神子の駆け落ち-1
神子。
それは正しく主神からの恩寵を受けたもの。身に宿した神力は、魔物を蒸発させる。神力の尽きぬ限り、魔物に決して屈することなき選ばれし戦士。しかしその者が勇者になることは滅多にない。大抵は大切に祀られ、教団に囲われ、司教となりその一生を終える。そして、神子のいる教会は一度たりとも堕落したことがない。それは今代魔王リリスの世でも変わらず、ある日、彼はこの世界に生み落とされた。
彼の名を、ナギと言う。
「リン、ごめんな」
ナギはまだ食べ足りないという顔をした愛しい彼女に謝った。これでも3回頑張って出したのだが、仕方ないのだ。神の祝福が途切れぬ限り魔物になることができない彼には、これが限界だった。これ以上ヤられると、腹上死してしまう。
「ううん、いいの、ナギくんのために我慢するから…」
「ごめんね…こっちは使うことができないけど、手でなら頑張るから…」
そう言って、僕は指を割れ目に入れて、胸の先を弄ると、彼女は可愛らしく鳴いた。
かれこれこのようなことを続けて、10年は経つ。
10年前、僕は彼女と駆け落ちした。神子という立場でありながら、僕は窓の外で強力な結界の3枚目に弾かれて墜落していく彼女に一目惚れした。窓から彼女の姿が見えたとき、僕は思わず、今まで育ってきた教会から初めて出た。彼女は、対魔結界の2枚目の内側で蹲っていた。
「大丈夫ですか?」
「…ん…あ…私は…大丈夫…」
目があった瞬間。びびっと電流が走った。同時に頭を教義が過った。こいつは魔物なのだと、直感的に察した。人を食うという、魔物。理屈でいけない、逃げなきゃ、とわかっていても、心が先に動いた。
「あの、お腹空いてない?大丈夫?力出る?飛べる?」
お腹が空いているのではないかと思い、台所からくすねてきたパンを一欠片差し出す。もしかしたら、自分が喰われるかもしれない。ただ、もし魔物が自分の一部を食えば、たちどころに魔物は神力に侵され死んでしまう、と聞いていたものだから、自分が喰われようとして少しでも血液に触れれば、たちどころに彼女は苦しんで死ぬものだと思っていたからだ。彼女がいいの、と尋ねたので、僕はいいよ、と返した。彼女は手を伸ばした。
パンではなく、僕のパンツに。
パンツを一気にずり下ろされ、露わになる僕の性器。それに口付けられて、小さい頃の僕は固まった。それと同時に感じたことのない違和感が下半身を走って、僕はお漏らししてしまった。人前でお漏らしした罪悪感があったのに、何故かすっきりとした気分で不思議な感覚だったのを、今も覚えている。
「ご馳走様」
彼女は自分の口元を拭うと、とん、とん、と2回軽くジャンプをしたあと、思いっきり助走をして、跳んだ。二つの結界は、彼女の勢いを少し減速させたようにも見えたが、彼女はノーダメージでさらりと通り抜けていった。
それは正しく主神からの恩寵を受けたもの。身に宿した神力は、魔物を蒸発させる。神力の尽きぬ限り、魔物に決して屈することなき選ばれし戦士。しかしその者が勇者になることは滅多にない。大抵は大切に祀られ、教団に囲われ、司教となりその一生を終える。そして、神子のいる教会は一度たりとも堕落したことがない。それは今代魔王リリスの世でも変わらず、ある日、彼はこの世界に生み落とされた。
彼の名を、ナギと言う。
「リン、ごめんな」
ナギはまだ食べ足りないという顔をした愛しい彼女に謝った。これでも3回頑張って出したのだが、仕方ないのだ。神の祝福が途切れぬ限り魔物になることができない彼には、これが限界だった。これ以上ヤられると、腹上死してしまう。
「ううん、いいの、ナギくんのために我慢するから…」
「ごめんね…こっちは使うことができないけど、手でなら頑張るから…」
そう言って、僕は指を割れ目に入れて、胸の先を弄ると、彼女は可愛らしく鳴いた。
かれこれこのようなことを続けて、10年は経つ。
10年前、僕は彼女と駆け落ちした。神子という立場でありながら、僕は窓の外で強力な結界の3枚目に弾かれて墜落していく彼女に一目惚れした。窓から彼女の姿が見えたとき、僕は思わず、今まで育ってきた教会から初めて出た。彼女は、対魔結界の2枚目の内側で蹲っていた。
「大丈夫ですか?」
「…ん…あ…私は…大丈夫…」
目があった瞬間。びびっと電流が走った。同時に頭を教義が過った。こいつは魔物なのだと、直感的に察した。人を食うという、魔物。理屈でいけない、逃げなきゃ、とわかっていても、心が先に動いた。
「あの、お腹空いてない?大丈夫?力出る?飛べる?」
お腹が空いているのではないかと思い、台所からくすねてきたパンを一欠片差し出す。もしかしたら、自分が喰われるかもしれない。ただ、もし魔物が自分の一部を食えば、たちどころに魔物は神力に侵され死んでしまう、と聞いていたものだから、自分が喰われようとして少しでも血液に触れれば、たちどころに彼女は苦しんで死ぬものだと思っていたからだ。彼女がいいの、と尋ねたので、僕はいいよ、と返した。彼女は手を伸ばした。
パンではなく、僕のパンツに。
パンツを一気にずり下ろされ、露わになる僕の性器。それに口付けられて、小さい頃の僕は固まった。それと同時に感じたことのない違和感が下半身を走って、僕はお漏らししてしまった。人前でお漏らしした罪悪感があったのに、何故かすっきりとした気分で不思議な感覚だったのを、今も覚えている。
「ご馳走様」
彼女は自分の口元を拭うと、とん、とん、と2回軽くジャンプをしたあと、思いっきり助走をして、跳んだ。二つの結界は、彼女の勢いを少し減速させたようにも見えたが、彼女はノーダメージでさらりと通り抜けていった。
22/02/22 03:10更新 / 外郎売
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