽……を!!』

『アハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!……求めよ、然らば与えん。我に拠り頼む者は幸いなり……ククク……ハハハ!!良いだろう。この憐れな黒き仔羊に永遠の快楽を!!!さぁ……貪るが良い!!!』

命令を解くと同時にハルちゃんが激しく責めたてた。

『ああーーーーーーーーーーー❤❤❤❤❤』

ビクビクビクビクビクビクビクビクビクビクビクビクビクビク!!!!!

オーベルシュタインの股間に吸い付いたハルちゃんの触手が激しく脈打つ。尻に入った触手は体内に残るスライムの体液を求め、より深く、より奥へと目指す。既にオーベルシュタインの腹は触手で埋め尽くされているようで、ボコりと腸の形が浮き出ている。それでは飽き足らず更に体内を犯していると……

うねうね……ずるずる……うねうね……ぶちゅ!!ずるるるるるるるる!!!

『お''ろ"ろ"ろ"ろ"ろ"!!??』

オーベルシュタインの口から遂に触手が顔を出した。スライムの体液や胃液、触手自ら出す分泌液でドロドロになったそれが、か弱い少年の腸と胃を犯し口から生えている。なんとも我が助手ながら容赦がない。

まぁ、等の本人は嬉しそうに目を蕩けさせているが……。

『む''ぅ❤む''ぅ❤……(もっと)❤』

まだ足りないとは驚きだ。抑圧されていた欲が全て性欲になっている?まぁ良い。望み通りにしてやろう。

魔法のペンと人魚の血の残りを使い、空中に快楽のルーンを描く。魔法転送する位置は……奴の肛門内部の前立腺だ。念じると空中に浮かんだ淫紋が消え、オーベルシュタインの身体が淡くピンク色に光る。

瞬間、壊れたゼンマイ仕掛けの人形の様に痙攣する。股間に吸い付いた搾精用の触手が狂った様に脈打ち、取りきれない精液がゴプリと溢れている。ハルちゃんは嬉しい悲鳴を上げ、オーベルシュタインは快楽を貪る。

身体に施された全ての淫紋が煌々と光る。

触手がさらに激しく体内を弄り、責め立てる。

ビクン!!!!

『お"ぉ"ぉ"ぉーーーーーーーー❤❤❤❤❤❤❤!!!!!』

どぶりゅっるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるるる!!!!!!!!

盛大な絶頂。司祭だった者が神を否定し、自身の一切合切を無駄にし、快楽を貪り、盛大に果てる。波打ち際に打ち上げられた魚の様にただ痙攣する年端もいかない少年を見て、観客からは拍手の雨が降り注ぎ、ウットリとした様子で見ている。

拍手の雨の中、私は聖職者然と両手を広げ慈悲深く告げる。

『これより哀れな罪人へ、最終審判を!!』

ハルちゃんが触手を引き、オーベルシュタインを解放する。触手が離れた逸物からは壊れた蛇口の様に精液が漏れ、触手が引き抜かれた肛門からは粘液がゴプリと卑猥な音を立てて溢れた。ビクンビクンと時々動く以外は穴という穴から液体を垂れ流し、眼は虚空を写し頼りない息をするだけだった。彼の手枷を滑車付きの鎖に繋ぎ、足枷の鎖の繋ぎ先を杭から重りに変え、ゆっくりと吊り上げ固定する。

それに合わせる様にダフネが新しい道具を持って来た。人1人入る様な大きな瓶には遠くグランベル王国から取り寄せたアルラウネの蜜がなみなみと注がれている。

今のオーベルシュタイン先生にとっては火と硫黄で煮えたぎった地獄の底も同じだ。落ちたら最後、永遠に快楽の渦に落ち、堕落する事になる。……それはそれで救済であるかも知れないが。

さぁ、後はカタリナ殿下次第だ。

もし恩情を受けることが出来れば、解呪出来る呪いは解呪され、此処での記憶を消されて別の記憶を与えられ、魔物国か親魔物国のどちらかに送られる。そこでごく普通に一市民として生きる事が出来る。

私はこの国の国主、リリムであらせられるカタリナ殿下へ手を向け跪くと、しどけなく横たわっていた彼女はゆっくりと艶かしく立つと数歩歩いて幕屋から出ると優雅に両腕を広げた。

ザザッ!!!

その場に居る全ての者がカタリナ殿下に頭を垂れ、また彼女を見る。

殿下はしどけなく優雅に両腕を前に広げると、少しばかり何かを思う様な間を置き、そして怖気を振るう美しくも残虐な笑みを浮かべて親指を立て、首の前を掻き切る様に動かし、その指を地面に向けた。

すると、全ての観客が親指を立て、それから地面に向けた。



"墜とせ!!" "墜とせ!!" "墜とせ!!"


人々は口々に叫び、興奮は最高潮に達した。


どこまでも、この愚かな民衆共は快楽と享楽を求めるらしい。私は仰々しく一礼をすると腰に付いたカタナをスラリと抜いた。カタリナ殿下から『これなら役に立つでしょう。』と言われ送られたものだ。謁見の際に召し上げられた物だが、魔界銀を使用され今に至る。もうこの刃で生物を殺す事は出来ない。しかし、生物に対して与える衝撃は一太刀で意識を刈り取る程に鋭く、物に対しては強力無類だ。


ギラリと鈍い光が太陽を反射する。

『ひっ……あっ……あっ……』

オーベルシュタインは夢に魘される様な声を上げるだけになっている。

ヒュ……

スパン!!!

滑車に繋がれた鎖を断ち切ると、鎖はジャラジャラと音を立ててオーベルシュタイン諸共、アルラウネの蜜がなみなみと注がれた地獄の釜の底に堕ちていった。

ザブン!!ゴポ……ゴポ……ブク……

金色の蜜に沈む恍惚と歓喜を映したオーベルシュタインを確認すると、ダフネが瓶に蓋をした。溺れる心配は無い。冬眠中のアウラウネ夫婦の様に、呼吸は蜜中の魔力が助けてくれるだろう。

私は魔法のペンをもう一度取り出し、空中に大きく

" 童貞娼年の蜜漬け、調教処理済み。
金 500ジュエル をノーマンズランド国庫に納めた独身魔物娘の中から幸運な者に与えられる。"

そう書いた。どうだ?貴女が望む享楽は此処で、貴女が自身の野望の為に望む富はこれで手に入るぞ?

私は跪いてカタリナ殿下に忠誠の礼をすると、彼女は優雅に緩やかな速度で何度も手を叩いた。

パチ……パチ……

パチパチ……パチパチ……

パチパチ…パチパチ…パチパチパチパチ

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

ワァァァアアアアアアア!!!!

『冷酷無慈悲の邪悪を極めし"黒衣の聖者" ベンジャミン・シュバルツ・リヒター氏の素晴らしい拷問ショーは如何でしたでしょうか!?』

パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ

"黒衣の聖者!!" "黒衣の聖者さま!!"

観客は歓喜を持って邪悪な異端審問官を祝福する。それはまるで本物の聖者に対するものの様に。拍手の雨はやがて色取り取りの花に変わり、闘技場は花の海となった。

けれども、そこには何もない。恐ろしい程に何もない。

今日、私は初めて明確に人を殺した。それは生命では無く、オーベルシュタインの信仰や感情やそれまでの人生だ。オーベルシュタインはこの先、おそらく彼を欲しがり、国庫に金を寄付した幸運な何処かの魔物娘に引き取られ、その誰かにより永遠の愛と幸福と快楽を彼の好む好まざるに関わらず手に入れるだろう。人間をインキュバスに変えるとはこういうことなのであろう。

私はオーベルシュタインの価値感を奪いインキュバスにし、人間としての彼を殺した。

……果たして、今日死んだのは人間オーベルシュタインだけか?今日この場で生まれたのはインキュバスのオーベルシュタインだけか?

もし、もしも……だ。私がユタ人でなければ、もし、私がこの国で……いや、この国でなくとも何処か遠い国で生まれていたら、私は歪まず、誰にも蔑まれず、自身の運命や生まれを呪う事なく、邪悪に染まる事も無かったであろう。

今私は称賛と栄光の嵐の中にいる。もし、何処かで何かが違っていれば、別の形でこの光を手にできたのかもしれない。

ここに立っているのは、蔑まれるべきユタ人の邪悪な異端審問官では無い。今は光輝く英雄がその産声を上げ、歓声を欲しいままにしている。

黒衣の聖者は……他ならない私が殺した。

投げ入れた花を踏みつけながら闘技場のステージを後にする。ふと見上げると、カタリナ殿下が何かを成し遂げたような、憐れんでいるような視線を私に投げかけていた。




闘技場の控え室の中、無力感に苛まれている。もう、私には何も……

『旦那様……。お疲れ様でございました……』

ダフネが私の後ろから声をかけた。

『ダ……フネ……?』

『旦那様……私が御身の側におります。私が旦那様の寄りべに……世界で唯一人になろうとも私が旦那様に御身にいます。……どうか悲しまないで下さいませ。』

ダフネは穏やかな微笑みを私に向けていた。

『旦那様はどれ程辛く、困難な道でもそれを選んでしまえる勇気をお持ちでございます。誰にも頼る事なく、逃げる事無く、諦める事を厭わない事が……。旦那様はご自分で気付ておいででは無いかも知れませんが、誰よりも強く、そして優しい御人でございます。』

『………』

『旦那様が今日、得たものも、失ったものも、私は存じ上げております。……旦那様と私はずっとこうして繋がっております……』

ダフネと私の左手薬指の契約の環が淡く光る

『ですから、泣きたい時には泣いてもよろしいのですよ?』

ダフネは両手を聖女の様に広げた。

私は誘蛾灯に誘われる羽虫の様に、ダフネの胸で涙を流した。童が母親に依り頼むように……

『ダフネ……ダフネ……』

『旦那様……ダフネはここに……ここにおります。ダフネめは、旦那様を愛しております。』

まるで渇いた大地を癒す優しい雨の様に、染み込んでくる。ダフネの名前……体温……匂い……鼓動の音……。


今、彼女の全てが私の全てになった。





それから……



オーベルシュタイン先生は強欲なベルゼブブの富豪の手に渡り、毎日幸せそうに搾り取られている。

触手のハルちゃんは念願のテンタクルになり、諜報局のエージェントとして活躍している。

私はと言うと、ダフネと共にカタリナ殿下の下で働いてる。諜報局にて快楽拷問により重要人物や捕まえた捕虜から情報を集め、ショーにも出演している。金になるそうだ。

ある時は 首なし騎士の断頭台……魔界銀製の断頭台を使い女勇者の首を跳ね、無理矢理ディュラハンにした後、恐怖に怯える元仲間を襲わせたり

ある時は捕虜の兵士には彼が戦場で殺した女兵士をグールにし、飢餓状態にした後で足の裏だけを舐めさせたり

またある時は精という精を薔薇鞭で叩き、搾り尽くし、サキュバスの秘薬によりレッサーサキュバスへと変えた主神教国の女将軍へ快楽の呪印を身体中、内臓中に施し、クリトリスを逸物程の大きさに肥大化させた後、魔界銀の針が内側にビッシリ犇めきあった貞操帯を着けさせ、3日ほど闘技場に晒し、その間にみっちり調教した元部下の男のケツを掘らせた。


どれも好評である。


『お集まりの皆様!お待たせしました!本日のメインイベント!!冷酷無慈悲の邪悪を極めし異端審問官……かの高名なる"黒衣の聖者"ベンジャミン・シュバルツ・リヒターの登場です!!』


今日も私は闘技場の観客に祈りを捧げ、舞台へと上がる。


『さて、本日の犠牲者は……なんと自ら"黒衣の聖者"に拷問をして欲しいとやってきた変わり者です!!是非とも望み通り、痛め付けてやりましょう!!』

そんな変わり者は誰なんだ?と半ば呆れ半分に舞台へと歩み寄るダフネを見る。彼女が持つ鎖に繋がれていたのは……

『御主人様……来てしまいました❤さぁ、お仕置きして下さいませ。』

メイドのアンだった。

私は込み上げてくる嗜虐心と笑いを噛み殺しながら言い放つ。

『それでは、異端審問を開始する!!哀れな罪人に魔の救いがあらんことを!!』



end.
17/12/18 21:21更新 / francois
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■作者メッセージ
これにて黒衣の聖者が終わります。この物語のきっかけは、魔界のアイテムやらを悪用したらどうなるんだろう?とかまぁそんな感じでございます。あとは、虐められるショタを描きたかったり……有害で申し訳ありません。

今度は童話の様なお話しを書いてみたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。感想などありましたらお気軽に。

ではまたU・x・Uつ

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