番外編〜極限世界ぷちねた劇場そのよん〜
※キャラクターを二頭身に脳内変換してお楽しみください。
〜○○プラス〜
[第五十六話より]
「かはっ……!あぐ……!?」
「兄様!?兄様しっかりするのじゃ!」
全身に針を入れられ、絶えずその痛みにのたうち回る感覚。
内蔵がドロドロと溶けて熱くなっている気がする。
実際は数分間程度だろうか……永遠とも呼べるような苦痛は水が引いたように消えていき、あとに残されたのは汗だくで疲弊しきった俺だけだった。
「はぁッ……はぁ……生きているか?俺。」
「に、兄様……?その姿は……」
そういえば何だか体の感覚がおかしい。
四つん這いの体勢の筈なのにこれといった違和感がなく、視界がいつもの高さとさほど変わらない。
全身が酷く暑苦しく思えるのも妙だ。そこまで厚着はしていない筈なのに。
一体何が起こったのかと下を見てみても自分の手がない。
いや、確かに手はあった。もはや手と呼べない代物に変化していたが。
自分の手は床板へとまっすぐ伸びており、その腕には白いモコモコとした体毛が生えている。
手のある位置には何故か蹄のような物が。
背後を見ると体をひねっていないにも関わらず後ろを見ることができた。まるで首がそのまま長くなって後ろを見ることが出来るようになったような……というより、背中が妙に広い上に上から見下ろせる……?
「アル……パカ?」
「なんじゃこりゃぁぁぁぁああああ!?」
〜歯が命〜
[第五十七話より]
俺はナイフを引き抜くと手の上で回転させて刀身を指で挟む。
体勢を整えて狙いを付け……
「………………っ!」
投げた。
ナイフはクルクルと回転しながら綺麗な直線を描き……
─ガシィッ!─
さっと振り向いた鹿の歯によってがっちりと受け止められた。
鹿はそれを首を振って放り捨てるとまた草を食み始めた。
「「(こいつ……できる!!)」」
〜中二病〜
[第五十八話より]
「んと……これと……これ!」
テーブルの上に広げられたトランプをアニスちゃんがめくる。
一枚目がスペードの4、二枚目がハートのJだ。
「残念、そんじゃ次は俺の番だ。」
「う…………」
右上の方と中央近くをめくる。ダイヤの3と……あれ?
「カードが消えたぞ?」
手に取ろうとしたカードが瞬きをする間に消えていた。一体どこに……
「ざんぞうだよ?おにいちゃん♪」
その手には俺が取ろうとしていたカードが。
「なん……だと……?」
『反則でアニス様の負けです』
〜○カイ系〜
[第六十一話より]
中心部の幹線エレベーター施設へと行き、エレベーターを呼び寄せるボタンを押す。
するとエレベーターが地上階まで登ってきてベルの音を鳴らしながら扉が開いた。
そして中から和服のおばちゃんと妙にひらひらハデハデの服を着たおっさんが出てくる。
「べんきょうしまっせひっこしの〜s」
「ふんぬっ!」
二人まとめて蹴りつけてエレベーターの中に押し戻し、『閉』ボタンを押して強制的に退出させた。
「……別のエレベーターを呼びましょうか。」
「……だな。」
「……ふぇ!?なに、なにいまの!?」
『気にしたら負けです』
〜メモ〜
[第六十一話より]
ふと、彼のコートの内側が熱くなる。彼が取り出したのは一枚の紙だった。
指定した人物の状態が変わるとその紙も変化する、『シンクロ』という術式が込められた式符。
その紙にはこう書いてあった。
『買い物リスト 食パン1斤、トマト3個、キュウリ3本、マーガリン一箱』
「…………?」
〜ぶつぶつ〜
[第六十三話より]
何かぶつぶつ言いながら辺りをキョロキョロと見回している少年がいる。
比較的若い……15,6歳程度だろうか。腰には繊細な装飾が施された剣を帯びており、マントで隠してはいるものの、堅牢なブレストプレートを装備している事が隙間から垣間見える。
髪は黒髪。日系人のような顔立ちから推察するにジパングとのハーフだろうか。
「タ○ねぇの同人誌……タ○ねぇの同人誌……」
ある訳ねぇだろ。
〜彼の秘密〜
[第六十五話より]
「君がどこから来たのだろうが関係ないよ。条件次第で魔物は危険な生命体に変貌してしまう……僕にとってはこれで十分だ」
彼のマントの中からバサバサと何か薄い本のようなものが落ちる。
その本の表紙には赤い髪の少女が描かれていて……
「あったのかよ……」
「見るな……見るなぁ!」
〜豆知識〜
[第六十五話より]
部屋のテーブルについて鍋の蓋を開けた途端、言葉が消え失せる。
丸く灰色で平らなものが鍋の中で煮こまれている。ご丁寧にも温度を維持する魔法でも掛けられているのか、いまだに熱々だ。それは嬉しいのだが……これは、スッポンか?
でも明らかに不釣り合いな物がぐつぐつと煮えた甲羅の上に乗っている。
大豆のような形状に犬のような顔と尻尾がくっついている。
○<ねぇ、知ってる?
唐突に喋り始めた犬豆(仮)。
○<すっぽんに噛み付かれた時は水の中にそっと沈めてあげると離してくれるんだよ。
これ以上聞いてもロクな事を喋りそうに無かったのでスプーンで掬って口の中に放り込んでガリガリと噛み締める。
○<あ〜……
「さて、食うか」
「何事もなかったように言っているが異常事態だからな!?」
〜好きな物〜
各人に好きな食べ物を聞いてみた。
アニスちゃんの場合
「おむらいす!」
ニータの場合
「乳製品全般かなぁ?あ、雑穀入りのビスケットも好きだよ」
フェルシアの場合
「種族柄というのもあるかもしれないが肉は好きだな」
ミストの場合
「アルテアの精液」
『身も蓋もありませんね』
アルテアの場合
「食べられるもの」
『ストライクゾーン広すぎませんか?』
〜スポーツ〜
たまには健全な汗もかこう、ということでいつものメンバーを誘って球技大会をすることにした。
「あ〜……行くぞ?」
「バッチコーイ!」
種目はドッジボール。軽くルール説明をして陣地を分けたのだが……フィーがなんだか乗り気じゃない。
ここは一つスポーツの楽しさでもメコォ
「ふむ……やはり私は向いていない気がするな」
彼女の投げた豪速球が俺の顔面にめり込み、意識が一瞬にして刈り取られる。
顔面セーフなんてなかった。
12/08/17 21:34更新 / テラー
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