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第5章 「友達」として…… 5
 有妃は俺の体に絡みつくと優しく押し倒した。そしてのしかかると二の腕をしっかりと押さえつける。瞳は先ほど以上に嗜虐心と欲望に溢れ、本能をむき出しにした深紅の光を放っているかのようだ。
 でも、そんな彼女は酷薄な美しさに満ちておりとても魅力的だ。嬲られたい、思う様に貪られたい、という思いが溢れてくるのを抑えきれない。いつしか興奮状態に陥り、はあはあと荒い息をつく。

「私が佑人さんのものであるように、佑人さんも私のものですからねっ…。これからはずっと一緒です…。もう絶対に離しませんよ……。」

 ねっとりとする声で耳元で囁くと、有妃は強烈な笑みを浮かべる。魔性の笑みというものはきっとこの事に違いないだろう。知らずに背筋がぞくぞくとしてくるが、それはむしろ心地よく恍惚感すら覚える。
 
 そのまま俺の耳は嬲る様に舐め続けられて、思わず女の様なあえぎ声を出してしまう。耳に掛かる熱い吐息と、ぬるりとした舌のもたらす快楽は想像以上だった。もう絶頂に届きそうになってしまいたまらず哀願する。

「有妃…ちゃん……。もう……駄目だから……。」

「ふふっ…。佑人さんだめですよぉ〜。出すなら私の膣内で、ね……。さ、存分に種付けして下さい………。」

 笑みを浮かべたままの有妃は、はち切れんばかりの肉棒をどろどろの秘唇にあてがう。そこは大きな口を開けて歓喜の液体を垂れ流しており、ひくひくと震えていた。滴りを受けた男根はたちまちぬらぬらの粘液色に染め上げられてしまう。ああ……とうとう食べられるのだ……。だが、この時をずっと待ち望んでいた……。
 
 もう気持ちの昂りを抑えきれなかった。俺は獣の様なものすごい眼差しをしていたのだろう。その姿を見た有妃は優しく労わってくれる。

「ごめんなさい。今まで我慢させてしまいましたね…。これからはずっと気持ち良くしてあげますからっ……。それじゃあ、いきますよ………。」

 有妃はゆっくりと腰を落とした。とたんに一物がぬるぬるの感触に包まれ、きゅうっと締め付けられる。俺が繋がった喜びに包まれようとしたその時だった。終始魔物然とした妖艶な様子を崩さなかった有妃が、うっ、とうめき声を上げた。

「有妃ちゃんっ!」

 慌てて声をかけた俺の目に入ってきたのは赤い色…。俺と有妃が一つになった結合部から流れ出ている血の色だった。まさか、これは…。

「有妃ちゃん…大丈夫っ?」

「ふふっ…。そんな気にしないで大丈夫ですよ…。話には聞いてきましたけど、初めてってこんな感じなんですねえ…。」

 有妃は心配する俺を逆に気遣うかのように気丈に微笑んだ。そうか…。有妃は初めてを捧げてくれたのだ…。まぎれもなくこれは破瓜の証なのだ。
 
 ここまで想ってくれるなんてとても嬉しい…。嬉しいけど、わが身を顧みて不安と自己嫌悪の念も巻き起こってくる。俺はどうしようもない人間だ。信頼に答えられる人間なんかじゃない…。
 彼女と一緒に過ごすようになってからは、久しく囚われる事の無かった劣等感がじくじくと染み出てくるようだ。つい暗い思いが心をよぎってしまう。

「本当に有妃ちゃんは俺なんかで良かっ……んっ………」

 最後まで言葉を続けられなかった。その瞬間、有妃がキスをして口を塞いできたからだ。ぬるりとした舌を入れて俺の舌に絡め、吸い、甘くとろとろの唾液を流し込む。こくこくと呑み込むと心と体が熱く燃え滾り、くだらない悩みがたちどころに消えて行くのを感じた。

「好きになってはいけませんか?それとも…佑人さんだから好きになったと言う以外に理由が必要ですか?」

 頭がぽーっとなった俺に、有妃は優しく教え諭すように語りかけた。先ほどまでの加虐的な魔物の視線では無く、慈愛深くとても温かい眼差しで……。その柔らかに澄んだ真紅の瞳に思わず見入ってしまう。

「ねえ佑人さん……。佑人さんが色々と抱え込んでいるのはわかっていますけど、もうこれからは何も思い煩う事は無いんですよ。不安や悩みは全部私が預かりますからっ!どんな小さな事でも遠慮しないで委ねて下さい。
 大丈夫ですっ!私が良い奥さんになって佑人さんを幸せにしますからねっ!」

「本当にありがとう…。こんな俺もだけど…有妃ちゃんを幸せにするための役に立ちたいな…。」

 有妃は安心させる様に力強く宣言すると、笑ってうなずいてみせた。でも、そんな有難い言葉にも俺は自信なさげな態度を取らざるを得なかった。実際役に立つ、幸せにする、と断言できないのが本当に情けない。

「ふふっ…。もう佑人さんは私にとって無くてはならない人なんですよ。頼りにしていますからねっ!でも…無理して背伸びはしないで下さい。今のままで十分なんですから。
 あ、私の物言いが偉ぶって聞こえたらごめんなさい…。二人で一緒に幸せになりましょう。そう言いたかっただけなんです……。」

 少し落ち込んだ俺を優しく励ましてくれる有妃だ。良かった…。こんな子と一緒になる事が出来て本当に良かった…。もう感極まって涙ぐみそうだった。有妃は慰める様に俺の頭を撫でると、自身の体の中に挿入されている男根をきゅうっと締め付けてきた。急激な快感を与えられた俺はたまらず呻き声を漏らしてしまう。

「佑人さん…。これ以上の言葉は野暮、ですよっ……。ねっ………。」

「うん………。」

「それじゃあ…。これはどうですかぁ〜。」

 有妃が悪戯っぽい表情を浮かべたと思ったその瞬間、胎内に包まれている肉棒に温かく柔らかい何かが吸いついてきた。それは雁首をしっかりと包み込むと、急所である裏筋と鈴口を舐めるようにして刺激し始める。
 
 想像もしていなかった快楽を身をよじって逃れようとした。だが有妃は俺にのしかかると再び二の腕を押さえつける。そして悦楽に身悶えする姿を見て、にやにやと薄ら笑いを浮かべた。つい先ほどまでの思いやりと慈愛に満ちた笑顔ではなく、残酷に俺を食らいつくそうとする魔物の笑い。いつの間にかそれに戻っていた。

「有妃ちゃん…。これって……。」

「はい。これは私が佑人さんの子供…卵を宿すために使う子宮口ですよぉ〜。やっぱり子種を直接注ぎ込んで孕ませて欲しいですからねっ……。」

 虜にする様な魔の声音で言いながらも、雁首に延々と刺激を加え続ける。俺はひたすら喘ぎ続けるしかなかった。でも、孕ませる…。オスの本能に訴える言葉に俺も改めて気づく。そうだ。俺たちがしている行為は間違いなく生殖だ。俺は有妃と交尾しているのだ…。
 
 そう思うとますます気持ちが高まり、無意識のうちに腰を突き上げていた。何度も何度も突き上げ快楽を貪ると、頭は性の喜びを得る以外の事は考えられなくなって行った。

「あはっ!!…。佑人さん興奮しちゃったんですかぁ〜。でも…。どうやらお気に召したようですねえ〜。いいんですよぉ〜。好きなだけよがって下さいねっ………。そうですね…それじゃあもっときもちよくしてあげます〜。」

「有妃ちゃん待って!……つっ!……駄目だからっ!それっ…強すぎるからっ!……駄目っ!」

 哀願する俺を無視するかのように、鈴口と裏筋に加えられる愛撫が急激に強まる。まるで精液を強引に吸い取ろうとするかの様な激しさだ。何度も何度も敏感な部分が舐める様に刺激される。俺は知らぬ間に獣の様な声を上げて愉悦に溺れた。そんな姿を見た有妃は嘲る様に笑う。

「ふふっ…。と〜っても淫らでよいお顔ですよぉ〜。もっと見せて下さいねっ…。」

 そう言った有妃は顔をま近に近づけてきて、じいーっと嗜虐的に俺を見続けた。

「はっ…恥ずかしいから駄目だって……。つっ…顔を…そんなに近づけないでっ!…恥ずかしいから……駄目だから……」

「駄目ですよぉ〜。せっかくの私の初体験に、変な事を言って趣を削いだ佑人さんへのお仕置きなんですからっ…。とにかく佑人さんは恥ずかしい顔を見せていればいいんですよっ!!」

 有妃は羞恥心に顔を赤らめる俺を鼻で笑った。そして蔑むような表情を見せると目を輝かす。赤い瞳が暗い炎で燃えているかのようだ。ああ、俺を辱めながらも興奮してくれているんだ…。そう思うと、欲望をもう抑えきれなくなっていった。この滾りをぶちまけたい…。熱い子種汁で思いっきり子宮を汚してやりたい…。俺は腰をひたすら突き上げ続けた。

「あははっ…。佑人さんのオチンチンぴくぴくってしてますよぉ…。出したいんですか!?せーし出したいんですか!?いいんですよ。遠慮しないでたーくさん出して下さいっ。私のおなかの中にぴゅーぴゅー注いで下さいっ。一発でニンシンさせて下さいっ。」
 
 魔物娘の本性を現したかのように有妃は精をねだり続ける。蠱惑的で、まるで嘲弄するかのように。そんな姿を見ていると甘い陶酔感が襲い、次第に絶頂が近づく。

「ゆき……ちゃん……。そんな…見ないでっ。もう…おれっ。おれっ…。」

「ふふっ…。イクんですね!?私にヤらしい顔を見られてイッちゃうんですね!?見せて下さいっ!エロく絶頂する所を見せて下さいっ!!さあっ。」

 魔の欲望を燃えたぎらせる有妃の瞳が赤く輝く。とたんに一段と締め付けが強まり、限界寸前のペニスを襲う。俺は獣の様に叫ぶと最後の一撃を子宮に見舞った。子宮口もそれに答えるかのように鈴口を責めたてる。もう、ここまでだった。

「あ゛―――――――――――――――――――ッ!!」

 もう、駄目だ………。凄まじい快楽の中、俺は絶叫した。そして熱いものが尿道口を駆け抜けると、熱く、柔らかい有妃の胎内にぶちまけられるのを感じた。頭の中が真っ白になって、子宮に精液を注ぎ込み続ける快感だけを欲し続ける。子宮口も鈴口に張り付き、ひたすらに精を吸い続け、その刺激で俺はさらに精を漏らし続けた。

「ははっ…。イッちゃいましたか…。とっても可愛かったですよ、佑人さんっ……って、なに!?これって………いいっ!!すごいいいっ!!こんなだったなんてっ!!おいしいっ……。ゆうとさんのせいがおいしすぎるううううっ………。もっと…もっと…もっとおおおおおおっ………。」

 精が注がれた有妃は余裕の表情で見降ろしていたが、突然半狂乱になって喚きだした。そして腰を激しく動かし肉竿を子宮口に叩きつける。ごりごりとした刺激を受け俺もたちまち二度目の絶頂感が高まってきた。

「ゆき…ちゃん…。いきたい…。もっといきたい。もっとだしたい。だしたいだしたいぃぃぃぃっ…。」

 魔性の淫楽に囚われ理性が崩壊した俺は、ただ射精を望んで呻き続けた。有妃も先ほど以上の堕落した表情を見せると淫らすぎる笑みを見せる。

「いいんですよっ。もっとだしてっ。ゆうとさんの精をもっともっとわたしにご馳走してくださいっ……。ほらっ。きゅーってしてあげます…。」

 ああっ。またっ……。雁首を激しく吸引されるとたちまちのうちに二度目の爆発が起こった。一度目に劣らないほどの大量の白濁液が有妃の子袋を満たす。
 もう俺は精を放つ以外の事は考えられなかった。オスとして自らメスに種付けするのではなく、襲われ、食らわれ、ひたすら貪られつづけるのだ。だが、有妃に征服され、凌辱されて心にあるのは喜びだけだった。俺は歓喜の叫びを上げながら精を捧げ続けた……。













17/03/08 01:21更新 / 近藤無内
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■作者メッセージ
次に続きます。

書きながらふと正気に戻り、男の羞恥プレイなんて誰得だよ…と思いましたが
まったく後悔はしていませんっ!

今回もご覧いただきありがとうございます。

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